休む期間より休むタイミング

こんにちは、ランマニアです。

さて、Twitter上ではここのところレースの調整法についてが話題です。

特に「前日1000m×1」についてとても盛り上がっていて、かつてランマニアも「これをやらなきゃレースは迎えられない」、とまで盲信していた時期があっただけに、大変興味深く見させてもらっています。

レースの調整法については、おそらくランナーそれぞれのタイプや経験から様々なパターンがあると思われ、それらは皆それぞれのランナーに適したものとなっているでしょうから、これは正解、これは間違い、みたいなものはないと思っています。

というのも、自分自身に置き換えてみると、ランマニアの調整法はかなり特殊であり、ここにたどり着くために相当な年月を要したからですね。

今回は、ランマニア自身が最終的に行き着いたレースの調整法を簡単に紹介したいと思います。

まず、大前提として、ランマニアの場合はもともと抱えている持病のような慢性疲労症状がレースの成否に大きく影響してくる、というものがあります。

この疲労が抑えられている時と、悪化してしまった時とでは記録に大変な差が生まれてしまうのですね(フルでいうならば、PBに近い走りができたと思うと、20kmで棄権してしまう時もある、くらいの落差)。

なので、この疲労症状をどうコントロールするかが非常に重要な鍵を握っています。

以前、まだこの辺りを自分自身でうまく制御できていなかった時期には、レース1週間前まで通常通りそこそこハードな練習を積み、1週間前の週末に思い切って2連休でしっかり休む。その後、1週間は軽めに練習してレースを迎える。というパターンで臨んでいました。

しかし、このスケジュールで調整をしようとしたところ、1週間前の2連休で体を休ませることで「頭が休みモード」に入ってしまい、体全体が一種の「休眠モード」のような状態になってしまうのですね。

こうなると、体はもう完全に休養期間に入ってしまうので、数日から1週間ほどは体がだるく走っていても脚が重くて仕方がない状態になってしまいます。

そしてその状態のまま週末のレースを迎えてしまい、せっかくいい練習を積めてきても全くレースで走れないという経験を数多く重ねてきました。

ところが、この1週間前の休養は、そのレースの後徐々に効果を現し始めます。

経験上、大体レースの翌週から2週後あたりにピークが来てものすごく調子が良くなってくる印象です。

そこで、この経験から、練習の疲労を抜くタイミングを思い切ってレースの3週前からひと月前くらいにシフトして、一旦体を完全に休眠状態に落とし、そこでしっかりと休養期間を入れてからレースまでの残りの期間で徐々に調子を上げていく、というパターンに変更してみました。

この調整方法は、ほぼ確実に成功するようになり、特にフルのような体への負荷の非常に高いレースの場合ほど効果が高いように思えました。

数年前に、ほぼ毎年フルでPBが出るようになった頃、この調整方法で大体うまくいっていました。

フルマラソンを走るためのトレーニングは、ただでさえ体には大きな負担がかかっているので、疲労症状が出やすい自分のような場合は、トレーニングの疲労が想像以上に大きくなってしまうのですね。

それを一旦リセットするには、1週間前では到底間に合わず、できればひと月ほどはその期間を確保したいところです。

なので、本当に狙ったレースに向けて調整する際の、まず絶対に守らなければならないマイルールは、この「一ヶ月前には確実に疲労を一旦抜いておく」というものがあります。

これらを踏まえて、レース直前までの練習内容は、大体以下のようなものになります。

一ヶ月前までに能力を向上させるためのトレーニングは大体終えておく

一ヶ月前に、一旦3〜4連休を入れて体を「休眠モード」に入れる

3週前からジョグを再開

2週前はLTやMペース、VO2ペースの練習を適度に織り交ぜて軽く負荷をかける

最後の1週間はジョグが中心(60分まで)、頻度は3回から4回

レース3日前に、目指すレースのレースペースで1000mを走り疲労度を確認(設定ペースで楽に入れれば問題なし)

前日は絶対レスト(もちろん1000m×1などは一切やらない)

前日1000m×1をやらなくなってもう15年近くになり、ここ10年は練習すらしてないですが、大体その時のベストのパフォーマンスは発揮できていますね。

むしろ、何もしないのが一番調子がいいです。

とはいえ、ここ2年はフルマラソンが全く開催されず、こうしたピーキングをやる機会すらないので、こうやってまとめながら「そういえば、疲労と折り合いをつけるのに苦労してたな」と懐かしくなるほど、レースから遠ざかってしまいましたね。

ボストン買いました。ただし9。

こんにちは、ランマニアです。

さて、今日は久しぶりにシューズレビューです。

8月に入りようやく故障も完治し、どこも痛くない状態で練習を続けられることになり、久しぶりにジョグではない、ペースを上げた練習を取り入れられるようになってきました。

8月は主に短距離をRペースで走る機会を設け、9月はLT域のペースを重点的に取り入れるようにしています。

このLTペースでの練習は、これまでアディゼロジャパン5を履いてきたのですが、この半年の走力の低下からLTペースが以前のマラソンペース(Mペース)ほどに落ちてきてしまっていることから、9月の1回目は去年Mペース走で多用していたアディゼロボストン8で走ってみました。

このボストン8は、かつてのアディゼロジャパン的な立ち位置で、そこそこの軽量さとそこそこのクッション性能、そしてそこそこの反発力という、ランマニアの大好きな「全部中途半端な」靴だったのですね。

しかし先日この靴を履いてLTペース(去年のMペースくらいのスピード)で走ってみたところ、前足部のクッション性が相当に低下していることに気づき、これは危険と判断し新品と入れ替えたのでした。

購入したのはボストン8の後継モデル、ボストン9です。

懐かしのboostフォームが誇らしげな旧世代のアディゼロシリーズ末裔

Amazonさんでなんと破格の6500円ポッキリ

愛用していたアディゼロジャパンシリーズも、ずっとこの値段でした。

実は、このボストンシリーズも、ジャパンシリーズも(もっと言えばタクミセンシリーズも)、現行モデルでは大幅なモデル再編が行われていて、これまでのシリーズの位置付けとは全く別物になってしまっているのですね。

ビジネス的には致し方ない流れだと思いますが、アディダスにも「厚底化」「炭素化」の流れが到来し、主力商品は全てカーボン入り、厚底化がなされてしまいました。

そして、おそらく商品力の高かったボストンがかつての人気商品であるジャパンシリーズよりも、より高性能化、レース向けに入れ替わり、値段と性能のバランス的に最も売れ筋モデルに位置付けられた点が大変興味深いです。(ジャパンの人気が落ちたのは、アディダス自身がジャパンのコンセプトを変えてしまったからなんですけどね)

言ってみればボストンのネームバリューが上がり(ジャパン化させたことで)、ブランディングに成功したということでしょう。昔からのボストンを知る私からするとずいぶん出世したなぁ、と(笑)。

さて、そんなアディゼロシリーズですが、まあとにかく「お高いんでしょう?」なラインナップになってしまい、そんなにポンポンと2万も3万もする靴を買うわけにはいかないランマニアは、いにしえのアディゼロシリーズの末裔、ボストン9がいまだAmazonさんで売られているのを知り、買えなくなる前に「抑えて」おいたのですね。

では、この9は8からどの程度進化(変化)しているのでしょうか?

まずは気になる重さは。

見えにくいですが、8が237g
9が234.5g

と、僅かに9が軽量化されていますね(同じ27.0cm)。ただ、ほぼ誤差の範囲。

続いてアウト、ミッドソール。

boostフォームとLIGHTSTRIKEフォームのバランスは全く変わらず
底面も全く同じ。

はい、つまり履いて走れば地面からのフィードバックは全く一緒ということですね。

続いてアッパー部分。

最も大きな変化はこのシュータン部分。8からすでにアッパー部分と一体化しましたが、9ではよりフィット性が高められています。

ヒール部の処理もかなり変わっています。
メッシュ素材も変更され、軽量化に影響しているのかもしれません。

というように、8から9で最も大きく変更されたのはアッパー部分ですね。

特に、履き心地に関する点としては、アッパーと一体化したシュータン部分の素材がソックスのようになり、フィット性が高められている点です。

これは変更されたメッシュ部分と合わせて、だいぶ快適に走れる進化なのではないかと期待大です。

まだ実際に履いて走ってはないので、具体的な履き心地はわかりませんが、8の素性の良さを考えれば、そうそうハズレはないだろうなと。

ちなみに、発売時よりずっと忘れられない気になる「あの子」はと言えば、

だいぶ安くなってきたとはいえ、いまだ12000円近いプライスタグが。

そして値段以上に「厚底」+「カーボン」がね。

おじさん的には、もう少し抵抗してみようと思います。

ジョグが遅すぎる人

こんにちは、ランマニアです。

さて、今日は毎回Twitterに上げている練習記録ですが、そのペースが遅過ぎる件について。

古くからブログを読んでいただいている僅かな方々はご存知だと思いますが、ランマニアは少し通常のランナーとは違った事情を抱えていて、それが競技に対して相当に影響しているという現状があります。

簡単に言えば、学生時代に発症した慢性疲労症状がほぼ完治しない体になってしまい、その症状の軽重によってパフォーマンスが大きく変動する、というものです。

疲労がそこそこ抜けて体が軽い時にはそれなりのタイムで走れるのですが、少し負荷の高い練習を続けてしまった時などに疲労が一気に溜まると、途端に信じられないほどパフォーマンスが低下してしまいます。

一例を挙げると、直近では昨年末に走った「川内杯栗橋関所マラソン」の10kmでは、非公認ながら33分45秒と、そこそこのタイムで走ることができました。

言ってみれば、この辺りがここ数年のベンチマークとして妥当なところだろうと思います。

単純にこのタイムをダニエルズさんのVDOTに当て嵌めますと、だいたい63前後になります。同年の5000mは16分11秒というのがあり、これでも64に行くかどうか。

まあ、この辺りに自身の持久的能力の壁がありそうです。

そこで、このVDOT64とか63で例えば「Eペース」を参照してみますと、3’59”〜4’34”/kmという恐ろしいペースが弾き出されます。

いくらダニエルズさんのEペースが速いと言ったって、これはランマニアにとっては衝撃的なペースです。

ここで白状すると、いつもランマニアがTwitterで報告している「Eランニング」のペースは、通常1km5分を普通に超えるペースです。

はい、Eペース詐欺ですね。

この要因の一つは、最初に述べた疲労症状の影響が大きく、通常の鍛錬期における練習内容では、普段の疲労症状がかなり大きくなり、本来の「VDOT」レベルを発揮することができなくなるからなんですね。

疲労がすっかり抜けて、疲労症状が限りなく少ない時などは、ジョグの終盤に軽々1km4分30秒くらいで巡航できることはあります。これはかなり稀なことですが。

なので、このVDOTの数値とペースは、多少のずれはあるものの、だいたい自分の持久的能力をうまく表していると考えています。

一方で、そこそこハードな練習を積んで疲労を抱えた状態で普段のジョグを行おうとしても、とてもじゃないですが1km4分30秒の平均ペースで走るなどということは不可能です。

不可能どころか、脚の動きが悪い状態なのでおそらく故障に繋がるものと思います。

ランマニアの場合は、疲労がある時とない時との差がとても大きいので、練習による疲労が大きい通常の鍛錬期はVDOTをほとんど無視して走らなければならなくなるのですね。

ですが、その疲労症状さえなければ、おそらくかなりVDOTに沿ったペースを維持できていると考えられることから、その低下分を差し引いて、キロ5分ちょいで走れた時でも「Eランニング」と定義しています。

しかし、そうした「安定的な」疲労症状よりも、さらに強い疲労が襲う場合があります。

レースの数日後とかハードな練習を立て続けにこなしてしまった後など。

こうした際には、5000mや10000mのタイムからは信じられないほどのジョグのペース、キロ7分近くから入り、ジョグ終了の時点でも6分をようやく切れるくらいのペースになってしまうことが稀にあります。

こんな時は、もはや「Eペース」などとは口が裂けても言えないので、単なる「ジョギング」、「J」の表記にしています。

このような背景から、とにかく社会人になってからは「ジョグが遅すぎる人」として仲間内では有名になっていて、たまに合同練習などで数人でアップをしようものならフツーに追いていかれるのですね。

5000mをそのタイムで走っておきながら、なぜそのアップ?と周囲からは苦笑されます。

まあ、自分自身の中では「アップで温存して、本番で全エネルギーを出し切る」というのが鉄則になっているので、このスタイルがベストなんですけどね。