5月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

1ヶ月間では過去最高距離のトレイルを走った5月も、どうにか無事に終えることができました。

上田スカイレースから始まり、FTM、箱根外輪山と、長距離かつ高負荷のトレイルが1ヶ月の間に立て続けに入り、最も心配していたのが故障。

上田やFTMの後には、一時的にふくらはぎが強く張って危ない時期もありましたが、そこはペースを極力抑えたジョグを継続することで、どうにか切り抜けることができました。

一方で、そうした脚へのダメージや疲労感からの回復が、トレイルを走るたびに少しずつ早くなっていく感覚が得られ、段階的に脚が出来上がっていく様子が体感できました。

おおよそ中10日のペースで3度のロングトレイルを取り入れた5月。心配された故障はどうにか回避できました。

今月はトレイル率が3割もあったため単純に比較することはできませんが、走行距離的には4月とほぼ同等の362km。

4月より1日多いため、平均すれば若干距離は抑えられましたが、トレイルの負荷はダメージが残ることを考えると、月あたりの総負荷量は格段に上であったと思います。

3分の1がトレイルとなった5月。

その意味でも、5月に入る際に最も気掛かりだったことは、やはり練習を間違えるとどこかで故障が発生してしまうだろうということ。

ただ、それは7月の本番までは常に付きまとうリスクであるため、今後も全く油断はできない状況です。

そして、この4月、5月は昨年の1月、2月以来、久しぶりに2ヶ月連続で月間350kmを超えた二月でもありました。

ここ数年で最も長く続いたのは3年前の5ヶ月でしたが、やはり月間350km超えが一定期間続くと故障のリスクは上昇します。

特に、昨年のように突然距離を延ばした時は確実に故障をするため(昨年は5月にいきなり390kmを走って6月に故障)、ここから先は特に慎重にならなければなりません。

久しぶりに2ヶ月連続で350kmを超えた、この4、5月。

さて、この5月までに、目標であったトレイルの走力を、7月のレースで完走できる程度にまでは高めるということは、おおかた実現できました。

この力を、長いようで短く、短いようで意外と長い残り2ヶ月、どう維持するかが課題です。

故障を恐れて何もしなければ、間違いなく走力は落ちますし、かといって50kmクラスのトレイルを何度も入れるのはリスクが高すぎます。

考えられる取り組みとしては、ここまで月3回程度取りれてきたトレイル練を、月2回ほどに抑えたり、一度に走る距離も30km、累積2500m程度に抑えるなどの工夫でしょうか。

55km、累積4000m超えという、もはや未知なるボリュームをやり切るためには、ペース配分が最大のポイントだと思われ、ある意味故障さえせずに今の状態で当日を迎えれば、走力要因よりもペース要因の方がはるかに影響を及ぼしそうな気もしています。

いずれにしても、日々の練習で常に脚の状態を注意深く監視し、やりすぎるくらいならやり足らない方を選択する意識を持って、慎重に練習を継続していこうと思います。

5月の到達目標

こんにちは、ランマニアです。

4月から開始した、7月の世界選手権のためのトレーニング。

移動距離55km、累積標高差4141mという未体験のレースとなるため、その完走のためにはかなり周到な準備が必要であると考えていました。

いきなりこの距離に挑戦するのは無謀なため、4ヶ月かけてこれを走り切る体を段階的に作っていく計画を立てていました。

まず、4月は30km程度の距離を走ってもあまりダメージの残らない脚を作ること。そして、累積で1500m程度の山を余裕を持って走れるようになること。

4月終了時点で、月間の走行距離が久々に350kmを超え、ひとまず前者はクリアした実感を持ちました。

また、3週連続で週末にトレイルを走り、最終的には距離21kmで累積1500m程度の山を、ダメージを残さず走れるようにはなりました。

4月に設定していた到達目標は、ひとまずクリアしたと言えるでしょう。

4月はいわば「基礎体力作り」の月。ひとまず目標は達成したと言えるでしょう。

そして、ひとまずの基礎体力が身についたところで、5月に入りました。

正直なところ、6月が終わるまでに55km、累積4000mを余裕を持って走れるようになるのが理想なのですが、レースの一月前にあまり無理をして故障をしたり、体調を壊したりするのはかなりのリスクだと思い、できれば5月中にどうにか完走できる程度の体には仕上げておきたい、と考えていました。

具体的には、移動距離50km程度で、累積3500m程度、と言ったところですね。

ちょうど、Twitterでフォローさせていただいている有馬さんから、ドンピシャの距離と累積の練習会(箱根外輪山一周)を、5月の最終週にご提案いただき、とにかく5月はこれを完走することを到達目標と考えて練習を続けることにしました。

そしてその練習会が昨日行われたのですが、結論から言うと、休憩をしっかり取りながらどうにかこの距離と累積のコースを走り切ることができたのですね。

箱根外輪山トレイルは、一周47km、累積標高差3600mほどという、今回の到達目標としてはまさにうってつけのトレールコース。

5月は第1週の上田シリーズ(バーティカルとスカイレース)を皮切りに、そこから中10日でFunTrailMinano(50km 累積2500m)があり、そしてそこから中11日で昨日の外輪山が計画されている、結構ハードな1ヶ月だったのです。

上田スカイレースは、25kmで累積3000mというワールドクラスなコース設定のため、はっきり言って4月くらいのトレーニングで到底太刀打ちできるコースではないため、案の定終盤お粗末な走りになりました。

完走はできたものの、2年前のPBにははるかに及ばず。

そして、その10日後に行われたFunTrailMinanoは、本番を想定してのレースだったため、距離は50km。ただし、累積は2500mとやや楽な設定で、まずは50kmという距離感覚を知ろうと出場したレースでした。

ところが、思ったよりも上田の疲労が抜けきれず、また勾配が若干緩やかであったことから、登りも下りもそこそこ走り通した結果、40kmでDNFという結果となりました。

ただ、この時点ではまだ50kmという距離は全く走れていなかったため、自分としては40kmも走ればそれで十分かな、という割り切りはありました。正直、ここで50kmはまだ走れなくてもいいや、という具合に。

トレイル率がわずか60%のFunTrailMinano。長距離のロードランニングは思いの外脚に来ました。

むしろ、このFTMはロードの区間がかなり長く(20km程度はロード)、一定のペースでロードを走り続けるような耐久性を身につけるには、ちょうどいいレースだった気もします。

5月に入って、負荷を若干急激に上げてしまった感は否めませんが、それでも、4月にゆっくりと身につけた基礎体力を使いながら、レースの中でトレイルを長く走る力を高めていけた気はしています。

その結果として、昨日の箱根外輪山の走りがありました。

昨日も、確かにトレイル連戦の疲れがなんとなく残っている感じがして、序盤から登りも下りも体がだるく、脚も重い感じはしていました。

そのため、8時間以上の身体活動を継続させるためには、相当な余力を残しながら終盤を迎えない限り、完走はありえないだろうと考えていました。

40km近く走ってきたあと、最後に待ち受けている壁のような登り坂。脚が残っていなければ、この屏風山は克服できなかったと思います。

前回のFTMでは、登りは抑えたつもりも、下りの方はあまり自重せずにリズミカルに走り続けてしまいました。テクニカルな下りでは、相当な集中力を使い、意外と頭が疲れてくる感覚があります。脳が疲れてくる印象ですね。

なので、昨日の外輪山では、序盤は登りだけでなく、下りでも無駄に飛ばしても意味のない区間では早々に歩きを取り入れ、気持ちもリラックスしてなるべく「頭」を使わないようにしたのですね。

登りでも、意識して「力を込める」くらいの負荷がかかる時はすぐさま「歩き」に変え、できるだけ「努力感」が高まらないように気をつけて走り続け(歩き続け)ました。

さらに、計画的にこまめに休憩を入れていただいたおかげで、定期的に脚(と脳)を休ませることができました。

すると、次のセクションまでは、一旦体がリフレッシュされた状態で走ることができ、疲労が積み重ならないような好循環が維持された印象です。

この二つの対策が功を奏し、どうにかこの5月の到達目標であった「50km程度で累積3500m」を、パスすることができたのですね。

補給ポイントでは10分以上休憩をとり、そこでは明確な体力の回復が実感できました。

ゴール後も、脚自体はまだ余力が残されており、もしこれがレースであったら、あと8km、累積500mは、最後の力を振り絞ってやりきれたと思います。

5月の到達目標であった、「55km、累積4141mをどうにか完走できそうなイメージを持つ」というところは、ひとまず達成できたのではないかと考えています。

ただし、それをいつでも確実に成し遂げられるほどの、絶対的な体力・走力はまだまだみについておらず、今回のようにしっかりと休憩をとり、ペースを間違えなければ、という条件付きの完走イメージです。

レース当日は、確実に舞い上がってしまい、冷静さを欠くことは容易に想像できますから、思わずペースが上がってしまったり、休憩を十分に取る心の余裕もあまりないと予想されます。

そういう意味でも、できれば6月中にもう一回くらい、50km、累積3000m以上の練習は入れておきたいところです。

とはいえ、この5月はハードなスケジュールの中、どうにか3回のトレイルトレーニングをこなすことができ、体力・走力のベースをワンランク上げることができたと考えています。

第9回上田バーティカルレースに参加してきました

こんにちは、ランマニアです。

今年もシーズン開幕です。

昨年は散々な開幕を迎えた長野マラソン、そしてその後の上田バーティカルレースでしたが、あっという間に1年が経ってしまい、気づいたらまた太郎山に登っている、という感覚でした。

昨年は猛烈に体調が悪く、初日のバーティカルも過去最低記録、2日目のスカイもDNFという最悪の結果でした。

今年は、7月に予定しているマスターズ世界選手権に出場するため、もう4月からその準備のために練習しレースに出るようなもので、今回の上田バーティカルレースもまずは山をある程度の時間走り続ける耐性をつける目的もありました。

とはいえ、4月は3週連続で山へ走りにいき、それなりに練習を積んできましたので、今回のスカイレースでその仕上がり具合を確認したい気持ちは当然ありました。

わずか3回のトレイル練を入れただけですが、累積は最高で1800mまで伸ばしていたため、その中で上田のコースにどこまでアジャストできるか試してみたい気持ちはありました。

初日は例年通り、まずは垂直方向へ登りっぱなしのバーティカルです。

走行距離5kmで標高を1000m獲得します(ただし、上田のバーティカルは特殊で、途中で一旦200mほど標高を下げます)。

実は、今回このバーティカルの方には少し自信を持っていて、そこそこの山練と去年よりも戻せている有酸素能力とで、これまでで最も走れるのではないかと淡い期待を抱いていたのですね。

当日を迎えた時点での体調もだいぶ良好で、レース前に軽く登り坂を利用して走ったWSの感覚も過去最高に良く、登り坂が平坦に感じるんほどの力強さを感じていました。

しかし、こういう時は得てしてやらかしてしまうもので、異常に動く脚がオーバーペースを誘発してレースを失敗するんですね。

今回も登山口までの1kmほど続くロードコースで、呼吸の感じからVO2Max並のペースに上がってしまい、登山が始まった頃には呼吸が一杯一杯になってしまいました。

レースタイムが50分から60分ですので、当然VO2Maxペースでは速過ぎますし、せめてLT程度の感覚で行かなければ最後までは持ちません。

烏帽子バーティカルのような途中でジョグを入れられるようなコースならまだ挽回可能ですが、上田の登りはほとんど走れないほどの急登ですから、一旦酸素負債が高まると、ちょうど5000mのレースにOPで突っ込んで脚が止まった時のような絶望的な状態に陥ってしまいます。

結局、累積600m地点のわずかにある走れる区間でジョグになった以外は、全て歩きモードとなり、尋常でない呼吸の苦しさと戦う羽目になりました。

それでも、調子自体は良かったため、呼吸の苦しさの割には脚は動き、なんとか一昨年のPBの1分半遅れでとどめることができました。

相変わらず太郎山山頂からの眺望は見事なものがあります。このためにバーティカルをやっているようなもんですね。

今年からスカイランニングジャパンシリーズ(SJS)のバーティカル部門は「V GAMES」と名称を変え、新たなシリーズ戦となりました。

スカイランニング協会に登録しているエリート部門は、年間シリーズの「GOLD」レースがポイントの対象となり、この上田と竜王、びわ湖バレイ、そしてグランドファイナルの吾妻のポイントでシーズンを競うことになります。

そして、今回から世界スカイランニング協会の基準に準拠し、マスターズ部門も新設され、幸運にも「Over48」クラスも設定されたのですね。

おかげで、PBよりも遅い55分台でもこのクラスで2位に入ることになり、まさかの表彰式にまで参加させてもらうことになりました。

マスターズクラスとはいえ、やはり表彰式は嬉しいものです。

総合でも25位に入り、かろうじてポイントを獲得することができました。ここは最低ラインだったので一安心でした。

さて、問題は2日目のスカイレースです。

何度も繰り返しますが、この上田の塩尻山城コース(エリート部門)は世界基準のコースでして、半端な練習では対応できない難易度を誇っています。

少しでも体調が悪ければ完走は不可能で、実績ある有力ランナーでもDNFとなるケースが決して珍しくないシリーズ最難関と行っても差し支えないでしょう(それが第1戦にあるのが理解できませんが・・・。)

昨年よりも体調ははるかに良く、また山へも何度か通っていたため、ある程度の走りはできるだろうなという予想はしていました。

しかし、わずか25kmの距離で累積3000mを登るコースの斜度は、どこも走れるような傾斜ではなく、最後に待ち構える2度目の太郎山登山で脚が動かなくなれば、棄権するための下山すらままならない危険な状況に追いやられることになります(なので辞めるなら2度目の太郎山の前です)。

なので、今回はここで記録を狙うつもりはさらさらなく、とにかく完走を唯一の目標に、序盤から相当抑えて走ることにしました。

1回目の太郎山登りは抑えに抑えて、一昨年よりも10分も遅い山頂到着

途中の通過タイムも、一昨年PBを出した時よりも常に10分以上遅れていましたが、特に気にせず脚の疲労状態だけに気を配り、下りでもペースを抑えてダメージを抑えて走りました。

それでも。それでもなんですね。2度目の太郎山を迎えるエイドポイント「秋和」の時点で、やっぱり、脚はギリギリ。

行けるとは思うが、決して余裕はない。そんな微妙な感覚です。

いつもはきつさが上回ってあまり怖く感じない「落ちたら死ぬで」の兔峰も、今年は余裕がありむしろ怖さで脚が震えたほどです。

案の定、太郎山登山の後半、完全に脚が止まりペースが一気に落ちました。

フィニッシュ後に、だいぶ前に抜いたはずのランナーとの差がかなり縮まっていたのは、ここからのペースダウンが響いたせいでしょう。

完全に練習不足。このコースで最後まで脚をもたせるには、あまりにも練習が足りていなかったのは明白です。

とはいえ、本番は7月ですので、今の時点でどの程度及ばないのかをしっかり把握できたのはある意味目標達成です。

世界選手権のコースは今回の2倍以上の距離で、累積は4000mですから、傾斜はこれよりは緩やかなはずです。

問題は10時間近く走り続ける絶対的な体力をこれからどこまで積み上げられるかですね。

文字通り「足の踏み場ものない」通称ゴーロ。眼下に見える町並みまでの距離がだいぶ迫ってきていることから、いかに標高を下げてきたかがわかります(また登ります・・・)

フィニッシュ後は、恒例の具合が悪くなり1時間以上寝たきりになり、耐性不足が露呈。

でも、またもやOver48で2位に入ってそうな事実がわかり、気持ちを立て直して表彰式会場へ。

今回は、上田駅前で大々的にセレモニーを実施していただき、とてもいい雰囲気で盛り上がりました。

なんというかこの鬼のようなコースを走り切った人たち同士の見えない一体感を感じられる素晴らしい機会を得ることができました。

上田駅前の広場が表彰式会場。背後のビルに「上田バーティカルレース」のノボリまで!

結局、記録は一昨年の15分遅れの5時間10分59秒で総合22位。

序盤の遅れ分だけタイムが嵩みましたが、終盤は一昨年とほとんど同じペースで走れたことになります。

これ以上のペースで走るには、絶対的に山を走る頻度と距離を延ばすしかないな、と感じますね。

あれほど苦しんだレースですが、やっぱりまたここに立ちたい気持ちになる楽しい上田バーティカルレース。

さて、7月の本番に向けてまずはその一歩を踏み出したわけですが、今回のレースで大体どのような1ヶ月の練習を組み立てれば良いのか、そして足りないことは何なのか、ある程度把握できた気がします。

確実に言えることは、いきなり手っ取り早く力は身に付かず、段階を踏んで徐々にできないことができるようになっていく過程を大切にしなければならないということですね。

次回は、早くも来週14日に控えている地元埼玉での50kmのレース。

この距離にして累積2000mでかつロード区間もある、カテゴリーとしてはいわゆる「トレイルランニング」のレースになります。

おそらく急傾斜の登り下りが繰り返されるようなことはないと思われ、どちらかというと距離に慣れることを目的にしています。

とにかく、足への負荷が高まりますので故障だけには気をつけ、あまりに疲労が大きい場合はDNFも躊躇なく決断しようと思います。