SJS年間順位が確定しました

こんにちは、ランマニアです。

さて、先週のびわ湖バレイスカイランを持って、今シーズンのスカイランニングジャパンシリーズ(SJS)も閉幕しました。

昨シーズンから本格的に「コンバインド」(VKとSKYを連日で走る)に挑戦し、年間を通して両種目でのポイント獲得を目指してきました。

昨シーズンは、後半戦、就職活動のためVKのみの出走になり、それが結果的に好結果につながり、VKの年間順位で総合10位、40代では6位に入ることができました。

https://drive.google.com/file/d/125RqF5fi4ZfvBMJSGTZo_7jBcwTiva8D/view?usp=drivesdk

最終戦のびわ湖がポイント2倍になることもあり、そこで一桁順位で走れたのが大きかったです。

昨年の経験から、今年こそ全5戦のコンバインドを達成し、VK、SKYの両種目で総合順位を狙いたいところでした。

ところが、5月の上田の開幕戦から体調管理に失敗し、VKの無得点、SKYの途中棄権という予想外の開幕となってしまいました。

あまりにも体調が悪すぎた今年の上田

しかし、そこから新しい仕事、新しい職場においてどう練習を組み込むかを模索した結果、通勤と週末を利用したトレーニングパターンがある程度かたまり、6月の東京バーティカルでは久々に会心の走りをすることができました。

何度も試走を行った東京バーティカルでは、ペース配分がガッチリはまったレースとなりました

一桁順位こそ逃しましたが、毎回どうしても勝つことのできなかった同世代の最強バーティカルランナーに僅差で先着することもでき、かなり嬉しかったのを覚えています。

ところが、このレースの前後に痛みが出始めていた、足底筋膜炎の症状がここから悪化の一途を辿ることになります。

この時は数週間で回復すると楽観的になっていましたが、結果的に今シーズンを大きく左右する大きな故障となってしまいました。

数日休んでは練習を再開し、痛みがひいたと思えばまた悪化させを繰り返し、誤魔化しながら出走したのが、東京バーティカルと対になるSKYの関東シリーズである嬬恋スカイランでした。

予想だにしなかった難コースに打ちのめされた嬬恋スカイラン

レース当日は調子も良く、中盤まではかなり良い順位で戦えていましたが、終盤補給を怠ったためか急激な体調悪化に見舞われ、大きく順位を落とすことになりました。

最終盤に待っていた登り区間で終戦となってしまいました。

そして、このレース以降、足底筋膜炎の痛みに悩まされることになります。

まず、最も楽しみにしていた富士登山競走のDNS。

八月も全く走れず、9月の蔵王にも結局間に合わず、こちらもDNS。

この時点で、まだ足に痛みが残っていたため、正直今シーズンはもう終わったと思っていました。

9月の下旬あたりから数kmずつ走り始め、10月の半ばでもまだ10km走るのがやっとの状態でした。

そんな中で、久々のレースとなった志賀高原エクストリームトレイルに出場しました。

トレイル練のつもりで出走したエクストリームトレイルでしたが、まさかのセカンドベスト

当初は、11月のびわ湖バレイに向けてのトレイル練再開のつもりで走る予定だったエクストリームトレイルでしたが、序盤から控えめに入ったことで、予想外の好走となりました。

久しぶりにトレイルを走ったため、脚へのダメージはそれなりにありましたが、序盤を抑えてゆっくりと走り切ったためか、思ったよりも疲労は残らず、翌週の烏帽子スカイランはどうにか最低限走れる状態では臨むことができました。

両レースとも、大した走りはできませんでしたが運よく14位に入ることができました。

VKでは、自身の力を過信し、前半から突っ込んでしまった結果、終盤は見るも無惨な走りとなりましたが、出場選手の関係でどうにか14位に入り、久々にポイント獲得となりました。

SKYも、マイペースを貫き、後半のロード区間も無難に走った結果、こちらも14位でポイント獲得。

シリーズ戦最終盤で、残すはポイントが2倍になるびわ湖を残すだけとなりました。

ところで、今シーズンは例年毎年のように参加していたつくばマラソンが再開され、そちらにもエントリーしていたのですね。

ここは、びわ湖に備えてロングジョグのつもりで走るつもりでしたが、走ったところで調子に乗ってしまい、結果的に後半の20kmはキロ4分の距離走を行うことになりました。

まあ、当然疲労は一気に溜まりましたね。

中盤以降、気持ちよくロードを快走してしまった5年ぶりのつくばマラソン

そして迎えた最終戦。

先日報告した通り、まさかの4レース連続14位というギネス並の結果で今シーズンのスカイレースを終えることになりました。

びわ湖テラスの景色は最高でした

そして、最終戦の結果を待って、SJSの総合順位も決定しました。

https://drive.google.com/file/d/1nk2XIUuAUYd9KKpV30_9KOQjce2Sssam/view?usp=drivesdk

VK部門は総合20位。年代別は今年から5歳ごとに細分化されたため、M45で2位という結果となりました。

40代の強豪ランナーたちと別カテゴリーになったおかげで、部門別2位になれたのは正直嬉しかったですね。

https://drive.google.com/file/d/1nrFrSvkPq4U31igYlTRLGy9q-cswAJJD/view?usp=drivesdk

SKY部門は総合25位。年代別は、こちらもM45になったことで3位というありがたい順位をもらえました。

こうして、故障やら不調やらでポイントすらつかないかと思われた今年のシリーズも、どうにか最低限の結果を残して終えることができました。

ただ、今年のシリーズ通して言えることですが、今回はどのレースも出場選手が若干寂しい感じはしました。

以前は、ワールドクラスで活躍している「あの」男性選手や、VKでは圧倒的な強さを誇っている「あの」女性選手もシリーズ通して出場していたSJSでしたが、いつしか彼らの主戦場が別の場所になっていったように思います。

それは、ここ数年トップクラスの選手がSJSから流出していってしまっているなぁと、薄々感じてはいました。

昨年度鮮烈デビューを果たした「あの」ユーチューバーさんも、今年は別のところで活躍されましたし。

確かに、あるところでトップを極めると、もうそこには留まりたくない気持ちはあるのでしょう。

このSJSは一つの到達点、通過点なのかもしれません。

そういう意味では、ここは若手の登竜門的な存在であり、これからもどんどん新しい若い選手が挑戦する場になっていくのかもしれません。

それは、自分たちのようにトップクラスではない平凡ランナーにとってはそこそこの順位争いができる、楽しいシリーズになることは間違い無いのですが、一方で、真の一流選手がチャレンジし続ける「挑み続ける価値あるレース」とはなっていない気もして、そのあたりに寂しさは感じるのですね。

ランマニア的には、まだまだここでチャレンジしたい気持ち満々ですし、シニアの部で世界選手権を目指したいなんて割と真面目に考えたりもしています。

来年度は、上位を独占している40代集団をもっともっと脅かす、若い選手たちがたくさん参加してくれることを期待しています。

びわ湖バレイスカイランに参加してきました

こんにちは、ランマニアです。

つくばマラソンから中5日。

初めてフルマラソンを完走した翌週にトレイルレースに参加することになりました。

フルのダメージは、自分で感じている以上に体内の様々な部分に残っているため、今回フルから中5日でトレイルを走るにあたっては、疲労の状態や脚のダメージに対し、いつも以上に注意を払って1週間を過ごしました。

つくばマラソンでは、ネガティブスプリットの走りによって完全に脚を使い切ってしまったため、びわ湖バレイは想定外の疲労状態で出場することになってしまいました。

キロ4分30秒でジョグのつもりが、後半はキロ4で20kmペース走となってしまったつくばマラソン

10月に練習を再開した当初は、つくばのフルはジョグ程度にとどめ、びわ湖で出し切る予定でいたのですね。

ところが、結果的につくばで出し切った形となり、今回のびわ湖は疲労を抱えた中で、どこまで勝負できるか、ある意味消耗戦のような様相を呈したレースとなりました。

初日のバーティカルは天気は快晴。フィニッシュ地点の打見山山頂、そして翌日の折り返し点蓬莱山山頂もくっきり。

今回、2日目のスカイレースは、悪天候プランに変更となり、コースはバーティカルのフィニッシュ地点である打見山山頂からさらに2kmほど、累積標高で300mほど進んだ蓬莱山を折り返すショート部門と同様となりました。

結果的には、この変更が自分にとって幸いし、2日目のスカイレースもどうにか勝負になるレース展開に持ち込むことができたのでした。

バーティカルのフィニッシュ地点から、スカイレースの折り返し地点蓬莱山頂が見渡せます。

初日のバーティカルは、4.5kmという距離に惑わされず、累積では900mも登るコースであることを念頭に、序盤から抑え気味で入りました。

昨年は、調子が良かったこともあり、序盤から相当に追い込み、累積300m手前ですでにオールアウト気味になった苦い失敗があります。

4.5kmという響きに頭が勘違いをし、まるで1500mレースさながらの追い込み方で坂を登り続け、早々にオールアウトした2021年大会

今回は、練習も詰めておらず、さらにはフルの疲労が相当に残っていたことから、とにかく終盤の急登に脚を温存するプランで臨みました。

案の定、序盤は最下位近くまで遅れを取り、流石に焦りましたが、思ったよりも長丁場になるこのコースの特性上、勝負は終盤になると踏んで、焦らず自分のキツさにだけ注意を集中しました。

ところが、それでもフルの疲労が常に付き纏い、途中に歩きを入れるくらいのスローペースでさえ、やめてしまいたいほどのしんどさに襲われました。

いつもは先行されることのないランナーにも遅れをとり、今回は流石にもうだめかな、と思っていたところ、後半、一旦勾配がゆるくなる区間で休めたことがきっかけで、もう一度脚が動くようになりました。

この現象は、翌日のスカイレースでも同じように現れました。

累積200mを切ったあたりで、もう脚は完全に止まっていましたが、バーティカルの場合、最後はたいてい我慢を効かせて踏ん張るしかないので、少しでも動くなら出し惜しみせず動かし続けたほうがどうにかなってしまいます。

フィニッシュタイムは、昨年よりも2分遅れでしたが、この疲労状態の中では割と走れた方だと、手応えは感じました。

VO2 Maxが相当に衰えている中で、巡行ペースは確実に落ち込んでいますが、最後までおおかたイーブンペースを維持できたのは、10月以降のレースの中で徐々に有酸素機能が回復してきた証拠かもしれません。

初日のバーティカルは42分47秒の14位。昨年の一桁順位はできすぎなので、これでも満足です。

さて、翌日のスカイレースも、ショートコースへの変更に伴い、走るコースはほとんどが同じ場所です。

序盤は、前日のバーティカルをそのままなぞります。

2日目は、前日に比べてさらに疲労状況が悪化しており、もう始めのゆるい登り坂でさえ走るのがかったるくて仕方がない状態でした。

累積500mすぎで、今日はもうやめてしまおうかと思うほどのだるさを感じていました。

さらに、いつもなら先着できる50代のランナーたちもずっと前を走っていて、自分のペースが相当に遅いことにも気づいていました。

ただ、そんなことを考えていても、動かないものは動かず、ただただ目の前の坂を、脚を使いすぎないように登ることだけを考えて、淡々と脚を動かすだけでした。

2日目は雨さえ降らなかったものの、山頂付近は猛烈な強風が吹き荒れ、一気に体温が奪われる状況でした。

それでも一つ目のピーク打見山山頂に到達し、そこから一度ゲレンデの急斜面を一気にダウンヒルする区間で、強制的に脚を動かされました。

なんともいえない脚のだるさによって、急降下するスピードに脚の回転がついていけず、何度も大転倒するのではないかとヒヤヒヤしながら坂を下り続けました。

下り切ると、折り返し地点の蓬莱山に向けて一気に標高差100m以上の急斜面を駆け上がります。

この区間を頭に入れていたため、思いの外ここでは脚が動き、ようやく前を行くランナーたちに一人ずつ追いつくことができました。

この区間で、最終的には折り返しまでに4〜5人順位を上げ、脚を残した状態で後半戦に突入しました。

遥か彼方に見えるリフトの終点あたりが折り返し地点。

折り返してすぐに、ゲレンデの急降下が待っています。

いつもは苦手なゲレンデ下りですが、登りで温存したせいか、この日は割とスムーズに脚が前へ前へと出て、軽やかにスピードに乗ることができました。

最後に900m一気下りが待っているため、ここでも使い切ることは許されませんが、それでも楽にスピードを出すことができ、行きに下ったゲレンデの最後の登りもどうにか脚を止めずに登り切ることができました。

そして最後は、バーティカルの逆コースです。

テクニカルな岩場が続く、スカイレースならではの下り区間ですが、ここでも脚がしっかりと動き、脚が止まった時に感じるような恐怖を感じることなく、軽快にトレイルを飛ばすことができました。

序盤に感じていた疲労感が嘘のように、割と元気に最後まで走り切ることができました。

実際、脚の疲労はかなり残っていたのでしょうが、体感的な疲労感は一時的に麻痺していたのでしょう。

スカイレースの最終順位も、前日のバーティカルと同様14位。

ロングバージョンであれば、2度目の蓬莱山登山を、おそらくこなすことができずにDNFしてたであろうスカイレースでしたが、ショートになったことが自分には幸運でした。

気づけば今シーズンのジャパンシリーズも終了。例年になくあっという間にシーズンが過ぎてしまいました。

さて、こうして今シーズンのジャパンシリーズも幕を閉じました。

春から色々なことがあり、一時は終盤戦まで勝負にならないのではないかと危惧された、今シーズンのスカイランニングでしたが、終わってみれば8レースに参加することができました。

シーズン全体の総括は、次回に回したいと思います。

びわ湖スカイランの最大の魅力はなんといっても山頂からの絶景です。これのために、単発で出場するのもありだと思います。

つくばマラソンに出場してきました

こんにちは、ランマニアです。

昨日は5年ぶりにつくばマラソンを走ってきました。

5年前は、ちょうど東京マラソンでフルのPBを出した年で、この時も今年と同じ故障明けで練習がままならず、友人のペースメーカーに徹し、サブ3ペースのイーブンペースを維持したレースとなりました。

今回は、その時よりもさらに練習はできていない状態で、そもそもフルのレースを走って良い状態かも微妙な状況でした。

まず、本格的に練習を再開したのが10月になってからで、練習期間としては、延べ一月半ほど。

日々の練習は平均すると10km程度。走行時間は60分。

最大の走行距離は、トレイルを除くと20kmが最長という状態でした。

練習を再開してレースを迎えるまでのトータルの走行距離は、おそらく400kmを超えるか超えない程度。

10月はトレイル以外はただのジョグのみ、300km程度の走行距離でした。

こんな状況でしたから、もう今回のつくばは一定のペースで長い距離を走り切る「距離走」の扱いで十分だと考えたわけです。

そもそも42kmである必要もなく、キロ4分半で30kmも走れればトレーニングとしてはもう十分だったのですね。

なので、スタート前から気分的には楽なものでした。

アップもしないし、初めの10kmくらいまではのんびり走って終盤に備えれば良い、というゆったりとした気持ちで。

想定通り、スタートして10kmまでは、本当にただのジョグで、脚が動くままにただ走るだけ、といった感じです。

ノーアップでしたから、5kmまではなんとなく脚が重く、10kmくらいでようやく自然に脚が前へ前へ動いていく状態になりました。

ペースとしては、意識をしなくても1kmあたり4分20秒〜25秒くらいを維持できました。

10kmを過ぎたあたりでの脚の状態、体のしんどさから、今日はまずまず調子がよさそうだということにも気づき、ハーフまではしっかりこのペースを維持した後は、脚の状態次第でペースアップを検討しても良いかな、と思い始めました。

ところが、あまりにも脚が良く動くので、中間点まで我慢できず、20km手前あたりから徐々にペースが上がり始めました。

中間点までは我慢に我慢を続けて1km4分25秒ペースを維持。
中間点を通過したところから、スイッチを切り替えました。

それでも、中間点を過ぎたあたりで、ちょうど目指していた1km4分10秒台ペースを維持できそうなペーサーが追い抜いていき、そのランナーについていくことにしました。

この人のペースがドンピシャハマってしまい、25kmまでは自分で意識しなくてもペースを上げることができラッキーでした。

30kmすぎでもう一度ペースアップし、サブスリーを狙おうかと思っていたところ、やはり、気が急いてしまい、30km手前あたりから再び徐々にペースが上がり始めてしまいました。

ついていたペーサーも離れてしまい、30kmすぎからいよいよ一人旅が始まりました。

ちょっと早いかな、と思ったものの、もうこのペースでいくしかないと覚悟を決め、1km4分一桁台を維持することにしました。

ラスト10km。

まだ残りは長いな、と思いつつも、このペースを維持するだけを考え、とにかく「精神的に無理をしない」ことを心がけ、あくまでジョグの延長の意識でペースを維持。

それでも、流石に37kmすぎで脚の動きが鈍くなり、倦怠感との戦いになりました。

それまでの努力度とは明らかに様子が変わり、「精神的に無理」をしながらペースを維持し続けました。

完全に脚は止まっていましたが、サブ3というニンジンがぶら下がっている状態では、かなりメンタルの力で苦痛を抑え込むことができました。

1km毎のキロ表示を通過するたびに時計を確認すると、このペースを維持すれさえすればサブ3は確実だな、という状態になっていました。

40km通過。

フルを走った人なら誰でも知ってますが、ラスト2kmというのは本当にきつい瞬間です。

たった2kmがなぜあれほどきついのか。

まあ、体は40kmの時点で既に終わってるんですね。最後の2kmはほぼメンタルの力で無理やり走っている状態です。

そして迎えたつくばマラソン名物、最後の跨道橋。

ラスト1kmで登場するまさしく「ラスボス」。

たった数十mなのに、この坂が登れない。脚が止まる。そんな急坂です。

しかし、今年はこの坂の手前に大きなサプライズが用意されていました。

ランマニアがフルマラソンを始めた今から10年以上前から、つくばマラソンを含む茨城県のマラソン大会には必ず登場していた、あの「ロッキーおじさん」が、まさかの復活を遂げていたのです。

メディアでも取り上げられていた、一度は「引退」を表明していたロッキーおじさん。

41km、しかもラスボスの手前。

復活して登場するタイミングとしては、もうこれ以上ない条件の場所でした。

ここで元気をもらい、いよいよラスト1km。

もう全く動かない脚も、サブ3の目標を目前にすれば、なんとしても動かさねばならず、残りの距離が短くなればなるほど辛くなる体と闘いながら、どうにか競技場に帰還。

5年ぶりのフルマラソン完走。5年ぶりのサブスリーの喜びを噛み締めようと、最後のゲートが見えたその瞬間。

設置されていた大型デジタル時計の数字は、

3:00:00

え?

一瞬何が起こったのかわからず、考える気力もなく、うっすらと頭に浮かんだのは

「そういえば、スタート地点を通過するまで、タイムロスがあったっけ・・・」

という3時間前の記憶。

1km毎にチェックしてきたサブ3ペースは、完全に「ネットタイム」のそれだったのですね。

フィニッシュ後、がっかりはしたものの、ただ「騙されて」いなければ終盤ここまでペースを維持できなかったことを考えれば、まあ「嘘も方便」だったわけで、ポジティブに考えました。

こうして5年ぶりのつくばマラソンは幕を閉じましたが、個人的にはかなり収穫の多いマラソンレースとなりました。

・4月に長野マラソンを棄権して以来失っていたロードレースへの自信を取り戻せた

・最低限の練習でもサブスリー(ネット)を達成することができた

・「完全ネガティブスプリット」でフルを走り切ることができた

・現在の実力に合わせたペース設定で走ることで、フルでもその時点の実力を発揮できることに気づけた

などです。

最近は、トレイルがメインとなっていて、もうロードレースは楽しめないのかもしれない、と弱気になっていました。

そんな中で、今回のフル完走は、もう一度ロードレースでも勝負してみたいと、かつてフルマラソンでベスト記録を出すことに全力を注いできた頃の気持ちを、再び思い出させるレースとなったことは間違いありませんね。

烏帽子スカイラン SKYエリートに参加してきました

こんにちは、ランマニアです。

さて今回は、烏帽子スカイランの「SKY」部門のレースレビューです。

「SKY」部門は、JSA的にはいわゆる「スカイレース」の部門で、累積標高差がだいたい1000m〜3000m、移動距離が30km程度までの山岳レースを指します。

今回の烏帽子は、移動距離25km、累積標高差1550mという、SJSの中ではおそらく最も「走りやすい」スカイレースの部類に入ります。

個人的に最難関は、上田バーティカルレースにおけるスカイレース(塩尻コース)で、こちらは移動距離は25kmと変わらないものの、累積標高差はなんと3000m。

通常のランナー感覚からすると、「なんだ距離は変わらないじゃないか」と思われるかもしれませんが、同じ移動距離で累積標高差が倍近くあることに注目です。

スカイレース(バーティカルもですが)では、移動距離に対する累積標高差の比率がかなり重要でして、1kmあたり100mの獲得標高をはるかに上回る上田のコースは、それだけ急峻なコース設定がなされていることを意味します。

一昨年の塩尻コースは、出走3回のうち唯一まともに走り切れたレース。それほど攻略が難しい上田の塩尻コース。

こうしたスカイランニングの特徴を考えると、先日の烏帽子はかなり楽に走れる部類に入り、レース時間も2時間から3時間に収まる程度の、高速コースとなっています。

この烏帽子スカイレースの最大の特徴は、なんといっても、後半に相当な距離の「ロード区間」が待っていることですね。

通常、スカイレースでは一般的なトレイルランニングに比べて、林道やロード区間、あるいは快適に走れる平坦区間が限りなく少ないのが特徴ですが、この烏帽子に限っては、終盤はあたかもロードレースさながらの展開が待ち受けています。

一昨年は、そのあまりにも長いロード区間で完全にやられてしまい、序盤の烏帽子岳を登った爽快な気分が、ゴールではすっかり消えてしまったのを覚えています。

烏帽子岳登山を終えた後の下りで、若者ランナーに激ぬかれした一昨年の烏帽子スカイレース。

そんな苦い経験のある烏帽子スカイレースであったため、今回はある対策をしてみました。

それは、思い切ってロードシューズで走ってみよう、ということでした。

前半の烏帽子岳登山を含むトレイル区間は、総距離の約半分、12km程度です。

しかも、ほとんどが落ち葉が堆積した非常に走りやすい足場で、硬い岩場が現れるのは、山頂付近にとどまり、あとはトレイルシューズでなくとも思い切り着地のできるサーフェスが続きます。

前半、烏帽子岳までの登り区間はこのような快適なトレイルが続きます。これほど足場が整っているスカイレースも珍しいです。

一方、トレイル区間が終わった先は、2〜3km続く砂利道の林道区間、そしてその後はほぼ全てがロード区間となります。

つまり、走る距離の半分、時間にしても半分以上は砂利&ロードなのですね。

しかも、その後半の一般道区間はほとんどが下りで、足へのダメージもかなりのものがあります。

山頂から下ってくる急坂下りでやられた脚にとって、その後10km以上続く一般道は相当なダメージが上乗せされる嫌な区間です。

なので、一昨年はクッション性の低いトレイルシューズが終盤あだとなり、せっかくの高速区間がただのジョギングと化してしまったのでした。

唯一トレイルシューズの恩恵が受けられるのは、この山頂付近の岩場くらい。

果たして今回、この作戦はかなり功を奏しました。

序盤の烏帽子岳登山で、相当にペースを抑えたというのもありますが、山頂を過ぎてからの激坂下りも、足場の悪い林道区間も、全く恐怖はなく、思い切り膝下を前に出して豪快に飛ばすことができました。

もしかすると、スカイレースの下り区間で、ここまでぶっ飛ばしたのも初めてだったかもしれません。

それほど脚の動きも良く、また、着地の恐怖も軽減されていました。

そして、問題のロード区間についても、一昨年のようなジョギング大会ではなく、明らかに「レースしてるぞ」といったイメージで、現在のLT付近のペースを維持できていた印象です。

ただ、今回唯一失敗したのは、このロード区間で地味に繰り返されるアップダウンによって、思いの外脚を使わされてしまい、最終盤の「山登り」で脚が終わってしまったことでした。

せっかく、下り区間まで脚を取っておいたのに、これは非常にもったいなかったです。

スカイレースにありがちな、最終盤の登り区間。

このコースにも、最後の最後に3つの急登が用意されているのです。

禰津(ねつ)城。

お姫様の巨石。

そして、フィニッシュ地点に向かう最後の石段。

この3箇所に加え、ロード区間でも一旦登り区間があり、トータルで累積100m近くにはなる侮れない急登です。

今回は、ロードを飛ばし過ぎた結果、この3箇所の登りで、一気にペースダウンをしてしまったのが悔やまれます。

フィニッシュ地点へ駆け上る最後の石段。レース中は、常にこの存在が頭にあります。

最終的なタイムは2時間32分14秒。

一昨年よりも2分近くタイムを縮め、やったPBだと喜んだのも束の間、実は今回からスタート地点がこの石段ではなく、それよりも数百m進んだ先にある登り坂だったため、縮めた2分はちょうどその分であったことに気づきました。

今回から一斉スタートとなったため、スタート地点がだいぶ先になりました。

とはいえ、一昨年よりも練習が積めていない状態でほぼ同タイムで走れたことはかなりの収穫で、これは多少なりともレースに向けた対策が生きた結果となりました。

一つは、序盤の登りをかなり抑えたこと。

もう一つはロードシューズで走ったこと。

この2点の工夫が、今ある限られた実力を最大限に発揮できた要因だったと思います。

トレイルは、ロードレースやトラックレースに比べて、結果に影響する因子が膨大に上るため、ロード・トラックのようなシビアな世界ではありません。

単純に走力や登坂力だけでなく、ペース配分などの工夫をするだけで、かなりネガティブな要素を打ち消すことができる競技ですね。

そうした意味では、まだまだ自分の実力を開拓する余地は残されていますし、トレーニングのアプローチも工夫できそうに感じています。

いずれにしても、練習が十分積めていない状態で参加しても楽しめてしまうスカイレースは、トレーニングの中でちょうど良い気分転換になる種目であると、改めて感じた二日間でした。

烏帽子スカイラン VKエリートに参加してきました

こんにちは、ランマニアです。

故障から復帰後、第2戦目はここ数年連続で出場している「烏帽子スカイラン」です。

この烏帽子は、日本スカイランニング協会(JSA)のスカイランニングジャパンシリーズ(SJS)戦にも位置付けられていて、バーティカル「VK」とスカイランニング「SKY」のそれぞれ「エリート」がそれに当たります。

このシリーズ戦で、毎試合登録者の中で30位に入るとポイントが加算され、そのポイント数で年間シリーズを戦う、魅力的なシステムになっています。

さて、そんなSJSの第4戦、烏帽子スカイランの、まずはVKのレースレビューです。

通常バーティカル競技は、累積標高差1000m程度を一気登り、登りっぱなしのコース設定となりますが、烏帽子は珍しく下りや平坦区間がかなり設定されています。

この烏帽子のVKは、ここ数年出場するたびに自身のコースレコード(PB)を更新し続けている縁起のいいレースとなっています。

比較的走れる区間が多く、また下りも存在する珍しいVKのためか、割と自分自身の特性にはマッチしたコースです。

昨年は、練習も積めていて、さらに当日の調子も良かったせいもあり、序盤からかなり飛ばし気味に入ったものの、終盤の失速も最小限に抑えられ、65分台のベスト記録を更新することができました。

昨年は自分でも驚きのPBで自信を深めたレースとなりました。

そうした良い印象のあるレースであるためか、今年のレースも、前週に志賀高原を走って中5日だというのに、さらに10月に練習を再開したばかりだというのに、何だか今年も昨年同様に走れてしまう根拠のない自信に満ち溢れていたのですね。

レースで失敗する時は大抵、こういった自身の体の状態を把握しきれずに、気持ちだけが先走った場合です。

今回も、アップの時からなんとなく脚が重く、上り坂で感覚を確かめようとしてもすぐに失速するような最悪の状態であったにも関わらず、スタートからそこそこのペースで駆け上がってしまいました。

スタートして1kmのロードが終わると登山道に入りますが、初めの尾根越えの時点で足が終わりかけて絶望しました。

疲れているため、きっとペースが遅いだろうと思っていたところ、かなりの序盤でいつも歯が立たない同年代の有名ランナーに追いついてしまい、これはもしやOPなのでは?と気づいた時には時既に遅し。

累積にしてわずか300m程度の段階で、既に脚の動きが鈍くなりかけていました。

こうなってしまうと、残りの900mを登るのはかなりしんどくなります。

本来、急登続きの終盤に脚を取っておかなければ、大幅なタイムロスが生じてしまうスカイランニングですから、この展開はかなりまずい展開でした。

案の定、例年ならまだまだぐいぐい押せていたはずの終盤の緩やかな登りでもある気が入ってしまい、急登では止まりそうなほどのペースダウンを強いられました。

また、練習不足から、一歩で登れる距離も短くなっていて、知らないうちに巡行ペースもかなり落ちていたようでした。

登山道のような急な登り坂は、いったん動きが止まると進むために必要な時間が2倍3倍と跳ね上がるので、ロードレースやトラックのように、脚が止まってもそこそこ進めるようなことはありません。

なので、さっきまであれほど順調に登り坂を進めていた様子から一変して、まるで別の競技に変わってしまったかのような動きと、進む速度に変わってしまうのですね。

ラスト200mある岩場に、10分近く要してしまいました。

結局、毎年苦しめられる最後の岩場も止まるような速度にまでペースが落ち、結果として昨年のPBから約4分遅れ、そしてまさかの自己ワーストタイムでフニッシュという結果となりました。

練習ができていない中でOPともなれば、簡単にワースト記録となってしまうバーティカルの恐ろしさも実感しました。

順位的には14位と、ポイントもかなり獲得でき、練習不足の割には満足いく結果と言えなくもないですが、レース終盤は潰れてしまった悪い印象が残り、軽快に気持ちよく登り坂を走るVK特有の楽しさを味わえなかったのはとても残念でした。

烏帽子の最大の魅力はやはり山頂からのこの絶景です。

ただ、それでも山頂に到達し、360度のパノラマビューに飛び込むことのできるこの烏帽子VKの最大の魅力は、その絶景にあります。

通常なら2時間も3時間もかけた先に待っているこの山頂の風景を、我々はわずか1時間足らずで目にすることができ、山頂がゴールのVKではそれにしばらく浸ることができます。

多少のタイムや順位の悪さも、この景色を前に、まあ許せてしまうのがVKの良いところですね。

翌日のSKYでは、ここを折り返し、一気に麓に向かって下っていきます。

体調や体力不足を見誤り、ペース配分を大きく間違えた初日のVKでしたが、2日目のSKYではその反省を生かしてレース展開を大きく変えることになりました。

次回は、SKYのレースレビューです。