4月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

明日はrest確定してるので、今日で今月の「走る練習」は最後になります(明日は「休む練習」)。

4月はダニエルズさんの体力向上プログラムに取り組んできましたが、自分としては概ね順調にこなすことができたように思います。

まあ、最後の最後で脚が危なくなってしまったのは誤算でしたが、とりあえずこのメニューを3サイクル維持できたことでよしとしたいと思います。

特に、疲労症状が一線を越えることなく、常にどのメニューも予定通りにこなすことができる状態を1ヶ月維持できたことは自分でも驚きです。

さて、ここで今月の練習を振り返ってみます。

練習のペースは3種類のみ

先月はインターバルやMペース走、さらにはトレイルなどかなりバラエティに富んだメニューとなっていましたが、今月はEランニング(と言ってもかなり遅いジョグですが)とレペとテンポ走(閾値ペース)のみ。シンプルですが、毎週「これでもか」としつこく行ったので、若干心理的にキツかったですね。

3月はバリエーションに富んでいました。
4月はシンプルに3種類

こうしてみると、4月はEランニングの割合が一気に増え、じっくりと時間をかけて走る時間が多くなった印象です。120分ジョグの日でも20kmそこそこですから、まあたいした距離ではないのですが。

そして、もう一つの変化は月間走行距離です。

4月は3連休から始めたので、実質27日間です。

このプログラムに移行するにあたり、最も心配だったのが、確実に走行距離が伸びると思っていたので、それに耐えられるか、と言うことでした。

1週間のうちrestが1日しかないと言うのは、これまでほとんど経験がなく、しかもそれを4週続けると言うのは疲労が抜けるかどうか非常に心配だったわけですね。

しかし、この1ヶ月を終えてみると、現時点では週1のrestで疲労は十分回復しますし、物足りなさを感じるくらいにまで体力がついた印象です。

自分のように疲労しやすい体質の人間でも、トレーニングでそれがだいぶ改善(と言うかトレーニング効果と相殺されているだけだと思いますが)するとは、想像してなかったですからね。

で、結果的に月間走行距離も45kmほど伸びました。31日間あった3月より、そして、4月は頭に3連休がありましたから27日間でも走行距離が伸びました。

それでいて、一月終わった段階での疲労の具合は、3月よりも明らかに軽いので日々の回復力も向上してきたように思います。

さて、5月はゴールドプログラムのフェーズⅡに移ろうと思いますが、ちょっと今のふくらはぎの状態ではスピードを上げた練習は危ないので、数日はジョグで様子を見ようと思います。

とりあえずはゆっくり長く走る練習で有酸素能を維持し、脚の状態と相談しながらペースを上げていこうと思います。

気持ちよく走るのが目的じゃないからね

こんにちは、ランマニアです。

ダニエルズプログラムフェーズⅠも後1週間となり、今週を乗り切ればいったん休養を入れようと思っていたのですが。

今日はついにリタイヤです。

最後の400m×10だったのですが、残念ながら脚に違和感が出てその時点で中止。体力的にはあとひとサイクルくらいは十分やれそうだったのですが、先に脚が持ちませんでしたね。

いや、実は昨日の75分、さらには一昨日の120分のEペースランニングで、思いのほか脚が軽く、さらに新調したシューズが快適で、ついついペースが上がってしまったんですね。

特に、昨日は「こんなに気持ちよく走れるのは久しぶり」と、緩やかな下りでどんどん脚が前へ出てしまい、ちょっと衝撃が大きくなった気がしていました。

そして、今日はその反動で、少し大腿部を中心に脚の重さを感じていたのですね。

このような「脚のどこかに疲労や重さを感じている時」と言うのは、別の場所で推進力を補おうとするため、思わぬ故障を誘発することが多いです。

ランマニアは元々フォア気味の接地+下腿中心の走り、なので、大腿部が疲れている時は余計下腿を無理に使ってしまい、負担がかかることが多いです。

今日はまさにその状態で、そこそこ脚が動くから平気かな、と思って実際に400mまで走ってみたのですが、思ったよりも太ももが上手く上がらず、なんと言うか動きが制限されているような感覚を得ていたのでした。

そして案の定、下腿を中心に推進力を得ていたためか、2本目くらいから右脚が怪しくなり、3本目途中でふくらはぎがチクッとしたので、もうその場ですぐに中止。あと数歩走ると取り返しのつかないことになるので、この「数歩」が運命の分かれ道なのですね。

ひとまずそれ以上痛みは出ず、ことなきを得ましたが、いずれにしてもしばらくは、1km4分半以上のペースは避けたほうがよさそうです。また、ジョグでもややかかと寄りに重心をシフトし、ふくらはぎに負荷がかからないよう気を付けなければなりません。

まあ、こうなってしまったのも、昨日や一昨日のジョグで調子に乗ったからなんですがね。別にペースを上げたわけではないのですが、調子が良い時は勝手に脚が進んでしまいますからね。

本来、気持ちよく快適に走れるのはランニングの醍醐味なんですが、我々の目的は記録を伸ばすことであって、気持ちよく走ることではないですから、そこは自重しないとですね。

足裏占い

こんにちは、ランマニアです。

今日はサロモン SONIC RA MAXで120分ジョグをしてみました。

2時間で22km強ですから、たいした速さではないですが、終盤はキロ5も切り、一時は4分40秒台まで上がっていましたので、だいたいこの靴のポテンシャルはわかってきたのではないかと思います。

気になっていたオーバーサイズ感も、シューレースの通し方を工夫したところ、走行中に脚が腫れてくることも相まって、意外とぴったりなサイズ感になりました。むしろ、適度に足指を広げられるので、踏み込むにはちょうどいいかもしれません。

120分走り、どこにもストレスがなければ、まあそこそここの靴は自分に合っていたと考えていいと思います。

さて、ランナーの皆さんなら誰でも「靴の裏側」には常に興味がありますよね。

ランマニアも、暇さえあれば靴をひっくり返してソールの裏側を確認しています。(この様子を、知らない人に見られたら変態だと思われそうですが・・。)

言うまでもなく、靴裏にはランナーの様々な情報が隠されているのですね。

どこで接地しているのか、どちらの脚でよく蹴っているのか、変な癖はついていないか、などなど。

ランマニアは、ペースが上がれば上がるほど、どうしても接地が雑になり、足の外側から接地する癖があります。靴裏では、両足の外側が真っ先に削れてきてしまうのですね。

本当は、脚の付け根の方、大腿部からしっかり脚を振り出し、そのまままっすぐ脚を下ろしたいのですが、ペースが上がると余裕がなくなり膝下をせわしく動かして前へ進もうとしてしまいます。その結果、外側接地が促進されてしまいます。

しかし、普段のジョグでは、なるべく接地した後の動きを丁寧に行い、下腿(ふくらはぎなど)だけに頼らず、大腿部(特に二頭筋)をしっかり使って走れるよう意識しています。なので、ペースを上げた時に比べれば、比較的接地もスムーズに行えていると感じています。

で、ちょうどこの新調した靴でも45kmくらいを走り終えたあたりでしたので、靴裏を確認してみました。

右足

まずは右足です。ちょっと写真では分かりづいらですが、外側の黒の縁の辺りは思ったよりも削れていません。最も削れているのは、青の部分のブロックパターンで言うと2列目前から3ブロック目あたりです。ここはちょうど母子球のあたりで、ランマニアが接地する際最も重心がかかるところです。比較的、丁寧に設置できているのかもしれません。

左足

そして左足です。通常、ランマニアは左の外側が真っ先に削れてくるのですが、これで見ると、やはり黒の部分より青の真ん中あたりが最も削れています。一見すると左右対称っぽいです。

左足かかと部分

一方、こちらは左足のかかと部分。写真で見ると分かりづらいですが、もうほとんど着地した形跡がないほど新品状態ですね。いえ、自分の体感では決してかかとを浮かせているわけではありません。写真で言うと、あの赤の三角の辺りまでは地面に接している感覚はあります。ただ、本当に触れるくらいなので、おそらくこれほど綺麗なのでしょう。フォアフット、と言うほどではないですが、蹴った脚をそのまま地面に下ろすと、ちょうどこのような接地位置になるのですね。

さて、45km強でこの状態です。ひとまず、これまで通り丁寧な接地を心がけて、フォームが崩れないよう気を付けていこうと思います。そのためには、疲労のことも含めて、ペースを上げるのはもう少し待ってもいいかもしれません。

そして、ちょっと気のせいかもしれませんが、ふくらはぎの張りはあまり変わりませんが、大腿部の疲労がここのところあまり感じないのですね。

以前は、ジョグをした後でも、結構太ももに「きた」感じが常にして、1日だるい、と言った状態になりましたが、この靴にしてからそう言うのがほとんどないのですね。朝走っても昼過ぎには脚が軽くなっている、みたいな感じです。

確かに、走行中に太ももを触ると、アディゼロジャパンでは「ブルブル」筋肉が揺れるのに対して、このSONICでは、ほとんど筋肉が揺れないんですね。

これ、現行SONIC3のレビューで吉田香織さんが同じこと言っていましたが、確かにそうだな、と。

まあ、単純にソールの厚さの問題かもしれないので、「Vibe」フォームの影響と決めつけるのは慎重にならなければなりませんが、いずれにしてもなかなかいいです。

明日の夕方は雨予報。ちょっと濡らすのは気が引けますが、ウェットコンディションの性能も試してみたいですね。

主導権は明け渡さない

こんにちは、ランマニアです。

ついにいつも練習している公園と、近所の一周11km以上の広大なランニングコースの駐車場が閉鎖されました。

今のところ立ち入りは規制されていないので、走る分には問題なさそうですが、まあ駐車場を閉鎖したということは暗に「くるな」ということでしょうから、なんとなくいきづらい状態です。

明日や明後日のジョグは行き場があるのでまだいいとして、その翌日の400mをどこでやるか、ちょっと悩ましいところです。まあ、以前も言いましたが、とにかく私たちは道さえあればどうにか走れますから、工夫次第でどうにでもなるのですがね。

さて、昨日閾値走を終えて、明日の120分ジョグを終えると、これでついにゴールドプログラムも3週目が完了となります。

始めた頃は絶対に無理と思っていたこのプログラムですが、もう今週はかなり余裕を持ってこなすことができ、その日の疲労は翌日までには回復できるくらいまでに適応してきました。

このプログラムの1週目には、400mや閾値走、120分ジョグの後はかなり疲労が出て、ちょっと起き上がれないくらいの状態になりましたが、そこをなんとか切り抜けたあたりから、疲労が数日以内に回復できるようになりました。

そうすると、疲労の少ない状態で次の練習ができるようになるので、またその練習における疲労も溜まりにくくなり、好循環が生まれる、という流れができました。

簡単に言えば、体が適応してきたということですね。

この流れを作り出す上で、少し意識したことがあります。

まず、400mと閾値走以外のジョグの日は、体がしんどくなるペースでは走らない、ということを意識しました。以前話した「出力0」ですね。勝手に脚が動くだけしかペースを上げない、というのを徹底的に守りました。

結果、ジョグのペースはありえないほど遅くなりましたが(キロ6分から5分10秒くらいまで)、それだけ400mや閾値走の日の疲れは大きかったということです。

しかし、これくらいに出力を落としてようやく次の400mや閾値走の日にギリギリ調子が間に合う感じでした。

もう一つは、400mにしても閾値走にしても、あまり無理をしすぎないようにしたということです。

これはちょっと抽象的な表現ですが、なんというか、ムキにならない、というような、とにかくがむしゃらに走らない、という感覚です。

400mはRペース、閾値走はTペースですから、ある程度自分のV DOTから換算されたペースが決まっているのですが、そっちにペースを合わせるのではなく、「これなら10本こなせそう」「これなら20分維持できそう」という自身の苦痛の状態の方にペースを合わせて走る、というのを意識しました。出力で言うと、だいたい15前後ということになります(400mの10本目でも、閾値走の18分以降でもできるだけ15くらいを意識しました。20はがむしゃら走りです)。

そうしたところ、ジョグ以外の練習の日も、あまり無理した感じはなく、快適に、気持ちよく練習を終えられました。

そしてそればかりか、結果的にペース自体もだいたいVDOTに合ったペースに落ち着いたのですね。これはちょっと意外でした。

このようにして、設定ペースや距離に自分を合わせるのではなく、自分の出力によってペースや距離が決まる、と言った「主導権は自分」な練習を意識したのです。

実はこの意識は、もう11月頃から続けていて、その結果すでに半年近くも慢性疲労が悪化せずに練習を継続してこれました。

一昨年まで、好不調の波が激しく、1ヶ月追い込んだら1ヶ月だるくて走れなかった、とか、怪我で1年を棒にふった、とかそんなことが多かったのですが、おそらくそれは「ペース」「距離」に自分を合わせようとして、主導権を「負荷」の方に明け渡してしまっていたことに、今更ながら気づいたところです。

ランマニアは、幸いなことに、中学時代からずっと自分や自分たちで練習計画を立ててトレーニングを積める環境にいたので、自分の練習が「何かに強要されている」とか「主導権が握られている」と言った感覚は全くなかったのですが、実は知らず知らずのうちに「距離」とか「ペース」と言ったものに主導権を握られていたことにこの歳になってようやく気づいたのですね。

確かに、設定ペースとか到達すべき距離とか、そう言うものがあるからパフォーマンスが向上するものと思っています。

しかし、現状、ランマニアの体では、そんなものを追ったところで調子を崩すだけなのであれば、むしろ自分の調子や都合に練習内容を合わせてもらおう、とちょっと図々しいスタンスがちょうどいいように思えてきます。

マスクをつけて走ってみたら

こんにちは、ランマニアです。

今日は3回目の閾値走の日。

アップの時から、いつもの足の(特にふくらはぎ)張りが軽いなぁ、と思っていたところ、そういえば一昨日はサロモンで走ったっけ、と。

ここのところ、同じ練習をしても足にこなくなったので、その影響かもしれませんが、仮にサロモンに変えてジョグをしたのが影響したのだとすると、やはりちゃんとジョグ用の靴で走るのって大事だな、と。

しかも、秘伝の「Vibe」フォームの効果だとすれば、これなかなかいいかもよ、と。

そんなことで、 流しまで終えた時点できっと今日もそこそこの走りはできそうだと。

しかし今日は、実はずっと試してみたいことがあり、それを実際に試してみることにしたのです。

ここのところ、なんだかマスクしないで走るランナーは叩かれるみたいな風潮があり、まあそれは自分にとってはどうでもいいのですが、しかし実際マスク着用で走ってみたらどんな感じなの?みたいな純粋な興味はあり、今日はそれを実際に試してみた、ということでした。

しかも、ジョグならみなさん普通に着用してますし、ランマニア自身も高校時代は「呼吸器トレーニング」と称して、アップはマスク着用、のような謎トレもかつてしていた経験があったので、ジョグではつまらない。

なので、流しも本練習もマスクつけて走ってみるか、と無謀な挑戦をしてみたのですね。

まず、当然ジョグはほとんど影響なし。いや、むしろですね、今日は少し寒かったので、このマスクのおかげで意外と暖かくて快適なんですね。これは想定外のメリットでした。

これ、きっと冬場は重宝しますよ。確かに、冬場の寒さでどこが寒いって、何気に耳と顔なんですよね。耳は耳当てで対処できますが、頬の辺りはどうしてもガードできません。でも、今日みたいにマスクをすると、マスクの横から温かい呼気が漏れ、頬の辺りを温めてくれるんですね。これは本当に冬場に採用しようと思います。

そして、次は流しです。

だいたい100m前後の距離を、全力まではいきませんがRペースくらいでは走るので、疾走中に苦しくはならないものの、ゴール後は結構「ハアハア」きてしまいます。ただ、これもゴール後ですから別に多少息苦しくても問題なし。すぐに呼吸は戻ります。

問題はこの状態での閾値走です。

Tペースくらいでは心拍数はだいたい180前後まで上がります。その心拍数での換気量はまだこの時点で経験してませんでしたから、マスクをした状態でどうなるか不明。

ところが、はじめの1kmくらいまでは、まだ体が応答しないためかあまり息が上がりません。「はー、はー」というように、どちらかというと「吐く」方向の力が優位な状態です。で、この状態なら、口を覆っている部分で呼気が止められても、脇の隙間から抜けてくれます。つまり、吐く方はあまり影響はなさそうだな、と。

少し想定外だったのは、疲れがあまりなかったのか、走力が上がったのかわかりませんが、やけに脚が動き、入りの1kmが3分25秒の、この3週間では最も速いペースとなってしまったことです。これはちょっとまずかった。

このままのペースで20分走ると、明らかに「閾値」を超えてくるので、練習の目的から外れます。なので、ここからはあえて意図的にペースを落としました。

ところがです。ペースを落としたあたりから、ようやく筋肉が(というかミトコンドリアが)しっかり酸素を使ってエネルギーを産出しようとし始めたのか、だいぶ呼吸が深くなってきたのですね。通常のマスクなんかしてない状態なら、比較的脚がよく動き、リズミカルな呼吸をしながら「さあここからフォームも安定してしっかり粘るぞ」な状態になっていくわけです。しかし、その呼吸が、このマスクによって妨げられ始めたのです。

吐く方は相変わらず変化なく、隙間から逃すことができます。

問題は吸う方で、流入量が一気に増えましたので、マスクが口にへばりつきます。へばりつくと、今までマスクの脇から少しずつ流れ込んできた空気も遮断され、布の隙間からしか空気が入らなくなってしまいます。これは非常に苦しい。

口の形を変えながら、なんとか流入量を確保しようとしますが、やはりそれでも布の目から入り込む空気は微々たるもので、次第に呼吸困難に近い状態になってきます。

すると次の1kmは3分30秒まで落ち、その後も28秒。

このままだと本来の「閾値ペース」を維持できないと思い、急遽マスクを外しましたが、時すでに遅し。

体感的にはインターバルペースくらいのキツさになっていたので、そのペースで当然20分は持ちませんから、通常の呼吸に戻ってもペースは3分29秒止まり。

入りは3分25秒でかなり調子は良かったはずなので、疲れていてペースが維持できなかったとは考えにくく、これは完全にオーバーペースと同じ状態だったと判断できそうでした。

つまり、マスクはある一定のペースを上回り、換気量が一定量を超えたところでパフォーマンスの低下を引き起こす障壁となりそうだ、というのが、今回の「実験」でわかったことです。

では、こうした障壁になるなら、それに適応しようとして能力が高まるのではないか、と考えられるでしょうか。

個人的にはそれはないだろうな、と感じます。

というのも、今日走った感じでは、マスクをした状態が、なんとなくあのオーバーペースのような状態と似ているなと思ったからです。

そうすると、当然設定されたペースを維持できなくなり後半ペースダウンするわけです。

これだと、本来たくさんの酸素を消費しながらエネルギーを生み出す作業を一定時間行わせ、その能力を高めるのが目的の練習が、必要な酸素が供給されなくなることで、その目的が達成できなくなるのでは、と考えます。

また、この乳酸が急に増え出すいわゆる「閾値」ギリギリで走るのがこのTペースの目的であれば、呼吸が制限されてペースが落ちるのは本末転倒ではないかとも思われました。

そうしたことを総合的に考えると、呼吸量が増えて呼吸筋が発達する云々のメリットよりも、ターゲットとなるペースを維持できなくなって、本来のトレーニング効果を達成できなくなるデメリットの方が遥かに大きい気がしました。

もちろん、マスクラン状態の血中酸素濃度とか、乳酸値とか、酸素消費量だとか、そういう生化学的指標をとってみないとはっきりとしたメリットデメリットなど分かるはずはないのですが、今日走った感覚としては、走り終わった後の消化不良感が明らかに大きく残ったことは事実ですね。

サロモンの本気を見た

こんにちは、ランマニアです。

今はこんなてきとーランナーなランマニアですが、大学時代に走れなくなってしまうまでは、かなり意識高い系のランナーでした。

手書きの練習日誌も毎日書いていましたし、靴だってアップ用、スピード用、レース用としっかり使い分けていました。

しかし、満足に走れなくなってしまってからは、もうそこそこの練習しかできなくなってしまったため、ウェアとかシューズとか、あまり拘らなくなってしまっていたのですね。

走れりゃそれでいい、と。

しかし、例の胸肉効果で一時期よりもだいぶ練習を積めるようになってきて、ここ数ヶ月は自分でも信じられないほど練習内容が充実してきて、いつの間にか「これは結構普通のトレーニングなんじゃないか?」と思うようになってきました。

すると、やっぱり靴もちゃんと使い分けなければならないわけで。

で、ちょっと色々調べていると、最近なんだかトレイル界の雄「サロモン」からロード用のシューズがいくつかラインナップされていることを知り。

実はランマニアはこれまでトレイルシューズはずっとサロモンを愛用していた、というのもあり、それでちょっとだけ興味はあったのですね。

ですが、正直あのシューズでロード区間を走ると、とてもじゃないですが走れたものではなく(アウトソールの強固なブロックパターンの問題ではなく、そもそものミッドソールのクッション性の問題)、そんなサロモンが作ったロードシューズなんて大したものじゃなかろうに、とか完全にスルーしていたわけです。

ところが、最近のレビューを読んでると、カーボンでもブーストでもない、何やら独自の振動吸収技術とやらが採用されていて、いかにも「胡散臭い」感じがランマニア的にはそそられてしまうのですね。

これ、ランマニアのいけないところです。

素直に「厚底」「カーボン」買えよ、って自分でも思うのですが、どうしてもメインストリームから外れたくなってしまう。まあ、最終的には本流に戻ってくるのですが。

で、いきなり現行モデルSONIC 3を買うのは流石にリスクが高いので(失礼)、型落ちの初代SONIC RA MAXという最もクッション性重視の「安全シューズ」を試しに購入してみました(送料込みで5500円)。

そして届いて開封の儀をしてファーストコンタクト。

思いの外コストのかかってそうな作りに仰天。

なんだこの存在感。

正直驚きました。もっと「テキトー」な靴を想像していたので、この作りの良さはとても意外で。

写真ではわかりませんが、かかと周りや靴ベロの内側には低反発系のクッション材が内蔵されていてフィット性を向上させようと工夫がなされています。

さらに靴紐はよくあるペラっペラなきしめんみたいな紐ではなく、弾力性のある今時珍しい丸い紐。これを細い穴に通して靴紐を結ぶので一度締めると全く緩みません。

裏側は一面のラバー。ただし、外側が黒で内側が青。素材が若干違うようです。

裏側へ回ると、さすが「安全仕様」。一面ラバーで覆われ、いかにもグリップ性能が高そうな印象。感触は、硬くもなく柔らかくもなく。

そして計量です。

はじめに持った感じでは一瞬「かるっ」と思いましたが、おそらく見た目の重厚感に頭が騙され錯覚したのでしょう。

27cmで256gを僅かに下回る程度。

ジャパンブーストが207g程度ですからやはりそれなりに重いです。

ちなみにこいつは

ランマニアも持ってるんですがね。Nextではなく元祖4%。

異次元の軽さです。ミッドソールはSONICよりもはるかに厚いのにこの軽さ。いや「ナイキの技術力は世界一ィィィィ」ですね。

しかし、履いた感じはもっと軽いと思った普段使っているトレシュー「センスエスケープ」は、

履いている分にはこの重さは感じませんが・・・。

と300gに迫る勢い。これは少々意外でした。

なので、普通にジョグする分には問題ない重さですね、このSONICも。

そして、いよいよ走行テストです。

まず履いた瞬間の履き心地の良さ。普段はどちらかというとレースシューズ見たいなスパルタンな靴ばかり履いていましたから、久しぶりにこういう「心地の良い」靴を履きました。こういう第一印象は意外と大事で、履いた瞬間ダメなシューズは何年付き合ってもダメですね。

アスファルトの路面に降ろし、そのままジョグを始めると、想像していた感触とは違い少し驚きました。

どうやらアウトソールが若干硬めで、接地の瞬間はバコっという感じでまず硬さが伝わります。

ところがそのまま踏み込んだあたりでグニュっと柔らかさが伝わります。そしてその後やってくるのがグイっという反発力。

こうしたリアルな感触がとても丁寧に伝わる靴なので、とにかく一歩一歩走るのが楽しい。接地が楽しみな靴です。

そしてこいつの本性を知ったのはまさかのダート(砂利道)を走った時でした。

結構な小石がゴロゴロしている場所だったのですが、踏み入れた瞬間、足裏に何も伝わってこないこの安全靴感。通常、ランシューで砂利道走れば大抵ちょっとは小石の突き上げが来るもんですが(ジャパンブーストとかなら正直痛い)、本当に何も感じない。大袈裟ではなく、路面が変わったことに気付かないほど。

これ、トレシューなんじゃないか。本性を現したな、サロモン!

その後40分くらいを過ぎたところから、だいぶ足にもなじみ始め、この感覚を自在に操れるようになると、グイグイスピードが出せるんですね。ソールの適度な弾力性により推進力が生まれ、若干フロント気味の接地のランマニアでも思い切って接地ができるクッション性もあり。多少の重さに目を瞑れば、キロ5までは非常に快適なシューズです。

しかし、いくつか気になる点もわかってきました。

まず、この靴(というかSONICシリーズは全てかもしれませんが)、若干ワイド気味でいつものサイズを選ぶと大きめに感じることです。

ランマニアは普段は27cm(アディダスもナイキも)を選べばほとんど問題ないのですが、このSONICはこれだとかなり足が中で動きます。ギュッと詰めると1cm弱あまりが出てしまいます。トレシューのエスケープは27.5cmでぴったりなので、サロモンのサイズは少し基準を決めるのが難しいですね。とにかく、ランマニアは26.5cmがちょうどいいと思います。(左足が結構動き、かかとが靴ずれしました)。

そして、このSONICのアウトソールは若干左右にいくに従って反り気味になっています。

前足部が外側に行くにつれ反り返っていますね。

この構造が、若干足の外側から接地する傾向が強いランマニアの走りを、無理に内側に戻そうとする力を生み出すため、接地に気をつけないと、下腿三頭筋(ふくらはぎ)の外側の張りが強くなってくる傾向がありました。ただ、これはランマニアのフォームが悪い証拠なので、むしろしっかり太ももからまっすぐ脚を振り出す動きに修正するには良いかもしれません。

ただ、そうした気になる点はいくつかあるものの、総じてかなり好印象だったサロモンのロードシューズ。

トレイルで培った技術はロードシューズにもフィードバックされ、靴そのものの作りはかなりしっかりとしたものでした。

残念ながらサロモン秘伝の「Vibe」技術の効果は今のところ感じることはありませんでしたが、ふくらはぎへの負担は明らかに軽減されていたので、もしかするとそのあたりには効いていたのかもしれません。

総合すると、これを5500円で手に入れてしまったのは申し訳ないくらいのお得感のあるシューズ。これ赤字でしょ、サロモンさん。

次回はこれの若干スピードよりの無印RAと、スピード練対応のRA PROを、サイズを変更して試してみようと思います。

2本目の怪

こんにちは、ランマニアです。

今日は3回目の400m×10でした。

先週から、同じ練習をしてもだいぶ余力を残しておこなえるようになってきたからか、今日も脚の疲れはあまりない状態で練習に臨めました。

また、ここのところ、このレペの日は風が強くどの方向を走っても向かい風を避けられない状態でしたが、今日はその風も比較的穏やかで、だいぶ楽にスピードを維持できました。

さて、前回、前々回も、ちょっと「あれ?」と思っていたことが、実は今日も再現され、これなんだろうと不思議に思ったことがあります。

それは、この400m×10レペ、3回とも全て「2本目」にかなりペースが落ちる、ということです。

1回目は、1本目が71秒のところ2本目が76秒。

2回目は、1本目が70秒のところ2本目が73秒。

そして今日も、1本目が68秒のところ2本目が71秒。

実は、ランマニアは高校・大学時代はこういういわゆる「ショートインターバル」(今はレペですが)系の練習はかなりの頻度で行っていましたが、2本目が極端に落ちる、という経験は記憶にないのですね。

はじめの数本は体が動かず、徐々にペースが上がっていくパターンがほとんど。

しかし、今月に入って始めたこの練習では、3回とも全て「2本目が急激にペースが落ち、その後持ち直す」というパターン。

いやそれは1本目が速すぎて、オーバーペースだからじゃないのか?と思われそうですが、3本目以降はだいたい1本目と同じくらいのペースに戻るのですね。

これなんなんだろう、とダウンをしながら考えていたのですが、ふと5本目以降の走りの変化からある考えが思い浮かびました。

今日もそうですが、この3回の練習とも、5本目以降、もっと言えば7本目以降くらいの終盤になると、同じペースで400mを走っていても、なんというか短距離を走っているというよりは、長距離レースの終盤みたいな苦しさなんですよね。苦しいんだけど、呼吸を荒げながらも脚はしっかりと動き出力を上げればぐいぐいペースを上げられる感じ。しっかりペースを抑えて3000m以降を迎えた5000mのレースのような感じ。

これ、もしかすると、1本目と7本目以降って、エネルギー供給系のバランスがだいぶ違うんじゃないか?と思ったのです。

推測ですが、1本目はまだ「有酸素系」の働きが悪く、どちらかというと「無酸素系」の供給系が優位に働き、その結果乳酸が溜まり、2本目に影響する

しかし数本走っているうちに(あるいはつなぎでジョグをしているうちに)乳酸も代謝されると同時に、供給系も有酸素系にシフトし始め、やがて好気的な代謝により疲労しにくくなってくる、という推論。

もしこの仮説が正しければ、有酸素系が十分働くためには、強度だけの問題ではなく、ある程度の時間が必要なのかもしれない、と考えました。

しかし、だとすると、若い頃にはこうした現象がなかったのはどう説明するか、ということです。

ここで思い当たるのは、学生時代は、本当にこういうスピード練の頻度が高く、いつも疲れた状態で練習をしていたので、1本目から設定ペースで走るのはほぼ無理だったのですね。基本、3本目くらいまではアップ、の状態で。

そうすると、エネルギー供給系が有酸素よりにシフトするまでの間も、結果的にペースを抑えていたことになり、無酸素系の代謝の割合があまり高くならなかっただけなのかもしれません。

もう一つは、学生時代のスピード練の頻度は今よりも遥かに高く、体が常に有酸素系代謝にシフトしやすい状態にあったのかもしれない、ということです。

今は、ここまでのスピードで走るのは週に1回。そうすると、1週間の間に若干体の応答性が低下してしまい、数本走らなければ体が応答しない、という仮説。

と考えていくと、いずれにしてもやはり、結局のところ1本目が速すぎるのかな、とも思えてくるのですね。終盤の70秒なら適正ペースでも、有酸素系の供給系が働く前で走る70秒はちょっと速すぎる、ということなのかもしれません。

序盤はペースを抑えて有酸素系代謝が十分に働き始めるのを待つということは、すなわちオーバーペースの予防と同義なのかなと、ふとそんなことも考えたわけです。

練習を支える鶏胸肉

こんにちは、ランマニアです。

このブログをはじめの方から読んでいただいている方にはお馴染みですが、ランマニアが今このようにして練習を継続できているのは他でもない「鶏胸肉」のおかげです。

ランマニア自身、もともと、こうした「食べ物系」「サプリ系」はあまり信用しないタイプだったのですが(○○が効く、といった科学的エビデンスが実証される背景には、かなりの量のその物質を投与した実験・研究が多いので、日常生活レベルで体感できる量を摂取するのはほぼ無理なことが多い、と聞いたことがあるため)、この鶏胸肉だけは確実に自分には効いた食べ物でした。

最近こそこの胸肉に含まれている「カルノシン」「アンセリン」などのイミダゾールジペプチドは有名になっていますが、これらがどうやら疲労物質の分解や筋肉の緩衝作用(pHを中性に近づける)、抗酸化作用などに寄与していることは随分前からわかっていたようです。

ランマニアがこの事実を知ったのは、今からだいたい5年くらい前。

過去のブログにも書きましたが(https://runmaniablog.com/慢性疲労症候群%E3%80%80最終回、この時に、気のせいではない、プラセボ(偽薬効果)でもない明確な効果を実感したのでした。

以来、ほぼ毎日のようにこの鶏胸肉を継続的に摂取し続けてきましたが、今日、また久しぶりに改めてその効果を実感する出来事がありました。

今朝ランマニアは、朝6時に起きて120分のジョグをしました。前夜はいつもより30分くらい早く寝たのですが、朝は比較的起きるのが辛く、ちょっと疲れが溜まってきた感じがして嫌な予感がしたのでした。

案の定、走り出しても猛烈に脚が重く(寝起きで体が動かなかったのもありますが、それにしても調子がいいときは初めからよく動きます)、60分近く走ってもキロ5分台後半というあり得ない遅いペースでした。

その後ようやく体も動き始め、出力を抑えながらもキロ5分台前半まで戻すことができましたが、それでもかなり脚にきた状態で練習を終了。120分も走ってキロ5分をきれないのは明らかに不調です

で、そこから朝食をとるのですが、なんだかとてもお腹が空いていたので、朝からちゃんと食べようと思い、たまたま冷凍してあった大量の胸肉を使った料理を作って食べてみたのですね。

通常、ランマニアが胸肉を食べるのは夕食で、量としてはだいたい100g〜200g。胸肉を食べたことがある人ならわかると思いますが、この肉は結構お腹にたまるんですね。すぐに満腹感を感じてしまいます。多分、多くの人にとって200gを食べるのはかなり苦労すると思います

そんな胸肉が、今日は250〜300gくらい残っていて、これをほとんど一人で食べてしまったんですね、朝から。さすがに腹にきましたよ。

しかし、その時は別に意識をしていたわけでなく、いつもは夜に食べている胸肉を朝一に食べた、くらいにしか思っていなかったのですが、昼を過ぎて午後を迎えたあたりで、「そう言えば今朝120分も走ったのに、なんだか脚が楽だな」と感じ始め、さらに「昨日のようなだるさもあまりないな」と。

これ、何だろう、と思っていたところ、「そう言えば今朝大量に胸肉食ったっけ」と思い出したのでした。胸肉を初めて食べた時のあの疲労が抜けた感覚はよく覚えていますので、おそらくこれは胸肉効果ではないか、と。もし違ったとしても、それ以外の理由が考えられず。

ここ最近、胸肉を300g近く一度に食べた記憶はなく、そう言えば食べはじめの頃はこれくらいを頑張って食べていたな、と今更ながら思い出した次第です。

おそらく、ランマニアのような少し特殊な疲労症状を抱えていなければ、なかなか実感することのできない感覚ですので、通常の「練習による疲労」に対しては、あまり効果を実感することはないかもしれません。まして、こんなランマニアでさえ300g近く食べてようやく効果を実感できるくらいですから、健康な人では相当な量が必要なのかもしれません(一応安全性は確認されてますが、タンパク質の過剰摂取自体はあまりいいことではないです)。

ただ、適度に食べて悪いことはないと思います。

これを食べれば急に速くなるわけでも、練習量を増やせるわけでもありませんが、ある程度の調子の維持には繋がりそうな気はしていますので、一度試してみてもいいかもしれませんね。

ペースが落とせるのは調子がいい証拠

こんにちは、ランマニアです。

さて今日はダニエルズプログラム第2週目、2回目の閾値走の日でした。

先週と大違いで走る前から「こりゃ調子いいぞ」な感じで、むしろこれで走れなかったら凹むな、と変なプレッシャーを感じるほど

これはもう、3日前の400mを終えた時点である程度予測でき、先週と同じ練習をしたあとでも疲労感が全く違ったのですね。

なので、今日までの二日間を同じように過ごせば、先週より調子が落ちることは通常考えられないわけです(まれに調子が急降下することはありますが)。

調子がいい時のバロメーター、って、多分多くのランナーは自身の経験から様々な「指標」を持っていると思います。

ランマニアであれば、朝すっきり起きれる、とか、ジョグのペースがキロ何分程度、とか、です。

そんな指標の中で、結構自分の中で信憑性が高い(信頼性が高い)のは、ジョグにしろMペースにしろ、Tペースにしろ、そしてIペースであっても、走行中にペースを自由自在に操れるときは調子がいい、というのがあります(特に、ペースを意図的に落とせる)。

疲れていればペースは簡単に落ちるだろう、と思われるかもしれませんが、ここ気をつけなければいけないのは、「落ちる」のではなく「落とせる」という点です。

非常に逆説的ですが、ランマニアは、これは大昔から(多分高校時代から)なんですが、「意図的に」ペースを落とせるときは、だいたい調子がいい、と常々感じていたのですね。

ただ、ではなぜそうなのか、というのは実はあまり考えたことはありませんでした。もうなんとなく、ペースを意図的に上げ下げできるときは調子がいいときだよな、くらいにしか思ってなく。

で、今日の閾値走も、13分くらいTペースで走ったあたりで、いつもの「体がしっくりき始める」状態になり、苦しいながらも脚にしっかりと力が入り、ぐいぐい押していける状態になったんですね。こういうときは、まさに「調子がいい」時で。

ですが、そのトレーニングにはその目的があり、そのためのある程度のペース設定というものがありますから、調子が良くてもここでペースを無駄にあげるのは、トレーニングの目的から逸脱することになるのですね。それに、明日もジョグが控えているわけですから、ランマニアの体的にこんなところで無理をする妥当性は何もないわけです。

なので、残り5分くらいのところで、あとちょっとだからぐいぐい行ってみよう、という気持ちにもなりそうになるのですが、グッとこらえ、ペースを抑えるわけです。いや、ちょっと上がり気味だったのであえて落としました

こういうのが、調子の悪い時にはできないのです。

いや、疲れてるからできないはずはないのですが、どうしても落とせません。

それはなぜか。

本当に逆説的ですが、「余裕がない」からなんです。

もうそのペースを維持するのでいっぱいいっぱい。もうギリギリのところで押していますだから、落とせない

正確に言えば、「落とすと、本当にペースダウンするから怖い」のです。そして、一度落とすともうペースが戻らないのはわかっているので、余計怖い。

ですが、調子がいいときは、余力を残してそのペースを維持できているので、別に少しペースを落としたところで焦る必要はありません。ちょっとアクセル踏めばすぐにペースは戻ります戻せる自信があります。だから、「落とせる」のです。

この「余力」とは何か。

これは多分、ランマニア的にずっと意識し続けてきた「出力」の問題なのだと思います。

例えば、先週の閾値走は結構疲れていたので、キロ3分32秒でも出力は15以上で押していました。15くらいですと、結構無理してるので、少し油断すれば簡単にペースは落ちますね。

ところが、今日のペースは先週よりも圧倒的に速いキロ3分27秒平均でしたが、出力は明らかに低くく、体感的に10は超えている、でも13まではいかない、という程度です。

そうすると、比較的出力に余裕があるので、少しペースを落としてもいざとなれば15くらいまでアクセル開けてすぐにペースが戻せる感覚はあるのです。上げすぎたな、と思えば意図的に出力を下げればいいだけなのです。

これが、ギリギリの出力でペースを維持しているときは、なかなかそれができない。というか、ある程度の出力で走らなければならないほど疲れているので、ペース自体もかなり遅いので、「もう落とせない」となるのです。

この出力の余裕は「心の余裕」でもあり、それが結果的に「一定のペース」を生み出せているわけですね。

これ、ジョグなんかのゆっくりしたペースでもよく見られる現象で、調子いいときは、出力やピッチを調整して、ペースを抑えられますが、疲れてる時って「ペースを抑えるのも疲れる」状態の時があります。ブレーキかけるのすら億劫、みたいな。

そういうわけで、前回の400mもそうですが、今日の閾値走でもペースを比較的自在に操れたので、きっと調子がいいのだろうと思えた次第です。

イーブンペースの作り方

こんにちは、ランマニアです。

今日は先週に引き続き、2回目の400m×10の日でした。

ダニエルズさんに課された「ゴールドエリートプログラム」も2週目となり、これだけの1週間を送りながら、果たしてここから400mのレペなんぞできるものかと正直疑心暗鬼でした。

先週の400mを終えた後の疲労具合から、とても次の1週間など想像できるものではありませんでしたから。

ところが、この1週間の練習がしっかり効いたのか、はたまた疲れをしっかり取りながら練習したためか、その辺りは定かではないですが、とにかく今日は非常に快調に400mを10本走りきることができたのでした。

ペースも平均すると先週よりも1秒くらい速くなり、かつ余力も残して終えることができ、自分としては久々に満足度の高い充実した練習になりました。

これにはランマニアもびっくりでした。

慢性疲労になってから、今日のように多少苦しくてもその苦しさを脚の強さでぐいぐい押していけるような感覚はほとんど味わったことがなく、この感覚は大学の頃以来の非常に懐かしい感覚でした。

これまでは、呼吸が苦しくなる前に先に脚に疲労が来てしまって、呼吸器系や循環器系を追い込むことができず、常に消化不良で終える状態でした。

しかし今日は最後まで脚が疲れることはなく、呼吸が上がってきても出力を上げれば上げただけ脚が反応してくれる、非常に「リニアな感覚」を得ることができました。この感覚は、経験したことのある人にだけわかる独特な感覚ですね。

そしてダニエルズさんの計画通りに着実に練習を重ねていけば、疲労も一線を越えることなく走力や体力を少しずつ高めていけるのだと、改めて感心したところでした。

さてランマニアは、こうした長距離選手からすればやや短めの距離を走る練習の時でも、常に「イーブンペース」を意識して走るようにしています。

イーブンペースとは、決められた距離を走る際に、できるだけ最初から最後まで同じペースを維持することを指します。

イーブンペースは、長距離種目で意識するのは当たり前なのですが、400mとか200mとか、長距離ランナーにとってはかなり短い距離を走るときには、そこまで意識しなくても、と思われるかもしれません。

ところが、例えば今日のように400mをRペースのような比較的速いペースで走っても1分以上はかかってしまいます。1分というのは、意外と長い時間で、この間には思ったよりも多くのセクションが存在します

はじめの100m、途中の150m、最後の100mと、自身の脚の感覚や呼吸の苦しさなど、この短時間の間に目まぐるしい変化を見せるのです。1分という時間は侮れません

ですので、ランマニアはこの約70秒間のペースを、初めから最後までできるだけ一定に保とうと意識しているのです。

しかし、ペースを一定に保つというのは口でいうほど簡単ではありません。

多分、多くの人がいきなり400mを走ってみれば、はじめの100mは快調に行けても、200m過ぎあたりから急激に苦しくなり、脚も止まってしまうと思います。

普段から長い距離を走り込んでいる人では、さすがにそこまでの「急降下」はないと思いますが、それでも、はじめの100mのペースをそのまま維持して最後の100mまで走りきるというのは、それなりにテクニックがいるものです。

そこでランマニアは、今日のような400mでも、または1000mのインターバルでも、はじめの100mくらいまで「半分を過ぎたらペースを上げていくぞ」というくらいの「ため」を作って走るようにしています。半分を過ぎたらペースを上げようという心づもりですから、それまでは余力を残しておく、という状態になるわけです。

スタートしてしばらくはまだ脚が元気なので、このような心づもりで走ってもそこそこのペースは維持できます。

そして、だいたいその距離の半分を過ぎたあたりからペースを上げようと試みます。

ところが、その頃にははじめの元気はだいぶなくなり、脚にもかなり疲労が出てきます。「残り半分を切った」と思ってスパートをかけようとしても思いほかスピードが上がらないものです。それでも、上げようと意識します

すると、元気な時に楽に走ったペースと、疲れてきた時に出力を上げたペースとが、大体一致してくるのです。

つまり、結果的にイーブンペース、となるわけです。

イーブンペースとは、努力感を一定にしてもなかなか維持できるものではありません。自分の脚の疲れ具合に応じて努力感(出力)を調整して初めてペースを一定に保てるのです。

これは、一つの距離だけに限らず、例えば400mを10本なら、その10本を計算する時でも同じです

5本目くらいまでは余力を残して、後半の5本で徐々にペースを上げて行こう、と意識します。

すると、5本目が終わる頃には意外と脚にきてしまっていて、ペースを上げようとしたところで、大体同じくらいのペースにまでしか上がらない、ということになります。ですが、これで10本通してのイーブンペースは完成します

前回の400mでは、まだこの練習に慣れていなかったせいか、常に400mのラスト100mでペースが落ち気味になることが多かったように思います。

しかし、今日の400mでは、例えば同じ71秒でも、最初と最後の100mのペースを考えると、今日の方が圧倒的に釣り合いが取れていました。ですから、タイムが同じでも内容は全く違うということになります。

ランマニア的には、このイーブンペースがうまく作れるかどうかが、意外と調子のバロメーターだったりします。