松本マラソン2024に出場しました

こんにちは、ランマニアです。

今シーズン最初のマラソンは松本マラソンから。

前回のマラソンは、3月の板橋シティマラソンでしたので約8ヶ月ぶりのマラソンレースとなりました。

強風の中ペース配分の難しかった荒川沿いのコース

板橋は完全フラットコースではありますが、なんと言っても遮るもののないだだっ広い河川敷コースのため、今年のように強風が吹くと記録を狙うのはかなり難しくなるコースでした。

最低でも2時間40分台では行きたかったところでしたが、終盤大失速してしまい、51分台の凡走となってしまいました。

2017年の東京マラソン以降、しっかりとマラソンを走り切るレースから遠ざかっていて、記録を狙った前回の板橋でもラスト10kmで脚が終わってしまいました。

さて、そうした中で今シーズンはここまで3レースのマラソンにエントリーしています。

先日の松本。11月23日のつくば。そして翌年3月の板橋です。

一応本命は、コース的には(天候は別として)最も走りやすい板橋に設定していて、今月の松本とつくばは練習のつもりで出る予定です。

特に、松本は獲得標高300m以上の特殊コースなので、正直ここは全くあてにしておらず、松本の景色を楽しむ程度に出走するつもりでいました。

そんなファンランの予定で出走した松本マラソンでしたが、結果は想定外の好記録で、やはりマラソンは入れ込みすぎないのがちょうどいいのだなと、再認識したレースとなりました。

スタート〜5km

松本マラソン最大の特徴は、通常のマラソンレースでは考えられないアップダウンが繰り返されるコース設定にあります。

スタートして初めの5kmも延々とつづく下り坂で、とにかく気持ちよく駆け下っていけるちょうどいい傾斜の坂です。

朝の気温は3℃。今シーズン一の冷え込みで、久々にこの寒さを味わいましたが、マラソンにはちょうどいい気温

今回、中盤にある「山の神区間」と呼ばれる急激なアップダウン区間のために序盤は温存する予定でしたので、コースを通して大体1km4分ペースを維持するつもりでレースプランをイメージしていました。

なので、初めの5kmは急な下りを考慮すると大体3分40秒〜50秒くらいで行ければいいかな、と全く力を込めずに脚が勝手に進む感覚を意識して走り続けました。

5kmの通過は19分ちょうど。設定ぴったりの通過でした。

5km〜15km

今回に限らず、マラソンは15kmまではアップのつもりで走ることから、この区間はちょうど体が温まってきてとても快適に走れる時間帯です。

本コースにおけるこの区間は、3kmほど薄川沿いの道を緩やかに上った後、折り返して8km近く緩やかに下り続ける最も快適に走れる区間です。

ついつい調子に乗ってペースを上げてしまいそうになりますが、ここはとにかく我慢です。

初めの5kmでかなり貯金ができていましたので、キロ4にかかってしまっても全く問題ないと、楽な気持ちで走ることに徹しました。

この10kmは39分30秒と、ここもキロ4ペースよりも速くまとめ、再び「貯金」を積み上げることができました。

6km〜8kmまでは薄川沿いを緩やかに遡っていく上りコース。折り返すとしばらく快適な下りが続きます

15km〜20km

そして15km地点からの5kmは、本レース最大の目玉「山の神区間」と称する、コース最高地点まで一気に駆け上がる急勾配区間。

一月前に試走をした際、マラソンコースとしては考えられない急勾配の上り坂で、果たしてここでレースペースを維持できるのかとても想像することができませんでした。

最高点を過ぎると今度は急な下り坂が約1km近く続きます。ここで大腿四頭筋に大きなダメージを受けました

しかし、たまたま5km地点からずっと一緒になったランナーが全く同じペースで走れていたため、この坂区間も後ろについていいリズムで上っていくことができました。

ピッチを狭め、できるだけ出力を抑えて上りましたが、思ったよりもペースは落ちず、最大でも1km4分10秒までのペースダウンで止めることができました。

また、上った分下り坂もかなり長く、結果的にこの区間も19分49秒でまとめられ、中間点を前にかなり精神的に余裕を持てたのは大きかったです。

20km〜30km

通常この区間は最後の12kmをしっかり走り切るための「タメ区間」と位置付けており、今回もここでは絶対無理をしないと決めて臨んだ重要な区間です。

中間点は1時間22分37秒と、ちょうど2時間45分ペース。このままキロ4を維持すれば、48分台は余裕ですし、あわよくば47分、46分台も見えてきて、だいぶ気持ちも楽になりました。

ただ、この区間も全くの平坦な部分は少なく、前半は上り基調、後半は下りもありつつ急勾配の上りも存在し、決して楽に「タメ」られる区間ではありませんでした。

また、山の神の下りでやられた大腿四頭筋のダメージがペースの維持を困難にし、若干努力度が上がってきた印象です。

本来、もう少し楽にこの区間を終えたかったのですが、繰り返されるアップダウンと大腿部のダメージで、だいぶエネルギーを使ってしまった感覚を得ました。

この10kmは39分40秒と、かろうじてキロ4を切るペースを維持できましたが、その努力度は序盤の10kmとは明らかに違っていて、脚が止まりつつあるのが自分でもわかりました。

30km〜40km

そしていよいよ、マラソンレースにおける最重要区間、30km以降に突入です。

ここまでにどれだけ余力を残しているかで、そのレースの結果が概ね決まると言っていいでしょう。

言ってみれば、30kmまではマラソンレースの前座に過ぎず、この12kmでどれだけ脚を動かせるかが記録を左右するのですね。

今回のレースでは、やはり中盤の山の神が大幅に効いてきており、30kmを通過した時点で「あと12kmもあるか」とやや気が遠くなる感覚を抱いたのは事実でした。

とはいえ、ピッチを狭め、それまでのリズムはまだまだ維持できたことから、なんとかキロ4を維持することだけを考え、無理に力を入れないようあえてリラックスするよう努めました。

残り7kmで迎える空港内エリア、スカイパーク区間。微妙なアップダウンに削られていく感覚です。写真は2月に試走した際に撮影

空港エリアに入るとまもなく35km地点を迎えます。

この直前5kmはしばらく上り基調で、次第に脚が動かなくなってきた中、スカイパークに入ってなだらかな下りが始まります。

当初、このスカイパークの区間は最も走りやすいエリアだと思い込んでいましたが、実際ダメージを負った脚でここを走ってみると、細かいアップダウンが残りのエネルギーを徐々に削っていき、フィニッシュが近づけば近づくほどしんどさが倍増していく感覚で、ペースも次第に落ちていきました。

この最後の7kmは、自分が想像している以上に余力を残していなければまともに走れない区間で、スカイパークに入る前の緩やかな上り区間で脚を使ってしまうと、公園内で立ち止まってしまうことも十分あり得るコース特性となっていました。

この10kmは40分30秒と、ついにキロ4を超え、一気にペースが落ちていきました。

40km〜フィニッシュ

残り6kmが気が遠くなるほど長く、どうすれば走り切れるか本当に想像できないほどでしたので、40km通過時は、実際もう脚は終わった状態でした。

ここからは、ペースを維持する意義をどれだけ持ち続けられるかが重要で、肉体的には限界点を過ぎている中、心理的にそれをどうコントロールして、残りの2.195km、如何に脚を動かし続けられるかが鍵となります。

40km通過が2時間38分30秒でしたので、仮に10分かかっても48分台は可能と考え、気持ちがいっぱいいっぱいにならないよう努めました。

今のペースさえ維持すれば、47分台は見えてくるだろう、と言い聞かせ、とにかく同じリズムを刻み続けました。

ところがなんと、ここから再び上りが始まります。

まるで夢の中で走っているように動かそうと思っても脚は動かず、体感的にはすでにジョグのリズム感とスピード感に陥っていました。

また、小刻みな直角コーナーがいくつかあり、その度に脚が攣りそうになります。

こんなにきついラスト2.195kmもそうそうないと思われ、松本マラソンの難易度の高さは伊達ではなかったと、最後まで思い知らされました。

ラスト1kmを切ったあたりで、背後からやけに重量感の感じられない足音が聞こえてきて、すぐに女子のトップだということがわかりました。

並ぶまもなくあっさりかわされ、惜しくも女子のトップに勝つことはできませんでした。

最後の直線で、時計は47分に変わったばかり。

思ったよりも善戦できていたことを知り、最後はどうにかスパートもかけられ、47分台には余裕を持って滑り込むことができました。

久しぶりにマラソンを走り切った充足感を味わいながらフィニッシュラインを通過しました。

秋晴れと紅葉が素晴らしいフィニッシュエリア。更衣室は大きなドーム内なので雨天時も快適だったはず

後ほど速報結果を知ることになり、記録は2時間47分43秒。総合順位29位、50代の年代別順位は1位という結果でした。

記録は自身のキャリアの中では平凡ですし、自己ベストよりも8分ほど遅いタイムでしたが、この特殊な松本のコースで最後までどうにか大崩れせずに走り通せたこと。

さらには約8年ぶりに2時間50分を切れたこと。

そして、公認マラソンレースでは過去最高順位の29位と年代別1位という結果には、正直自己ベストを更新した時に匹敵する喜びと満足感が得られたのは事実でした。

50代になって間もない自分にとっては、この年代別カテゴリーは最も有利な条件ではありましたが、逆に今しか取れないタイトルでもあるので、目標にしていた年代別優勝を達成できたことは今回松本マラソン最大の収穫だったと思います。

“シティーランナー“牛山さんから21分遅れでとどめられたのも、地味に嬉しかった点

ところで、今回走りながら大きな手応えを感じられ、終盤まで勝負をし続けられた要因は以下の2点だと思っています。

①この半年間の総走行距離が大幅に増加したこと

4月から10月までの直近6ヶ月で、月400kmを超えた月は5回。

一方、板橋シティマラソンの直前6ヶ月で、月400kmを超えた月は1回と、その差は歴然としています。

この差を感じ始めたのはちょうど10月に毎週レースが続いた時期に、レースを走っても比較的回復が早く、以前であれば1週間前に距離走を行うと大抵レースを失敗していたのが、先月はハーフもそこそこ走れて、その後も疲労が速やかに回復していった経験からでした。

今回の松本も、やや賭けに近かったですが、1週前に距離走を入れていたので、その影響が出ずに42kmを走り切れたのには驚きました。

1km4分ペースで走行中も、脚に来る衝撃、ダメージが心なしか軽い感じがして、脚の強靭さが増している感覚も得られました。

これは間違いなく総走行距離が増えたことが要因だと思われ、4月からの取り組みが実を結んだものと考えています。

②想定ペースを抑えたこと

今回、コースの特性から初めから記録は追わず、如何に最後までペースを維持できるか、大崩れずにタイムをまとめられるかを目標にレースに臨んだことから、設定ペースのようなものを考えず、とにかく体感にのみ従ってペースを組み立てました。

なので、距離表示ごとにペースの増減に一喜一憂することもなく、その時の脚の疲労度だけに注意を向け、「だいたいこれくらいの疲労感ならあと⚪︎kmは走れるかな」ということを常に考えて走り続けました。

板橋の時は、どうしても過去の自分の記録と比べてしまい、「最低でも1km⚪︎分は維持しなければ」というプレッシャーを常に感じてペースを組み立てていたのは事実です。

えてしてそういう時はだいたいレースを失敗するもので、強風という条件がなかったとしても、板橋では良い走りはできなかったと考えています。

今回の松本マラソンでは、初めから記録は諦めていたので、その心構えがむしろ結果的に良い方向に影響したのでしょう。

マラソンはロード種目の中で最も苦手な種目であるため、これまでも失敗することが多く、今日のようにしっかり走り通せる機会もそうそうありません。

ただ、最後までエネルギーを残しながら、ある程度のペースを維持し続けることができれば、これほど楽しい種目もなく、今回は久々にロードレースの楽しさ、マラソンの面白さを味わえたレースとなりました。

苦手ではありますが、工夫次第ではまだまだ記録を狙うことも、キロ3分台で勝負することも可能であると考えているので、今後もある程度マラソンにはこだわっていきたいと思います。

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