マスクをつけて走ってみたら

こんにちは、ランマニアです。

今日は3回目の閾値走の日。

アップの時から、いつもの足の(特にふくらはぎ)張りが軽いなぁ、と思っていたところ、そういえば一昨日はサロモンで走ったっけ、と。

ここのところ、同じ練習をしても足にこなくなったので、その影響かもしれませんが、仮にサロモンに変えてジョグをしたのが影響したのだとすると、やはりちゃんとジョグ用の靴で走るのって大事だな、と。

しかも、秘伝の「Vibe」フォームの効果だとすれば、これなかなかいいかもよ、と。

そんなことで、 流しまで終えた時点できっと今日もそこそこの走りはできそうだと。

しかし今日は、実はずっと試してみたいことがあり、それを実際に試してみることにしたのです。

ここのところ、なんだかマスクしないで走るランナーは叩かれるみたいな風潮があり、まあそれは自分にとってはどうでもいいのですが、しかし実際マスク着用で走ってみたらどんな感じなの?みたいな純粋な興味はあり、今日はそれを実際に試してみた、ということでした。

しかも、ジョグならみなさん普通に着用してますし、ランマニア自身も高校時代は「呼吸器トレーニング」と称して、アップはマスク着用、のような謎トレもかつてしていた経験があったので、ジョグではつまらない。

なので、流しも本練習もマスクつけて走ってみるか、と無謀な挑戦をしてみたのですね。

まず、当然ジョグはほとんど影響なし。いや、むしろですね、今日は少し寒かったので、このマスクのおかげで意外と暖かくて快適なんですね。これは想定外のメリットでした。

これ、きっと冬場は重宝しますよ。確かに、冬場の寒さでどこが寒いって、何気に耳と顔なんですよね。耳は耳当てで対処できますが、頬の辺りはどうしてもガードできません。でも、今日みたいにマスクをすると、マスクの横から温かい呼気が漏れ、頬の辺りを温めてくれるんですね。これは本当に冬場に採用しようと思います。

そして、次は流しです。

だいたい100m前後の距離を、全力まではいきませんがRペースくらいでは走るので、疾走中に苦しくはならないものの、ゴール後は結構「ハアハア」きてしまいます。ただ、これもゴール後ですから別に多少息苦しくても問題なし。すぐに呼吸は戻ります。

問題はこの状態での閾値走です。

Tペースくらいでは心拍数はだいたい180前後まで上がります。その心拍数での換気量はまだこの時点で経験してませんでしたから、マスクをした状態でどうなるか不明。

ところが、はじめの1kmくらいまでは、まだ体が応答しないためかあまり息が上がりません。「はー、はー」というように、どちらかというと「吐く」方向の力が優位な状態です。で、この状態なら、口を覆っている部分で呼気が止められても、脇の隙間から抜けてくれます。つまり、吐く方はあまり影響はなさそうだな、と。

少し想定外だったのは、疲れがあまりなかったのか、走力が上がったのかわかりませんが、やけに脚が動き、入りの1kmが3分25秒の、この3週間では最も速いペースとなってしまったことです。これはちょっとまずかった。

このままのペースで20分走ると、明らかに「閾値」を超えてくるので、練習の目的から外れます。なので、ここからはあえて意図的にペースを落としました。

ところがです。ペースを落としたあたりから、ようやく筋肉が(というかミトコンドリアが)しっかり酸素を使ってエネルギーを産出しようとし始めたのか、だいぶ呼吸が深くなってきたのですね。通常のマスクなんかしてない状態なら、比較的脚がよく動き、リズミカルな呼吸をしながら「さあここからフォームも安定してしっかり粘るぞ」な状態になっていくわけです。しかし、その呼吸が、このマスクによって妨げられ始めたのです。

吐く方は相変わらず変化なく、隙間から逃すことができます。

問題は吸う方で、流入量が一気に増えましたので、マスクが口にへばりつきます。へばりつくと、今までマスクの脇から少しずつ流れ込んできた空気も遮断され、布の隙間からしか空気が入らなくなってしまいます。これは非常に苦しい。

口の形を変えながら、なんとか流入量を確保しようとしますが、やはりそれでも布の目から入り込む空気は微々たるもので、次第に呼吸困難に近い状態になってきます。

すると次の1kmは3分30秒まで落ち、その後も28秒。

このままだと本来の「閾値ペース」を維持できないと思い、急遽マスクを外しましたが、時すでに遅し。

体感的にはインターバルペースくらいのキツさになっていたので、そのペースで当然20分は持ちませんから、通常の呼吸に戻ってもペースは3分29秒止まり。

入りは3分25秒でかなり調子は良かったはずなので、疲れていてペースが維持できなかったとは考えにくく、これは完全にオーバーペースと同じ状態だったと判断できそうでした。

つまり、マスクはある一定のペースを上回り、換気量が一定量を超えたところでパフォーマンスの低下を引き起こす障壁となりそうだ、というのが、今回の「実験」でわかったことです。

では、こうした障壁になるなら、それに適応しようとして能力が高まるのではないか、と考えられるでしょうか。

個人的にはそれはないだろうな、と感じます。

というのも、今日走った感じでは、マスクをした状態が、なんとなくあのオーバーペースのような状態と似ているなと思ったからです。

そうすると、当然設定されたペースを維持できなくなり後半ペースダウンするわけです。

これだと、本来たくさんの酸素を消費しながらエネルギーを生み出す作業を一定時間行わせ、その能力を高めるのが目的の練習が、必要な酸素が供給されなくなることで、その目的が達成できなくなるのでは、と考えます。

また、この乳酸が急に増え出すいわゆる「閾値」ギリギリで走るのがこのTペースの目的であれば、呼吸が制限されてペースが落ちるのは本末転倒ではないかとも思われました。

そうしたことを総合的に考えると、呼吸量が増えて呼吸筋が発達する云々のメリットよりも、ターゲットとなるペースを維持できなくなって、本来のトレーニング効果を達成できなくなるデメリットの方が遥かに大きい気がしました。

もちろん、マスクラン状態の血中酸素濃度とか、乳酸値とか、酸素消費量だとか、そういう生化学的指標をとってみないとはっきりとしたメリットデメリットなど分かるはずはないのですが、今日走った感覚としては、走り終わった後の消化不良感が明らかに大きく残ったことは事実ですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください