休むこと以上に戻し方に気を使う

こんにちは、ランマニアです。

さて、今週は4日間のノーランデーを挟み、一昨日からは1km、2km、3kmと距離を1kmずつ伸ばしてのリハビリジョグを開始したところです。

高校時代に、練習再開後にいきなり距離を戻して痛い目にあった経験から、こうした故障明けにはよく取り入れていた再開方法です。

別に1kmという単位にこだわる必要もないのですが、なんとなく1日ごとの体の適応を考えると、1kmくらいの区切りがちょうどいいかなと思っています。

故障をして走る距離が一気に減ったり、全く走らなくなったりしても、突然翌日から走力が衰えることはありません。

筋肉の持久的能力に関係するミトコンドリアの量にしても、練習をすっかりやめてしまっても、1週間から10日くらいまではそこそこ維持できることがわかっています。

なので、4日くらい全く走らなくてもそれほど気にすることもない。

と言いたいところなのですが、ランマニアの場合は、1月まではまだいいとして、2月以降、走る距離も強度も昨年12月までと比べると、感覚的に7割から下手すると6割くらいまで落ち込んでしまっているため、この4日間の休養以前にかなりの期間練習量が低下してしまっている現実があります。

おそらく、昨年のLTレベル以上のペースで走ろうとすると、すぐに苦しくなってしまい、長くは走れないだろうな、と容易に想像がつきます。

また、5月に控えているスカイレースにしても、急な登山道の登り下りに使う筋肉なんかも相当に衰えていると思われ、いきなり強い負荷をかけるのもはばかれる状態です。

なのでこの状態でいきなり練習量を戻そうとすると、1回1回の練習はこなせても、それを継続するには回復力が追いつかない、という状態が待っているのですね。

2月3月はそこを考慮せず以前の練習に戻そうとしてしまったために、しっかり治りきっていない部分に回復量を上回る負荷がかかってしまいました。

そうしたこともあり、今はその回復力を取り戻すためにも、いきなり負荷のかかる練習はせずに少しずつ筋力を取り戻そうとしているところです。

このふくらはぎの故障、30代になってから急増しました。

20代の頃はどんなにふくらはぎを酷使してパンパンに張ってしまっても、痛めると言うようなことは一切なかったのですね。

ふくらはぎの筋肉痛はもはや練習が追い込めている証拠くらいに思っていたくらいで、その張りが引いてしまうとちょっと練習不足かな、みたいな感覚でさえありました。

それが30代では肉離れの予兆のような感じになり、40代を超えたあたりではいかにしてその状態にしないかがテーマになるほど神経を使うようになりました。

そして、一度痛めてしまうと、痛みが引いた後でもしばらくは練習に耐えられるだけの強度が戻らず、休んでは痛め、痛めては休むを繰り返してしまうようになりました。

今回も、まさにそのパターン。

自覚症状があまりない分、もう大丈夫と考えてしまいがちで、完全に治る前に強い練習を取り入れてしまい、また振り出しに戻る、と言うことを繰り返すわけです。

自分では無理をしたり焦ったりしている感覚はないのですけどね。

なので、もういい加減しっかりと治して元に戻さないといけないと考え、今回は一旦0から再スタートというつもりで練習も0にし、さらに戻す過程も近所の散歩程度のジョグから再開することにしました(ウォーキングも5km10kmもやると、かなりふくらはぎに負荷がかかることが前回わかりました)。

一昨日から練習を再開したとはいえ、1kmとか2kmのジョグですから、もうほとんど休んでいるのと変わらない負荷。

なので脚はだいぶ休ませられたと思いますし、損傷していた部分も本来の機能が発揮できる程度には回復してきていると思います(本当はMRIとかでしっかり見た方が確実なんでしょうけど)。

このペースで戻していくと、3月中は30分くらい走れるようになるのがいいところで、しっかりとしたジョグを再開するのは4月になりそうです。

それでも、一旦不安なくジョグができるようになりさえすれば、そこからは筋力も徐々に戻ってくると思われ、まずはその状態に戻すことに専念するしかないと思います。

ここのところ気候が大変良いのでたくさん走れないのはストレスですが、今は我慢の時ですね。

3度目の足踏み

こんにちは、ランマニアです。

先月のちょうど今頃、故障明けとしては最初のトラック練習をしにいつもの競技場までジョグで向かい、LT走を初めて400mでふくらはぎに痛みが出てしまいました。

そこで完全に休むことを決めて、その後1週間ウォーキングだけで通し、3月に入ってゆっくりとジョグから再開して、今日でちょうど3週間。

再び同じ競技場でスピードを上げようとしたところ、やはりアップの時点で同じ箇所が痛み、走ることができませんでした。

1月、2月、そして3月と、こうも同じことを繰り返していると流石にメンタルも凹みます。

以前もこのようなことはよくあり、一昨年は足底筋膜炎で数ヶ月棒に振りましたが、やはり治っては痛めの繰り返しは気持ちにがやられますね。

今回は、かなりふくらはぎに力を入れても痛みはなく、ジョグでも全く気にならなくなっていたところでしたので、ちょっと驚きました。

「え、まじで?」と、思わず口にしたほど。

確かに、確実に状態は良くなっていることから、痛みの程度は軽いのです。

1月が10の痛みだとすると、2月が5、今日は2くらいの痛みでしたが、すぐにやめました。

なので、数時間経った午後にはもう痛みを感じることはなく、なんならジョグにでも行けそうな状態です。

しかし、今日のようにアスファルトの上を比較的薄めのシューズで、フォア気味に接地して走り続けると、腓腹筋(ふくらはぎの筋肉の一つ)の張力に筋が負け、微細な損傷が引き起こされるのですね。

これはおそらく、痛みや自覚症状がないレベル、非常に微細なレベルでの筋組織の再生が完了しきれていない状態で練習を継続していることが原因なのだと思います。

痛みがないから、「もう大丈夫」と勘違いしてペースを上げたり、フォア気味で接地をしてしまう。

多分、ゆっくりのジョグ、芝生の上でのジョグをしばらく継続する分には次第に良くなっていくのでしょうが、走力の衰えを実感することからついつい焦ってペースを上げてしまうのですね。

そうすると、治ってきたとはいえ、以前と同じような筋力を発揮できない部分に同じ負荷がかかり、結果的に治りかけている組織を再び傷めてしまう、という悪循環が生じているのだと思います。

まあ、初めのころに危惧していた「無限ループ」です。

完全休養の期間、その後のジョグの入れ方などは、おそらく間違ってはいないと思うのです(痛みや症状はとても良くなっているので)。

問題は、その後比較的短いスパンでファルトレクなどの高い負荷をかけてしまっていることが問題なのだな、と今回は思い知らされました。

走れてしまうだけに、それがイコール筋の状態が完全に戻ってきたと勘違いしてしまうのです。

先月にしても今月にしても、休養期間1週間。リハビリジョグを1週間、その後徐々に距離を伸ばし、その翌週あたりでスピードを上げる。走る期間は大体3週間です。

このスケジュールは、これまでの故障明けのパターンとしては、決して無理なペースではなかったのですが、今回はそれでも再発を引き起こしてしまいました。

もちろん、今回の傷め方が思ったよりも酷かったと言うこともあるでしょうが、それよりも、以前に比べ回復の早さがとても遅くなっている気がするのですね。

こんなに慎重に戻そうとしても、傷めてしまう。

筋の柔軟性や再生能力が老化の影響を受けているのかもしれません。

結局、年齢を重ねて記録を維持すると言うことは、こう言うこととの闘いなわけで、そこが難しいところなんですね。

若い頃と同じような練習をしようと思えば、どうしても足を傷めやすくなってしまう。

強い練習をすれば速く走れるようになるのかもしれませんが、そうすると今度は故障のリスクが跳ね上がり、速く走れる期間もとても短いものになってしまう。

このジレンマをどう解消していくかが中高年ランナーの重要なテーマなんだと思うのです。

昨年のようにうまくいく年もあれば、途端に悪循環に陥る時期もやってきます。

何十年も走ってきましたので、まあこう言うことはよくあるのですが、その度に「さて、どうしたものか」と悩むわけですね。

ひとまず、また1週間は走らず様子見です。

問題はその後ですが、今回はもう一月くらいはジョグだけで通そうかなと思っています。しかも、再開は本当にゆっくりと。1kmから初めて1日ごとに1km増やす、くらいのスローペースで。

今の段階でしゃにむにスピードを鍛える必要はないわけですし。

その状態で、ひとまず足の回復を見守ろうと思っています。

「走力ー疲労=パフォーマンス」

こんにちは、ランマニアです。

実はランマニアは雨でも普通に練習する人です。

ジョグだろうがインターバルだろうが、予定していたメニューであれば余程の悪天候でなければやってしまう派です。

なぜ走るかというと、簡単に言えば「走らない理由がない」からで。

高校時代のように、土のグラウンドで練習しているのであればインターバルなどは当然できませんが、今はほとんどがロード練習なので、足元の要因は解決します。

体が雨に濡れてしまうことについては、防水ウェアを着て走ってしまえばほとんど雨水が浸入してくることもなく、体が温まってくれば雨が体に当たることはほとんど何も影響がなくなります。

雨の日に走りたくないのは、要は走りはじめの「濡れるのが嫌だ」という心理的な要因が多くを占めていると思っています。

もちろん、転倒のリスク、風邪を引くリスク、これらは晴天時に比べれば格段にはね上がりますから、これらのリスクマネジメントをして走る、と言うのは大前提になりますが。

しかし、そんな「雨でも走る」ランマニアが、今日は珍しく「雨を理由に」走るのをやめました。

今週は月曜日をレストにしていたため、火水木金の4日しか練習をしていないにもかかわらず短い間隔でレストを入れると言うのも、ここ数ヶ月のルーチンからするとちょっと異例なことです。

今日休みを入れたのは、実は「雨だから」休んだと言うよりは「雨も降っているから」休んだと言った方が正確でしょう。

1月に脚を痛めて、その後そこそこの練習を継続してきてはいましたが、強度の高い練習はもう久しく行っていませんし、絶対的な走行距離も明らかに減少してきました。

2月は1週間のウォーキング期間も入れ、ジョグくらいの強度のランでも「だいぶ筋力落ちてしまったな」と実感できるほどの衰えを感じてきたのですね。

先週、久しぶりに芝生の上でファルトレクを入れたみたところ、全くスピードに乗れず、しかもふくらはぎも攣りそうになったことから、これは「いきなり戻す」のは危険だな、と感じたのでした。

案の定、昨日のジョグ中に痛めたところとは別の場所ではありましたが、右のふくらはぎの若干表層部に近いところの一部が「ピリッ」っと痙攣よりは危ない痛みが走りました。

これはちょっと一旦休ませた方がいいなと思い、昨日の時点では、今日土曜日の練習を軽いジョグにしようかなと思っていたのですが、朝起きた時の土砂降りで「レスト確定」だったわけです。

以前のスケジュールであれば、週2回のQデー、しかもそのQデーの走行距離も20km以上というルーチンでレストも週1で回していたので、今のこんな練習量でふくらはぎが張ってくるのは、明らかに筋肉が衰えている証拠です。

ただ、疲労が抜けてそこそこのペースで長い距離を走れてしまうため、以前の練習量でも回せてしまえそうなところがとても危険なところです。

しっかり練習が積めていた時は逆に疲労があり、

走力100ー疲労40=パフォーマンス60

だったところが、今は

走力70–疲労10=パフォーマンス60

みたいなところがあり、結果としてアウトプットが「見かけ上」一緒みたいなところがあるのですね。

なので、こういう「故障明け」の疲労が抜けている時期は、意外と大きな罠が潜んでいて、「疲労」と言う抑制要因が機能していないために、相対的にオーバーワークになってしまうことがままあるのです。

今週、ちょっとこの罠にハマり、正直、ちょっと調子に乗ってペースを上げすぎた感はありました。これは猛省です。

この「見かけ上一緒のパフォーマンス」についてですが、この「見かけ上」と言うのは、そのパフォーマンスを発揮した後の疲労度、ダメージ、あるいはそのパフォーマンスを発揮する際の余裕度など、を抜きにして考えた場合、と言うことで。

例えば、先日のファルトレク、キロ3分30秒ペースで走れたと言う意味では「もうTペースで走れるじゃん」と言う「事実」「結果」「見た目」は一緒なんですが、それを実施している際の「余力」はまるで違いますし、その後の「ダメージ」もやっぱりまるで違うのですね。

故障明けは、変な話疲労が適度に抜けてしまっているため、つい走行距離やペースが上がりがちで、そのためにせっかく治りかけてた患部をもう一度痛めてしまう、と言うことはよくある話です。

故障前と同じペースで走れたり、同じ練習ができたからといって「もう治った」と判断するのは非常に危険なので、実際にはここからがより慎重に取り組まなければならないフェーズだったりしますね。

休むは恥じゃないし役に立つ

こんにちは、ランマニアです。

今日で1週間のリハビリジョグ期間が終了しました。

その前の1週間はランは完全に封印しウォーキングだけの毎日を過ごしたのですが、流石にその効果は絶大で、この1週間、久しぶりに走りっぱなしの週を過ごしましたが、ふくらはぎの方はほぼ完全によくなった印象です。

この1週間の休養、入れてみれば「なぜもっと早く」となるのですが、練習が積めているときに1週間丸々休むのはなかなか勇気のいることですね。

さて今日は、ランニング再開後最長となる75分間のジョグを入れました。

いつものランニングコース(ロード、起伏あり)を、大体キロ6から始めて最終的にはキロ5くらいまでペースアップしたのですが、もうほぼふくらはぎを意識することなく、どこにも不安や痛みを感じることなく快適に走れたのですね。

実は先週ジョグを再開した時点では、まだ若干痛みのような違和感のようなものが残っていたのですが、昨日あたりから急激に脚の状態が良くなり、昨日から24時間空けた今日の練習では、痛めた場所を忘れてしまうくらい何事もなく。

やはり1週間のノーラン期間を入れた効果は絶大。

「休むは恥じゃないし役に立つ」

一方で、今日は以前からこのコースを走りながら気になっていたあるエリアに立ち入ってみました。

今走っているコースは、実に20年近く利用しているコースなのですが、ここを走っている時にはいつも目にしていながら一度も踏み入れていなかった場所があります。

ちょっとした丘陵地帯の森の中ですが、よく見ると遊歩道のようなシングルトラックが続いていて、走りやすそうな道があります。

今日はここのところ練習量が減っていて疲労も少なかったことから、思い切って寄り道をしてそのエリアに入ってみることにしました。

すると、外からは見えなかった森の中には、かなりの長さの遊歩道が整備されていて、ランニングするにはもってこいのコース、さらに登山道並みの勾配が続く区間も時折現れ、トレイルの練習をすることもできそうな場所でした。

さらにこのコースを走り続けると、その先には広大なアスレチック広場があり、その中もアップダウンのある遊歩道が整備されていました。

これらの二つのエリアを合わせると、おそらく1〜2kmほどの距離を確保でき、かつ1周まわれば累積標高も少なくとも100mは稼げそうなコースを設定できそうでした。

今日は脚を労って1周でやめましたが、次回は継続して走れるコースを探りながら一定時間ここで練習をしてみようと思います。

とはいえ、元々ここは子供向けのアスレチック場で散策路でもあるため、早朝などの人のいない時間帯を選んで利用するのが大前提です。

まあそれはどの公園でも走る際はその辺りのことは考えないといけないのですが。

学生でない社会人ランナーで、自分のホームグラウンドにトラックがある人というのはおそらく非常に稀なことだと思いますので、どうしてもロード練習が多くなると思います。

そのようなことから、練習といえば自然と「ロードジョグ」になってしまいがちな社会人ランナーにとって、今回のような土のサーフェス、起伏の大きいサーフェスは非常に貴重な練習環境になると考えています。

ロードのジョグはペースが安定してしまえば非常に快適で、大きな反発も得られるため、変な話楽にペースを維持できますし、ストレスも少ないのですね。

しかし、逆の視点から見れば刺激が一定で、同じ部分にばかり力が繰り返しかかってしまうので、その部分を痛めやすいというデメリットもあります。同じ動作の繰り返しは、同じ部位への負荷の繰り返しですので。

確かに、疲労が溜まっている時などは、ちょっとした上りでもしんどく感じるので、できるだけ平坦な道を選びたくなるのですが、少し体力に余裕がある時は、積極的に今日のような林間コースに脚を踏み入れて、できるだけ多くの刺激を入れようと思っています。

とはいえ、「平坦な道をできるだけ速く走る力」と言うのも一種の特異性ですので、クロカンやトレイルばかりを走っていても、当然ロードやトラックは速くならないのですけどね。

やはり練習は目的とバランスが重要、と言うことで。

「信じて走れば報われる」の謎

こんにちは、ランマニアです。

練習を再開して3日目。

今日は久しぶりにいつも走っている公園へいき、2月にファルトレクをやっていた芝生コースを気持ちよくジョグしてきました。

気温が低すぎず高すぎず、風も弱く、陽もまだ落ちる前で、本当に久しぶりに「走っていて気持ちいい」と感じられる時間を過ごすことができました。

今日は、そんな芝生の柔らかい感触を噛み締めながら(踏みしめながら)、ふと、タイトルのようなことを考えていたのですね。

信じて走れば報われる

長距離のトレーニングを続けている人なら、おそらく誰でも一度は感じたことのあることだと思いますが、なぜか不思議と、今取り組んでいる練習の効果を「信じて」継続していると、概ね良い結果が出てしまう、という現象。

逆に、こんなことやって意味あんのかよ、って思いながら継続した練習は、これまた不思議と効果が現れない、という現象。

ランマニアも、4年前にフルのベストを出した時は、正直、今あの時の練習を振り返ると全くトンチンカンな練習だったと思いますし、今なら疑心暗鬼で取り組んでしまうだろうな、と思われるような勘違い練習をしていたのですが(練習はレースペース命、みたいなところがありました)、当時は「絶対に速くなる!」って信じてやまなかったわけです。

その結果、それまでの自己ベストを4分も上回る大自己ベストを出すことができたのですね。「やっぱりオレのやってたことは正しかったんだ!」と正直してやったりですよ。

でもですね、やっぱりあの練習はあまりいい練習ではなかった、今はそう思っています。

そして、今、同じ練習を猜疑心を抱えながら継続しても、絶対に結果は出ないだろうな、と強く思うのです。

つまり、「信じて走れば報われる」は、やっぱり存在するんじゃないかと。

脳も含めた神経系と筋繊維までを「運動単位」として考えるならば

ではなぜ、「信じる」ことが大切なのか。

こんな、ちょっとオカルト的で、非科学的な論点は、このブログをずっと読んできていただいている方からすると、おいおいらしくないぞと思いますよね。

私自身、そう思います。

しかし、走りながら考えてみたのです。「信じる」こととはなんなのか、を。

そのヒントとなる概念が「運動単位」(motor unit)なのではないかと考えていたのですね。

大昔の記事で、筋繊維は運動神経に支配されていて、その神経に電気的な信号が送られることで筋収縮が生じて運動を行なっている、というようなことを書きました。

この神経系と筋繊維をまとめて「運動単位」と呼ぶことがあります。筋収縮は、神経系の働きを抜きには考えられない、ということなんですね。

運動神経は、途中脊髄の関与を受けているとはいえ、大元の指令は脳からの信号によって働くものです(この辺の話を深めようとすると相当マニアックな話になりますし、自分自身も理解しきれていない点も大いにあるのでここら辺で止めておきます)。

つまり、ざっくりいえば、「筋肉は脳によって収縮をコントロールされている」ということですね。

「信じない」状態は神経系が使えていない状態

さて、そこで初めの「信じる」理論に戻ってみます。「信じて練習する」とはどういう状態か。

これを考えるときに、わかりやすくイメージするために「信じずに練習をする」状態がどういうものかを想像してみようと思います(なんだか「帰無仮説を棄却する」みたいな)。

我々長距離ランナーのトレーニングの多くは、まあいってみれば「しんどい」練習が多くなりますよね。ジョグですら、終盤は疲れてきますし、もっというと疲れている時のジョグは初めからしんどい。

そういうときに、何を動機付けに我々は頑張りますか?

走った後のお酒、アイス。

いやいや、まあその通りですがそれをいったら今日の記事はここで終了になりますので、そうした外的要因ではなく、もう少し内的なものとして。

おそらく、多くの人は、「この練習は意味があるに違いない」「この練習をやることで強くなるに違いない」と「信じて」走るわけです。

これをもし、「信じない」ということになれば、どういう状況で走ることになるでしょうか。

「こんな練習意味あんのかよ」(ああ、これ、高校の部活とかでありそう)

「こんなに頑張ったってなんのいいこともないだろうに」

まあ、概ねこんな心理状態ですよね。

そしてその状態で、あのめちゃくちゃキッツいインターバルをやることを想像してみてください。

そりゃ当然、「これやり切って強くなるぞ」と思って走るよりは、遥かにタイムは落ちると思いませんか?

いや落ちますよ、当然。動機付けが低い、つまりやる気がないわけですから。

つまり、「信じないで」走ることは、「低い動機付け」で走ることとほぼ同義なのではないかと思うのですね。

そして、以前の記事の、筋収縮の出力は電気的信号の強さに依存している、つまり「やる気」とか「動機付け」とか比較的「情動」の影響も受けてるみたいな話に戻ると、結局「動機付けの低い状態で走れば、神経系もしっかり働かずに走る」ことになるわけです。

「信じないで走る」=「低い動機付けで走る」=「神経系の働きが鈍い」

という仮説です。

「信じて走る」は「高い動機付けで走る」こと

こうして整理してみると、その逆の「信じて走る」状態がどのような状態かは一目瞭然ですね。

そうなんです、「この練習は必ず身を結ぶ」「この練習をこなせば強くなれる」と「信じて」走ることは、非常に「高い動機付け」で、かつ「高い集中力」を維持して(つまり覚醒水準も高い)走ることにつながり、それは結果的に「神経系の働きを活発にする」ことになるのですね。

こうして、毎日の練習を「信じて」続けるのか、「信じないで」続けるのかでは、年間通して何百回と練習していれば、そりゃ大きな差になっていくわけですよ。

これが、「信じて走れば報われる」の、非常に大雑把な科学的背景なんじゃないか、と今日の45分ジョグで考えていたのですね。

まあ、なんのエビデンスもないのですけど。

ですが、こういうことは、意外と科学的に解明されすぎて、答えが簡単にわかってしまっても面白くないもので、こうしてああだこうだ考えている時が一番楽しいな、とも思っています。

そしてもちろん、「絶対に間違ってる練習」を「信じ切って」継続しても、決して強くはならないとは思いますね。(そもそも絶対に間違ってる練習を「信じて」走るのは想像難しい)

2月振り返り

こんにちは,ランマニアです。

さて,2月は故障を長引かせてしまい満足のいく練習(そもそも満足いく練習,ってなんだ?)ができずに,久しぶりに走行距離も強度も一気に低下する月となりました。

昨年12月まで文字通り「走り続けて」きてしまったので,確かに心身をリフレッシュさせるにはいい機会になったのかもしれません。

途中までは治る方向に進んでいましたが、無理がたたって痛みが出てしまいました。

1月はジョグのみで痛みが引いていったので、この調子でペースを上げていけるかな、と思っていたところ、2月の3週目で大きな痛みが出てしまいました。

回復のペースを上回る負荷をかけてしまったことが最大の要因です。Mペースはキロ4だったので大丈夫かなと思っていたのですが、脚へのダメージは想像以上のものがありました。

全体の走行距離が少ないのでMペースの割合が大きくなりました。

ペースごとの割合を見るとMペースがかなりの割合を占めていますが、そもそも今月は分母(走行距離)が小さいのでいつもと同じ距離を走ると、相対的に割合が高くなります。

Tペース以上のスピードで走った距離が、もう1月から激減しているので5000mや10000mを走る力が相当衰えているものと思われます。

28日しかなかったとはいえ、この1年でもっとも走行距離の少ない月となりました。

さすがに、今月の走行距離は一気に減りました。ウォーキングを入れると300kmは超えましたが、今回あえてウォーキングは計上しませんでした。

あくまで「休養した」という実績にしたかったためです。

3月に入った今日からゆっくりとジョグを再開してみました。

これまでもジョグなら普通にできていましたが、普通に走れているようで実は脚の状態はあまり良くはなっていませんでした。

また、しばらく練習を休んだことで全体的に筋力も低下しているため、故障前と同じような練習を再開しようものなら、また別のところを痛めかねません。

ウォーキングを続けていたとはいえ、走る筋肉は全く別物なので、ここからしばらくは距離もスピードも抑えながら慎重に戻していこうと思います。