2024年度シーズン総括③ マラソン編

こんにちは、ランマニアです。

シーズン総括も最終回、マラソン編になります。

過去のブログから見ている方はご存知だと思いますが、ランマニアは体の状態から最も苦手な種目がこのマラソンでして、1年を通して他の種目の記録を見てきた方は、もう少しマラソンを速く走れるのではないか、と不思議に思った方もいたかもしれません。

例えば、ハーフマラソンが1時間13分台で走れれば、普通にマラソン練習をしている人なら、大体マラソンを2時間35分くらいでは走れているものです。

社会人になって最もハーフマラソンが速かった2017年頃は1時間12分台前半で走っていましたが、そのころですらマラソンのPBは2時間39分台でした。

先日の多摩湖駅伝でも2.5kmをキロ3分06秒平均を維持できるなら、それなりのVO2Maxを維持していると思われますが、その有酸素能力を備えていながらマラソン練習をすれば、マラソンが2時間40分台というのはやはり遅すぎると考えられます。

そうした苦手種目でありながら、毎年のように懲りずに挑戦し続けているのは、やはり長い距離を一定ペースで走る楽しさや、最後まで脚を動かし続けて快走できた時の爽快感があるからだと思います。

その中で記録も伸びていけばなお良し、と言ったところでしょうか。

さて、そんなマラソンですが、今シーズンは11月以降に3レースにエントリーし、その全てでここ数年ではもっともいい記録、いい内容でレースを終えることができました。

緒戦は11月上旬の松本マラソン。

このレースは第二の故郷である松本の街を走ることのできる魅力的なマラソンで、以前から出たいと思っていたのですが、公認レースではないことと、猛烈なアップダウンのあるコースで記録が見込めないレースであるということで、しばらく出場を見送っていました。

しかし、今年度から陸連公認コースとなり、満を持しての出場となったのですね。

この頃は、まだ鍛錬期であったため、前週にも20kmの距離走を入れるなどして、全く調整せずに出走したレースでした。

中盤に「山の神区間」と呼ばれる猛烈な登り坂と下り坂が待っているため、序盤から抑えに抑えてレースを展開しました。

それでも30km過ぎからは大腿部に猛烈な筋痛が生じ、あれだけ序盤を抑えたにも関わらず、終盤は大きくペースダウンを余儀なくされました。

しかし、それでもだいぶ粘れたようで、最終記録は2時間47分43秒と、およそ8年ぶりの2時間50分切りに加え、50代の部で優勝というおまけまでついてきて、久々にマラソンレースで充実感を得られたレースとなりました。

若干終盤潰れたものの、久々に最後までしっかりと走り切れたマラソンレースとなった松本マラソン2024

そして、その二週間後、結果的に今シーズンのベスト記録となったつくばマラソンを迎えることとなります。

このつくばマラソンは、初マラソンからおよそ18年ほど出場し続けている思い入れのあるレースで、今シーズンも松本マラソンからわずか二週間後という無謀なスケジュールであったにも関わらず、どうしても出場したい気持ちが強く、無理やりエントリーしてしまったのですね。

レース当日も、松本マラソンの疲労が完全に抜けてはおらず、スタート前から倦怠感も強く、なかなかモチベーションも上がらなかったのを覚えています。

そんな状態でしたので、スタートしても「もう今日はジョグのつもりで完走さえできればいいや」という力を抜いた状態で努力度を抑えて走りました。

ところが、この状態で走っていても、10km、20kmの通過が思ったよりも悪くなく、それでいて脚にも余裕があり、終盤からペースアップも可能なのではないかと、次第にポジティブな気持ちに変化してきました。

案の定、30kmから先どんどんペースが上がり、35kmから40kmまでの5kmは、ここ数年では久々の18分台でマラソンのレースペースを維持することができました。

最後の2.195kmまでしっかりと脚が動き、終わってみれば2時間43分51秒の自己3番目の記録でフィニッシュすることができました。

中間点を1時間22分台で通過したことから、かなりのネガティブスプリットであったこともわかり、マラソンレース二週間後という条件の中で、全く予想していない結果でレースを終えることができました。

終わってみれば今シーズンのベスト記録となったつくばマラソン

当初、つくばマラソンの後にはだいぶ疲労が残るだろうな、と予測していましたが、その後の駅伝、ロードレースも、それなりに走れており、年間を通して安定した走力を発揮できるような体になってきたこともわかりました。

そして、今シーズンの集大成とも言える板橋シティマラソンを迎えます。

実はこのレースの数日前にかなり喉が痛い日があり、初めは花粉症の症状かと思っていましたが、板橋のレース後に明らかな風邪症状としての喉の痛みや声のかすれが現れ、実際にはすでに風邪をひいていたことがわかりました。

板橋の日は、すでにご存知の通り、低温、強風、強雨という想像できる最悪の条件が全て揃った、非常に過酷なレースとなりましたが、実際には折り返すまでの21kmはかなりの追い風で、割と走りやすい状況でした。

ところが、この追い風区間にも関わらず、ペースがなかなか上がらないのがおかしいと感じていました。

確かに楽ではあるのですが、風が全くなかったつくばの方が前半のラップは速く、どことなく調子の悪さを感じていたのは事実です。

折り返すと、想像していたよりもはるかに激しい向かい風にさらされ、単独走の状態ではもはや走ることすら難しいと感じました。

この時点で記録は諦め、目標を完走に切り替えました(完走できなければ途中で冷え切って大変なことになるだろうと直感的にわかりました)。

しばらく単独走でジョグみたいなスピード感で走り続けましたが、途中で後ろから2時間50分の集団が追いついてきて、その後ろについて行くことにしました。

この集団のペースがちょうど自分の走力にぴったりで、かつ風よけにもなり、ここで一気に体力も回復しました。

あとは最後までこの集団に乗って余力を残していったため、最後の2.195kmはかなりいいリズムで集団の数人と勝負ができました。

記録は2時間51分36秒。

記録は散々ですが、登録の部で26位、全体でも44位(共に速報)と、板橋としてはかなりいい順位で終えられたことで、それなりに満足のいくレースとなりました。

何より、この悪条件の中最後まで潰れずに走り通すための戦略がうまくいき、記録や順位以上にレース内容が悪くなかったことに、1年間の取り組んできた練習が生かされたと感じました。

会場に到着するとすでに雨は本降り。この後強風が吹き荒れました。

結果的に今シーズンのマラソンは、最も調整をしなかったつくばマラソンの記録が最速で、自己3番目の記録を出して終了しました。

内容的には3本とも悪くなく、コースや気象条件によってだいぶ左右されたとはいえ、最後まで勝負になる走りができたと思います。

以前は、マラソンは終盤潰れることが多いため、どことなくあまり楽しい印象がありませんでしたが、今年は今まで最もマラソンという種目が楽しめた1年となりました。

今シーズン、マラソンの走り方がわかってきて、また終盤まで持つ脚ができてきました。

なので、来シーズンはここで構築した基礎の上に、もう少し速いペースで押していける力を積み上げ、もう一度2時間40分切りを目指したいと思います。

今シーズンはマラソンを最後まで走り切るコツが掴め、マラソンという種目の楽しさを最も感じられた1年となりました。

2024年度シーズン総括② トラック・ロード・駅伝編

こんにちは、ランマニアです。

前回の山岳レース編に続いて、今回はトラック・ロード・駅伝編の総括です。

トラック・ロード・駅伝編

今シーズンは、6月に関東マスターズ選手権に出場したのを皮切りに、トラック3レース、ロード3レース、駅伝3レースに出場しました。内訳は以下の通りです。

6月:関東マスターズ選手権(5000m、1500m)

9月:M×Kディスタンス(公認5000m)

10月:高島平ハーフマラソン(公認ハーフ)

12月:入間市駅伝(4区2.5km)

1月:奥むさし駅伝(6区9.4km)

2月:所沢シティマラソン(ハーフ)、青梅マラソン(公認10km)

3月:多摩湖駅伝(1区2.5km)

今シーズンは、トラックレースにも積極的に出場しようと考えていましたが、結果的には5000mは2本、1500mは1本にとどまる結果となりました。

6月の関東マスターズは、久々のトラック5000mを最後まで走り切りましたが(昨年は9月にDNFしている)、終始先頭を引っ張るほぼ単独走だったこともあり、16分55秒という社会人となってワーストの記録に終わりました。

暑さ等、諸々条件を言い出したら切りはありませんが、ここ数年での5000mの衰えにはこの時はだいぶ衝撃を受けたのを覚えています。

とはいえ、一応関東の選手権をM45クラスで優勝できたのは収穫でした。

久々のトラックレースは3分20秒ペースがかなり速く感じました

関東選手権では1500mにもエントリーし、現在のスピードがどの程度維持されているかを試しましたが、こちらも社会人ワーストの4分38秒と全く勝負になりませんでした。

どちらも入賞を果たしましたが、正直なところ記録には満足できませんでした

トラックレースは、9月にもう一度M×Kディスタンスで5000mに出場しました。

昨年はこの時期にどうレースに出場し、35度の暑さの中でDNFとなりましたが、今年は運良く小雨がぱらつく絶好の涼しさで、文句なしの条件でレースを迎えることができました。

それでも、スタートして1kmもしないうちから呼吸はかなり苦しくなり、巡行ペースも3分20秒前後がやっとの状態。

集団に引っ張られたことで、どうにかペースは維持できましたが、目標としていた16分30秒台も達成できず、16分40秒でフィニッシュとなりました。

関東マスターズよりもだいぶ記録を縮めたものの、40代前半までは15分台を維持していたことを考えると、急速に衰えたことを実感しました。

もはや3分20秒ペースがいっぱいいっぱいと感じるようになってしまった5000m

この時期は、今から振り返るとまだ走行距離が増えたことによる回復力が今ほど高くなく、週末の高強度練習やレースの疲労が抜けにくかったように思います。

10月に出場した高島平ハーフマラソンは、スタート前から明らかに疲労感を感じていて、全身の倦怠感や眠気から、全くモチベーションが上がらなかったのを覚えています。

その結果、前日も当日もあまりトイレで出すことができず、レース中に2度もトイレ休憩に入ってしまい、10kmまではかなりいいペースで走れていたものの最終的には1時間23分台にまでロスタイムがかさみました。

10年以上ぶりの高島平ハーフでしたが、2度のトイレ休憩は痛すぎました

このハーフマラソンでは、ペース自体は悪くなかったものの思うように結果が出ず、トラックのスピード低下も加わって、この時期はもうVO2MaxからLT域でガンガン押していくようなレースは難しくなっているのかな、と、どちらかというとトレイルやマラソンの方に気持ちが向始めていた時期でした。

しかし、流れが変わったのが12月、1月に毎年出場している地元駅伝での快走でした。

12月の入間市駅伝は、初めて2.5kmの短距離区間を任されましたが、8分04秒で区間4位と想像以上にスピードを維持することができました。

初の2.5km区間は、初めから出し惜しみせずギリギリを攻めても最後まで脚が動きました

そして、1月の奥むさし駅伝では久々のアンカー区間を任され、猛烈な追い風ということもありましたが、20代の頃の記録に匹敵する9.4kmを31分48秒でまとめることができました。

この頃の駅伝では、とにかく最後まで脚が良く持つようになってきており、夏場のトラックやロードレースの頃とは、明らかに走行時の体の感覚が変わってきていることを薄々感じていました。

追い風+下り坂でつんのめりそうになりながらスタートした奥むさし駅伝6区

そしてこれらの駅伝で感じていた「ある程度の出力を出して走っていてもどうにか押していける感覚」が、明らかに体の変化として証明されたのが、2月の所沢シティマラソンでした。

このレースはハーフマラソンであるにもかかわらず、トレイルレース並みのアップダウンの繰り返される、非常に攻略の難しいレースです。

ここ数年は、調子が万全ではなかったとはいえ、1時間17分から良くても15分くらいかかることが続いていて、以前のように13分台で上位入賞ということは無くなってきていました。

ところが、今回のレースでは、やはり序盤から集団についてやや無理してペースを維持していても、終盤の激しいアップダウン区間までしっかりと脚が持ち、「ペースを上げながらも温存する」という感覚が再現されました。

結果はまさかの1時間13分57秒と、30代前半の頃に出して以来の13分台でフィニッシュすることができました。

今年から50代の部門別カテゴリーとなり、そこで優勝することもできましたが、それ以上にこの記録で走れたことに大きな充実感を感じました。

おそらく今シーズンのベストロードレースはこの所沢シティマラソンでしょう

この翌週には初出場となった青梅マラソン10kmの部。

とにかく今年は50代の部では最も有利な年齢であるため、このレースでも年代別1位を狙っていました。

昨年の優勝タイムを見ると、かなり厳しいことがわかり、その焦りから若干オーバーペース気味に突っ込んでしまいましたが、帰りは下りということもありどうにか見かけ上のペースはイーブンでまとめることができました。

欲を言えば33分台で走りたいところでしたが、6年くらい前の栗橋関所マラソンでも34分代前半だったことを考えると、思った以上の難コースであった青梅で34分25秒ならまずまずだったと思います。

若干脚は止まりながらも大崩れせずに後半の下りをまとめられました

そしてシーズン最終レースとなった、先日の多摩湖駅伝。

チームとしては念願の初優勝という最高の形で終わりましたが、個人としても過去の記録を20秒近く更新する7分44秒(2.5km)で走ることができました。

個人的には、難しいと思っていた8分切りを大幅に達成できたこと。練習では3分15秒がやっとだった1000mのペースを、3分06秒平均で走れたこと。この2点がかなりの自信となりました。

2.5kmのレースペースは、おおよそVO2Maxのギリギリで走る5000mよりもさらに速いペースですので、初夏のトラックの感覚ではそれほど記録は望めないだろうなと感じていました。

しかも、この数ヶ月はほとんどVO2Maxの練習はしていませんし、スピードトレーニングも全く入れていません。

ほとんどがマラソンのための練習に注力していた中で、この結果には本当に驚きました。

今になって振り返ると、日常の走行距離が増えてきた昨年4月以降、そうした総走行距離の増加からもたらされる回復力の向上とか、走行時の疲れにくさみたいなものは、すぐには発現せず、やはり数ヶ月は必要になるトレーニング効果なのではないかと考えます。

8月くらいまでのトレイルレースでは、VO2MaxやLTの強化によってそれなりに結果が残せましたが、総走行距離増加の本来の効果が現れてきたのは実際には10月以降、つまり半年ほど経った後で、それがちょうど松本マラソンやつくばマラソン、その後に続く駅伝シーズンと一致します。

トラックレースやバーティカル種目には定期的に出場していましたので、常にVO2MaxやLTには刺激が入り続けていたため、総走行距離の増加によってもたらされた有酸素能力が、トレイルやトラック・ロードレースの刺激によってうまく調和され、12月以降の明らかな総力向上につながったものと思われます。

そして、最後の多摩湖駅伝の頃にはそうした持久的能力が総合的に仕上がっており、板橋シティマラソンのために調整して疲労が抜けていたことで、非常にバネも溜まっていて、2.5kmという短い距離でも、1年間で高めた持久的能力を十二分に発揮できたのだと思います。

いずれにしても、総走行距離を増やして高められる持久的能力は、そうそう一朝一夕に高められるものではなく、最低でも半年程度はトレーニングを継続する必要があるのだと、身をもって体感したシーズンでした。

シーズン最後に駅伝で優勝するという、これ以上ないシーズンの締めくくり方でした

2024年度シーズン総括① 山岳レース編

こんにちは、ランマニアです。

さて、昨日出走した多摩湖駅伝を持って2024年度シーズンが幕を閉じました。

今シーズンは主に大きく三つの目標を立ててトレーニングに入りました。

①トラックから山岳、ロード、駅伝、マラソンまで全てのシーンで一定のパフォーマンスを発揮するための基礎的な持久力の向上

②日本スカイランニング協会主催V GAMES JAPAN(バーティカルレース)の年間ランキング10位以内、および年代別優勝、そしてバーティカル全日本選手権優勝

③マラソンでの記録向上

目標は三つありましたが、要は①を解決すれば自ずと他の目標も達成できるということもあり、とにかく何か新しいことに取り組むというより、以前から自分がランニングと向き合う上でメインテーマとしてきた「トラックから山までどんなシーンでも速く走ること」を今シーズンも目指してきたのですね。

結果から言うと、①〜③は全て達成でき、社会人になってから過去に一度あったかどうかの非常に充実した1年となりました。

では、なぜ今シーズンは様々なレースシーンで記録の向上や安定したレース結果を残すことができたのか。

これについては意外にも非常に単純な要因で、とにかくシーズン通して練習の総走行距離が大幅に伸びた、と言うことに尽きます。

Xの方でも再三述べてきましたが、今シーズンは通勤で走る距離を伸ばした(厳密にはそうせざるを得なかった)ことで、社会人になってから最も年間の総走行距離が伸びた1年となりました。

昨シーズンも通勤ランニングは続けていましたが、過去からの習慣で平日のジョグは60分から12、3km程度、と言うのがなんとなく固定化されてしまっていました。

しかし、今年は、最寄駅の電車を一本早いものに乗るために少し早起きできるようになり、朝の時間に60分程度走れるようになったのですね(田舎なので一本早めると25分も前の電車になります)。

その結果、帰りと分割して平日は大体10マイル(16km)は確保できるようになり、週末の高負荷練習と合わせて週あたり100〜120km走ることができるようになりました。

そして、この距離増加と並行して、週末は大体 2か月ごとにテーマを決め、VO2Maxを鍛える期間、LTを中心に刺激を入れる期間、と言うように強度域を絞って重点的に取り組みました。

結果的にそれぞれの時期に応じてその時に開催されるレースに特異的な能力を鍛えることにつながったのですね。

それについて、各種目ごとにレースを振り返ってみようと思います。

山岳レース編

毎年取り組んでいるのは、日本スカイランニング協会が開催しているスカイランニングのシーズン戦。

しかし、今シーズンは疲労の残りやすいスカイレース(下りもある)を極力避け、山頂まで一気に駆け上るバーティカル種目に注力しました。

結果は、V GAMESの対象レースである5月の上田で年代別 2位、6月の嬬恋が年代別優勝、10月の烏帽子でも年代別優勝、そして最終戦である12月の吾妻山で年代別優勝、と言う結果になりました。

このうち上田と吾妻山はコースベストでした。

上田以外のバーティカルレースでは年代別で優勝することができました。

また、スカイランニング協会以外では、5月の経ヶ岳バーティカルリミット、6月の武尊スカイランのバーティカルでも上位に入ることができ、春先から夏にかけてはVO2MaxやLTの強化を実感できるレースが多くありました。

下りもある経ヶ岳バーティカルリミットは、過去に痛い目に遭っていただけに今回の快走はトレーニングの成果を大きく実感できるものでした
武尊スカイランは強豪ぞろいの中でしたが、比較的得意なロード区間が多く上位に入ることができました

そして、今シーズンの特筆すべきは、レース以外の山練習をほとんど行っていないと言うことです。

バーティカルのような登りだけの種目であれば、正直平地の持久力(特にVO2MaxとLT)さえ鍛えればある程度は対応できるのではないかと、以前から仮説を立てていました。

そして今シーズンは、それを具現化でき、山の練習をしなくてもレースに出走する間隔程度で山を走るだけで十分トレーニング効果は得られると確信しました。

山練習は念願の北岳に登った以外は富士登山競走の試走を取り入れただけでした

そんな中で、今シーズン唯一の大きな失敗レースは、山岳レースで一番力を入れて臨みたかった富士登山競走でした。

この三週間前に感染症にかかり、その後遺症が 2か月ほど続いたため、富士登山競走の日は本当に具合が悪く、完走すら危ぶまれる非常に危ない状態でした。

登頂後は下山できるかどうかも怪しい状態で、通常の2倍ほどの時間をかけてどうにか下山できたのを覚えています。

今シーズン安定して結果を残せた中、このレースだけは本当に走れませんでした。

せっかく対象となったチームノルケイン枠での出走となった富士登山競走でしたが、過去ワーストの記録に沈みました(写真は試走時)

バーティカルでは、日本スカイランニング協会主催の「全日本選手権」でも目標のマスターズ年代別優勝を達成することができました。

これは、後述する志賀高原エクストリームトレイルで負傷した翌週の日帰り滋賀旅行でもあり、正直出走をギリギリまで迷いましたが、目標にしていた日本選手権だったので強行出場した経緯があります。

どうしても欲しかった日本選手権優勝の証「ゴールドメダル」

今シーズンの山岳レースでは、唯一のロングレースである志賀高原エクストリームトレイルのロング部門(全日本選手権のSKY ULTRA)を完走したのも一つの成果であったかもしれません。

以前から述べているように、ランマニアはレースの距離や時間が延びるほど持病の慢性疲労の影響を受けやすく、スカイレースのロング部門は最も苦手とするレースカテゴリーなのですね。

しかし、今シーズンは総走行距離が伸びたことで、序盤からペースを抑えればこのエクストリームトレイルのロングもどうにか対応できるのではないかと、日々の練習の感覚から直感的に思っていました。

ところが、このレースの序盤も序盤の14km地点で、木製の階段から前のめりで転倒するという非常に危険なアクシデントがあり、走行に大きく影響するような打撲を負ってしまいました。

結果的に大事に至るような怪我ではありませんでしたが、走行時にも耐え難い痛みが襲うほどの割と重症の部類でした。

この痛みに耐えながら残りの40kmを走り通すという、文字通り「苦行」となってしまったのですが、体力的にはだいぶ余裕があり、痛みさえなければ非常に快適なトレイルレースを楽しめたのではないかと想像しました。

記録や順位は散々でしたが、レース自体は楽しめた魅力的なコースではありました。

これは来シーズンもぜひ挑戦したいと考えています。

志賀高原エクストリームトレイルは色づいた静かなトレイルを淡々と走ることのできる非常に魅力あるコースです

今シーズンの山岳レース全般に言えたのは、どの距離でも終盤までしっかりと脚が動き、呼吸がキツくなっても脚の力でぐいぐいと押していける走力を実感できたことです。

もちろん、オーバーペースに気をつけて序盤は抑え気味に入ったということもありますが、そうして努力度を抑えたとしてもそこそこのペースで走れるようになったという、ベースとなる有酸素能力やエネルギー代謝能力が向上したことが要因の一つであったと考えています。

山の練習を増やしたわけではないのに、結果的に山のレースで結果を残せたのも、やはり日常のジョグの距離が伸びたことが大きかったでしょう。

年代別シリーズ戦優勝の証「チャンピオンビブス」と全日本選手権の「ゴールドメダル」を手にすることができシーズン当初の目標が達成できました

2月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

2月は3レースの予定が、駅伝がチーム棄権となりハーフと10kmの2レースとなりました。

ハーフ→10kmという2週連続のレースとなり、かなりタフなスケジュール(本来は1月最終週から4連戦だった)でしたが、結果はどちらも年代別の1位となりおおむね満足のいく結果となりました。

今年度は2月開催となった地元所沢のシティマラソン。今年度から50代の部に繰り上がり、年代別としては最も有利な年となりました。

2月の第1戦目は毎年出走している所沢シティマラソンのハーフ。

累積標高差が280mもあるハーフマラソンは、おそらく都市部ではここくらいなもので、ジョグのようなペースになってしまう激坂が3〜4回も登場する、非常に攻略困難なレースとなります。

まだ若干激坂の少なかった20年前には一度1時間13分台で走っていたことがありました、現在のコースになってからは、ここ数年は1時間15〜17分ほどかかり、かなり苦戦を強いられていました。

しかし、今年は序盤から脚がだいぶ動き、登り坂では力強くペースを維持し、下りは呼吸があがりながらも限界ギリギリのペースで坂を駆け下ることができました。

その結果、20年ぶりに1時間13分台のフィニッシュタイムで満足のいく走りができました。

ハーフマラソンでの13分台自体、2016年の深谷シティハーフ以来(12分台)で、この年齢でもまだまだ勝負できる自信が戻ってきました。

年代別とはいえ、ハーフの部で1位は意外にも初でした(5kmの部では何度かありました)

この翌週は、人生初の青梅マラソンに出場。

埼玉でも西部の東京寄りに住んでいて、半分地元のような青梅で開催のレースではありますが、実はまだ一度も出場したことのないメジャーレースでした。

日本初の市民マラソン大会を謳うだけあり、会場の盛り上がりは格別のものがあり、前日受付から何だかワクワクする気分にさせられる大会でした。

最近はアスリートビブス郵送が多い大会が増えた中、久しぶりに前日の現地受付へ。

今回は3月の板橋シティマラソンへの影響を考慮して、30kmではなく10kmの部にエントリー。

昨年までの年代別の部(50代の部)の優勝タイムを確認すると、大体33分台後半の年が多い印象でした。

33分台だと、5kmを16分台で2回走らなければならず、今シーズンの5000mの記録は16分40秒がベストであることを考えると、やや厳しい設定タイムだと感じていました。

特に、青梅のコースは行きがのぼりで帰りが下りという、ペース配分の難しいコース設定で、優勝は狙いたいが現実的には難しいかな、と考えていました。

参加賞でもらったオールスポーツさんの写真。この日は奇跡的に暖かく、風もなく最高のコンディションでした。

結果的に、前半17分10秒、後半17分09秒で案の定33分台は達成できませんでしたが、グロスタイム34分24秒でも運よく50代の部優勝を勝ち取ることができました。

青梅マラソンという歴史あるメジャーレースでの優勝は、自分の競技人生の中でもかなり価値のある結果でした。

欲を言えばもう少し好タイムを出したかった気持ちはなくはないですが、30kmも含めてこのコースでの記録が全体的に伸び悩んでいるのを見ると、通常のロードレースよりもやや難易度が高いコースなのかもしれません。

年代別制度のおかげもありますが、こんな年齢になってもこのような経験ができるのは、長く続けてきた甲斐があったというものです。

さて、そんな2レースが続いた2月ではありましたが、ハーフも10kmもLTゾーンを超えるペースで長時間走るレースであったため、流石に2週連続は脚への負荷が高く、ふくらはぎの張り方は故障寸前のぎりぎりの感覚を得ていました。

レース後の二週も距離走ベースの練習を繰り返したため、今シーズン最もふくらはぎの状態は危ういことになっていました。

LTゾーンを超えるペースで長時間走るハーフや10kmロードを二週続けて走ったことで、かなりの負荷がかかりました。

また、今月は28日しかない小の月ですが、30日換算では440kmを超えているため、これは今シーズン一の総走行距離となりました。

ハーフと10kmのレースが含まれていながらの総距離でしたから、正直かなりぎりぎりの負荷をかけてしまったなと、若干反省しています。

しかし、そこは平日のジョグのペースを極力抑え、接地や筋肉の使い方を変えるなどして、どうにか同じ部分に負荷がかかり過ぎないよう工夫をして対処しました。

28日しかない2月でも400kmを超えたため、30日総走行距離としては今シーズン1の距離に匹敵しました。

ただ、今シーズンは年間を通しての走行距離が明らかに増加し、その効果を感じてきている中で、2月のロードレース月間ではLT以上のペースでそれを実証する予定でいました。

その意味では、ハーフと10kmという比較的負荷のかかる距離のレースでここ数年で最も良いタイムを出せたことは、今シーズンの取り組みがひとまずは実を結んだものと考えられます。

今シーズンはここまで、トレイル、トラック、マラソン、そしてロードレースとほとんどの種目で安定した成績を残せていることから、どうにか3月に控えている最後のマラソンと駅伝(板橋と多摩湖)でも実力を十分に発揮して、シーズンの取り組みの成果を実証したいところです。

今月はレースも含めてあらゆる強度の刺激が入り、長距離を走るための能力がシーズン中のピークを迎えつつあるのを感じました。