9月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

恒例の月間振り返りのコーナーです。

9月は、8月に痛めたハムストリングス付着部に痛みや張りがあったため、前半は軽いジョグしかできず、その後も恐る恐るペースを上げていった月でした。

ほとんどがジョグ中心の練習。

中旬にようやくMペースまで上げることができ、月の終わり頃からようやくLT走を通常モードで行えるようになりました。

これまでで最もトレイル率の高い月となりました。

そして、無理にペースが上げられない時期が続いたことから、ウォーキングや登山といった軽めの運動を長く続ける練習が多くなり、結果的にトレイル(登山)の割合がこれまでで最も多くなりました。

月間でまとめると、30日間だった9月は同じく30日間の6月を上回る走行距離を達成できました。

一方で、ジョグが中心だったこともあり、月間での走行距離は思いのほか伸びて、同じく30日間の6月よりも多く走ることができました。これはちょっと意外でした。

ただ、今週は1週間で100km走ることを目標にしているので、あまり今日が区切りの日には感じず、残り4日で50km程度走らなければならない、ということの方が頭にある状態です。

当然のことながら「月間走行距離」とか「月間のまとめ」というのは、たまたま区切りが一月というだけのことで、実際には色々な取り組みの最中であったり、もう少しミクロな目で見ると1週間の途中であったりするので、あまり意味のある指標ではないようにも思います。

とはいえ、直近1ヶ月でおおよそどれくらいの距離を走ったかどうかという目安にはなるので、例えばそろそろ一回休みを入れた方がいいかな、とか、疲れているのは当然だよな、といった体の状態を予測するには参考になる指標かもしれませんね。

百聞は一見にしかず

こんにちは、ランマニアです。

さて今日は久々の平日休みということで、思う存分山を走ってきました。

場所は山梨県は鳳凰三山。比較的走りやすいコースと絶景とでトレイルランナーの練習場所としては人気のある定番トレイルですね。

少し話は逸れますが、ランマニアは時間の取れる時はできるだけ「日本百名山」に走りに行くことにしています。

もともと収集癖傾向があるランマニアですから、こうしたコンプリートするのが楽しみになるテーマは好きなのですが、流石に百名山は北は北海道から南は鹿児島県の離島にまで存在するため手間と時間とお金がかかり過ぎるので、正直やろうとは思っていないのですね。

それでも百名山に登るのはある理由があります。

それは、百名山は基本的に人が多く、登山道がしっかり整備されていて比較的安全だからです(百名山でも危険な山、ルートはいくらでもありますが)。

以前、地元の近場の低山に登った際にコースロストしてとても怖い思いをしたことがあります。本当に「こんな山で?」と思える場所だったので、正直舐めていたのですが、とにかくマイナーな山、地元の知る人ぞ知るような山というのは、登山道の整備状況がお世辞にもいいとはいえず、歩いているならまだしも、走るようなペースで通過すると一瞬でコースを見落としたりするのですね。

地元のように地理的にある程度わかっている場所でも危うく遭難しかけるのですから、県外のやや深い山で同じような目に遭えば、本当にただでは済まないと思います。同時に、基本的に百名山以外の山の多くは休日でも人は少なく(そういう雰囲気が好きな人もいますが)、熊などと遭遇する危険性もかなり高くなると思っています。

ランマニアが山を走りに行くのは基本的にはトレーニングのためなので、要はある程度の距離と累積を稼げるのであれば、できるだけ安全な山がいいわけですね。

そんなことで、今回も自宅から日帰り可能な人気の百名山ということで、まだ未踏の鳳凰三山を選びました。

さて、この鳳凰三山はトレイルランナーに人気の山で、検索するとブログや登山レポートがちらほら見かけることができます。その中では、本来深田久弥が登った「ドンドコ沢ルート」がど定番なのですが、ランナー的には走れないほどの急登が少ない方が都合が良く、そうなるとある程度の水平距離のある「夜叉神峠ルート」が候補に上がってきます。

小学生でも理解できる理屈で、同じ標高を登るなら水平距離が短い方が坂は急になり、長い方が緩くなります。

ランマニアが10月に予定しているバーティカルレースは主に前者のパターンが多いので本当はそちらの練習をしなければならないのですが、ここのところ全然山道を走れていないのと、怪我が治ったばかりなので無理のないペースを維持できる後者のパターンを選んだわけです。

この夜叉神峠コースのレビューを見ると、「上りは緩やかで快適」だとか「今日は初心者が同伴だったので楽に走れる夜叉神ルートで」とか、あたかも「簡単に登れる」コースであるかのような書き方が散見されました。

ランマニアは、すっかりこれを鵜呑みにしてしまったのですね。

夜叉神峠ルートの登山口。これは下山後の写真。

今回のルートは片道10km以上のロングコースなので序盤からできるだけ脚は温存し、歩幅を詰めてゆっくりと登り始めました。とはいえ、トレイルを走る練習をしにきているので、ある程度の勾配までは歩かないように気をつけ、勾配が急になればペースを落としてできるだけ歩かないように意識しました。

序盤は確かにこのような緩斜面(と言ってもストライドを伸ばして走ればかなり体力を消耗する)で走れる区間が多くありました。

しかし、そこはやはり登山道。楽な登りばかりであろうはずもなく、小さなピークをいくつも超えたり、距離が長い分延々と続くそこそこ急な登りが登場したりして、気がつくとあっという間に累積が1000mに近づきました。

このような走れない区間も当然繰り返し現れるのですね。
「三山」最初の薬師岳までのラスト2kmはかなりの急登で走るのは無理でした。

10kmかけて登るといっても標高は軽く2000mを超えますから、ピークに近づけはそれなりに勾配は急になるわけで。特に、薬師岳までの岩場はほぼクライミング。ここは流石に走るのを諦めて、大腿部を思い切り使って一歩一歩登っていきました(これが命取り)。

スタートから約2時間10分で最初のピーク「薬師岳」の到着

最初のピーク薬師岳に到着すると、運よく晴天に恵まれ、これほどの絶景にはなかなかお目にかかれないというほどの見事な眺望。こういう時、やっぱり山はいいなぁと思うわけですね。

日本最高峰の富士山と2位の北岳が同時に見える稜線。

さて、様々な山系のレポートを見ると、ここから三山を巡るのが鳳凰三山のハイライトでランマニアも楽しみにしていたのですね。とにかく360度を一望できる眺望の中真っ白な2000m級の稜線を走るなんてトレイルランナーなら誰もが憧れる体験。

この稜線を巡り、このあと観音岳、その奥にとんがったオベリスクの見える地蔵岳を目指すのですが・・・。

写真で見ると、とても気持ちよく走れそうなこの稜線。ところが、実際にはかなりの高低差があり、その後の観音、地蔵の両山頂までは険しい岩場でここでかなり脚を使ってしまいました。

観音岳まではまだしも、そこから眺めた地蔵岳までは手前に一つ大きなピークがあり、2段階で(いや3段階)山を越えなければならなず、その深い谷を見た瞬間「これはまずいかもしれない」と一瞬引き返すことも考えたほどです。

観音岳から見た地蔵岳までの稜線。手前のピークは実は2段階で登ことになっていて、かなり急な岩場。

ところがこの地蔵岳まで含めた「三山をまとめて鳳凰山と呼ぶのが妥当」みたいなことを深田さんが言ってしまったが為に、これを目の前にして引き返してしまえば、次に「鳳凰山」に登頂できるのはいつになるやら、となんだかもったいない気がして、目の前の岩場を降り始めてしまったのですね。

一度深い谷をくだり、そのあと同じだけの高低差を登り、そこからさらに急坂を降ったところが地蔵岳山頂。

地蔵岳山頂。もちろん最高峰は後ろに見えるオベリスクですが、もうあそこを登る体力がなかったのと、あの岩はクライミング技術がないと危険とのこと(見るからにやりたくない)なので、この看板のところで往路は終了。

ここで、当然のことながら改めて重大な事実に気がつくことになります。

今回のルートはピストンですから、来た道を引き返すわけです。ということは、今通ってきた道を戻るということで、もちろん、あの何度も駆け降りた岩場をもう一度登り直さなければならないことはわかっていました。

しかし、改めて気づいたのは「三つの山を2回ずつ登る」という事実。

これ、実はかなりハードな行程なんじゃないか、と。

一つ目の薬師岳までは片道約10kmで累積標高差が1500m弱。ここまでだいたい2時間10分くらい。

しかし、そこから地蔵岳までは、途中写真撮影をしていたとはいえ、1時間近くかかっているのです。距離としてはだいたい2kmから3km程度。累積も2000mに近づいてしまいました。

この鳳凰三山の登山コース。実は本番はこの三山巡りだったのです。

この三山を往復してしまうとかなりの急登の登り下りが待っていて、相当な負荷が脚にかかってしまうことがわかりました。

いろんなブログや山レポを見ましたが、こんなことを書いているものはほとんど目にしたことがなく、みな「ここまできたら地蔵岳まで巡りましょう」みたいな。

また、ランマニア個人の問題として、「走れる登り」はあくまで「走る動き」なので普段からよく使う筋肉を使えるため、それほど負荷はかかりません。

ところが、急登では膝を思い切り上にあげて、大腿部の力でぐいっと体を引き上げるため、普段使わない筋肉と力の入れ方をすることになり(最大筋力を発揮するので速筋優位)全く鍛えていないランマニアの脚はあっという間に終わってしまうのです。

こうなると、帰りの3つの山はもう苦行でしかなく、二つ目の観音岳は本当に登れなくなり(足が攣り)帰れなくなるんじゃないかと本気で思いました。

つまり、この夜叉神峠からの地蔵岳往復コースは、薬師岳までの累積1500mの登りをやった後に、6回の登山ができる体力、脚力がないと無事に帰ってこれない大変過酷なコースであるという事実が判明しました。

もし、これからトレーニングでこのコースを使おうと思っている方は、ぜひ薬師岳の時点での疲れ具合から慎重に判断してください。観音まで行くと、目の前に地蔵岳が見えて思わず登りたくなってしまいますが、帰りの10数キロの道のりを踏破できるか検討した方が良いと思います。

なお、今日は幸い帰りの下りコースでなんとか体力が回復し、無事下山することができましたが、途中にもういくつかピークがあったら危なかったかもしれません。

山頂では絶景が拝めましたが、無事帰還できてこその絶景ですので。

ちなみに、下山後の夜叉神ヒュッテのお風呂は最高でした。

1回600円で貸し切り風呂が楽しめます。

LTペース=苦しくなるかならないかのギリギリのペース

こんにちは、ランマニアです。

ようやく怪我の状態も良くなり、今日は久しぶりにダニエルズ練に復帰しました。

ダニエルズ練と言っても、怪我が悪化しないように徐々にペースを上げていくうちにようやくLTペース(Tペース)まで戻ってきた、といった方が正しいでしょう。

先週土曜にはとりあえず定番のTペース1.6kmを3本ほど走ってみましたが、脚の方は問題なく、近々本来の5本くらいはこなしてみたいと思っていたのですね。

そんな流れで中三日で今日を迎え、約ひと月半ぶりの「Qデー」実施となったわけです。

このLTペースでの練習は、その人の「乳酸がそこから急に溜まり始める境目あたりのペース」、つまり「閾値」付近でのペースで走る練習で、ダニエルズさんの定義では「レースなら60分ほど、普段の練習なら10kmほど維持できるペース」とされています。

当然、VDOTで換算すれば自分のペースも一目でわかるのですが、ランマニアはできるだけしっかり数をこなしたいのと、その後の練習も長く継続させたいとの理由から、あまりこのVDOTペースには縛られないようにしているのですね。

例えば、今日などは1.6kmをLTペースで5本行いますが、要はLTペースで一定時間走る機会を確保すれば良いだけなので、きっかり「キロ3分〇〇秒ペースを維持」、とか厳格にそれを守る必要もないなと思っています。

むしろ、そのペースに縛られて5本持たなかったとか、翌日以降一気に疲労が出てスケジュールが狂った、ということの方が避けなければならないことだと考えています。

では、そうした数値に縛られずにどうやってLTペースを作り、維持しているのかといえば、それはもう「感覚」意外のなにものでもありません。

さっきも書いた「10kmくらい持つペース」というのですから、このLTペースは意外と楽に維持できるペースなのですね、本来。

「楽」というのは呼吸のことで、まるで酸素が足りない水中でもがき苦しむような呼吸の辛さとは無縁で、ダニエルズさんも言っている「快適なきつさ」というやつです。

この「快適な」な範囲の呼吸のキツさというのは、ランマニアの場合「呼吸がしんどくて一刻も早くゴールしたい」と感じる領域に達しない程度、と自分の中で規定しています。簡単にいえば、「比較的呼吸音が目立つのがわかるけど苦しくはない程度」、とでも言いましょうか。

「苦しくはない」、ここがポイントですね。

なので、今日も1本目の200mから400mを走り呼吸が変わってくるあたりで、決して苦しくない程度でペースを固定します。あと少しあげてしまうと「苦しさ」を実感し始める、というギリギリのところで止めておきます。

まあ、なんと言いますか、乳酸が溜まり始める閾値というより、「苦しくなる」閾値みたいな感覚ですね。「苦しさ閾値」。

これを1.6km最後まで維持してみると、結果的にペースはだいたいキロ3分30秒弱に収まります。

あら不思議、ランマニアのTペースは3分29秒ですからドンピシャです。

そして肝心なのはこのLTペースの練習は、呼吸を追い込むことではなく、筋に刺激を与えてミトコンドリアを増やすことが目的ですから(ミトコンドリア増加の要因は諸説ありますが)、最低限このペースで定められた時間走ることを確保しなければなりません。

なんか調子がいいからちょっとペースを上げて走ってみた、だけどいっぱいいっぱいになって3本で終わりにした。まあ、苦しい中よく走れたからこれでいいだろう。ではあまり効果がないわけですね。

なので、今日のように1.6kmを5本走るというのは、最低でもLTペースで8kmくらいは走らなければ筋の適応が起こらないことが前提となったメニューであると考えられるので、とにかく5本こなせるペース感覚で走らなければならないのです。

ランマニアの場合、それが「苦しくなるかならないかの境目あたり」に相当します。

ただし、これは疲労があまりない状態での話で、ランマニアのようにすぐに疲れが溜まってしまうランナーの場合は、疲れている時の「苦しくないギリギリのペース」というのは、かなり遅いペースになってしまいます。それこそMペースくらいに。

こうなると、ほとんどLT走としては機能しなくなってしまうので、こういう時はやはり時計の力を借ります。

少し疲れているときは、楽に走ろうと思うとかなりペースが落ちてしまう。だから1本目で体感とペースとの「ずれ」を確認した上で、2本目以降は少し頑張る必要が出てくるのですね。

もちろん、疲労がある状態ですと、脚にも無理な力がかかりますから怪我の危険性も高まりますが。

しかし、今日のように比較的疲れがない状態では自分の感覚と実際のLTペースとがかなり正確に一致してくるので、やはり基本は自分の感覚を大事にしてペースを作ることを意識する必要があるな、と改めて思います。

なので、できれば「質の高い練習」は疲れのない時に行うのがベターなんですけどね。

なかなかそうも言ってられないのが現実で。

たまには旅レポなども(結果は山レポ)

こんにちは、ランマニアです。

さて、この4連休はGoToキャンペーンを利用して登山をしに行ってきました。

脚の状態は良くなっているとはいえ、いきなり登山道クラスの上り坂を走るのは若干心配があるので今回は普通の登山に留めておきました。

今回は連れも一緒なので、危険な山は避けようと思い、当初はロープウェイで一気に高度を稼げる谷川岳(本当は世界一危険な山で有名)を考えていましたが、直前で大雨による土砂崩れが発生しロープウェイは運休。

仕方なく付近の百名山を探すと、若干マイナーな武尊山がありそれを選択しました。

中央奥に見えるのが武尊山。これは川場村からの眺めで、実際はあの裏側から登りました。

この武尊山がマイナーな理由は、登山道はいくつもある割に、どの登山口もマイカーでなければアクセスが悪く、かつ近くに超メジャーな谷川岳があることが最大の要因。そして調べるとこの山域はかなり熊の目撃情報が多く、その理由も人があまり入らないことが原因となっているようで。

事前に幾つかのルートを検討していると、宿泊する川場村から最もアクセスが良い初級者向けルート(川場村のパンフレットにそう書いてあります)が最初の候補に。やや距離は長いものの、危険箇所がなくコースも十分整備されている様子で、確かに初心者にはいいなと、初めは思っていました。

しかし、いくつかのコースレポートやブログを見ていると、かなりの頻度で熊との遭遇エピソードが掲載されており、これはまずいんじゃないか、と。

仕方なく、武尊山のメジャールートであるみなかみ側からの武尊神社コースを検索。

武尊山を登った人のほとんどがこちらのレビューで、幸い、熊の目撃情報もそれほど多くはなく、4連休中なら人も多くてそっちの心配は少ないだろう、と。

ところがこちらのコースの最大の難関は山頂付近に連続する5箇所の鎖場。ブログ等の写真で見るとかなりの傾斜でそり立つ壁のように見えますが、レビュアーさんの報告では皆「足をかける場所は豊富にあるので大丈夫」とのこと。

実は、これまでにトレランや合宿等でさんざん山に登りましたが、鎖がある場所は比較的傾斜は緩やかで落差も少なく、恐怖を感じるような場所はあまり経験がなく、経験上梯子がかけられているような場所の方が傾斜が垂直に近く高度もあり、危険な印象を持っていました。連れも梯子場の経験はあったので、鎖場であればなんとかいけるだろう、と。

さて、当日は天気は雨予報も現地は曇りでなんとか持ってくれそうな空模様。期待していた登山者も駐車場はほぼ満車で、登山道は人通りが多かったに違いなく、これなら熊も警戒して近寄らないだろうと一安心。

とはいえ、登山道に入るまでのアスファルト上には、明らかに鹿や猪のものよりは大きく量も多い獣のフンが落ちており、やはりこの付近にも熊が出るのは間違いなく、できるだけ音や声を出しながら歩みを進めました。

駐車場を出てすぐの舗装路上に早くも熊のフンが見つかり、やはり油断はできないなと。

その後何組かの登山者と出会い、だいぶ人気(ひとけ)の多い登山道になってくるとやはり心強いもので。道自体はそれほど急な上りやテクニカルな箇所はなく、気持ちの良い山みちをどんどん進んでいきました。

天気はあいにくの曇りですが、涼しくかえって消耗せずに済みました。

2時間ほど登ってきたところで見上げても山の斜面と空の境が見えるようになってきて、いよいよ山頂までの稜線が近いことがわかりました。地図上でも「危」と書かれた場所が近く、そろそろ鎖場が現れる頃です。

そしてそれは突然現れました。

この高低差は正直想定外でした。鎖場でこの高さは人生初(この後すぐに「人生初」を更新し続けます)。

他のブログで見た絵とまんま同じ景色でしたが、写真で見るより高度感はあり、まるで壁を登っていくような感覚は写真では伝わらないものでした。一瞬、引き返した方がいいんじゃないかと思ったほど。

とはいえ、確かに足をかけられる部分は豊富で、要は「怖さ」だけを克服すれば登こと自体はなんら問題なく。体を岩肌に倒すようにして体を固定すれば、まず滑落の危険はなく「保険」で鎖をにぎりながら一歩一歩上へ進みました。

続いて現れたのは平べったく広大な岩場。その大きさに圧倒されますが、傾斜は緩やかなので足ばさえ確保できればこちらも問題なく登ことができました。もちろん、登坂中に下を見るのは厳禁です。

2箇所目はさらに高度差のある岩場。高さはあるものの傾斜は比較的緩やかなので、下だけは見ずに足場を探しながら慎重に進みます。

そしてこの後の3箇所は、今回最も苦労した鎖場。どれもほぼ垂直に近い岩場で、かつ両脇に岩が迫り足をかける場所が限られ、高度もかなりのもの。落ちれば間違いなく助からない高さです。

以前、これくらいの高度は梯子で登ったことがあり、その時も足が震えましたが、今回はこれをほぼ手足の力だけ(鎖は保険)で登らねばならず、冷静にそのことを考えると恐怖は最高潮に。

木の根が邪魔してさらに難易度アップ。
二段階の鎖場。奥に見えるところがかなりの高度差。
保険で鎖を持てるとはいえ、手を足をかける場所は完全に自己判断。

なんとか無事この岩場をクリアすると、あとは気持ちもクールダウンしながらの快適な稜線歩き。ただこの日は低気圧の影響でガスで何も見えず、強風も吹き荒れる中で、なんだか踏んだり蹴ったり。

本来なら広大な稜線を一望できる絶景ポイントもガスで何も見えず。

それでも無事山頂に到達できた時はそれなりに満足感、達成感があり、ともかく雨だけには降られなくてよかったなと。

何も見えない山頂。登山者は10人ほどおり、この天候の中では大変心強い存在。

ここから先は、本来剣ヶ峰山を回って絶景を拝みながら下山するのですが、この日はガスで全く眺望が効かず、そちらを回って帰る理由はなく、ほとんどの登山者が今来た道をピストン。しかし、あの鎖場を下るのは「絶対に無理」と判断し、仕方なく霧の中を進みます。

本来なら周囲の山々を一望できる絶景ポイント。

帰りのルートは登山者も少なく、再び熊との遭遇が心配になってきたので大声をあげたり歌ったりしながら騒がしく下山。

滑りやすい急な下りでかなり神経を使いながらなんとか元の登山口まで戻ってきました。

湿った岩や木の根が滑りやすく、こちらのルートもそれなりにストレスの多い登山道。

想像以上にタフなコースでよく無事に帰ってこれたな、と改めて安堵。でも、苦労した割に景色は見えず単なる苦行に終わった今回の登山でした。

下山すると天候は回復。

ただ、今回泊まった川場村はのどかでとてもいい場所でした。スカイビュートレイル武尊山のゴール地点にもなっていて、来年は出場を検討しようかと思うほど。

広大な道の駅「田園プラザ」はグルメの宝庫で一日いても回りきれないほど。ここはリピート必至です。

道の駅「田園プラザ」は地元の食材を使った食の宝庫。どれも美味しく、それらをたくさん食べるため朝練をがんばりました。

なお、今回の登山や翌日の朝練で走ったトレイルの感じでは、もう脚の状態はほぼ問題なく、来月に控えているトレイルレースへの練習もそろそろ入れていける状態に。

強度の高い練習から少し遠ざかってしまったので、呼吸器系やLT系を最高の状態に戻せるかどうかは微妙ですが、8月に途絶えたダニエルズ練を再開しつつ、徐々に体を戻していこうと思います。

引き伸ばされたら引っ張り返す。倍返しな筋収縮。

こんにちは、ランマニアです。

長らく万全な状態で走れず、悶々とした日々を過ごしていたランマニアでしたが、今日は久々にキロ4なんていう「ものすごく速い」ペースで走ってみて、やっぱりランナーは速く走ってなんぼだよな、と実感したところです(キロ4が速いというのに語弊がありそうですが)。

一昨年悩まされた足底底筋膜炎にしろ、ふくらはぎの肉離れにしろ、アキレス腱炎にしろ、そして今回のハムストリングス付着部炎にしろ、実はすべてある共通の傷め方があるのですね。

これらの部位はほぼ全てが筋の付着部(解剖学的には「起始」と「付着」は厳密に分けなければいけませんが、ここでは便宜上筋が骨にくっついているところを全て「付着部」と呼んでしまいます)の炎症で、つまりは筋が骨とくっついているところというのは非常に力がかかって傷めやすい場所なんですね(ふくらはぎの肉離れは付着部よりもう少し中よりですが)。

私たちは走る際に何度も何度も筋収縮を繰り返し、そうすると当然筋肉がくっついている部分には多大な力とストレスが繰り返されるわけで、それがその日のうちに回復すればいいのですが、次第にその回復が間に合わなくなっていくうちに炎症が引き起こされ、痛み、つまり故障が発生するわけです。

そして、そうした筋収縮には、その力の発揮の仕方によって幾つかのパターンがありそのパターンによっては比較的負荷のかかりやすい「あぶない」筋収縮があるのですね。

そのあぶない収縮の一つが「伸長性の筋収縮」、つまりエキセントリックな筋収縮です。

「収縮」なのに「伸長性」という文字通り矛盾をはらんだこの言葉通り、なんとなくヤバそうな表現ですよね。まさに「引っ張られながら縮もうとする」もんですから。

筋は収縮することで力を発揮するので、関節を折り曲げて筋の長さを縮めながら筋力を発揮するのが力学的には自然な状態です。

例えば、鉄棒にぶら下がって懸垂をするときを想像してみてください。鉄棒を逆手に握って懸垂をしようとすれば、おそらく多くの人は肘を曲げて上腕二頭筋(二の腕)を収縮させながら筋力を発揮するものと思います。このように筋を縮めながらの筋収縮を短縮性筋収縮(コンセントリック筋収縮)と言ったりして、筋にかかるストレスは比較的軽めだと言われているんですね。

一方で、肘を屈曲させて鉄棒に上り切った状態から今度はゆっくりと降りていく際にも実は上腕二頭筋がしっかりと機能しているのですね。腕には全体重が掛かっていますから、そのまま筋力を0にしてしまうとストーンと落っこちてしまいますから。それを防ぎながらゆっくりと降りてくるには、少なからず筋力を発揮しながら下さなければなりません。

しかし、この時の上腕二頭筋は肘の関節が開きながら筋力を発揮している状態、つまり「伸ばされながら」筋力を発揮している状態なので、筋は次第に引き伸ばされていきます。でも、筋力を発揮するには筋「収縮」を行わなければならないため、「伸ばされながら収縮する」結構無理なことを行っているわけですね。

こんな真逆なことを行えば当然筋には過大なストレスが掛かってしまうわけで、先ほど話した筋の付着部なんかにも大きな負荷が掛かってしまうわけですね。

つまり、このエキセントリックな収縮こそが「あぶない」収縮と考えています。

では、ランナーの「あぶない」筋収縮はいつどこで起こっているのでしょう。

教科書的には地面に足を接地した瞬間、そこから蹴り出す瞬間のふくらはぎがあたりが代表的なところでしょうか。

詳しくはバイオメカニクスや解剖学の教科書を見れば書いてありますが、要は着地の瞬間や蹴り出す際は、ふくらはぎの筋が伸ばされながら力を発揮しなければならないので、伸長性の筋収縮が起こっているはずですよね。だからフォアフット接地で走っていると肉離れをしやすくなるんですね。引き伸ばされてるのに「引っ張り返す」わけですから。

そんなことで、特にランマニアにとってのふくらはぎは、肉離れやアキレス腱炎に繋がるとっても危ない場所なのでとにかく走っている時には常に注意をしているところだったのですね。また、足裏のアーチを形成している足底筋膜炎もかかと部分の付着部に炎症が起こることから、やっぱり「接地」には気を使うわけでして。

しかし、今回ランマニアが故障してしまったハムストリングスの付着部というのは、ちょっと意外な場所だったのですね。というのも、ハムストリングスは基本、膝関節を屈曲する際に筋力を発揮する筋肉で、フェーズによってはエキセントリックな筋収縮が起こるでしょうが、基本的には関節を曲げながら力を発揮する場所だからです。

もちろん、コンセントリックな収縮が基本でも筋には負荷がかかるので、それで故障することも考えられますが、ランマニアくらいの走力、筋力でそこまで負荷をかけるのはむしろ難しい気がしていました。

ところが、足を痛めてからジョグをしようとした時にあることに気づきました。

痛みが発生する瞬間の脚の動きに注意を向けていると、どうやら蹴り上げる時ではなく、「脚を前に振り出す時」に痛むことに気づきました。

蹴り上げて一度たたんだ脚を再び「伸ばして」前に出そうとする時、ここが一番痛みが大きくなる瞬間でした。

「伸ばす時」

そうなんです、「伸ばす時」だったのです。やっぱり。

蹴り上げた後前に振り出した脚は、半分は重力の力を使って戻ってきますが、ある程度速く走るには、自分の力で脚を戻さなければなりませんね。つまり、「戻そうとして筋収縮が起こる」わけです。

でも、戻そうとする脚(膝関節)は比較的伸ばされているわけですから、やっぱり「伸ばされながら収縮する筋」の状態になっているわけです。

インターバルやレペティションなど、スピードが速く大腿部も比較的高く持ち上がる動きでは、かなりの強度の筋収縮が起こっていたはずで、それを毎週毎週繰り返すうちに、だんだん付着部に負担がかかってきてしまったのですね。

短距離が遅く、走りも小さめのランマニアでも、数ヶ月もこうした動きを繰り返せば、さすがに脚も音を上げてしまうんですね。

ということで、現在はこのフェーズでの筋力を極力抑えれば比較的問題なく走れる状態で、今日もキロ4くらいのペースであれば、脚を戻す際に無理に力を入れる必要がなく、患部を悪化させずに走ることができています。

1週間での回復量から考えると、来週あたりはキロ3分台で走れそうな感覚ですので今週もできるだけ負荷をかけないようゆっくり戻していこうと思います。

出力の左右差ってある気がします

こんにちは、ランマニアです。

先週から故障明けのリハビリ週間で、軽いジョグを毎日継続しているところです。

今回やってしまったところは、ちょっと今までの故障とはタイプが異なり(ある意味同じ面もありますが。後述。)、通常脚の接地時に力が掛かって脚が痛む故障が多かったのに対し、今回は前へ進む際の推進力を得ようとする際に痛む故障です。

なので、これまでの足底筋膜炎やふくらはぎの肉離れでは、とにかく着地に気を使い、治らずに練習を再開すると脚を着けば着くほど悪化していくのが常でした。

しかし今回の怪我は、大腿二頭筋を中心としたハムストリングスに力をかけた時だけ痛む故障なので、変な話、下り坂のような勝手に前へ進んでくれるような場所では全く痛まない変わった故障なのですね。

逆に、上り坂ではいまだに患部が張ってきて、最終的には痛みもまだあるので、極力上り坂を避けて走っているところです。

なので、平坦な道を走っている分には、ペースを上げさえしなければ、もうほとんど故障をしている自覚がなく、着地するときに無意識に脚を庇うとか、変に着地ポイントを変えて走るとか、そういった「二次障害」を誘発するような動きは全くないのが救いとなっています。

しかし、ただ一点、普段と違う走り方になっているのは、前に進む際に患部のある右足で思い切り踏ん張れない、ということです。

今回の故障は、前に進もうと力を入れたときに痛む場所なので、前に進もうとする力を当然弱めて走ることになります(つまりペースが落ちる、ということ)。

そうなると前に進む推進力をどこでカバーするかというと、今回は自分の利き脚でない「左脚」ということになります。

多分、多くのランナーがそうだと思いますが、走っている時の力の入り具合は、明らかに利き脚の方が大きくなっているのではないでしょうか。ランマニアも例外ではなく、ふくらはぎは右脚の方が圧倒的に太いですし、力も入りやすいです。逆に左足はうまく使えている感覚がなく、ベタベタとまるで反発が得られない劣化したバネのような走り方になってしまっています。

実際左右の筋力差を測ったことはありませんが、感覚的には右60の左40くらいは離れていそうな出力差です。

しかし、今のように利き脚が十分機能していないと、当然出力を100%発揮できず、その分逆の脚で前に進もうとしてしまいます。

ところがこうして右脚が制限されてみると、最低でも左脚をうまく使おうとして、自然とスムーズで高出力な脚の使い方を人間はするのだな、とちょっと感心しているところでした。

これまで嫌いだった左脚のベタベタした走り方がなりを潜め、軽快にタッタッタとフラットに接地をして短時間で蹴り上げまでの動作を終えられるようになっているのです。

両脚が使えていた時にはやろうとしたって全くできなかった走り方で、変な話右脚が左脚になったような不思議な感覚で脚を使うことができているのです。これにはちょっとした驚きがありました。

とはいえ、ここで最も気を付けなければならないのが、普段使っていなかった筋肉、使っていなかった脚にかなりの負荷がかかり始めているために、そっちの故障の心配が出てくることです。

これはふくらはぎを肉離れした時によくあるのですが、大抵やってしまった方を庇うために、逆の脚に負荷がかかり元々の方が治る頃に逆側をやってしまう、というパターン。

今回も、左脚を気持ちよく使え、これで右脚が復活すれば左右差がだいぶ縮まり、非常に効率の良い走りができそうな気がしていますが、ここで気をつけないとそうなる前に左をやってしまい、すべては1からやり直し、ということになりかねません。

なので、やはりどちらかの脚に不安がある時にはペースを上げない、というのが大原則なわけですね。

現状、故障の快復を妨げない程度の最低ラインはキロ5分30秒くらいのペースです。下りならもう少し上げても大丈夫。

しかし平坦コースでキロ5まで上げようとするとちょっと不安がありますし、上り区間では明らかに患部に張りが出てきます。

日々軽快はしている実感はありますが、やはり絶対的に時間は必要になりそうです。

なので今は焦らずにやれる範囲でのペース、距離の中で、今回の左右差のような普段では体感できないようなことを試していこうと思っています。

8月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

ブログの方もご無沙汰してしまいました。

本当は、怪我の経過でも載せていこうかと思ってはいたのですが、やはり走れないとどうも無意識のうちにテンションが落ち、書きたい内容が思い浮かんでこないのですね。

「いい休養だ」と思って、せっかくの休みを楽しんでしまえば良いものを、そういう気持ちにならないところが、まあ一つのビョーキなんですね。ランナー病。

そして1週間休んでいる間に気温も一気に涼しくなり、季節が進み、8月も終わってしまいました。

で、恒例の月間振り返りです。

今月は、予定ではダニエルズさんのマラソントレーニング4週サイクルの1サイクル目でして、TペースやMペースの練習がどんどん入ってくるはずでした。

それがだいたい半分くらいしか消化できずに終わってしまったのですが、実際に8月を振り返ってみると、思ったよりも走行距離は走れた印象です(故障中のWalkも便宜上E練習に計上しました)。

最後の2週間は高強度が一気に減ってしまいました。

ペースごとに見てみると、圧倒的にEペースが多いのは当然として、今月から始まったM練習の割合が若干目立つところです。これはマラソントレーニングならではの練習内容ですね。

一応、Mは7割、Iは完遂したことになります。怪我をした週はTペースメインのRペースが若干入る予定でした。

今年に入るまで、ランマニアの月間走行距離は200台がデフォルトだったので、ここ数ヶ月続いた300kmオーバーはかなり異例のことで。以前なら今月の280kmでもわりと十分な感じでした。

8月は最後の10日で急速に走行距離が減ったので、月のトータルで報告するのはあまり意味がないのですが。

今回はダニエルズのゴールドプログラムが終わった時点で、もう少し長い休養を入れるべきでしたね。

臀部の痛みもあったわけですし、4ヶ月間の疲労はかなりのものがあったはずなので、最低1週間は休養を入れるべきでした。

しかしそのツケがここで回ってきて、結果的に1週間の休養、そして現在のリハビリジョグに至るわけです。高強度ができるまでに完治するにはトータルで数週間かかることを考えると、8月の頭に1週間休んでおけば、となるわけで。

とはいえ、患部が患部なだけに無理をしていたら肉離れの危険性もあった中、ダメージはギリギリ最小限に留められたかと思います。

今週は、ペースを抑えたジョグで様子を見て、その結果次第で来週以降徐々にペースを上げた練習を織り交ぜていこうと思います。