高尾山へ登ってきました

こんにちは、ランマニアです。

今日は代休で高尾山へハイキングに行ってきました。

通常、平日の休みはトレランをしにいくことが多いのですが、今回はレース後2日は休むつもりでいたので、のんびりウォーキングをして気分をリフレッシュしてきました。

標高は低いものの、バリエーション豊富な登山道が用意されていて何度行っても飽きない山です。

いつもは舗装された急坂ロードを一点突破で山頂まで直登するのですが、今日は気分を変えて、少し距離のある6号路へ行ってみました。

ケーブルカー駅を横目に見ながら6号路へ向かいます。実はまだこれに乗ったことはありません。

6号路はしばらく舗装された緩やかな坂を登り、途中から登山道に入ります。

滝修行を行うための修験道になってます。

6号路は高尾山に二つある(一つは今回下山に利用した蛇滝)修行を行うための滝へ向かう修験道になっています。

そのため、登山道といっても登っていることに気づかないくらいの緩い勾配が続く、トレランには最適な山道です。

最後の急登まではずっと沢に沿って登っていくので、夏は涼しくて快適そうです。

最終的にこの沢が登山道に変わり、一部足を濡らしながら登る沢詰め状態になります。

本当にロードくらいの登り勾配なので、あまりに楽すぎて、最後にどんな勾配が待ち受けているか不安になります。

とは言え、標高はたかだか600mの山なので、最後の急登と言ってもちょっときついかな、という程度の階段登りで終わりです。

御前山や日の出山のような死にそうになる階段ではないのでご安心を。

登山道は一応山道ですし、そこそこの登り勾配で、時々岩場もあり、トレランビギナーが練習するには最適な場所だな、と。

山頂から小仏峠、陣馬山の方まで走りに行くにも、こっちのルートを登ったほうが脚を温存できていいかもしれませんね。

雨予報も外れ、まさか富士山が見えるとは。

そして、帰りも通ったことのない4号路を経由して、蛇滝コースへ。

蛇滝コースは短い代わりに勾配も急で、ここから一気に降ります。

こちらも、修行を行う滝がある修験道コースですが、高尾山の自然路に指定されていないため、かなりガチな登山道になっています。

と言っても、むしろこれくらいが普通の登山道ですので、「レジャー登山」ではなく、ちゃんとした登山をしたければ、こっちのコースから登ったほうが楽しめると思います。

蛇滝コースは人がすれ違えないほどの一般的な登山道が続きます。

それでも距離は短く、30分も歩けば下り切ってしまうお手軽コースです。

ただし、下山した先は圏央道の真下なので、高尾駅まではかなりあります。

ロード歩き(走り)が苦にならなければいいですが、面倒臭ければ1時間に3本(平日は1本)のバスに乗るほうが楽ですね。

高尾山をぶち抜いた圏央道の真下に降りてきます。

今回のコースは、距離にしてだいたい8km程度。時間にすると2時間程度です。

走れば1時間くらいであっという間に終わってしまいそうなお手軽ルートですので、練習には物足りないコースですね。

ただ、今まで使ったことのなかったコースを「下見」できたので、次回はどちらからか高尾山へアクセスして、尾根道を景信、陣馬、さらにその先まで走ってみたいと思います。

試運転は高尾山へ

こんにちは、ランマニアです。

12月11日のロングジョグで右ふくらはぎにかなり危ない張り(というか多分損傷は出ていた)が出て以降、大事をとって練習を休んでいました。

以前も書きましたが、30代になって以降、ランマニアの接地の仕方がとにかくふくらはぎに負担がかかりやすいフォームで、無理が重なると真っ先にこのふくらはぎが危なくなってくるのですね。

ジョグを芝生主体にしてだいぶ改善されたように思いましたが、やはりレペのような強度の高い練習が繰り返されると、ふくらはぎに危険な張りが出るようになります。

今回は実際に「ピキっ」と言って切れたわけではなかったので、翌日には痛みも消え、日常生活で痛みを自覚する程度の故障には至りませんでした。

まあ、「このまま続ければ切れるよ」という状態ですね。

今年1月の肉離れは、この「痛みのない状態」の時に調子に乗って練習をしたことで、超えてはいけない一線を超え(つまり切れて)レスト期間を長引かせる原因となりました。

強い張りが出て筋が微細な損傷を受けると、筋のまとまりで考えれば全体の強度が低下しているため、普段のなんでもないジョグでも他の部分にも損傷が生じやすくなるのではないかと、と考えています(目で見たわけではないのであくまでもイメージですが)。

なので、今回はそうした経験を振り返り、痛みはなく走れそうでもひとまず1週間は「ノーラン」週を設け、様子を見ることにしました。

しかし、その翌週に軽く(本当に軽く)走ってみたのですが、割と早い段階でまた張りが生じるので、これは思いのほか長引きそうだな、と嫌な予感がしたのですね。

結局、強い張りが出てから約16日間は完全レストか走っても2km程度でここまで過ごしてきました。

ただ、あまりにも何もしなさすぎても、今度はそもそもの走る筋力自体がどんどん弱くなっていき、再開の際に相対的な負荷がかかりすぎて、また何処かを痛めそうだったので、今日あたり様子見でハイキングにでも行ってみようかと、久々に登山に出かけました。

目的としては、軽く息が上がり、一定時間脚を動かし続ければよかったので、いつもトレーニングで通っていた1500m級のガチな山ではなく、「観光登山」と称して「高尾山」というユルイ山へ向かうことにしました。

学生時代以来、27年ぶりの高尾山

ただしルートは、旧甲州街道を車で行けるギリギリまで行き、そこから小仏峠を目指し、逆回りで高尾山に登る超マニアックなルートです。

別に初めからそうするつもりはなかったのですが、高尾山周辺は駐車場代が高く、ならば小仏峠に登って帰ってこようかと思ったところ、意外とあっさり到着してしまったため、じゃあ高尾山まで足を伸ばすか、ということになったのですね。

小仏峠は江戸時代の五街道の一つ「甲州街道」のルート。こんな登山道が元は江戸と甲州(最終的には京都)を結ぶ重要な街道だったんですね。

路面は土で、登り坂であればふくらはぎへの衝撃も抑えられ、適当にジョグを取り入れながら高尾山を目指しました。

2週間のブランクがあるとはいえ、思ったよりも登りは呼吸も苦しくならず、脚にも余裕がありました。

小仏峠から高尾山までは2.5km。ランが可能ならおそらく一瞬で走破できるほど楽なコースです。

やはり、2週間程度であれば、まだギリギリ「走る能力」を維持できているのかもしれません(ミトコンドリアは1週間から10日ほどで急激に減るらしいですが)。

最終的には、思ったよりも距離が伸びてしまい、トータルで16km以上歩きとジョグを繰り返してしまうことになりましたが、幸い脚はなんともなく、快適なハイキングを楽しむことができました。

駐車場まで旧甲州街道を6kmも戻りました。走ればあっという間ですが、歩きは気が遠くなり途中でおからドーナッツを購入

それにしても、久しぶりにこうして長い時間体を動かし、心拍数を上げ、血流量を増やしましたが、やはり走っていなかった時よりも脳が活性化され、色々アウトプットするネタも湧いてくるものです。

走れない時はツイートもブログも何も思いつかず、なんだかつまらない日々が続いていましたが、体を動かすとまあとにかく脳も元気になりますね。

今年は故障に始まり、故障に終わる形になりましたが、今回は早めに対処したので比較的早く復帰ができると信じで、焦らず戻していこうと思います。

Go To 雪山

こんにちは、ランマニアです。

さて、今日は以前から予定していたトレイル練習をしに前回も訪れたあきる野市へ。

前回は2ヶ月ぶりのトレイルということで、登り坂が全くダメダメで、数日間筋痛にも悩まされるという新年早々情けない結果に。

今回はずいぶん前から代休を取れることがわかっていたため、山を走るには空いている平日がベスト、と言うことで少しまとまったトレイル練習を計画していたのですね。

しかしふくらはぎを痛めてしまっていたため、今回は半分お気軽登山の意識で体を動かしてこよう、と言う計画に変更。

温泉からすぐに登り始められる低山にのんびり登って軽いジョグも織り交ぜれば十分だろう、と。

前日まさかの積雪

ところが、前日日曜日は関東でも降雪の予報。

実際には平地は雨でしたが、きっと山は雪だっただろう、と。

ただ、思ったよりも気温は下がらなかったことから、積もってもアイゼン装着なんてことはないだろうなと予想し、予定通り出発。

案の定、行きの車の中から見えた山並みは、まるでアルプスのような光景で標高の高い山だけにうっすら雪が積もっている状態。まああの程度ならどうにかなるだろう、と、むしろ都内の低山で雪山を楽しめそうな予感。

今日の目標は、脚を使いすぎない程度に呼吸を追い込み、ジョグではふくらはぎを痛めないこと

そもそも、今日トレイルを入れようと思ったのも、ふくらはぎをいたわるため。

ふくらはぎを痛めているのになぜトレイルを?と思われるかもしれませんが、実はトレイルで使う筋肉はランとはかなりの違いがあり、走り方さえ気をつければ意外と患部を守りながら走ることができるのですね。

例えば、平地のアスファルトとかですと、「かかとで着地して重心が前足部に乗り、そのままふくらはぎの力を使って蹴り上げる」という動きを何千、何万と繰り返すため、ふくらはぎにはかなりの負荷がかかってしまいます。

一方、登山道を走る際には、まず走れないような急坂を登る際には「着地」というフェーズがほぼないと言ってもよく、つま先だけでふくらはぎの力を使って小刻みに上らない限りは、ほとんどふくらはぎの筋肉を使わずに登れてしまいます(階段を登るように)。

これくらいの急登は走れないため、むしろ脚の筋を守ることができます

そして、尾根道のような若干平坦な部分でも、必ず小刻みにアップダウンがあるため、同じような着地→筋力の発揮が何百回も繰り返されることはほぼありません。常に路面は変化し、使う筋肉も変わってきます。

このような快適なシングルトラックは路面が柔らかいだけでなく、常に変化があるので意外とふくらはぎにはきません。

一方、登ってきたほどの急な坂を下る場合は、一見ものすごくふくらはぎに負担がかかりそうなイメージがありますが、これも前足部に力を入れてブレーキをかけない限りは、それほど無理な力はかかりません。

少し膝に負担はかかってしまいますが、踵側で着地をし、重力に任せてリズミカルに降っていけば思いのほか快適に下ることができます。

下りは少し重心を下げて脚の関節を車のサスペンションのようにタイミングよく曲げていくと、体幹部で衝撃を受け止められ、思ってよりも脚には負荷をかけずに済みます。

なので、ロードの高強度練やレースなどでふくらはぎにものすごい大きな負担がかかっているときなどは、あえてジョグをトレイルに替えてしまうことは結構あるのですね。

そして脚への衝撃を最小限に食い止めつつも、急登では心拍数を上げることができるので、今のようにスピードを上げて心拍ゾーンを高めて走ることができない時は、意外とトレイルは都合の良いフィールドだったりします。

山頂付近は本当に雪山だった

標高が低いうちは前日の雨で適度に締まった路面が快適で、幸いふくらはぎも問題なく、気持ちよく走れました。

しかし、標高が700mを超えたあたりから積雪が目立つようになり、目的地の馬頭刈山に到着する頃には本格的な雪山になっていたのですね。

積雪はざっと10cm。この前後では常にこれくらいの積雪があり、「先客」の足跡がなければちょっと怖い状態でした。

そしてまさかの「先客」があり、ずっと足跡が続いていたためその足跡を追えば問題なくトレイルを外れることがなかったのは幸運でした。

それほど険しい山ではないとはいえ、雪の下が空洞になっていたりすると、気づかず踏み抜いたり、滑落したりする恐れがあり、こんな低山でも遭難の危険性は意外と高まるのです。

後半はロードジョグ

このようなトレイルをだいたい90分くらい走って下山し、この時点で距離は6km。

運動時間は90分とはいえ、意外と脚にはきていなかったことから、下山後はジョグで温泉まで走ることに。

近くの集落に降りられる下山道を選択。家や道路が見えるとホッとします。

昨日の時点では、今日はアスファルトを走る予定はなかったのですが、ふくらはぎの状態は思ったよりもよかったので、軽くジョグをすることにしました。

本来7kmほどで温泉に戻るはずが、途中で道を間違えトータル10kmほどになってしまいましたが、脚は全く問題なく、気持ちよく快適なジョグで帰って来ることができました。

今日くらいの距離と負荷を加えてもほとんど違和感も無くなったため、徐々に通常モードの練習に戻せそうな気がします。

戸倉三山を走ってきました

こんにちは、ランマニアです。

さて、昨年に引き続き今年も正月休みを利用しての初トレイル練習に行ってまいりました。

昨年は真冬の美ヶ原に里から走って登る、というアホみたいな練習(当然雪上トレイル)をしてしまったのですが、今年はダニエルズのマラソントレーニング中ということもあり、1週間を通しての負荷をどうするかと考えた時に、2回あるQデーを両方こなせる程度の負荷で行う、という観点から少し軽めのトレイルを選択したつもりだったのですね。

今週のQデーは、初回がロングジョグ(130分)、2回目がLTインターバルとVO2インターバルを組み合わせた最も苦手な練習、という内容です。

当然ながらこの2回目のQデーが勝負の日なのですが、せっかくのまとまった休みで一度も山に行けないのも残念なので、初回のQデーをロングトレイルジョグに充ててみたということなのです。

最後にトレイルを走ったのはもう2ヶ月も前になる烏帽子スカイレース。あれ以来、全く山を走っていなかったですし、関所マラソンの疲労も皆無ではなく、さらには数日後には最もきついインターバルが待っていると考えれば、今日は比較的ゆったりと時間をかけてのんびり走れるトレイルがいいな、と近場はあきる野市にある低山(山のキツさは標高とは無関係です)を目指したのですね。

このあきる野市にある「瀬音の湯」という温泉施設は以前一度利用したことがあり、非常に泉質がいい割にリーズナブルで、自宅からアクセスしやすい場所でして、今度行く時は山を走ってそのままドボンしたいと強く思った場所でした。

さて、そんな温泉めあてのトレイル練習ですが、ここを拠点にした場合どのあたりまでの山へ行けるか考えてみました。

まず真っ先に思い浮かんだ「大岳山往復コース」はあまりにも距離が長すぎるので却下。

大岳山は先日東京バーティカルレースが行われ、ランマニアも昨年その試走を行った場所なので、もう一度行きたいなと思ってはいたのですが、流石に瀬音の湯から片道15km超は今回の練習の趣旨とは外れます。

次に候補に上がったのが、「戸倉三山」と呼ばれるこの地域(戸倉地域)を代表する三つの山を縦走するトレッキングコース。一部があの「ハセツネ」のコースの一部にもなっていて、地元ではかなりメジャーなトレッキングコースです。

三山はどれも標高が800m前後ですから、まあ最初だけ急登を登ればあとは気持ちのいい尾根づたいの気持ちのいいシングルトラックだろうと、超甘く見積もりました。

距離も山岳区間だけで15km弱ですから、大体2時間ちょっとで回れるだろう、うん、今日の練習の趣旨にぴったり、と、とにかく完全に舐めてかかってこのコースを選択したのですね。

さあ、久しぶりのトレイルランニング、楽しみ楽しみ、と温泉施設を後にして最初の登山口まで足取り軽やかにジョグで向かいます。

瀬音の湯から登山口までは秋川渓谷を渡る吊り橋を通ります。ここは絶景。温泉に立ち寄った際には必ず訪れてほしい場所です。

実はこの三山巡りの前に少し寄り道したいところがあり、それが稜線まで登ったところから500mほど逸れたところにある「城山」と呼ばれるかつての山城のあと。

事前の調査でかなり景色が良かったので、まずはアップがてらそこまで行ってみようと、久しぶりの急登をガシガシ登ります。

城山からの眺め。五日市方面を一望でき、遥か彼方の群馬の山々まで見渡すことができます。ここまで登って引き返して温泉、だけでも十分楽しめそうです。

しかし、もう2ヶ月も山を走っていなかったからか、とにかく脚に力が入りません。なんというか、絶対的なパワーがない感じなんですね。呼吸はそれほどでもないのに。

もしかしたら、レースの疲労もあるのかもしれません。しかしそれにしても、すぐに一杯一杯になってしまい、10月のトレイルシーズンにはなんでもなかった勾配も、すぐに歩きが入ってしまい、自分の衰えに軽くショックを受け。

城山からの眺めは最高だったのですが、この疲れ具合から先行きが不安になってきました。

しかしせっかくの休日、こんなところで引き返して温泉ドボンはもったいない。そう思い、予定通り稜線を進むことにしました。

ここから先が、本当に想定外でした。

まあとにかくアップダウンが凄まじいこと。

同じくランマニアの地元に近い奥武蔵地域によくみられるような、岩場だらけの幾度もピークを超えながら尾根を進んでいく、あの特有のコースがそこにはありました。

このような岩場だらけなのでとにかくペースが上がらず。道も細く、油断すると滑落の恐れも。

もう幾つの山を越えたのだろう、と数えるのも嫌になる程軽い山登りを幾度となく繰り返し、まだ最初の臼杵山にたどり着く前から累積標高が1000に近づいてきたので目を疑いました。

そして、山慣れしていない脚の疲れが次第にひどくなり、完全に登りは止まってしまいました。ああ、情けない。

ただ60分ほど走ると、一度急激に溜まった乳酸が代謝され、脚のPHも酸性から中性に近付いたのか、ようやくエンジンがかかってきた印象になりました。ああ、これならまだしばらく走れるぞ、と。

三山の一座目は最も標高の高い臼杵山
標高が1000に近いと空気感が変わります。

本当はこんなことをするはずじゃなかった、と思うほどの急激な登りが延々と続いた先に、ようやく一座目の臼杵山に到着。

こんなはずじゃないかった坂

その後も似たようなトレイルが延々と続きましたが、若干走りやすいシングルトラックに変わり、徐々にペースも上がってきました。

本当はこれくらいの尾根道が続けば良かったのですが、こういう道は長くは続きません。

臼杵山から二座目の市道山までは約3kmほど。山道の3kmは意外と長く大体キロ10分で行ければ良い方。

若干標高は下がりましたが、アップダウンが繰り返されたので下がってきた感覚は全くなし。

それにしても東京都の登山道は本当によく整備されています。こんな百名山でもない小さな山にこの立派な山名板。地元埼玉では絶対にあり得ないですね。さらにかなり短い間隔で道標も設置されていて(しかも新しい)、ほぼ迷うことなくルートを進むことができます。お金あるんだろうなぁ、と。

出ましたハセツネ。以前青梅の山でもこれを見かけましたが、とんでもない広範囲にわたって走るんですね、このレース。ここを走ってみて、絶対にエントリーしない、と確信しました。

市道山から三座目の刈寄山まではなんと5km。初め「5km」という表示を見た時は「マジかー!」と誰もいない山中で叫んでしまいました。

何せここまでの道のりは大体9km強。それを約2時間かけて走ってきましたから、まだあと1時間かよ、と愕然としたのですね。

ちなみに、この市道山からはあの八王子の「陣馬山」まで尾根道づたいに行くことができます。こちらも約5km。さらにその陣馬からは、かなり遠いですがあの「高尾山」へもアクセス可能です。体力に余裕があり、本格的にトレイルの練習をする機会があれば、一度やってみたいコースではあります。

長かった市道山からの繰り返されるアップダウンも、この入山峠でようやく一区切り。ここから後500m。激坂が続きますが、最後の登りです。

その後途中のキロ表示が3kmを切ったあたりからやはり気持ちもだいぶ楽になり、そうなってくると体も元気がみなぎってくるのですね。

これまでは先のことを考えてどうしても体をセーブしがちになっていましたが、残り2km台ならアクセル踏んでも大丈夫だろう、という感覚が無意識のうちに頭に浮かびます。

これは、ロードレースなんかでも同様で、なんというか現時点で残されている自身の体力が、あとどれくらい頑張っても大丈夫か、というのが感覚的にわかるのです。もちろん、最終的には「アクセル踏むのが早すぎたか!」ともくろみが甘い時もあるのですが、しかしそういう肉体的な限界は心理的にカバーして走ってしまいますし。

ようやく3座目の刈寄山に到着。標高はかなり下り600m台。ただし、ここまでの累積標高は1500mに迫るほど。

最後の力を振り絞って(本当は振り絞っちゃいけなかったのですが)ようやく最後の刈寄山に登り、あとは五日市の町まで一気に下るだけ。

この下山道はあまり利用されていないらしく、かなり荒廃していて一度ロストしてしまいましたが、どうにか無事に下山を果たしました。

本来のQデーとしての練習は130分または27kmの短い方、というロングジョグでしたが、今日はトレイルの22km、累積標高は大体1500m。走行時間は3時間半。おそらく、予定していた体への負荷は大幅に越えてしまいました。しかも、久しぶりのトレイルで体にかかった負荷も以前より大きめになった気がします。

登山道のような通常身の回りにあるような上り坂とは比べものにならないほどの勾配を登ったり、駆け降りたりする際の筋力の発揮の仕方は、おそらくロードをジョグするのとは全く違うパターンだと思います。

おそらく平地をジョグするよりも速筋を優位に使っているのだと思いますが、こうした山練習の後は必ず「バネ」がなくなった状態がしばらく続きます。つまり、スピードを出して走れなくなるのですね。

なので、次のQデーで予定している比較的ペースの速いインターバルには結構影響が出てしまうものと思っています。

とはいえ、2ヶ月山から遠ざかるだけでこれほどまでに筋力、筋持久力が衰えてしまうことを考えると、やはりこのタイミングで一度入れておかなければならなかった練習だったと改めて気付かされたところです。


2020年を振り返ってみました

こんにちは、ランマニアです。

さて今年も残り2日となりましたが、とにかくこの2020年はランマニアにとってエキサイティングな1年となったのですね。

まず今年は一念発起して、本ブログとTwitterをこの歳になって始めてみました。

以前から知り合い向けの非常に世界の狭いブログは発信していたものの、本ブログのような世界中の(といっても日本の人しか知らないと思いますが)誰もが見れるブログ、読み手にとってブロガーが全く赤の他人で素性の知れない人間、という状態で書くブログというのは初めてのことでした。

始めた頃は公開することに大変勇気が要りましたし、そして初めの数週間はどこにも引っ掛からず全世界でPV 0という状態がずっと続きましたからね。これは本当に厳しい現実でした。

しかし、さらに大きな一歩を踏み出してTwitterなるものに挑戦してみたところ、こちらも初めこそ「いいね0」「フォロワー0」が続いたものの、しばらく続けているうちに非常に多くの方と交流することができ、こんな一市民ランナー(しかもいい歳したおっさん)の練習内容や呟きに関心を持っていただける方にも恵まれました。

これはまさに2020年最大のニュースでしたね。

そしてそれらをきっかけに、これまで取り組んだことのなかった(というより無理だと思っていた)練習メニューにも挑戦することになり、結果的にそれを通年継続することができ、多くのレースで手応えを掴むことができました。

まずはスカイランニング。

残念ながら昨年Aチームに入ることのできたJSAのジャパンシリーズは中止となってしまいましたが、幸いレース自体はいくつも開催され、10月からほぼ毎週のようにレースに参加することができました。

特に、今年は本格的に「バーティカル」レースにも参加しようと思い、日本選手権ともなった尾瀬岩鞍バーティカル、そして初のコンバインド参戦となった烏帽子バーティカルの2レースを走ることができました。

スカイランニング初戦となった尾瀬岩鞍バーティカルレース。坂という坂が全て急登、そして途中にその下りも存在し想像以上にテクニカルなコースでした。(名物「ジャイアントウォール」はむしろおまけ)

尾瀬岩鞍は、さすが日本選手権とも言える豪華メンバー勢揃いで、順位的には全く歯が立ちませんでしたが(40位以降)、序盤から攻めた走りをして心肺をかなり追い込むことができました。「短くて速い」バーティカルレースは、どちらかというと若い人の方がパフォーマンスを発揮しやすい印象を持っていますが、そうした中でまだまだ心肺機能をフルに使って戦えることがわかったことは大きな収穫でした。

尾瀬岩鞍のコースは、とにかく坂が全て急勾配。この、まさに立ちはだかる壁に挑戦するのが、尾瀬岩鞍最大の特徴であり難しさ、そして魅力であると思っています。

烏帽子バーティカルは、これぞスカイランニングと呼ぶにふさわしい、まさに空に向かって駆け上がる登山競走。

そして2つ目は昨年も出場した烏帽子バーティカル。勾配はやや緩やかながら、一定の苦しさを60分以上維持しなければならない、バーティカルとしては比較的距離の長いバーティカルレース。しかし、むしろ長距離ランナーとしての有酸素能力や無酸素性作業閾値がかなり活きてくるコースであるため、ランマニア的には自分の力をフルに使って走ることができるとても好きなコースです。

昨年は目標の30位以内に入り、今年はさらに上を目指し20位以内を目指したところ、なんとか昨年の記録を上回り20位以内に滑り込むことができました。これは相当自信になりました。

続いてスカイレース。

こちらも2戦に出場しました。

志賀高原エクストリームトレイルは、過去あまりいい思い出がないレースですが、ランマニア的にはとても気に入っているコース。色々な意味で「エクストリーム」ですが、目まぐるしく変化するコースが最大の魅力だと思っています。

1戦目はもう3度目の挑戦となる志賀高原エクストリームトレイル。一昨年はコースロスト、昨年は終盤低血糖に陥り、とにかく毎年このエクストリームなコースに打ちのめされてきました。

今年は長距離ランナーとしての練習をかなり積めてきたので、この30km以上のトレイルコースをしっかり走りきれるかある意味楽しみでした。

結果は、最終盤の山場「サンバレースキー場」の激坂も半分以上走り通すことができ、最後はキロ5分程度のペースを維持してゴールまで走り切ることができました。歩行区間が2箇所に増えたにもかかわらずコースベストを出すこともでき、この辺りから練習の手応えも感じていたところでした。

今年から正式種目になった烏帽子スカイレース。前日のバーティカルとは逆側から烏帽子岳を一気に駆け上り、下山後はなんとロードレースと化す非常にエキサイティングなスカイレースです。

そして2戦目は前日のバーティカルとのコンバインドとなった烏帽子スカイレース。以前のランマニアなら、絶対にコンバインド(2日連続2種目レース)など不可能でしたが、本当に今年はいわゆる「脚ができて」きた感覚を得ていたので、思い切って2種目にエントリーしてみたのですね。

結果は、2日目のスカイレースでも20位以内に入ることができ、コンバインドとしても十分すぎる結果を残すことができました。前日のバーティカルの疲労を、なんとか1日で回復させられるような脚ができてきたんだと、この時はとても大きな手応えを感じました。

そして今年はトラックレースにも2戦出場しました(マイルリレーを入れると3戦ですが・・)。ゴセンとセンゴです。

織田フィールドは学生時代5000mのPB(つまり今のPB)を出した思い出深い競技場。

1戦目はM×Kディスタンスの5000m(公認)です。

この5000mという種目は、自分の中でずっとこだわり続けてきた種目なので、何度走っても緊張しますし失敗するのがとても怖い種目なんですね。

特に、この時は志賀高原に出場した翌週のレースで、おそらくかなりの疲労が溜まっている中でしたから、正直しっかり走れる自信はなかったのです。

なんとなく脚は重いし、イメージする3分10秒ペースがとても速く感じていました。

結果的にどうにか16分11秒というここ数年では最も速いタイムを出すことができましたが、3分12秒ペースがとてつもなく速く感じてしまったのは少し残念でしたね。

そして2戦目は先日走った1500mです。

今にして思えば、全く実力通りのタイムだったのですが、4年半前のタイムを考えるとあまりにもかけ離れた記録だったため、ここで受けたショックは相当大きかったですね。

4分27秒。

いわゆるキロ3ですか。キロ3なんてかつてはインターバルで走ってたようなペースですからね。これでセンゴが精一杯、っていうのがかなり残念。

いずれにしても今の自分の最大の課題がわかったレースでした。

そして最後はつい先日のロードレース。今年唯一のロードレースとなってしまいました。

結果は先日書いた通り。久しぶりにネガティブスプリットでペースをコントロールできた、非常に満足度の高いレースとなりました。

ただし、その脚の余裕に比べて呼吸の方がリミットに近く、つまりは「長くは走れても速くは走れない」状態。センゴで課題になったことが10kmロードでも如実に現れた結果となりました。

さて、こうしてみると2020年、自分の中では確実に「走れる脚」が出来上がり、練習量や距離に対してだいぶ自信がついてきた一年でした。

その一方で、高強度の練習が不足しているため、短時間で大量のエネルギーを産出させるようなエネルギー供給系に全く刺激が入っておらず、1500mや5000mのような比較的短い距離で出せるスピードが頭打ちになっている印象を持ちました(10kmでも、ある一定のペースを上回ると急激に苦しくなる)。

現在取り組んでいるダニエルズのマラソントレーニングは、まだあと2ヶ月ほど残っているので、ちょうど寒い冬の時期はこのトレーニングを継続し、フルマラソンをしっかり走りきれるような脚が出来上がったあたりで一旦休養を入れ、その後は少し短い距離で強度の高い練習に比重を置いて、もう一度トラックにも通用する体を作りたいと思っています。

それがそのまま2021年の目標になりますね。

百聞は一見にしかず

こんにちは、ランマニアです。

さて今日は久々の平日休みということで、思う存分山を走ってきました。

場所は山梨県は鳳凰三山。比較的走りやすいコースと絶景とでトレイルランナーの練習場所としては人気のある定番トレイルですね。

少し話は逸れますが、ランマニアは時間の取れる時はできるだけ「日本百名山」に走りに行くことにしています。

もともと収集癖傾向があるランマニアですから、こうしたコンプリートするのが楽しみになるテーマは好きなのですが、流石に百名山は北は北海道から南は鹿児島県の離島にまで存在するため手間と時間とお金がかかり過ぎるので、正直やろうとは思っていないのですね。

それでも百名山に登るのはある理由があります。

それは、百名山は基本的に人が多く、登山道がしっかり整備されていて比較的安全だからです(百名山でも危険な山、ルートはいくらでもありますが)。

以前、地元の近場の低山に登った際にコースロストしてとても怖い思いをしたことがあります。本当に「こんな山で?」と思える場所だったので、正直舐めていたのですが、とにかくマイナーな山、地元の知る人ぞ知るような山というのは、登山道の整備状況がお世辞にもいいとはいえず、歩いているならまだしも、走るようなペースで通過すると一瞬でコースを見落としたりするのですね。

地元のように地理的にある程度わかっている場所でも危うく遭難しかけるのですから、県外のやや深い山で同じような目に遭えば、本当にただでは済まないと思います。同時に、基本的に百名山以外の山の多くは休日でも人は少なく(そういう雰囲気が好きな人もいますが)、熊などと遭遇する危険性もかなり高くなると思っています。

ランマニアが山を走りに行くのは基本的にはトレーニングのためなので、要はある程度の距離と累積を稼げるのであれば、できるだけ安全な山がいいわけですね。

そんなことで、今回も自宅から日帰り可能な人気の百名山ということで、まだ未踏の鳳凰三山を選びました。

さて、この鳳凰三山はトレイルランナーに人気の山で、検索するとブログや登山レポートがちらほら見かけることができます。その中では、本来深田久弥が登った「ドンドコ沢ルート」がど定番なのですが、ランナー的には走れないほどの急登が少ない方が都合が良く、そうなるとある程度の水平距離のある「夜叉神峠ルート」が候補に上がってきます。

小学生でも理解できる理屈で、同じ標高を登るなら水平距離が短い方が坂は急になり、長い方が緩くなります。

ランマニアが10月に予定しているバーティカルレースは主に前者のパターンが多いので本当はそちらの練習をしなければならないのですが、ここのところ全然山道を走れていないのと、怪我が治ったばかりなので無理のないペースを維持できる後者のパターンを選んだわけです。

この夜叉神峠コースのレビューを見ると、「上りは緩やかで快適」だとか「今日は初心者が同伴だったので楽に走れる夜叉神ルートで」とか、あたかも「簡単に登れる」コースであるかのような書き方が散見されました。

ランマニアは、すっかりこれを鵜呑みにしてしまったのですね。

夜叉神峠ルートの登山口。これは下山後の写真。

今回のルートは片道10km以上のロングコースなので序盤からできるだけ脚は温存し、歩幅を詰めてゆっくりと登り始めました。とはいえ、トレイルを走る練習をしにきているので、ある程度の勾配までは歩かないように気をつけ、勾配が急になればペースを落としてできるだけ歩かないように意識しました。

序盤は確かにこのような緩斜面(と言ってもストライドを伸ばして走ればかなり体力を消耗する)で走れる区間が多くありました。

しかし、そこはやはり登山道。楽な登りばかりであろうはずもなく、小さなピークをいくつも超えたり、距離が長い分延々と続くそこそこ急な登りが登場したりして、気がつくとあっという間に累積が1000mに近づきました。

このような走れない区間も当然繰り返し現れるのですね。
「三山」最初の薬師岳までのラスト2kmはかなりの急登で走るのは無理でした。

10kmかけて登るといっても標高は軽く2000mを超えますから、ピークに近づけはそれなりに勾配は急になるわけで。特に、薬師岳までの岩場はほぼクライミング。ここは流石に走るのを諦めて、大腿部を思い切り使って一歩一歩登っていきました(これが命取り)。

スタートから約2時間10分で最初のピーク「薬師岳」の到着

最初のピーク薬師岳に到着すると、運よく晴天に恵まれ、これほどの絶景にはなかなかお目にかかれないというほどの見事な眺望。こういう時、やっぱり山はいいなぁと思うわけですね。

日本最高峰の富士山と2位の北岳が同時に見える稜線。

さて、様々な山系のレポートを見ると、ここから三山を巡るのが鳳凰三山のハイライトでランマニアも楽しみにしていたのですね。とにかく360度を一望できる眺望の中真っ白な2000m級の稜線を走るなんてトレイルランナーなら誰もが憧れる体験。

この稜線を巡り、このあと観音岳、その奥にとんがったオベリスクの見える地蔵岳を目指すのですが・・・。

写真で見ると、とても気持ちよく走れそうなこの稜線。ところが、実際にはかなりの高低差があり、その後の観音、地蔵の両山頂までは険しい岩場でここでかなり脚を使ってしまいました。

観音岳まではまだしも、そこから眺めた地蔵岳までは手前に一つ大きなピークがあり、2段階で(いや3段階)山を越えなければならなず、その深い谷を見た瞬間「これはまずいかもしれない」と一瞬引き返すことも考えたほどです。

観音岳から見た地蔵岳までの稜線。手前のピークは実は2段階で登ことになっていて、かなり急な岩場。

ところがこの地蔵岳まで含めた「三山をまとめて鳳凰山と呼ぶのが妥当」みたいなことを深田さんが言ってしまったが為に、これを目の前にして引き返してしまえば、次に「鳳凰山」に登頂できるのはいつになるやら、となんだかもったいない気がして、目の前の岩場を降り始めてしまったのですね。

一度深い谷をくだり、そのあと同じだけの高低差を登り、そこからさらに急坂を降ったところが地蔵岳山頂。

地蔵岳山頂。もちろん最高峰は後ろに見えるオベリスクですが、もうあそこを登る体力がなかったのと、あの岩はクライミング技術がないと危険とのこと(見るからにやりたくない)なので、この看板のところで往路は終了。

ここで、当然のことながら改めて重大な事実に気がつくことになります。

今回のルートはピストンですから、来た道を引き返すわけです。ということは、今通ってきた道を戻るということで、もちろん、あの何度も駆け降りた岩場をもう一度登り直さなければならないことはわかっていました。

しかし、改めて気づいたのは「三つの山を2回ずつ登る」という事実。

これ、実はかなりハードな行程なんじゃないか、と。

一つ目の薬師岳までは片道約10kmで累積標高差が1500m弱。ここまでだいたい2時間10分くらい。

しかし、そこから地蔵岳までは、途中写真撮影をしていたとはいえ、1時間近くかかっているのです。距離としてはだいたい2kmから3km程度。累積も2000mに近づいてしまいました。

この鳳凰三山の登山コース。実は本番はこの三山巡りだったのです。

この三山を往復してしまうとかなりの急登の登り下りが待っていて、相当な負荷が脚にかかってしまうことがわかりました。

いろんなブログや山レポを見ましたが、こんなことを書いているものはほとんど目にしたことがなく、みな「ここまできたら地蔵岳まで巡りましょう」みたいな。

また、ランマニア個人の問題として、「走れる登り」はあくまで「走る動き」なので普段からよく使う筋肉を使えるため、それほど負荷はかかりません。

ところが、急登では膝を思い切り上にあげて、大腿部の力でぐいっと体を引き上げるため、普段使わない筋肉と力の入れ方をすることになり(最大筋力を発揮するので速筋優位)全く鍛えていないランマニアの脚はあっという間に終わってしまうのです。

こうなると、帰りの3つの山はもう苦行でしかなく、二つ目の観音岳は本当に登れなくなり(足が攣り)帰れなくなるんじゃないかと本気で思いました。

つまり、この夜叉神峠からの地蔵岳往復コースは、薬師岳までの累積1500mの登りをやった後に、6回の登山ができる体力、脚力がないと無事に帰ってこれない大変過酷なコースであるという事実が判明しました。

もし、これからトレーニングでこのコースを使おうと思っている方は、ぜひ薬師岳の時点での疲れ具合から慎重に判断してください。観音まで行くと、目の前に地蔵岳が見えて思わず登りたくなってしまいますが、帰りの10数キロの道のりを踏破できるか検討した方が良いと思います。

なお、今日は幸い帰りの下りコースでなんとか体力が回復し、無事下山することができましたが、途中にもういくつかピークがあったら危なかったかもしれません。

山頂では絶景が拝めましたが、無事帰還できてこその絶景ですので。

ちなみに、下山後の夜叉神ヒュッテのお風呂は最高でした。

1回600円で貸し切り風呂が楽しめます。

たまには旅レポなども(結果は山レポ)

こんにちは、ランマニアです。

さて、この4連休はGoToキャンペーンを利用して登山をしに行ってきました。

脚の状態は良くなっているとはいえ、いきなり登山道クラスの上り坂を走るのは若干心配があるので今回は普通の登山に留めておきました。

今回は連れも一緒なので、危険な山は避けようと思い、当初はロープウェイで一気に高度を稼げる谷川岳(本当は世界一危険な山で有名)を考えていましたが、直前で大雨による土砂崩れが発生しロープウェイは運休。

仕方なく付近の百名山を探すと、若干マイナーな武尊山がありそれを選択しました。

中央奥に見えるのが武尊山。これは川場村からの眺めで、実際はあの裏側から登りました。

この武尊山がマイナーな理由は、登山道はいくつもある割に、どの登山口もマイカーでなければアクセスが悪く、かつ近くに超メジャーな谷川岳があることが最大の要因。そして調べるとこの山域はかなり熊の目撃情報が多く、その理由も人があまり入らないことが原因となっているようで。

事前に幾つかのルートを検討していると、宿泊する川場村から最もアクセスが良い初級者向けルート(川場村のパンフレットにそう書いてあります)が最初の候補に。やや距離は長いものの、危険箇所がなくコースも十分整備されている様子で、確かに初心者にはいいなと、初めは思っていました。

しかし、いくつかのコースレポートやブログを見ていると、かなりの頻度で熊との遭遇エピソードが掲載されており、これはまずいんじゃないか、と。

仕方なく、武尊山のメジャールートであるみなかみ側からの武尊神社コースを検索。

武尊山を登った人のほとんどがこちらのレビューで、幸い、熊の目撃情報もそれほど多くはなく、4連休中なら人も多くてそっちの心配は少ないだろう、と。

ところがこちらのコースの最大の難関は山頂付近に連続する5箇所の鎖場。ブログ等の写真で見るとかなりの傾斜でそり立つ壁のように見えますが、レビュアーさんの報告では皆「足をかける場所は豊富にあるので大丈夫」とのこと。

実は、これまでにトレランや合宿等でさんざん山に登りましたが、鎖がある場所は比較的傾斜は緩やかで落差も少なく、恐怖を感じるような場所はあまり経験がなく、経験上梯子がかけられているような場所の方が傾斜が垂直に近く高度もあり、危険な印象を持っていました。連れも梯子場の経験はあったので、鎖場であればなんとかいけるだろう、と。

さて、当日は天気は雨予報も現地は曇りでなんとか持ってくれそうな空模様。期待していた登山者も駐車場はほぼ満車で、登山道は人通りが多かったに違いなく、これなら熊も警戒して近寄らないだろうと一安心。

とはいえ、登山道に入るまでのアスファルト上には、明らかに鹿や猪のものよりは大きく量も多い獣のフンが落ちており、やはりこの付近にも熊が出るのは間違いなく、できるだけ音や声を出しながら歩みを進めました。

駐車場を出てすぐの舗装路上に早くも熊のフンが見つかり、やはり油断はできないなと。

その後何組かの登山者と出会い、だいぶ人気(ひとけ)の多い登山道になってくるとやはり心強いもので。道自体はそれほど急な上りやテクニカルな箇所はなく、気持ちの良い山みちをどんどん進んでいきました。

天気はあいにくの曇りですが、涼しくかえって消耗せずに済みました。

2時間ほど登ってきたところで見上げても山の斜面と空の境が見えるようになってきて、いよいよ山頂までの稜線が近いことがわかりました。地図上でも「危」と書かれた場所が近く、そろそろ鎖場が現れる頃です。

そしてそれは突然現れました。

この高低差は正直想定外でした。鎖場でこの高さは人生初(この後すぐに「人生初」を更新し続けます)。

他のブログで見た絵とまんま同じ景色でしたが、写真で見るより高度感はあり、まるで壁を登っていくような感覚は写真では伝わらないものでした。一瞬、引き返した方がいいんじゃないかと思ったほど。

とはいえ、確かに足をかけられる部分は豊富で、要は「怖さ」だけを克服すれば登こと自体はなんら問題なく。体を岩肌に倒すようにして体を固定すれば、まず滑落の危険はなく「保険」で鎖をにぎりながら一歩一歩上へ進みました。

続いて現れたのは平べったく広大な岩場。その大きさに圧倒されますが、傾斜は緩やかなので足ばさえ確保できればこちらも問題なく登ことができました。もちろん、登坂中に下を見るのは厳禁です。

2箇所目はさらに高度差のある岩場。高さはあるものの傾斜は比較的緩やかなので、下だけは見ずに足場を探しながら慎重に進みます。

そしてこの後の3箇所は、今回最も苦労した鎖場。どれもほぼ垂直に近い岩場で、かつ両脇に岩が迫り足をかける場所が限られ、高度もかなりのもの。落ちれば間違いなく助からない高さです。

以前、これくらいの高度は梯子で登ったことがあり、その時も足が震えましたが、今回はこれをほぼ手足の力だけ(鎖は保険)で登らねばならず、冷静にそのことを考えると恐怖は最高潮に。

木の根が邪魔してさらに難易度アップ。
二段階の鎖場。奥に見えるところがかなりの高度差。
保険で鎖を持てるとはいえ、手を足をかける場所は完全に自己判断。

なんとか無事この岩場をクリアすると、あとは気持ちもクールダウンしながらの快適な稜線歩き。ただこの日は低気圧の影響でガスで何も見えず、強風も吹き荒れる中で、なんだか踏んだり蹴ったり。

本来なら広大な稜線を一望できる絶景ポイントもガスで何も見えず。

それでも無事山頂に到達できた時はそれなりに満足感、達成感があり、ともかく雨だけには降られなくてよかったなと。

何も見えない山頂。登山者は10人ほどおり、この天候の中では大変心強い存在。

ここから先は、本来剣ヶ峰山を回って絶景を拝みながら下山するのですが、この日はガスで全く眺望が効かず、そちらを回って帰る理由はなく、ほとんどの登山者が今来た道をピストン。しかし、あの鎖場を下るのは「絶対に無理」と判断し、仕方なく霧の中を進みます。

本来なら周囲の山々を一望できる絶景ポイント。

帰りのルートは登山者も少なく、再び熊との遭遇が心配になってきたので大声をあげたり歌ったりしながら騒がしく下山。

滑りやすい急な下りでかなり神経を使いながらなんとか元の登山口まで戻ってきました。

湿った岩や木の根が滑りやすく、こちらのルートもそれなりにストレスの多い登山道。

想像以上にタフなコースでよく無事に帰ってこれたな、と改めて安堵。でも、苦労した割に景色は見えず単なる苦行に終わった今回の登山でした。

下山すると天候は回復。

ただ、今回泊まった川場村はのどかでとてもいい場所でした。スカイビュートレイル武尊山のゴール地点にもなっていて、来年は出場を検討しようかと思うほど。

広大な道の駅「田園プラザ」はグルメの宝庫で一日いても回りきれないほど。ここはリピート必至です。

道の駅「田園プラザ」は地元の食材を使った食の宝庫。どれも美味しく、それらをたくさん食べるため朝練をがんばりました。

なお、今回の登山や翌日の朝練で走ったトレイルの感じでは、もう脚の状態はほぼ問題なく、来月に控えているトレイルレースへの練習もそろそろ入れていける状態に。

強度の高い練習から少し遠ざかってしまったので、呼吸器系やLT系を最高の状態に戻せるかどうかは微妙ですが、8月に途絶えたダニエルズ練を再開しつつ、徐々に体を戻していこうと思います。