サロモンの本気を見た

こんにちは、ランマニアです。

今はこんなてきとーランナーなランマニアですが、大学時代に走れなくなってしまうまでは、かなり意識高い系のランナーでした。

手書きの練習日誌も毎日書いていましたし、靴だってアップ用、スピード用、レース用としっかり使い分けていました。

しかし、満足に走れなくなってしまってからは、もうそこそこの練習しかできなくなってしまったため、ウェアとかシューズとか、あまり拘らなくなってしまっていたのですね。

走れりゃそれでいい、と。

しかし、例の胸肉効果で一時期よりもだいぶ練習を積めるようになってきて、ここ数ヶ月は自分でも信じられないほど練習内容が充実してきて、いつの間にか「これは結構普通のトレーニングなんじゃないか?」と思うようになってきました。

すると、やっぱり靴もちゃんと使い分けなければならないわけで。

で、ちょっと色々調べていると、最近なんだかトレイル界の雄「サロモン」からロード用のシューズがいくつかラインナップされていることを知り。

実はランマニアはこれまでトレイルシューズはずっとサロモンを愛用していた、というのもあり、それでちょっとだけ興味はあったのですね。

ですが、正直あのシューズでロード区間を走ると、とてもじゃないですが走れたものではなく(アウトソールの強固なブロックパターンの問題ではなく、そもそものミッドソールのクッション性の問題)、そんなサロモンが作ったロードシューズなんて大したものじゃなかろうに、とか完全にスルーしていたわけです。

ところが、最近のレビューを読んでると、カーボンでもブーストでもない、何やら独自の振動吸収技術とやらが採用されていて、いかにも「胡散臭い」感じがランマニア的にはそそられてしまうのですね。

これ、ランマニアのいけないところです。

素直に「厚底」「カーボン」買えよ、って自分でも思うのですが、どうしてもメインストリームから外れたくなってしまう。まあ、最終的には本流に戻ってくるのですが。

で、いきなり現行モデルSONIC 3を買うのは流石にリスクが高いので(失礼)、型落ちの初代SONIC RA MAXという最もクッション性重視の「安全シューズ」を試しに購入してみました(送料込みで5500円)。

そして届いて開封の儀をしてファーストコンタクト。

思いの外コストのかかってそうな作りに仰天。

なんだこの存在感。

正直驚きました。もっと「テキトー」な靴を想像していたので、この作りの良さはとても意外で。

写真ではわかりませんが、かかと周りや靴ベロの内側には低反発系のクッション材が内蔵されていてフィット性を向上させようと工夫がなされています。

さらに靴紐はよくあるペラっペラなきしめんみたいな紐ではなく、弾力性のある今時珍しい丸い紐。これを細い穴に通して靴紐を結ぶので一度締めると全く緩みません。

裏側は一面のラバー。ただし、外側が黒で内側が青。素材が若干違うようです。

裏側へ回ると、さすが「安全仕様」。一面ラバーで覆われ、いかにもグリップ性能が高そうな印象。感触は、硬くもなく柔らかくもなく。

そして計量です。

はじめに持った感じでは一瞬「かるっ」と思いましたが、おそらく見た目の重厚感に頭が騙され錯覚したのでしょう。

27cmで256gを僅かに下回る程度。

ジャパンブーストが207g程度ですからやはりそれなりに重いです。

ちなみにこいつは

ランマニアも持ってるんですがね。Nextではなく元祖4%。

異次元の軽さです。ミッドソールはSONICよりもはるかに厚いのにこの軽さ。いや「ナイキの技術力は世界一ィィィィ」ですね。

しかし、履いた感じはもっと軽いと思った普段使っているトレシュー「センスエスケープ」は、

履いている分にはこの重さは感じませんが・・・。

と300gに迫る勢い。これは少々意外でした。

なので、普通にジョグする分には問題ない重さですね、このSONICも。

そして、いよいよ走行テストです。

まず履いた瞬間の履き心地の良さ。普段はどちらかというとレースシューズ見たいなスパルタンな靴ばかり履いていましたから、久しぶりにこういう「心地の良い」靴を履きました。こういう第一印象は意外と大事で、履いた瞬間ダメなシューズは何年付き合ってもダメですね。

アスファルトの路面に降ろし、そのままジョグを始めると、想像していた感触とは違い少し驚きました。

どうやらアウトソールが若干硬めで、接地の瞬間はバコっという感じでまず硬さが伝わります。

ところがそのまま踏み込んだあたりでグニュっと柔らかさが伝わります。そしてその後やってくるのがグイっという反発力。

こうしたリアルな感触がとても丁寧に伝わる靴なので、とにかく一歩一歩走るのが楽しい。接地が楽しみな靴です。

そしてこいつの本性を知ったのはまさかのダート(砂利道)を走った時でした。

結構な小石がゴロゴロしている場所だったのですが、踏み入れた瞬間、足裏に何も伝わってこないこの安全靴感。通常、ランシューで砂利道走れば大抵ちょっとは小石の突き上げが来るもんですが(ジャパンブーストとかなら正直痛い)、本当に何も感じない。大袈裟ではなく、路面が変わったことに気付かないほど。

これ、トレシューなんじゃないか。本性を現したな、サロモン!

その後40分くらいを過ぎたところから、だいぶ足にもなじみ始め、この感覚を自在に操れるようになると、グイグイスピードが出せるんですね。ソールの適度な弾力性により推進力が生まれ、若干フロント気味の接地のランマニアでも思い切って接地ができるクッション性もあり。多少の重さに目を瞑れば、キロ5までは非常に快適なシューズです。

しかし、いくつか気になる点もわかってきました。

まず、この靴(というかSONICシリーズは全てかもしれませんが)、若干ワイド気味でいつものサイズを選ぶと大きめに感じることです。

ランマニアは普段は27cm(アディダスもナイキも)を選べばほとんど問題ないのですが、このSONICはこれだとかなり足が中で動きます。ギュッと詰めると1cm弱あまりが出てしまいます。トレシューのエスケープは27.5cmでぴったりなので、サロモンのサイズは少し基準を決めるのが難しいですね。とにかく、ランマニアは26.5cmがちょうどいいと思います。(左足が結構動き、かかとが靴ずれしました)。

そして、このSONICのアウトソールは若干左右にいくに従って反り気味になっています。

前足部が外側に行くにつれ反り返っていますね。

この構造が、若干足の外側から接地する傾向が強いランマニアの走りを、無理に内側に戻そうとする力を生み出すため、接地に気をつけないと、下腿三頭筋(ふくらはぎ)の外側の張りが強くなってくる傾向がありました。ただ、これはランマニアのフォームが悪い証拠なので、むしろしっかり太ももからまっすぐ脚を振り出す動きに修正するには良いかもしれません。

ただ、そうした気になる点はいくつかあるものの、総じてかなり好印象だったサロモンのロードシューズ。

トレイルで培った技術はロードシューズにもフィードバックされ、靴そのものの作りはかなりしっかりとしたものでした。

残念ながらサロモン秘伝の「Vibe」技術の効果は今のところ感じることはありませんでしたが、ふくらはぎへの負担は明らかに軽減されていたので、もしかするとそのあたりには効いていたのかもしれません。

総合すると、これを5500円で手に入れてしまったのは申し訳ないくらいのお得感のあるシューズ。これ赤字でしょ、サロモンさん。

次回はこれの若干スピードよりの無印RAと、スピード練対応のRA PROを、サイズを変更して試してみようと思います。

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