走って痛まないことがことを長引かせる

こんにちは、ランマニアです。

前回の投稿で、たまにはウォーキングという練習もいいね的なことを書いたら途端に歩きしかできない状態に陥ってしまうのですから、本当に余計なことは言うものじゃありません。

まあとにかく1月以降、ふくらはぎは常に危ない状態なのに、「やれる範囲で」という往生際の悪さからギリギリのところで練習を続けてきてしまい、最終的には「ズキッ」というかなり危険な痛みを感じたところで、ようやく完全休養という選択肢を受け入れることができたのですね。

すぐにやめられないのは、戻す大変さが想像つくから

結局、1月の時点で今回のような「丸々1週間休み」を取り入れていれば、今頃はかなり強度の高い練習をこなすことができていたはずなんですが、そのまとまった休みを入れる勇気がなかったということ。

よく言われるように「1週間くらい休んだってどうってことないよ」というのは、確かにそうなんです。もう、何度も何度も何度も何度も故障をして、その度にそこから回復してみて分かるのは、「意外と早く戻ったよな」ということです。

しかし、確かにそれほど大きな落ち込みなく体力は戻るのですが、問題は「体力を戻すこと」と「ハードな練習をこなすこと」というのは、実は似ているようで微妙に違う状態なのですね。

例えば、以前ランマニアも、フルの翌週に5kmのロードレースとかが組まれているとんでもないスケジュールがあったのですが、この時は故障の防止と疲労回復を目的に、翌週の5kmまでは一度も練習しないで臨む、というルーチンを選択していました。

そして、フルでサブ3をやった翌週の5kmで15分台、とかいうことも普通にできてしまうので、確かに1週間丸々休んだって走力は落ちないというのは身をもって知っているのですね。

ところが、この1週間丸々休んだ後の5kmレースというのは「一発だけ」の走力なのです。

1回だけなら走ることは可能。

ですが、それはレースだから(仕方なく)そうしているのであって、通常、1週間丸々練習を休んで再開のその日からいきなり1000mのインターバルとかはやりませんよね。

当然、足慣らしのために数日はジョグをして、次はMペースとかLT走とかで徐々にペースを戻していくのが、いわば「安全策」なわけです。

そう考えると、もし仮に丸々1週間もの間練習を完全に止めてしまった場合に、次、通常通りの練習を再開するのであれば、少なくてももう1週間は慣らしの期間をおかなくてはなりません。

そうするとですね、例えば最後にLTペースの練習を行ったとして、その後今回の故障のように何らかの原因で1週間のブランクを開けたとすると、次に同じようなLT走ができるようになるにはどんなに早くても2週間後、安全を考えれば3週間程度は欲しいということになります。

こうした計算を思い描くと、「脚がやばい」と思った時に「今完全に休むと2〜3週間はスピード練ができないのか」と瞬時に考えてしまう自分がいるわけです。

そしてそうなると、今度は2〜3週間という期間は、もう明らかに1週間とは意味合いが異なってきます。

1週間で落ちない力でも、3週間なら確実に落ちる力があります(一度作られたミトコンドリアが減り始めるが、練習をやめて大体2週間くらいからとも言われていることもあり)。

例えば、VO2MaxやLTペースを一定時間維持する力などですね。

こんなことを考えていると、途端に「やっぱりやれる範囲で続けていきたい」と考えるもう1人の自分が悪魔の囁きをするのです。

「もしかしたらジョグを続けていれば治るかもしれない」と。

「ジョグならできる」は治っていない

で、確かにジョグをしても痛くはないし本当にゆっくりですがよくもなっていくことは事実です。

ふくらはぎの肉離れには大まかに3つのステージがあり、今回の状態はその1段階目にもかかるかどうかのかなり軽度な症状です。

しかし、痛めていない時なら何の問題もなくできるフォアフット着地での高速走行(高速と言ったってたかだかキロ3くらいですが)をしようものならいつでも「ピキ」っとなってしまうような状態では、「ジョグならできる」からと言って治ったとは言えない状態なのですね。

10kmから20km程度のジョグを継続していれば、何となく練習をした気になっていますし、何よりカロリーの消費も多いため食事も気にしなくてよく、ひとまず運動をした気持ちよさも味わうことができ、なかなか「止める」という決断がしにくい状態ではありました。

でも結局はこれを続けていては、いつまで経っても一つ上の練習に以降できない毎日が繰り返されてしまうので、やはり「ジョグならできてもジョグもしない」決断が必須だということに気づきました。

走行中の痛みを基準にするのではなく、「診察」の痛みで判断する

そしてようやく諦めがついたところで、今週1週間は久しぶりにランを停止して歩くだけの生活を続けてみました。

通勤経路の往復を中心に、大体1日10km以上は歩くように心がけました。

普段、こんなに長い距離を歩く機会が少ないので、久しぶりにすたすたと歩いてみると、意外にも多くの筋肉を使っていることに気づき、確かにウォーキング練習も悪くはないなという印象を持ちました。

最も大きな違いは、着地の高さの違いによる「脚への衝撃」と「心拍数」で、発揮する筋力の大きさや、衝撃に対する耐性、そして高い循環器系、呼吸器系への負荷の要素は、歩きでは得られないものがあるなと感じました。

しかし、10kmも歩くとなるとだいたい2時間近く時間を要するため、運動の継続時間としてはそこそこの長さになります。

したがって、弱い負荷を長い時間かけ続けることはでき、それはつまり「運動を継続するための力」=「持久力」という大雑把な能力は、最低限維持することができたのではないかと考えています(今後練習を再開してどうなっているかが明らかになりますが)。

現在、毎日行っているセルフ診察(つま先立ちをしてふくらはぎに思い切り力を込める、痛めた部分を押してみる等)では、格段に痛みが軽くなってきました。

今回もっとも厄介なのは、この痛みはジョグでは生じないということなのですね。

毎日本当に注意深く確認していかないと「治った」と勘違いしやすく、ついついペースや距離を上げてしまいがちなのです。

明日までランは中止し、月曜からゆっくりとジョグを再開しようと思っていますが、再開後もこの「診察」は継続して、痛みが軽くなっていることを確認しながら徐々に距離を伸ばしていこうと考えています。

たまにはWalkingという練習があってもいいよね

こんにちは、ランマニアです。

今週はダニエルズさんのマラソントレーニングでは、負荷をかけるいわゆる「Qデー」が2日ともMペースの距離走の週でした。

ふくらはぎの故障が明けてから2回目の本格練習週でしたが、最初のMペース走は前回のブログに書いた通り。

そして水曜日には2度目のMペース走を行ったのですが、残念ながら12.8kmまで走り、後半戦をスタートしたところでふくらはぎが猛烈に張ってしまい急遽DNF(Did Not Finish)となったのですね。

実は、この日のMペース走はそこそこに調子が良く、ペースもキロ3分55秒を切るラップをずっと刻んでいて、一旦12.8kmでMペースをやめなければ、残り9.6kmは普通に走れたのではないかと思えるほど、脚の状態も悪くはなかったのです。

しかし、ダニエルズさんの練習は、このMペースに限らずTペースの練習の際にも、同じ距離なのにまとめて走らせる時と分割して走らせる時を、1週間に必ず1回ずつ設定しています。

おそらく、分割させることで目的の心拍域(MペースなりTペースなり)で走る時間をできるだけ長く取れるようにという配慮があるのだと思います(ランニングフォーミュラーのTペースの項目に、テンポ走とクルーズインターバルのメリットがそれぞれ書いてあります)。

そういう意味で、今週水曜日の分割Mペース走も、確かにその前の日曜に行って連続Mペース走よりも、より本来のMペースに近づきましたし、一度休めることが頭にあるとそのペースでなんとか頑張れそうな気もするのですね。

ところがこの分割型の練習で、ランマニア的にしんどく感じるのは、毎回一度中断したペースにもう一度戻すという作業が結構きついというところです。

一度メインの走行ペースを終えてジョグを挟むと、体が結構冷えてしまい(これは物理的に「冷える」のもあるし、神経系の興奮も収まる、という「冷める」意味もありそうです)、もう一度同じペースに戻そうとすると、うまく体が動いてくれないのですね。

うまく体が動いてくれないところで、無理矢理脚を速く動かそうとして力を込めると、やはりどこかに無理な力がかかってしまうのでしょう。

水曜日に猛烈な張りを感じてすぐに練習を中止した時も、一度ペースを落としてジョグで繋いだ後の、後半戦の走り始め1km程度のところでした。

幸い、すぐに走るのをやめ、帰宅後アイシングをして様子を見たところ、結果的に故障したところが再発したのではなく、弱っていた部分に大きな負荷がかかってしまったことによる痙攣に近い急激な筋収縮だったようでした。なので、翌日には普通にジョグができ、以降脚の痛みも出ていません。

週間走行距離の80%に達してしまったので強制終了

さて、そんな経過をたどった今週の練習でしたが、走行距離は思いの外のびてしまい、1週間を待たずに昨日の時点で目標週間走行距離の80%(ランマニアは週100kmで設定しているので80km)に達してしまったのですね。

もちろん、この80%というのは水曜日に22.6kmのMペースを走った場合ですので、今週のように途中でDNFしてしまっているのであれば、その負荷では80%にとどめる必要はないと思いますが、ちょうどふくらはぎにも来ていたことなので、今週はもう走るのをやめておくことにしました。

貴重な練習なしの土曜日

社会人ランナーの皆さんにとって(ランマニアもですが)週末の二日間は貴重な練習日になることは言うまでもありません。

特に負荷が高まり時間もかかるハードな練習は、この土日のどちらか(あるいは両方)に取り入れるのが理想だと思います。

そんな「貴重な」土曜日を「練習オフ」にすると言うのは、極めて贅沢なことです。ランマニアも、土曜日に練習をしないと言うのはいつ以来でしょうか。

そんな練習なしの土曜日。

こう言うところがランナーのサガなのでしょうが、やっぱり天気のいい休日は体を動かしたくなってしまうのですね。

走るのはやめておこうと思っても、天気がいいのでどこかに行きたくなってしまい、今日は近場の丘陵地帯を歩くことにしました。

思いもよらず近場にトレイルコースを発見

最近ランマニアがハマっているのは、自宅から車で1時間以内で行けてしまう東京都のあきる野市。

ここは市町村合併によりかなりの広範な部分が一つの市になってしまった結果、標高の低い丘陵地帯があるエリアから、本格的な登山ができる山岳地帯のあるエリアまで様々な環境を網羅する、トレイルランナーにとってはかなり魅力的な地域となっています。

今日はそのうちの、市街地に近く標高の低い丘陵地帯を5kmほど歩いてみました。

この丘陵地帯が始まる最も東側の取り付きには、大澄山という低山があります。

スタートは、この丘陵地帯の最も東側の大澄山(だいちょうさん)から。

ここから尾根づたいに快適なトレイルが比較的長く続いています(うちの近所でこのような尾根はあっても1kmくらいです)。

割と起伏のある本格的な山道なので、首都圏のこんな近場にこのようなトレイルが存在していたのは正直盲点でした。

ときおり痩せ尾根なども出現するかなり本格的なシングルトラック。

この尾根道を3kmほど進むと浅間岳というさらに標高の高い山に到達します。

先程の大澄山よりわずか40mほどの標高差ですが、ここまでかなりの起伏があり累積では100m近くありそうです。

ここまでの尾根道は結構古くからあるハイキングコースで、今日は歩きでしたが、トレランをしてもなかなか走りやすそうです。実際ランナーにも数人遭遇し、地元では比較的メジャーな練習場所なのかもしれません。

この先、尾根道はまだ続き、日の出や五日市方面まで足を伸ばすことができるようなのですが、今日は歩きなのでここから下山し帰路につきました。

ウォーキングの効能は侮れない

ランマニアのように40代も半ばを過ぎてくると、やはり先述した脚へのダメージや回復も、若い頃と同じようにはいかないものが出てきます。

まあこれはなかなか受け入れ難い事実ですが仕方のないことです。

そうした中、適度に脚の筋肉を使いながら有酸素運動を継続できる「ウォーキング」は、中高年ランナーのトレーニングバリエーションの中に一つ入れておいて損はないものだな、と感じます。

特に、今回のように起伏のある山道を1〜2時間も歩き通すと、大腿部は結構刺激されますし、心拍数も上がります。

アスファルトの上をガンガン叩きながら60分ジョグをするくらいなら、2時間くらい山道を歩いた方が似たような効果を足に優しく与えることができるのではないかと考えています。

もちろん、ウォーキングをやった方がトレーニング効果が高い、というのではなく、足への回復等トータルで見た時に、場合によって何も考えずにただ惰性で60分ジョグをするよりは、脚を休ませつつ持久的なトレーニングを行える山道ウォーキング(ハイキング)の効果は、意外と侮れないものがあるかなと感じるわけですね。

走らせてくれない靴を履くことで「自分で走る力」を身につけることができるのかもしれない

こんにちは、ランマニアです。

昨日から今朝は5時起きで走るぞ、と少し早めに布団に入ったのですが、まさかの緊急地震速報で強制起動させられ、なんだか寝たような寝てないような浅い眠りのまま朝を迎えて練習開始となったのですね。

今朝は久しぶりに眠いままの出走となり、気が向かないままとぼとぼと練習場所の公園までの4.8kmをアップ(ダニエルズさんのメニューでも4.8kmEとなっており、玄関を出て練習場へ向かうまでの道のりを兼ねることができるので非常に効率がいい)。

朝の5時半では外は真っ暗ですし、公園にもほとんど人気はなく。

そんな中自分でも「よくやるな」と思いながらも、今日のメニューは22km以上の距離走なのでできるだけ早い時間帯に終わらせたかったというのがあります。

ジョグシューでMペースを体験してみる

さて、ずっと足を痛めていたので今日のような距離走も当然久しぶりのことで、とにかくペースを上げられる気は全くしなかったので、今日の目標は「ゆっくりでもいいから完走」ということになりました。

さらに、もうほとんど脚の状態は大丈夫とはいえ、20kmもの距離をキロ4前後で走るには若干の不安があり、いつものボストン8でその距離を走り通すのはなんとなくまだ怖さを感じたのですね。

そこで、以前から一度は試したかったサロモンのSONIC RA PRO2でMペースは維持できるのかどうか(もっといえばフルのレースに使えるかどうか)を試すにはちょうどいい機会だと思い、初めてジョグシューで距離走をやってみることにしました。

メーカーサイトでは一応レースシューズ扱いですが、まだジョグにしか使ったことがないSONIC RA PRO 2

軽いのに軽くないシューズ

このRA PROシリーズ、サロモンのサイトでは一応レース用を謳ってはいるものの、履いた感じではどう考えてもジョグ用。頑張ってもマラソンペース程度(だからそのペースのレース用、という意味か?)がいいところかな、という印象です。

しかし、メーカーがレース用をアピールするにはそれなりの理由もあり、なんと言ってもこのシューズの特徴は、その見た目からは想像もできない軽さにあります。

見た目はジョグシューなのに、驚きの210g!(26.5cm)

なんとまさかのボストン8よりも25gほど軽量なのですよこのRA PRO2は。

軽いと思っていたボストン8でもこの重量。(27cm)

しかし、実際履いてみるとこの重量差を全く感じないほど「重く」感じたのが今回のRA PRO2。

いえ、もちろん走行中の25gなんて実際に感じられるようなレベルでもなく、今日のようなMペースなんかでは全く影響を及ぼしもしない差なんですが、正直もっと軽やかに走れる印象を持っていたのですね。

実際に手に取るとものすごく軽いので・・・。

スタートしてMペースを維持しようと思い、若干フォア気味で接地をしてスピードを出そうとするのですが、なんだか軽くないぞこの靴。

初めは体が動かないためキロ4分30秒もかかりましたが、その後動きが良くなってきてもなかなかキロ4が切れず。

靴のせいにしたくはないですが、これがボストン8よりも軽いというのはにわかに信じがたい。

そんな気にさせられました。

恐ろしくスピードが出ない「レースシューズ」

走りながら「この重さ」はなんなのだろう、とずっと考えていたところ、接地のたびに感じるある違和感に気がつきました。

この「レースシューズ」、レースシューズなのに、全然スピードが出ないんです。

いやいやいやいや、それはお前の足が遅いんだろう、と突っ込みたくなりますよね。

はい、もちろんそれは認めるのですが、接地した際になんというか地面を蹴って推進力が得られないのです。

全然進まない。

これまでMペース以上のスピードで走るときに履いていた、アディゼロのボストンやあの悪名高いジャパン5ですら接地して蹴り上げる際にはバネのように弾む感覚が得られたものですが、この靴は本当に進まない。

こんな靴が世の中に存在していたのか、と驚きを禁じ得ませんでした(いやかなり失礼。でもこの後ちゃんとフォローしますので)。

衝撃を吸収しすぎて反発が得られない「Vibe」フォーム

しかしこの靴、ある強力な利点も存在しているのです。

Mペースのようなフォア気味の着地でスピードを出そうとすると足裏のフィードバックがうまく感じ取れないのですが、少しペースを落とすと他のシューズでは感じられない明らかに高いクッション性能が発揮されているのですね。

特に、多くのスピードシューズでは両立し得ないほどの前足部のクッション性能が(厚底さんたちとは比較できませんが)。

なので、結果から先に言うと、今日の練習では20km以上Mペースで走ってみて初めて足裏が一度も痛くなりませんでした。

これはボストン8では一度も体験したことがなく、もっと短い16kmくらいでも若干足裏の筋肉が痛んでくるのが普通でした。

もちろん、ミッドソールの厚みが全然違いますから(ボストン8は前足部の地面からの距離がとても短く感じます。アスファルトをすぐそこに感じるような感覚。)、そのことが最大の要因だとは思いますが、それにしても足裏の「守られ感」は別格です。

このクッション性能を支えているのが、おそらくサロモンロードシューズ最大のウリ「Vibe」フォームであることは間違い無いでしょう。

先代よりも若干ハード寄りにシフトしましたが、それでも接地時の柔らかすぎず硬すぎない独特の感触は、このロードシューズを履きたくなる最大の要因です。

ところが、そんな優れたクッション性能を発揮するこのVibeフォームこそが「軽くない」走りを生み出しているのではないだろうかと、走りながら薄々感じていたのですね。

そうなんです。優れた衝撃吸収能力を発揮する代わりに、接地時のエネルギーを全て吸収してしまい(実際にはそう言うことはないのでしょうが)、前に進むための反発力を生み出すことができなくなっているのではないかと考えたのです。

さらに、このフォームが足裏全体を覆い、アーチの部分がフラットになっていることもある程度関係している気がしていて、蹴り出す際の足裏の「しなり」も生み出すことができないのではないかとも考えています(素材がもう少し硬ければ竹のようにしなりながら反発を得られるのでしょうが、なまじ柔らかいためにしなることができないのでは?)。

アーチ部が柔らかすぎて「しなれない」のも反発が得られない原因か?

何十年もかけて培われてきた「吸収」と「反発」を両立する技術

そう考えますと、普段何気なく履いているランニングシューズ(ランマニアの場合はアディダスですが)と言うのは、長い時間をかけても大変高度な技術が投じられてきたことがわかるのですね。

この「吸収」と「反発」という相反する現象を同時に両立させてしまう多くのランニングシューズの技術力の高さには目を見張るものがあるなと、今日は改めて感じたところです。

例えば、比較的歴史のあるアディダスの「Boostフォーム」について言えば、あんな発砲スチロールのような一見柔らかそうな衝撃吸収素材が、あれだけの反発力を生むのですから、冷静に考えれば「どうなってんの?」と思うわけです。

今回のVibeフォームは衝撃を吸収する力は大変高いものがあるとはいえ、十分な反発力を生むには至っていません。それだけそれらを両立させると言うことは高い技術が必要なのだと思うのですね。

また、アディダスを代表する「トルションシステム」も、さりげなく土踏まずの部分に謎の樹脂プレートが嵌め込まれているだけなのですが、実はあれによりアーチ部の反発力を生んでいたことに気づかされました。

あの部分が硬くないと靴は「しなれない」のです。

もちろん、その「しなる力」が強いがために足底筋膜炎とかの遠因にもなってしまうのですが、その反発力を利用して私たちはスピードに乗れていたのだなと、改めて感じた次第です。

靴に走らせてもらってきた私たち

一方、今日の練習では別の側面も見えてきました。

今回履いたRA PRO2は、はっきり言って、スピードを出して走ることに対してほとんど助けを得ることができませんでした。

軽量で走りやすいはずが、反発が得られないため全く軽く感じることもできませんでした。

しかし、走りながら、途中からあることを考えました。

これ、もしかしたらしっかりとした接地をして、体重を乗せ、自分の脚の前へ進ませるための筋肉をしっかり使って走らなければ速く走れないのかも、と。

これに気づいてから、これまでのように前足部でちょこっと接地をしてふくらはぎの力で前に持っていこうという走りをやめ、ある程度フラット気味に接地をして大腿部の力も十分使って走ったところ、驚くべきことにスムーズな推進力を得られるようになったのですね。

ここからキロ4を切って走ることができるようになりました。

そしてもう一つ気づいたことがありました。

私たち(というかランマニア)は、普段いかに靴の性能によって「走らせてもらっていた」かと言うこと。

ランマニア的には、普段から「厚底」は履かずに、ある程度自分の力で走っている「気に」なっていたところがあります。地面の衝撃をもろに受ける比較的そこの薄いシューズで強靭な走力を発揮できている、と。

しかし、今回のような「走らせてもらえない」靴を履いてみると、普段いかに靴の性能に頼っていたかに気づかされるのですね。

そう言う意味では、今回のような靴で練習をすることは楽ではないし非常に疲れるのですが、「自分の力で走る力を身につける」と言う意味ではとても有意義なシューズなのではないかと、最後は考えを改めて練習を終えたところです。

だからこそ、1点だけ、これだけは改善してほしい唯一にして最大の欠陥

そう思えて、もう今後Mペースでの距離走はこれでいいのではないかと思い始めていたところで、やはりどうしても許容しがたい走る上での最大の欠陥がこの靴にはあります。

「小指が痛い」

これは如何ともし難いとても大きな問題です。

今回の2世代目から、どのグレードも(MAXも無印もPROも)靴幅が若干細めになりました。そのため前作よりもフィット性能は大幅にアップしているのですが、相変わらずアッパー部分の硬い補強はそのままです。

靴の幅が細くても、多くのシューズでは小指が痛くなることはありません。それは素材が伸縮性に富んだ柔らかいものだからですね。

サロモンさんはトレイルシューズの歴史が長いせいか、このつま先周りの補強がとにかく「しっかりし過ぎて」いるのです。

今日は小指に血豆ができるほどのダメージがあり、流石にこれでは練習に使うことはできません。

残念ながら、次回の距離走ではボストン8に戻ることになるでしょう。

せっかくこの値段でここまでのシューズを作れるのですから、後はこの補強部分だけ改善してもらえたらもう言うことはありません(実はSONIC3では改善されていたりするのかもしれません。海外では4も発売されましたし。)。

とはいえ、ジョグのペースであればここまで痛むことはないので、今後もジョグを中心にこの靴を使用して、「自分で走る」力を培っていこうと考えています。

「ジョグ時々ファルトレク」な日々を経て

こんにちは、ランマニアです。

今週からダニエルズ練を再開し、今日はQデーの2回目。LT走やVO2Maxインターバルを取り入れた比較的強度の高い練習の日です。

ふくらはぎの状態はだいぶ良くなってきているとはいえ、ロードでキロ3分台で走るのはひと月ぶりなので、今日を迎えるにあたり数日前からかなり緊張していたところでした。

1月は、しばらくの間前足部で踏み込むとふくらはぎが「ズキっ」というので、常にリアフットの癖がついていましたし、ジョグでも前足部を使うのを反射的に避けている走りになっていました。

クララが立つのと基本は同じ

こうした恐怖は、どこかで一度通常のフォームで走ってみて、「大丈夫だった」という経験を積まない限りはその不安はなかなか拭いされないのですね(「クララが立った」と同じメカニズム)。

不安は回避行動で維持されますから、克服したければその不安の対象に暴露される必要があり。

その一発目をいずれは経験しなければならず、ケガ明けはいつもその一発目がどうしてもおっかなびっくりになってしまいます。

そうして迎えた今日のQデーですが、当然いきなりIペースとかで全開走行なんてあり得ませんので、本来のTペース、Hペース(Iペース)、Rペースは全て1段階落として実施し、徐々にスピードに慣らしていく慎重さで臨みました。

また、この手の練習のシューズはいつもアディゼロジャパン5なのですが、今朝久しぶりに履いてみたところ、相当な硬さと薄さだったため、ちょっと危険と感じボストン8に変更して実施しました。

設定タイムより再発をしないことを最優先に

初めは、本来のダニエルズ練では3.2kmのTペースを2本。レストは2分。

しかしロードのTペースはかなりの負荷がかかるため、恐る恐る走ったところ、予想通りキロ4分弱のペースになり、結果的にMペースとなりました。

しかし、これでいいのです。

今日は病み上がり初の本格練習ですし、今ペースを上げる必要は全くありません。

なので、キロ4分ペースで3.2kmなど本来ただのジョグに過ぎないのですが、今の脚の状態から考えれば、相対的にはTペース並みの負荷はかかっていると考えています。

そして問題は、本来であればVO2Maxに刺激を入れるHペースのインターバル。

走った感じではとりあえずふくらはぎの状態は問題なかったとはいえ、いきなりキロ3分10秒はさすがに怖すぎるので、ギリギリフォアフットにならないくらいのペースで走ってみました。

結果は平均ペースキロ3分35秒。

正直、もう少し速く走れている感覚はありましたが、脚のことを考えるとこれくらいが精一杯なところです。

感覚的にはだいぶスピードを出している感じがしましたし、脚への衝撃もかなり大きいものがあったため、5本もできるか心配でしたが、結果的にこのペースを維持して5本実施。

VO2Maxには効果はなさそうですが、少なくともLT域では走れたことになり、久しぶりに大きな筋力を発揮する機会となり、ミトコンドリアに代表されるエネルギー供給系に大きな刺激を入れられた印象です。

シメは400m Rペースですが、1本目を走った時点でさすがにふくらはぎが危なくなってきたので、200mに距離を変更し4本だけIペース(38秒くらい)で走って終えました。

達成感のために練習してるのではないけどその満足感も大事

全て激遅ペースなので、練習終了時でも相当余裕がありましたが、とにかく今日はケガ明け最初の練習で、再発を防ぎながら練習をこなせただけでもう十分すぎる成果であったと思っています。そして、この満足感は本当に久しぶりでした。

やはり、強度の高い練習はやり遂げた後の達成感が桁違い。

もちろん、その達成感のために走っているわけではありませんが、趣味で取り組んでいる以上、その取り組み自体の楽しさ(ここでは達成感)がなければ長くは続かないと思うのですね。(辛い、苦しい、でもそれは速くなるために必要なこと、という動機付けだけでは歳を重ねると続かなくなるのは明白です)。

「ジョグ時々ファルトレク」の予想外の効能

前回この練習をやろうとして途中で脚を痛めたのが1月の上旬でしたので、気がつけば1ヶ月ぶりの再挑戦。

ジョグは継続できていたとはいえ、それなりに長い期間でした。

とはいえ、今日は思ったよりもTペースが楽に感じたため、もしかするとこの一月のジョグだけの生活が、思いのほか体にはいい方向に作用していたのかもしれません。

また、2週前から取り入れたファルトレクも、これくらいの走力を維持するにはとても効果のある練習であった可能性もあります。

そう考えますと、長距離を走るための脚作り、基礎体力や回復力の向上などを目指すのであれば、毎日じっくりとジョグを続け、時折ファルトレクを取り入れる程度の練習でかなりの効果が見込まれるのではないかと、今日の練習中考えていました。

ガチガチのインターバルやLT走、ペースの高い距離走などは、もちろん体の変化を促すには効果的な練習であるのは間違い無いと思うのですが、その代償として高い故障リスクを考えると、果たしてそのリスクを取るほどの効果を期待するのもどうなのかとも思えてきます。(所詮趣味ランナーなんだし)

であれば、今回1ヶ月間故障期間中に継続した、「無理のないボリュームでのジョグ」とか「芝生の上でのファルトレク」などをしばらく実施してみるのも、あるいは面白い効果が得られるのかもしれないな、と。

だけど趣味だから楽しむのも大事かな、に戻る

とはいえ、そうは言っても、今日のような練習はやはり達成感は得られますし、メンタル面では「自信」がつくのも確かなことです。

「目先の満足」と言えなくもないですが、我々趣味ランナーとしては意外とそういう要素も大事な気がするのですね。

今回の故障で得られた収穫

こんにちは、ランマニアです。

1月はふくらはぎを痛めてしまったため、通常の高強度の練習が全くできず、ジョグをしたり芝生を走ったりして、満足のいく練習ができませんでした。

しかし、今回の故障期間はこれまで経験したことのないほどの「異例」とも言える走行距離を積んでしまい、こんなこともあるのだな、と。

通常、故障をすれば数日は完全休養。そしてそのあと徐々にゆっくりとしたジョグを再開、というような流れを辿るのですが、今回は3日ほどウォーク&ジョグを行った後は、比較的通常と変わらぬジョグを再開することができたのですね。

もちろん、アスファルトをガンガンEペースでぶっ飛ばす、というようなことは無理だったのですが、芝生の上ならふくらはぎに負担をかけずに走行することができました。

そして今回の故障期間、最大とも言える収穫をその芝生ジョグから得ることができました。

芝生に入ったらペースアップ

芝生の上ならふくらはぎもある程度守りながら走ることができる。ならば、その区間だけペースを上げてみては、そう思い「芝生だけ」ファルトレクを思いつきました。

ファルトレクは別名「スピードプレイ」とも呼ばれていて、リディアードさんの本ではスピードを出すことを楽しむ文字通り「スピード遊び」という概念で説明されています。

12月までのように、アスファルトの上でガンガンスピード練習ができない状況でも、どうにか心拍数を上げたいと考えていたところ、芝生の上で若干ペースアップしてみたらどうだろう、と思いついたのでした。

ランマニアの通っている練習場(公園)は、敷地内の多くに自由に立ち入れる芝生が存在していて、インターバルなどをやるロードを避けて芝生地帯を選んで走ると、比較的まとまった距離の芝生区間を取ることができるのですね。

それでも、LT程度のペースで走ればあっという間に芝生区間は終わってしまうので、正直閾値を高めるとかVO2を刺激するとか、そういった目的で利用するには短すぎるのですが、ずっとジョグのように小さい動きしかできていないランナーにとっては、大きな動きで走ったり、素早い動きに体を慣らせたり、あるいは普段は上げられないような心拍域まで心拍数を上げたり、そういった目的にはちょうどいい距離の区間でした。

なので、このように「あえて」芝生を選んで公園をぐるぐると走りながら、芝生区間に入ったところでスピードアップ。ロードに入ればすぐさまジョグにもどす。これを繰り返しながら、自分で設定した距離、時間ではなく、与えられた環境に合わせてスピードを変化させる「インターバル走」を行ってみました。

最長800mでも意外と追い込める

このような芝生区間は、今回のコースでは最も長く取れても800mほどでした。

800mというと、ランマニアのLTペース(3’30”~25”/km)くらいでも3分取れるかどうかという程度。

LTペースなら最低でも5分くらいは維持したいところなのでやはりやや短め。

しかし、その800m区間が終わってロード区間を100mほど走るとまたすぐに芝生区間が再開されます。そっちも400mくらいですから、これらを合わせると大体5分程度はこの速度を維持することができるわけです。

このように、自然に与えられた疾走区間と休息区間を繰り返しながら、ぐるぐるぐるぐると公園を回っていると、思いのほか心拍数は上がってきますし、3kmほどそれを繰り返しているとどうしてどうして結構本格的な強度の高い練習になってくるのですね。

それでいて、芝生は柔らかいので脚には思ったよりもダメージがくることはありません。

この練習をジョグも含めて20kmほど走った後でも、あまり脚に張りのような疲労は感じられないのです。

なんとなく得をした気分です。

怪我をしていなくても取り入れたい練習

今回この芝生インターバルを行いながら思ったのは、とにかく普段いかにダメージの大きな練習を継続していたのだな、ということ。

あんな硬い路面でキロ3近いスピードでインターバルをやっていたなど、ちょっと信じられない感覚でした。

もちろん、ある程度脚はできていましたから、突如レースなどを入れない限り、一定期間安定して怪我なく練習は継続できるようにはなっていましたが、それでもいつ怪我をしてもおかしくないようなダメージを負っていたことは想像に難くありません。

なので、今後も定期的にこの「芝生インターバル」は取り入れて行ったほうが良いかもしれない、と考えをあらためたところです。

ただ、このコースの欠点はとにかく疾走時間を長く取ることができないところ。

都内では砧公園、地元埼玉では森林公園のようにかなりの距離を芝生区間で走り続けることができれば3分、5分と疾走時間を確保できるのですが、今回の公園はとにかくそれをやるには狭すぎるのですね。

定期的に、脚を守りつつ呼吸器系、循環器系を追い込める練習が可能になれば怪我を防止しながら走力を身につけることができるでしょうし、何よりアスファルトでは叶わないダイナミックなフォームを意識して走ることもできるわけです。

それでも、こうした発見、こうした意識は怪我をしなければ得られなかったもので、今回の故障で得られた大きな収穫であったことは間違いないところです。