1月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

早いもので今日で1月も終わり。

この1月は毎日ふくらはぎがどうこう言っているうちになんとなく過ぎていってしまったように思います。

昨年8月にハムストリングスをやった時は完全に走れず、ノーランデーが1週間続いたこともあり月間の走行距離がその月に一気に減りました。

しかし今回は、幸か不幸かジョグは比較的問題なくできてしまったことから完全に走れないということはなく、中途半端に続けられてしまったのですね。

なので、1月の走行距離を集計してみてびっくり。

登山やウォーキングなども加算しているとはいえ、昨年12月に次ぐ二番目に多い走行距離の月になってしまいました。

強度の低い練習ばかりだったため、意外と距離は稼げてしまいました。

これまで、まるまる1ヶ月ジョグだけを続けた月はなく、適度にインターバルやLT走を織り交ぜながらの練習を継続してきました。

これはこれである程度効果はありましたし、昨年のレースでは脚が変わってきたことをとても実感できたのは間違いありませんでした。

しかし、よく言われる「期分け」の考え方からはちょっと外れた練習パターンで、本来もう少しじっくり長くジョグを続ける期間を設けて、基礎づくりをしなければならないことは自分でも自覚していました。

最近ではこの一連のツイートでも再認識したところです。

しかし、ダニエルズ練習をまずはやり切った上でどのような体の変化が起こるかということを確認したい気持ちがあり、そうした期分けの重要性は分かっていながらも、あえてそれを入れずにマラソントレーニングを続けていきたのですね。

そうした中での故障。しかもジョグならできる。

正直、これはいい機会だと思いました。

多分、放っておけば自分の意思で予定を変更することは難しく、1ヶ月まるまるジョグだけを続けるなどということはおそらくできなかったと思われ。

今回たまたまこういう結果になり、意図せずジョグ月間を作ることができたというわけです。

月の9割がジョグ、というのはこの1年では初。トレイルやウォークを入れると97%。

とはいえ、ボリュームで考えれば月間400にも満たないわけで、ではどれほどの効果があったかといえば謎。

それは今後のトレーニングで明らかになってくると思われますが、現段階の割と即行的な効果といえば、急速に疲労が抜けかなり体がリフレッシュされた、ということでしょうか。

今月は先月のレース疲れを取るために序盤は軽いジョグが続き、いよいよダニエルズのトレーニングを再開、というところで故障だったでの、もうひと月以上高い強度の練習はしていません。

序盤に「黄色」のLT走がありますが、トータルでわずか5km弱。

しかしジョグをしている感覚や、時折入れるWSの感覚では、それほどスピードが落ちた感じはなく、これだけのボリュームを確保できていれば、とりあえず最低限有酸素能力や閾値は維持できているのではないか、と勝手に思っています。

もういい加減市民マラソンを再開してもらってもいいようなものですが、エリートマラソンが周回コースを使っているくらいですから、1万人規模の市民レースが従来の形式で再開できるとは到底思えず。

そうなると、こうしたマラソン練習ってどうなのよ、という気もしてきますが、幸い山レースは通常通り開催してもらっていますので、そっちの走力を磨くという意味でマラソントレーニングを継続するモチベーションにしようと思っています。

ジョグシューを笑う者はジョグシューに泣く

こんにちは、ランマニアです。

さて、長らく故障ブログ、故障ツイートが続いていたランマニアですが、今週はようやく1週間まるまる「普通の」ランナーらしい1週間を送ることができました。

まだまだMペース以上のいわゆる「ポイント練」をやれるだけの回復ではないのですが、ジョグをしても患部が悪化しない、つまりジョグが怪我の回復を妨げないほどの強度になってきたというわけです。

ふくらはぎの肉離れは、意外と接地の仕方によって患部を守れてしまうのですが、しかしそれをやってしまうと別の場所に負担がかかりそっちを「やって」しまう、という悪循環を生じさせてしまうのですね。

そこで、今週はジョグをするにしても意図的に路面の柔らかいトレイルや芝生を選んで走ってみることにしました。

衝撃を吸収してくれる芝生

今週、久しぶりに長めに芝生を走って思ったのは、やはり地面が柔らかいということは、接地した際の衝撃を、想像以上に地面が受け止めてくれる、衝撃を吸収してくれる、ということ。

アスファルトの上では、重力によって下された脚が地面に着地した際、地面は全く沈み込んでくれませんので、空中に飛び跳ねることによって貯まった位置エネルギーを全て脚で吸収する必要があるのですね(全てというのは言い過ぎで、もちろん靴でも吸収してますが)。

なので、たとえジョグのようなゆっくりのペースであったとしても、片足で60kgもある体を着地のたびに受け止めているのですから、脚には相当な負荷がかかっているわけで。

それを芝生の場合は、地面の柔らかさによって、本来は脚で受け止めるべきエネルギーをだいぶ芝生が「肩代わり」してくれているということです。

今回、芝生を走りながら感じていたのは、あれだけキリキリしてくるふくらはぎが芝生の上では全くそのようなことはなく、ふくらはぎの患部を忘れてしまうくらい衝撃が軽かった、ということ。これは、想像以上でした。

路面と喧嘩することで速く走れるアスファルト

一方で、芝生区間の合間に通過するアスファルト区間を走って気づくのは、やはりその衝撃の大きさなのですが、しかし実は思いの外スピードに乗れてしまうのはこのアスファルト区間。

芝生は衝撃を吸収してくれる一方で、せっかく貯まった位置エネルギーを「無きもの」にしてしまうため、位置エネルギーを反発力に変えて走ることができなくなります。(なので、「楽な走り方」ができなくなり、大腿部まで使って大きなフォームで走る必要があるのです。それはとてもいい練習だと思っています。)

アスファルトは路面が硬い一方で、落下のエネルギーを反発力に変え、脚の筋肉を使って弾むように前に進むことを可能としているのですね。もちろん、ランニングシューズの高性能なソールのおかげも多分にありますが(あのメーカーのなんちゃらXというのがこの反発力を強大なものにしているのだそうです。)

なんちゃらXについて詳しくはこちら

https://www.nike.com/jp/zoomx

まあとにかく要は脚と路面が喧嘩しながら反発をもらって楽にスピードを出せてもらっている、ということでしょうか。変な話、アスファルトを走るということは、「楽をして(フォーム的に)」速く走っているのだとランマニアは思っています。

その代わり、フォーム的には楽をする代償として、その分脚への負担が大きくなるのですね。

そりゃそうです、着地のたびに喧嘩してるのですから。

だからジョグシューは大事

そうするとです、年間のほぼ毎日に行っている「ジョグ」において、何百何千何万回と地面と喧嘩する脚をノーガードで晒してしまっては大変なことになってしまうわけですね。

しかし、正直ランマニアもそうですが、やっぱり「ジョグ」を甘くみています。

もちろん、ジョグの生理学的効果はとても大きなものはあるし、ジョグの負荷だって侮れないのですが、どうしたってペースは楽でインターバルとかの日よりも気は楽なので、ジョグに行く時にはそんなに気合入りませんよね。

ペースが遅いのでどんな靴でもそれなりに走れてしまいます。レースやインターバルのように1分1秒を削り出す必要もないので、そこに2マンも3マンもするジョグシューに投資する、というのも「う、ちょ、ちょっと待てよ」とスマホ画面の「カートに入れる」ボタンを前に躊躇しますよね。

ええ、はっきり言ってしまえば「ジョグにそんな金はかけられねぇ」というのが本音です。

でもですよ、年間通して最も長く走っているのはジョグですし、本来一番投資すべきはジョグシューであって然るべきなのです。

「ジョグシューを笑う者はジョグシューに泣く」

安いオイルをこまめに替える

この「ジョグシュー問題」を考えていて思いついたのが、車のオイル交換。

ジョグシューも車のエンジンオイルも定期的に替えなければならないいわゆる「消耗品」なんですね。

交換をサボっても「すぐには」壊れない(故障しない)のですが、「後々、いつか」痛い目に遭う、というのも共通しています。

そして、安物を使っても高価なものを使っても、交換の頻度が変わるわけでもない、ということも共通です。

つまりです、どちらもお金をかけなきゃいけないのですが、それは一回の値段ではなく、「頻度」という観点において、なんだと考えました。

実は、ランマニアは一台とても手のかかる車を所有しているのですが、古い車でメカニズムが非常に単純なのでオイル交換くらいは自分で行っているのですね。

でもです、たまにしか乗らないこんな車に1マンも2マンもするエンジンオイルを投入するのは馬鹿馬鹿しいので、1リットル千いくらの激安オイルを半年ごとに交換しているのですね。

いやそれで十分なのです。

要はちゃんと定期的にこまめに交換することの方が大切で。

これと同じ理屈で、ジョグシューもそのために何マンもするものを用意する必要はなく、安いのを比較的短いサイクルで交換する(あるいは何足か用意してローテーションする)やり方で十分なのではないか、と思ったのです。

意外と少ない「安くてちゃんとした」ジョグシュー

そこで昨年、ジョグシュー探しの旅を続けた時期があり色々と気付かされたのですが、各メーカーこの「ジョグシュー」というものの考え方が意外と偏っていて(マーケティング的にだと思いますが)、「ちゃんとしたジョグシュー」「でも安い」というのがほんとんど見つからないのですね。

例えば、ランマニアが好きなadidasさんでジョグシューを探そうとすると、こんなのとか

こんなの

がヒットし、流石に数百キロで交換では高いなぁ、と感じ、結局これを買ったりしました。

このソーラーグライド、安くても一応ブーストフォーム、トルションシステム、コンチネンタルという「三種の神器」が搭載されているのですが、全体的に使われている素材が安っぽく。

いい靴なんですが、アディダスにしてはややフィット感がなくアッパー部の素材が安っぽい。謎に樹脂製の補強も入っていて・・・。

まあ、言ってみればビギナー向け、というやつなんでしょうか。

これなんかは、安くてもしっかりとシリアスランナーをも満足させられる性能を持っているのですけどね。

どうも「エリートランナーはジョグも速い」「だからエリートランナーはこういうのでジョグするでしょ?」っていう考え方なのかなぁ、と思ったり。

あるいは、「エリートランナーだから、ジョグシューも高くてもいいよね」なのかも。

当然、天下のNIKE様が用意しているジョグシューはみんな高く、唯一狙っているペガサスさんでも型落ちでようやく1万程度。

ようやく見つけた「安くてもちゃんとしたジョグシュー」

そんな時、意外なところにその答えはありました。

トレラン界の雄、サロモンさんです。

トレイルやってる人ならそっち系のシューズではとてもいいものを安く提供してくれているメーカーという印象は強いでしょうし、実際ランマニアもトレシューで愛用させてもらっています。

最近になって、ずいぶんロード用に手を広げてきたな、という印象ですが、実はかなり前からロードシューズを手がけていたようで、ランマニアも長年トレシューを使ってきて全く知りませんでした。

このサロモンさんのオンラインショップサイトでは、時折「とんでもない」セールを行うことがあるのですね。

もはや定価が「ぼったくり」と言われても仕方がないほどの「60%オフ」とか。

このタイミングが結構狙い目で、2世代ほどの型落ちモデルなのですが、それでも60%はデカい!ということで、昨年5月にこのセールに便乗して3足ほどロードシューズを「大人買い」してしまった過去が。

値段の安さとロードシューズではメジャーでないメーカーの靴ということで、当初はあまり期待はしていなかったこのサロモンさんのSONICシリーズですが、履いてみてその完成度の高さに驚いたものです。

このSONIC RAシリーズは基本的にMAX、無印、Proの3グレード展開で(現行モデルSONIC3は呼び名が変わっている)、MAXはガチなジョグ用、無印はスピードランナー向けのジョグ用(っぽい)、そしてProは一応「レース用」ということになっているようです。

ただし、ランマニア的にはどのモデルもクッション性能がしっかりしていて(特に前足部)、やや「フロントヘビー」な印象を受けているので、どれもインターバルやレースに使うのはちょっと厳しい、という感想です。

つまり全て「ジョグ用」ということになります。

逆にそうしてみるとこの3グレードはいずれもジョグ用としてはかなり優秀であることがわかります。

この3グレード全てに共通しているのは

  • クッション性能が高い(決して柔らかいのではなく適度に硬く衝撃をいなしてくれる)
  • 軽量である(MAXでさえ255g 27.0cm)
  • アッパー部にもお金をかけている(しかしデメリットあり、後述)

ことです。

特にProはレースシューズ並みに軽量(228g 26.5cm)であるにもかかわらず非常に高いクッション性能を持っています(もちろん、なんちゃらフライに比べれば大したクッション性能でもなければ軽量でもないですが、値段が違いすぎます。ポルシェとカローラほどの違い。)。

これは少し速いペースでジョグをしたいときや、芝生の上を走りたい時には非常に重宝する特性です。

2世代目はハード路線に

そんなジョグシューとしては十二分な性能を誇っていたこのサロモンのSONIC RAシリーズですが、昨年10月に購入した2世代目ではだいぶ「ハード」よりにシフトしました。

とにかく、「うり」の一つだったミッドソールの柔らかさがまさかの「硬め」に。

ただでさえ硬くて痛かった(これが唯一の不満点)アッパー部が、さらに硬く「改悪」されています。

2世代目MAX。外観は初代と変わらぬミッドソールですが、実際にはいてみると相当(感覚的に5割増し)硬めに設定されています。
そしてこのシリーズ最大の「謎」。つま先を覆うめちゃくちゃ硬い補強。100kmくらいまで確実に靴擦れします。

このミッドソールの硬さは、どのグレードも100kmを超えたあたりからだいぶ足に馴染んできまして、むしろこれくらいの硬さが安定感を増しているな、と好印象になってきました。あの独特の柔らかさも魅力的でしたが、確かに安定感には欠きましたからね。

しかし、どうしても理解できないのが初代からどのグレードにも採用されているつま先部分の強固な補強。おそらく樹脂でできているのでしょうけど、これがとにかく痛い。

トレシューじゃないんだからこんな硬い補強は必要なかろうに、と思うのですが、頑なにこれを入れてくるのがトレシューメーカーサロモンの「意地」なのか。

靴ベロがいい感じでクッション材が入っていて、履くほどに脚にフィットしてくるのですが、いかんせんこの補強がアッパー部の柔軟性を阻害していて、足のフィット性能をスポイルしているのですね。

これがサロモンさんのロードシューズ唯一にして最大の不満点です。(今度出るスーパーシューズでは改善していて欲しいなぁ)

足のフィット性を高めるクッション材入りの靴ベロ。Bostonほどのフィット性はないですが、この値段のジョグシューにしては優秀。

しかしセール中であれば五千円前後で買えてしまうこのクラスのジョグシューは他に類がなく、ミッドソールの性能はかなりいいものがあるので(サロモン渾身の「Vibe」フォームは個人的にboostフォームよりも好印象です)、慣らしが終わり、靴擦れの心配がなくなれば(と言ってもひどい靴擦れは生じませんが)ジョグでは相当活躍してくれるシリーズだと思っています。

眉唾だと思っていたVibeフォームは想像以上にいいフィードバックが得られます。

昨年5月から約7ヶ月間、初代のシリーズ3足をローテーションで履き続けましたが、結果故障はゼロ(ハムストリングス付着部炎はインターバルによるもの、ふくらはぎはレース)。

なので、少なくともこの靴が原因で故障をするということはなさそうでした。

その実績を買い、7ヶ月で履き潰した初代は2世代目へバトンタッチ。

今回も60%セール開始時にすぐに確保(でないと本当に売り切れる)。

2世代目はMAXと無印の差がだいぶなくなり、正直どちらを履いても変わらない印象になりましたが、今回の圧巻はProです。

初代よりさらに軽量化され、クッション性は落ちたものの足へのフィット性能が飛躍的に向上し、とにかくペースを上げるのが楽しくなるシューズ。

芝生の上では最強です。(そこかよ!って突っ込みたくなりますが、トレーシューメーカーゆえに、不整地が得意なのかも)

超高速ジョグシューとして考えるとProのような存在は貴重かもしれません(その存在をadizero Bostonに期待したのですが)。

奥からMAX、無印、Pro。同色で揃えたので区別がつきにくいですが、Proのヒール部だけは別物なのがわかります。

3足16000円程度で半年以上

先代モデルでは、3足ローテーション(途中からソーラーグライドも入りましたが)で7ヶ月近く持ちました。

高性能シューズだからといって長持ちするわけではないですから、怪我もせず快適にジョグができるならこれくらいのジョグシューで十分ではないかと思いますね。

我々の学生時代に使っていたジョグシューと比べれば雲泥の差ですからね。

2月にスーパーシューズ分野に参入するサロモン。

今後の展開に期待です。

SONIC3も安くなってきましたが、こちらも60%オフまで待ちます。

Go To 雪山

こんにちは、ランマニアです。

さて、今日は以前から予定していたトレイル練習をしに前回も訪れたあきる野市へ。

前回は2ヶ月ぶりのトレイルということで、登り坂が全くダメダメで、数日間筋痛にも悩まされるという新年早々情けない結果に。

今回はずいぶん前から代休を取れることがわかっていたため、山を走るには空いている平日がベスト、と言うことで少しまとまったトレイル練習を計画していたのですね。

しかしふくらはぎを痛めてしまっていたため、今回は半分お気軽登山の意識で体を動かしてこよう、と言う計画に変更。

温泉からすぐに登り始められる低山にのんびり登って軽いジョグも織り交ぜれば十分だろう、と。

前日まさかの積雪

ところが、前日日曜日は関東でも降雪の予報。

実際には平地は雨でしたが、きっと山は雪だっただろう、と。

ただ、思ったよりも気温は下がらなかったことから、積もってもアイゼン装着なんてことはないだろうなと予想し、予定通り出発。

案の定、行きの車の中から見えた山並みは、まるでアルプスのような光景で標高の高い山だけにうっすら雪が積もっている状態。まああの程度ならどうにかなるだろう、と、むしろ都内の低山で雪山を楽しめそうな予感。

今日の目標は、脚を使いすぎない程度に呼吸を追い込み、ジョグではふくらはぎを痛めないこと

そもそも、今日トレイルを入れようと思ったのも、ふくらはぎをいたわるため。

ふくらはぎを痛めているのになぜトレイルを?と思われるかもしれませんが、実はトレイルで使う筋肉はランとはかなりの違いがあり、走り方さえ気をつければ意外と患部を守りながら走ることができるのですね。

例えば、平地のアスファルトとかですと、「かかとで着地して重心が前足部に乗り、そのままふくらはぎの力を使って蹴り上げる」という動きを何千、何万と繰り返すため、ふくらはぎにはかなりの負荷がかかってしまいます。

一方、登山道を走る際には、まず走れないような急坂を登る際には「着地」というフェーズがほぼないと言ってもよく、つま先だけでふくらはぎの力を使って小刻みに上らない限りは、ほとんどふくらはぎの筋肉を使わずに登れてしまいます(階段を登るように)。

これくらいの急登は走れないため、むしろ脚の筋を守ることができます

そして、尾根道のような若干平坦な部分でも、必ず小刻みにアップダウンがあるため、同じような着地→筋力の発揮が何百回も繰り返されることはほぼありません。常に路面は変化し、使う筋肉も変わってきます。

このような快適なシングルトラックは路面が柔らかいだけでなく、常に変化があるので意外とふくらはぎにはきません。

一方、登ってきたほどの急な坂を下る場合は、一見ものすごくふくらはぎに負担がかかりそうなイメージがありますが、これも前足部に力を入れてブレーキをかけない限りは、それほど無理な力はかかりません。

少し膝に負担はかかってしまいますが、踵側で着地をし、重力に任せてリズミカルに降っていけば思いのほか快適に下ることができます。

下りは少し重心を下げて脚の関節を車のサスペンションのようにタイミングよく曲げていくと、体幹部で衝撃を受け止められ、思ってよりも脚には負荷をかけずに済みます。

なので、ロードの高強度練やレースなどでふくらはぎにものすごい大きな負担がかかっているときなどは、あえてジョグをトレイルに替えてしまうことは結構あるのですね。

そして脚への衝撃を最小限に食い止めつつも、急登では心拍数を上げることができるので、今のようにスピードを上げて心拍ゾーンを高めて走ることができない時は、意外とトレイルは都合の良いフィールドだったりします。

山頂付近は本当に雪山だった

標高が低いうちは前日の雨で適度に締まった路面が快適で、幸いふくらはぎも問題なく、気持ちよく走れました。

しかし、標高が700mを超えたあたりから積雪が目立つようになり、目的地の馬頭刈山に到着する頃には本格的な雪山になっていたのですね。

積雪はざっと10cm。この前後では常にこれくらいの積雪があり、「先客」の足跡がなければちょっと怖い状態でした。

そしてまさかの「先客」があり、ずっと足跡が続いていたためその足跡を追えば問題なくトレイルを外れることがなかったのは幸運でした。

それほど険しい山ではないとはいえ、雪の下が空洞になっていたりすると、気づかず踏み抜いたり、滑落したりする恐れがあり、こんな低山でも遭難の危険性は意外と高まるのです。

後半はロードジョグ

このようなトレイルをだいたい90分くらい走って下山し、この時点で距離は6km。

運動時間は90分とはいえ、意外と脚にはきていなかったことから、下山後はジョグで温泉まで走ることに。

近くの集落に降りられる下山道を選択。家や道路が見えるとホッとします。

昨日の時点では、今日はアスファルトを走る予定はなかったのですが、ふくらはぎの状態は思ったよりもよかったので、軽くジョグをすることにしました。

本来7kmほどで温泉に戻るはずが、途中で道を間違えトータル10kmほどになってしまいましたが、脚は全く問題なく、気持ちよく快適なジョグで帰って来ることができました。

今日くらいの距離と負荷を加えてもほとんど違和感も無くなったため、徐々に通常モードの練習に戻せそうな気がします。

「わかっちゃいるけどやめられない」のは「満足の遅延」に耐えられないから

こんにちは、ランマニアです。

結局、通常のジョグを続けている以上はふくらはぎの状態は膠着状態になってしまい、ヘタをすると周辺部にまで損傷が広がりかねないため、ここで思い切って負荷を下げることにしました。

当初冗談めいて「ラスボス」だと表現していた関所マラソンは、まさしく2020年のラスボスとなったわけです。

しかし、レースでベストを出す(あるいは取り組んだ練習の成果を出す)ために練習を積んでいるわけですから、結果的に故障をしてしまうことがあっても、「レースに出ない」と言う選択肢はある意味本末転倒になってしまうのですね。

しかも、今回の関所マラソンは、いわゆる「練習の一貫」として出たわけではなく、そこそこの記録を狙って走ったわけですので、ここで一旦小休止を強いられること自体は、タイミング的には悪いことではなかったと考えています。

「高強度練習こそが練習の本質」と勘違いしていた過去

さて今日はTwitterで、「強度の高い練習は人気があるが、長い目で見れば地味で効果の発現に時間のかかるジョグなどの有酸素トレーニングこそがまずは取り組むべき練習である」といったツイートを巡って大変有意義な議論ができたのですね。

おそらく、そこそこのレベルで競技に取り組んだことのあるランナーなら、誰でも一度は経験したであろう「高強度練習のやりすぎによる失敗」。

ランマニアも、学生時代は「失敗」とまではいかないまでも、「強度の高い練習こそが練習の本質」とばかりに、そうした練習を追うことに拘っていた過去があります。

ではなぜ、こうした価値観に陥ってしまうのでしょうか。

人は「満足の遅延」が苦手

ランマニアが自身の経験上推測するのは、得られる報酬、満足感が、割と即時的であることが関係しているのではないか、と考えています。

人の行動は、その行為の後に得られる「報酬」(この場合はご褒美や金銭的な報酬に限らず、例えば目的の効果であったり、気分の高揚、満足感など心理的なものも含まれます)によって頻度が左右されると言われています。

当然、その報酬の大きさはとても大きな要因ですが、他にも「報酬が得られるまでの時間」も大きく関係しているようです。

つまり、「すぐに得られる報酬」「すぐに得られる満足」に対しては、人は比較的良く行動すると言うことですね。

逆に言えば、「満足が遅延」されると、どうしてもその行動は定着しにくくなる傾向があると言うことです。

と考えれば、比較的早期に効果の得られる「インターバル」や「レペティション」のような高強度の練習は、報酬(満足)もすぐに得られやすいことから、行動としては定着しやすい、頻度が高まりやすいと言えそうです。

一方で、ジョグやLSDのような、それをやったからといって翌日や数日後に明確な走力の向上などが体感できない(満足が得られない)練習は、かなり後になってから「効いて」来るため、その効果を体感するまで「報酬」を得られず行動も定着しづらい(あるいは価値を置きづらい)のではないか、と考えています。

脚が痛いのに走る、も同じメカニズム

さらに、今回のランマニアのように「怪我をしてるのになぜ走る?」についても、同様の心理的なメカニズムではないか、と。

「走らず休む」と言う行為は、一回それをしただけでは怪我が治るわけではなく、それを数日、あるいは数週間続けてようやく怪我が回復するわけで、まさしく「満足が遅延」されることに。

一方、「痛いのに走る」のは、走るのは楽しいし、「練習した」という満足感はすぐに得られますから、「ついつい」やってしまうのですね。つまり、すぐに得られる報酬なわけです。

「満足の遅延」が苦手な私たちは、この二つの条件が重なって「痛いのに走る」結果となるのではないかなぁ、と。

痛い目に遭って行動が修正される

ところで、あまり望ましいパターンではないですが、人は「痛い目」に遭うことでもその行動が変化します。

「走ったら脚が痛んだ」

「インターバルをしたら怪我をした」

など、その行為の後、比較的速やかに「痛い目」に遭うと、その行為の頻度は急速に低下します。

今回のランマニアがまさにそうで、「ちょっとペース上げてみようかな」と調子に乗って走ったところ即刻「あ、痛いかも」となったわけです。

即、その行動は停止、ですよね。

ですが、この「痛い目に遭って行動が止む」と言うのは本当は低次な行動の修正法で、理想を言えば、しっかりと「満足の遅延」を我慢して、意図的・計画的に行動を修正できる方が高次であるし「オトナ」なわけです(もうおっさんなんだし)。

わかっちゃいるけどやめられない。

これはランナーにおける永遠のテーマかもしれません。

「男だろ」問題を考える

こんにちは、ランマニアです。

さて今回は当ブログ始まって以来の「危険な」かおりのするタイトルですね。

いや本当に燃えそうで危険な香りのするタイトル。

しかし今日は練習中にもうこれを書こうと決めてしまっていて、大体内容も練ってしまっていたのでもはや後には引けないのですね。

燃え上がった「男だろ」

一部のSNS界隈ではどうやらこの「男だろ」が相当に話題となり、一部炎上してしまったようなのです。

そしてそれに言及したブログや記事を引用したサイトまでが炎上あるいは賛否が分かれ、なかなか穏やかでない雰囲気に。

ランマニアもその最も話題となったライターさんのブログを見ましたが、まあ確かにジェンダー論やパワハラ論で論じれば「アウト」だろうし、それにツイートしている人たちの「当事者の問題」論や「外部の人間が何もわからずに何を言う」論もまあわからなくもなく。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79346?imp=0

おそらくこうした問題は結局どうしたって意見は分かれますし、「正論」を掲げれば常に「アウト」なのは間違い無いので、個人的にはそう言うことはその道の専門家がその世界で論じていればそれでいいと思っています。

好きか嫌いかで言えば嫌い

この際言ってしまうと、実はランマニアは学生時代から当監督(当時はコーチでしたか)は嫌いでした。

こんなランマニアも、高校時代は箱根駅伝に出場することを夢見て大学選びをし、当時の有力校は色々下調べをしていたのですね。

当時はネットなんかがなかった時代ですから、大学で競走部に入った先輩に各大学の雰囲気を聞いたり、「陸マガ」や「月陸」についてた「とじ込み付録」をみながら「ああ、なんかこの大学自由そうでいいなぁ」とか「うわ、こいつら全員丸刈りじゃん!」とか、そういう基準で大学選びをしていたものでした(結局それらの私立には行かなかったのですけどね)。

そんな「箱根特集」に載っている主要メンバーの集合写真の中で、ひときわおっかなそうなおっさん(いえ当時は結構若かったはず)が写っている大学がありました。

そうです、今回の主役「男だろ」の大学。

いやもうこの写真の雰囲気を見ただけで自分には合わない、そう断言できました(ランマニアの高校は非常に自由な校風で校則も制服もなく、陸上部も自分たちでメニューを考えて自主的に練習し、誰からも管理されていない非常に理想的な環境でした)。

そしてその後、監督となって箱根の中継では後方の監督車(運営管理車)から大声で怒鳴り散らす様子は、まあランマニアの最も嫌うタイプの監督のそれでしたね。

ランマニアは基本超自由人なので、「やらされる」「命令される」「怒られる」「強要される」のが大嫌いで(長距離ランナーに多そう)、そう言う雰囲気の陸上部は絶対に無理だったわけで(今も無理です)。

「応援効果」は間違いなく存在する

しかし一方で、あの「男だろ」によって最終区間のランナーが鼓舞され、持てる力を十二分に発揮できたことは自身の経験からも間違いはないところだと感じています。

簡単に言えば、人間が感じる「感覚」は全て「脳」で感じているわけで、走行中の呼吸の苦しさも脚の疲れも全ては「脳」が感じている感覚フィードバックです。

なのでその脳で感じているものを「麻痺」させてしまえば(ことの良し悪しは別として)走行中の苦しさや疲労を感じにくくなったり、あるいは全く感じずに走れてしまうことだってあるわけです(特に痛みなどはかなり「主観的な」感覚)。

ではどうすればそのように脳を「麻痺」させることができるかといえば、そう言う脳内物質を分泌させればいいわけで。

人間は、興奮したり緊張したり、あるいは極度の恐怖を感じたりした際には「情動反応」と言うものが引き起こされ、それによって脳は「戦闘態勢」に入るわけですね。

そうなると、脳は「敵を倒さなければ」と判断するわけですから、神経系の伝達スピードが速くなり(これが速く走ってるのに遅く感じる理由)、多少の苦痛は感じないように麻酔のような作用のある物質が分泌されたりするのです。

その辺りは過去記事を参照

こうなると人間は普段なら発揮できないようなパフォーマンスを発揮できてしまう状態に一時的に変化しますから、「思った以上の力」が発揮できたり「なんだかわからない力」がみなぎってきてしまうのです。

つまり、いかに「情動反応」を引き起こすかが鍵、であると。

実はこれをやったのがあの「男だろ」だった可能性が高いと、ランマニアは考えているのですね。

「男だろ」のどこに引っかかったか

ではなぜ「男だろ」と言われて彼(アンカーの学生)は興奮し、情動反応が引き起こされたのでしょう。

これにはまた複雑な心理的要因が絡んでいると考えています。

人間が「感情的」になる時(つまり情動反応が引き起こされる時)にその要因の一つとなるものに「自動思考」と言うものがあります。

これは簡単に言うと、人間の感情はその場の状況ではなく、その状況の「捉え方」によるものである、と言う考え方で、通常の熟慮する思考よりも瞬時に引き起こされ、半ば自動的に感情に結びついてしまう「思考」であるためそう呼ばれているのですね。

例えば、怖い上司のいる部署に遅刻してしまった場合、頭の中に瞬時に「絶対に怒られるはずだ」(まあほぼそうなりますが)という思考が沸き起こり、急激に不安や緊張感に苛まれますね。まあ万に一つの可能性しかありませんが、もしかするとその日は上司が機嫌がよく、「遅刻なんて誰でもあることだし事情があったならしょうがないだろう」と言ってくれる可能性があったとしても、「こうなるはずだ」と言う自動的な思考が頭に沸き起こってしまうのが人間です。

では、なぜこの「男だろ」が学生の「自動思考」を産み出し、瞬時に情動反応を引き起こしたのでしょう。

これには、「男だろ」の捉え方に大きな原因があったとランマニアは考えています。

日本では(諸外国ではどうかはよく知りませんが)古来より(どれくらい古来かわかりませんが)「男子たるもの」「男なら」「男のくせに」のような、いわば「男べき論」のようなものが根強く残った文化が存在していると考えています(現代ではそれもかなり薄まりつつありますが、依然としてかなり強く残っているとランマニアは解釈しています)。

例えば、ランマニアの物心のついた少年時代を振り返ってみても、「男はつらいよ」だとか、「男は、涙を、見せぬもの、見せぬもの」(機動戦士ガンダムエンディングテーマ)とか、「男坂」「魁!男塾」とか、まあとにかく「男」がどうたらこうたらと言う様々なコンテンツに囲まれて育ってきた背景がありますね、かなり小さい頃から。(しかし生物学的にはホルモンの関係で男性の方が骨格筋の量が多い訳ですから、その「腕力の強さ」が「精神的な強さ」を連想させてしまい「男は強い論」が生じてしまった可能性はありますが)

そこに描かれている、あるいはそこで論じようとしている「男像」と言うものは大概「男は強き者」と言う考え方で、その対義語に「女々しい」などという言葉があるくらい、「男子たるもの強くなければならぬ」の価値観に支配された世界でした。

当然小さな子供にはそうした世界観の是非などを論じる余地などあろうはずもなく、ただただ「おお、やっぱり男って強くなきゃな」とか「男は女よりも強いんだよな」とほぼほぼ自動的にそう考えてしまうような価値観が形成されていってしまったことはおおよそ疑いのない事実だろうと考えるわけで。

すると「男子」にはそうした価値観に基づいた「プライド」と言うものが形成されてくるのです。

「男は強いもの」だから、「弱いことは恥ずかしい」。「負けることは情けない(男だから)」といったプライドです。

そして、人間は「プライド」を傷つけられることに対して実は情動反応を引き起こしやすい生き物ですから、「お前男のくせに」と言う言われ方をされた途端に「自動思考」(ここでは「男は強くなければならない」「弱いのは男ではなく恥ずかしいことだ」)が生じ、プライドに抵触する危険性を感じ、一気に情動反応が起こるのですね。

で、ようやく辿り着きました。

学生はこうした心理的なメカニズムを経て(といってもほぼ一瞬)「おい、お前男だろ!」に対して情動反応が引き起こされ、内心「くっそー、やったるしかないわ!」と体がより一層「戦闘モード」に切り替わったのではないかと推測しています。

「男だろ」効果の真相は、実は「男像」に引っかかった「なにクソ根性」ではなく「感動」体験だったのではないか

今回の件で、実はランマニアが最も解せなかったのが、なぜ我々の子供くらいの世代の学生たちにこうした「男像」が存在していたかなのです。

「男だろ」発言の方には、実はあまり関心がなく、なぜこんな我々とは世代の差がある学生たちにも我々同様の「男像」が存在していたことの方に興味がありました。

この世代の学生たちの子供時代に「男塾」はなかったですし、ましてや「巨人の星」だって「古典」レベルの話で(「重いコンダラ」のギャグが通用しない)。

「男だろ」に引っかかり、そこから自動思考が引き出されるとは到底考えにくく。

そこで考えたのは、もしかしたらイマドキの学生たちは、もっと非常に純粋な気持ち、もっとポジティブなメカニズムで情動が刺激されたのでは、と言うこと。

「オオヤギ監督(あ、言っちゃった)がこんなに俺のことを応援してくれている」

「あの普段おっかない監督が、本気で俺に声をかけてくれている」

こうした、あまりにも「スペシャルな」体験が選手を大いに「感動」させ、その結果情動反応が引き起こされた、と言う仮説。

ここまでああだこうだ色々考えてきて、今何気に思い浮かんだこの仮説が一番しっくりくるなぁ、と感じているランマニア。

いや、そうに違いない。

だって、彼らの子供時代はスラムダンクだってもう厳しい世代。

なのに「男気」だの「男は涙を見せぬもの」だの、あろうはずがなく。

そもそも普段のインターバルから「男だろ!」って監督いつも言ってるよなあ、的な?

「男だろ!」を翻訳すると「ファイト!」だったりする?

ああ、大人は本当に勝手です。

ジェンダーだのパワハラだの勝利至上主義だの、「大人の理論」で考えすぎなんです。

なんのことはない、「男だろ」は「ファイト!」を「オオヤギ語」にしただけだった。

選手たちはおっかないオオヤギ監督から「ファイト!」って言ってくれたことに「感動」して、スイッチが入ったんです、きっと。

そう言うことにしておくと、今回の件は、比較的幸せな結末を見られる気がしてきました。


Adizero Boston8

こんにちは、ランマニアです。

さて、今日はふくらはぎを痛めてから初めてジョグよりも速いペースで走る練習を取り入れてみました。

故障は、故障をした時のペースで故障をしたわけですから、完全に治るまではそのペースで走るとやはりもう一度患部やその周辺部分を痛めてしまうのですね。

なので、痛めた場所が徐々に回復していき、元通りの筋力を発揮できる状態に戻るまではその回復度に応じて走るペースを考えていく必要があります。

もっといえば、痛めたペース、練習よりも軽い負荷でも再発させてしまうことも十分あり得ますので、とにかく故障後の練習再開には「漸次性」と言うものが非常に重要な概念になってくるのです。

幸い、今回のランマニアの故障は「走れなくなるほどの」故障ではなく、「ジョグならOK」、「リアフットならOK」と言うような「条件付き故障」だったため、ゆっくりとしたジョグで最低限の走力、筋力を維持しつつ故障を回復させるという方法を採ることができたのですね。

そうしたことから、毎日のジョグでは「今日はこのペースまで上げても大丈夫だった」「この接地なら大丈夫だった」といった確認作業を続けながら、「ジョグよりは明らかに速いペース」「できればMペースに近いくらいのペース」で練習できるタイミングをうかがっていました。

そんな経緯で、ようやく今日になってその練習を試せそうなタイミングがやってきたところだったのです。

さて前置きはこれくらいにしておき、今日のメインは久々にシューズレビューです。

今日のような「ジョグよりは速いペース」でランマニアがいつも履いている「Adizero Boston8」が、今日の練習で改めていい靴だなぁと実感し、これは久々にレビューせねばと思ったのですね。

Japanシリーズがアレになってしまった今、事実上最強のペース走シューズはコレです。

このBostonシリーズ、「Adizero」を冠しているだけあり、一応アディダス的には「シリアスランナー向け」「レース向け」といった扱いです。

しかし、かつてのBostonシリーズはもう少しビギナー向けに振ってあった印象があり、ランマニア的にはこのシリーズをいつもスルーしてJapanシリーズを購入していた歴史があります。

このBoston8を購入した経緯も、本来少し速めのジョグ用の靴が欲しかったことがそもそものきっかけです。

ところが届いてみてびっくり。いやこれはジョグシューズではなく、かなり本格的なトレーニングシューズ、下手したらレースでも使えるシューズなんじゃないか、とその完成度に驚きを隠せなかったのですね。

とにかくまず軽量。

もっとビギナー向けのガチなジョグシューズをイメージしていたので、この片足238g(27cm)と言う軽さが想定外。

カタログスペック通りの実測 238.5g。初期の頃のアディゼロジャパンと同程度なため「レース用」を謳うのも頷けます。

そして、最近のAdizeroシリーズによく採用されている「マイクロフィットラスト」により、以前の靴よりもフィット性能が増し、脚にピッタリ張り付くような履き心地から実際の重量以上に軽く感じるのですね。

アッパー部分と一体化した「靴ベロ」マイクロフィットラスト。足裏からそのまま包み込まれる一体感は接地時のブレを防ぎ、微細な遠心力を抑制するため蹴り上げ時の軽やかさが増しています。

このフィット感と軽さが非常に高次元で融合し、とにかく軽やかに脚を動かすことができる点が最初に感じたBoston8の優れた部分。

そしてこの靴をキロ4以内のMペースで使いたくなった要因がそのソール部分。

カタログスペックでは「ミッドソールドロップ:10 mm (ヒール:29 mm / 前足部:19 mm)」(アディダス公式サイトより)とあるように、1cmの前傾傾斜が付いていて、これが接地時の足首から先の接地角度を微妙に前傾させ、その結果ふくらはぎへの負担を減らしているのですね(ランマニア的には無理なフォアフットにならない)。

これはMペース走のように比較的な長い距離をそこそこのペースで走る練習の時には非常にありがたい構造です(ジョグシューズはソール全体が厚くクッション性を確保していて脚には一見優しそうに見えて、前足部のソールも厚く、結果ドロップが低くなりペースを上げると意外とふくらはぎやアキレス腱に負担がかかる印象)。

前足部へ向かう傾斜が生み出す1cmのドロップ。接地時のふくらはぎやアキレス腱など主に下腿部への負担を減らすことにつながっている印象。

そして極めつけはミッドソール素材の採用割合。

アディダス伝統のBoostフォームはもちろんのこと、ここ最近のアディダス渾身のミッドソール素材「LIGHTSTRAIKE」を採用。これにより

軽量なミッドソールであるライトストライクが、爆発的なスピードをサポートし地面と足の間に快適さを与える。一般的なEVAよりも40%軽量ながらBOUNCEフォーム(EVA)と同等の反発力を保つ。安定性が高く、着地時の横ブレが少ない。クッション性と反発性を兼ね備えたBOOSTフォームが、爆発的なエネルギーを生み出す。温度環境による影響を受けにくいため、ランニングシューズとして風や雪、太陽の日差し、雨など、あらゆる天候下で反発力を維持。長距離のランでも、EVAより劣化しにくく、BOOSTフォームは本来の性能を長く持続できる。

アディダス公式サイトより

Boston8においては、このLIGHTSTRIKEフォームとBoostフォームの割合がちょうど良く、前足部にまでBoostフォームが採用されているのが特徴です。

その結果、LIGHTSTRIKEフォームにより反発力を得る一方で、Boostフォームにより適度に衝撃を吸収しつつ更なる反発力を発揮。

この絶妙なバランスが長時間、長距離の走行において足裏の筋肉を守りながら走り続けることを可能にしています。(簡単に言えば足裏が痛くならない)

横から見ると一見LIGHTSTRIKEフォームになっている前足部も、裏から見るとしっかりとBoostフォームが続いている。
比較用にAdizero Japan5。LIGHTSTRIKEフォームの割合が圧倒的に多いのが分かります。

そしてアウトソールも磐石。

こちらも30年来の伝統のTORSION SYSTEMが採用され捩れの防止と反発力を生み、自動車用タイヤで有名なContinental™️ラバーも採用。特にこのラバー素材のトレッドパターンがかなり秀逸で、上位モデルのJapanシリーズの上を行っていると感じるのはランマニアだけでしょうか。

伝統のTORSION SYSTEMがさりげなく封入され、それなりにコストがかかっていることがわかります。
欧州車好きのランマニアにはたまらない演出。Continental™️ラバー採用。

こうしてみると、さすがはAdizeroシリーズ。お金のかけ方が下位モデルとは別次元。

Japanシリーズが「ああ」なってしまった今となっては、ランマニア的には事実上このBostonシリーズが以前のJapanシリーズの役割を担っているのではないかな、と。

そんな「十分」高性能な(十分と書いたのは、2マン3マンの高性能シューズは練習で必要か、と言う意味で)このAdizero Boston8。今なら1世代型落ちモデルのため、公式サイトでも6千円代。Amazonさんなら送料入れて5千円代で買えてしまう叩き売り状態。

現行9が大幅メジャーアップデートではなくマイナーチェンジモデルに過ぎないことを考えるとBoston8は今が買い時かな、と。

Mペース走に使用することが多いこのBoston8は走行距離が伸びがちです。ランマニア的にも安いうちにもう一足確保しておこうかと本気で思うほど、久々の神シューズでした。

9でも7千円代ですが。

オーバーヒート

こんにちは、ランマニアです。

このブログとTwitterを始めてからは初の事態でしょうか。

今日、ついに「走れない」という状況に陥りました。

一昨年まではかなりの高頻度でこういうことはあったのですが、ダニエルズ練を始めてからはなんだか体(おそらく脳の組織も)が丈夫になった気がして、今日のように「全く頑張れない」「踏ん張りが効かない」という状態はほとんどなかったのですね。

脳のオーバーヒート

実際の生理学的なメカニズムの真相は別として、今日のような状態になってしまった時の、自身の感覚、イメージとしては、「脳がオーバーヒート」している状態です。

パソコンのCPUの温度が上がりすぎてしまって処理がもたつく現象、ってみなさんも遭遇したことがあるかと思いますが、ちょうどあんなイメージです。

もう、脳がすっかり疲弊しきって、抹消(筋)に指令を送れなくなっている状態。そんな状態です。

こうなってしまうと、もう何をするにも億劫で、何かを考えたり、ちょっとした作業をしたりすることすら力が入らなくなってしまいます。

なので、大きく多数の筋肉を動かす、つまりそれらに指令を出さなければならない走る=全身運動などもってのほかなわけで。

原因を考察してみる

では、なぜ急にこんなことになったのか。

ランマニアは脳科学者ではありませんし、仮にそうだったとしても中枢神経系の疲労のメカニズムはまだまだ明らかになってはいないことが多くありますので、どうしたって推測の域を出ないわけで。

ここは自身の経験上こうなるパターンをいくつか複合的に考えてみました。

仮説1:遅れてきたレース疲れ

まず考えられるのは関所マラソンの疲れでしょうか。

今から4年ほど前になりますが、東京マラソンで念願の2時間40分切りを果たし、数年来の目標を達成した後、なんと一月以上も今日のような状態が続き、全く走れなくなったことがありました。

レース後数日は、もちろん興奮していて元気だったのですが、1、2週間経ったあたりから、経験したことのないような無気力感、脚の重さに見舞われ、丸々1ヶ月軽いジョグしかできなくなったことがありました。

なので、その時の体の状態で、持っている力をフルに発揮してしまった後の神経系の疲労というのは若干遅れてやってきて、しかもそれがかなり重篤だということですね。

今回は、それに加え、そこまで取り組んできたダニエルズ練の疲れもかなり蓄積していたと考えられます。

そうした「気持ちでカバー」してきた部分が、軽く脚を痛めて全力で走れなくなった結果、無意識のうちに「解放され」、気が抜けてしまったことは十分考えられます。

「ああ、もう休んでしまっていいかな」

そんなことを意識せずに考えた結果、踏ん張っていたものが一気に緩み、疲労感となって現れたのかな、と。

仮説2:年末年始休みの反動(脳の「筋痛」)

今年の年末年始休暇はかなり自由に過ごし、好きなことばかり(たくさん走ってたくさん食べる)を繰り返してきました。本当にここまで気持ちが楽になって充実した休暇は久しぶりで、心も身体も相当リフレッシュされたのですね。

ところがそうした生活にすっかり慣れてしまっていると、普段仕事で使っているような脳領域(人相手の仕事では特に、社会性を発揮するような領域)を突然使うことになった時、ものすごく疲弊してしまうのです。

ちょうど先日、しばらく使っていなかったトレイルの筋肉を突然使って、猛烈な筋痛が発生してしまったように、脳の部位も普段使っていないところを突然全開で使わせようとすると、慣れない分疲労度も大きくなってしまうのですね(まあ、脳の筋痛みたいな感じで)。

要はこれが脳のオーバーロードを生み、一気に疲れさせてしまった可能性は十分あります。

確かに、昨日、一昨日、そして今日も、脚の筋肉自体はほとんど疲れてなく、力を込めれば軽やかに走れる状態であったにもかかわらず、今日はその「力を込める」ことができず、結果的に走れなくなってしまいました。

脚の筋肉とは別の疲労、つまり中枢部の疲労であった可能性は高そうです。

突然仕事が通常運転で始まり、これまでしばらく使っていなかった脳領域をフルに働かせた結果、急激に疲弊してしまったことは十分考えられます。

仮説3:怪我によるストレス

仮説1にも関係することですが、やはり今はふくらはぎを痛めているため、満足な走りができません。

フォームも大きな走りができませんし、気持ちよくどこも気にせず走る、ということができない状態にあります。

こうした状態ですと、気持ちに「抑制」がかかり、脚の全てに出力を送って走ることが難しくなってきます。

これ、体験した人にしかわからないと思いますが、意外と疲れるんですね。

「痛み」は人の気力を奪います。QOLを著しく低下させます。

今回のような、激しい痛みではなくても、ちょっと気になるところがあるだけで、心理的には結構負担がかかるのですね。

こうした状態で走っていると、そうでない時に比べて想像以上に脳は疲弊してきてしまいます。

そうした「ストレス由来」の疲れである可能性も否定できません。

全ての疲労は「睡眠」に通ず

こうした「脳のオーバーロード」をきたした場合、もうとにかく寝るしかありません。

こんなブログを書いている場合ではなく、さっさと寝るのが最優先です。

あらゆる疲労の対処には睡眠が第一選択肢であることは言うまでもありません。

いえ、さっき少しうたた寝しただけでかなり元気になったのですけどね。

幸い、今日の練習も「強制終了」させられたことで、だいぶ脚の方を休ませることができました。

危なくなっていたふくらはぎもかなり回復したと思います。

まあ、ちょっと走れそうだとすぐにやりたがるこの「ランナー病」にはいい薬だったと思うことにします。

取り越し苦労ではあったものの

こんにちは、ランマニアです。

先日の怪我騒ぎから2日経ち、今日はあろうことか120分ジョグをしている自分がいました。

まったく人騒がせな、と言ったところですが、まあ兎にも角にも「走れなくなるほどの」怪我ではなくて一安心でした。

Twitterにも冗談めいて書きましたが、ランマニアのふくらはぎの肉離れ症状にはいくつかの段階があり、今回はその中でもかなり初期の症状だったのですね。

人生初のギブス

ランマニアの経験した最大の肉離れは文字通り「本当に切れた」肉離れ。

噂には聞いていましたが、断裂した部分に内出血が起こりベコっとへっこむほどの重症具合。見るからに「こりゃ終わったわ」と絶望するほどの強烈な印象で、着地すら無理なので人生初のギブス着用。車の運転もできませんから、ただでさえ歩くのが非常に困難になっているのに移動は全て歩き。

この時の経験が、自分の中での肉離れスタンダードになっているのですね。なので、「ここまでには絶対してはいけない」というブレーキがかかるため、「ちょっとやばい」段階ですぐにやめるようにしているのです。

やっぱり初期対応が重要

で、一昨日の練習でもLT走の2本目スタート時に「これはまずい」という張りを感じたため、まだ走れたもののこれ以上やる意味はないと判断して練習を中止しました。

このふくらはぎの損傷は、経験上「切れた」か「切れてない」かの状態でその後の経過がまるで変わってくるのです。

内出血まで行かないにせよ、軽く切れてしまった状態(痛っ、となった状態)にしてしまうと、ジョグで繋いだとしても慢性的に症状が継続してしまいます。

そして、接地を工夫して症状を抑えようとしても、切れてない別の繊維により大きな負荷がかかってしまうため、さらに別の場所が切れる、という非常にまずい悪循環に陥るのですね。

切れる前には必ず予兆がありますから、それにいち早く気づき、張りを感じたらすぐに強度の高い練習を中断する、というは自身の肉離れ防止法の定番になっています。

なので、今回は結果的に大事に至らず「取り越し苦労」に終わったわけですが、その取り越し苦労こそが怪我の防止につながるものと思っています。

力の入れ方を調整する

とはいえ、力を込めればまたすぐに強い張りが発生し、いつまで経ってもVO2Max程度までスピードを上げた練習ができないままになってしまいます。

また、完全に休んでしまって脚全体の筋力の低下を招いてしまえば、今度は筋力不足から逆に練習の強度の耐えられない脚になって怪我を誘発しやすくなってしまいます。

この辺りが難しいところなので、こうなってしまった時は結局「やりながら治す」という折衷案を採用します。

ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)は主に足裏の前の方で地面を捉えて「ジャンプ動作」を発生させるときに使う筋肉です。つまり、体を上方に跳ね上げるために使える筋肉です。

でも、単純に上方にだけベクトルを大きくしても前に進みませんから、他の筋肉や関節・腱を利用して前方方向に力をかけて走っているのですね。

この「上への力」を抑えて「前への力」に配分を大きくすれば、多少はふくらはぎへの負担を軽くすることができます。

例えば、今日のようなジョグペース(キロ5からキロ4分半くらいまで)では、「前への力」が優位でもどうにかペースを維持することができます。

ふくらはぎを使って「パーン」と跳ねなくても、前へは進むわけです(遅いですが)。

そうすると、相対的にふくらはぎへの負荷を減らすことができますから、「走る距離を減らさず負荷を減らす」ことができるのですね。

なので、今日もできるだけ足の後ろの方を使って(リアフット)走るよう心がけた結果、ほとんどふくらはぎを張らせずに2時間も走ることができました。

やれるのはMペースまでか

さて、今日2時間走れたことで、結果的に先週はQデーを一回飛ばしただけ、という結果に終わりました。

今週はちょうどいいことにMペースの週になります。

ランマニアのMペースはキロ3分45秒程度ですので、やはりこの「ふくらはぎ」の力を借りなければ維持できないペースです。

今の状態ではちょっと危ない感じです。

ですが、おそらく今日の感じではキロ4分であればふくらはぎに強い張りを生じさせずに走ることが可能ではないかと考えています。

これは理論上はMペースとは言えないものですが、「M域」で使う筋肉は動員することができ、動き自体もそれに近づけることができると考えています。

また、あまり心拍数を上げない時期を長く続けてしまうと、心筋も衰えていってしまうので、脚に負担をかけない程度に心拍数を上げておきたいと思っています。

あくまで趣味なので

多くの人は、「心拍数を上げるなら、水泳やバイクもあるぞ」って思われるでしょう。

まさにその通り。

水泳やバイクなら脚に全く負担をかけずに心拍数を上げることができますね。

でも、ランマニアは泳ぐのが嫌いなんですね。

バイクも、日本の道路事情では自転車は事故の危険性がかなり高く気持ちよく漕げる場所というのがなかなか見つからず。

結局、走るのが好きなんです。走るのが趣味なんですね。

競技志向でバリバリ強くなりたいくせに、こういうところで「やっぱり趣味」が出てしまうのです。

「速くなりたいくせに、嫌いなことはやりたくない」

いや本当にわがままです。


好事魔多し

こんにちは、ランマニアです。

ついにやってしまいました、ふくらはぎ。

この1年間、ずっとなかったんですけどね。やはり先日の10kmロードの負担は相当なものがありました。

ことの発端は、やはりあの関所マラソン。

まあとにかくあの日の記事にも書きましたが、ここ数年では最も調子の良い状態で、久しぶりに脚の力が全て靴を伝わって地面に届けられ、フォームもペースも自分の思いのままコントロールできる状態。

レース運びもタイムも全て納得のいく結果となったわけですね。

しかしそういうレースは逆に考えると脚には物凄く大きな負荷がかかっていることの現れで(グリップのいいタイヤを履いてエンジンのパワーがロスなく路面に伝わると車のボディにも負担がかかるように)、本当は怪我のリスクが非常に高まった瞬間でもあったのです。

実はレース中にも兆候はありました。

そうですね、ラスト2kmから1kmだったでしょうか、右脚のふくらはぎが急速に張っていく様子が感じられました。

当然ラスト1kmあたりですからもうやるしかないわけで、多少の強い張りなら最後まで押し通してしまえ、と思ってスパートをかけたのですね。

幸い、ゴールまではなんとかその状態が悪化することもなく、ふくらはぎパンパンだなぁくらいで済んでことなきを得ました。

問題はその後でした。

ランマニアは、実は普段「ダウン」と言うものをほとんどしないのですね。

理由は単純です。レースで出し切ると、もう疲れて走りたくないからです。

もちろん最後に軽く体を動かして血流を増やし、体内の疲労に関わる物質の代謝を良くした方がまあいいのでしょうけど、もう疲れ切ってしまっていると「帰り道がダウンだよ、それでいいよな」的な気分になってしまい。

先日のレースでもいつもならそうしていたはずです。しかし、会心のレースをしてしまった時は、ゴール後も気分がいいのですね。めちゃくちゃ爽快で。

あろうことか、一緒に走った仲間に「ダウンいこうか!」とか誘ってしまったわけですよ、調子に乗って。

ランマニアを知るランナーなら「ランマニアがダウンだとよ!」と驚くはずです。

まあ本当に調子に乗るとろくなことがないわけでして、この「余計な」ダウンの最中、ついにふくらはぎが音を上げ、切れるところまで入っていないものの「この痛みはやばいやつだ」と感じるような一段階上の痛みが襲ったのでした。

当然、「ごめん、ちょっとふくらはぎやばいからやめる」とすぐにやめたのですが、その後も前足部で踏ん張るだけで少し痛みが出るほど強く張っていました。

とはいえ、このあとはしばらく休養だし、次週もE週間だからジョグだけしてれば良くなるだろうと、割と楽観的に考えてはいました。

実際、その後は軽いジョグや登山、それから意外とトレイルは負荷が分散しますのでそうした工夫をしながらジョグで繋いでいるうちに、痛みもほとんど消え、昨日の時点では張りもほとんどなくなっていたのですね。

なので、今日はやれそうだな、と思っていたのですが、やはり「レース後2週間は要注意」のマイルール通り、今日の練習で再び強い張りが出てしまいました。

もちろん、切れるほどの重症ではありませんし、ゆっくりとしたジョグなら問題ありません。着地の仕方を工夫すればおそらく痛みも出ないでしょう。

ただ、キロ4分30秒以内はまず無理です。

つまり当分はMペース以上で走ることはできません。

まあ事実上、練習ができないのと同じですよね。

せっかく積み上げたものが数週間でだいぶ元に戻ってしまうのが非常に残念ですが、考えてみれば昨年は非常に順調にことが進んだ年でしたし、最後にいいレースができました。なので、一度体をリセットするにはいい機会なのかもしれません。

それと、明日軽く走ってみて、もしスローなジョグが大丈夫なら、ゆっくりとしたジョグにじっくり取り組むにはいい機会かもしれません。

ランマニアのジョグは通常でもかなり遅いのですが、それでもキロ5くらいまでは上がりますから、それよりもずっと遅い、特に下腿の反発をほとんど必要としないようなペースのジョグをする機会というのは貴重かもしれません。

昨年8月のハムストリングス付着部炎以来の練習を中断する故障ですね。

そう言えばあの時もダニエルズ練開始後4ヶ月でした。

だいたい4ヶ月あたりが一つの様子見ポイントなんですかね。



やれる疲労かやれない疲労か

こんにちは、ランマニアです。

今日は今月最初のインターバルの日でしたが、残念ながら脚の疲労が酷く久しぶりの練習DNSとなりました。

これまで比較的Qデーを順調にこなせていただけに、今日のようにアップの時点で無理かも、と言うのは少し珍しいケースでした。

ある意味、計画通りの練習を忠実にこなしていたため、想定外の疲労とかダメージとか、そういったものを回避することができていたのかもしれません。

ところが今週は、先述の通り、予定外のトレイル練習を入れてしまったのがことの始まりです。

予定では、もう少し負荷の軽いトレイルを走る予定だったのが、想定外に累積標高も勾配も足にダメージの残るコースを走ってしまったのですね。

走りながら「このキツさはやばいなぁ」と思っていたので、その後の脚の筋痛はまあ予定通りと言えば予定通り。トレイル慣れしていない時の急激な負荷は、重い筋痛が残るのです。

さて、そこから中2日でジョグの方は大体いつものペースにまで戻すことができていたので、今日は試しにQデーの2回目を入れてみようと思ったのですが、ペースをあげた途端あり得ないほど脚がガチガチで、全くスピードを維持することができませんでした。

ジョグで温まれば筋痛も和らぐだろうと甘く見ていましたが、それ以前に筋力の発揮に問題が出るほどダメージを受けていたことに気づきました。

今回のように、筋そのものがダメージを受け、どんなに頑張ろうとも筋力を発揮できないような疲労状態の時は、とにかく心理的な頑張りでカバーしようと思ってもなかなか難しいものがあります。

一方、練習を長く積んできて、体全体がだるかったり頭が疲れていてぼうっとしてしまっているような時も、同じく練習に気持ちが向かないのですが、こう言う時はアップや流しを入れると頭の覚醒水準も戻ったりして、意外と走れてしまうことがこれまでもありました。

つまり、同じ「疲労」と言う状態でも、筋そのものが物理的にダメージを受けているのか、筋やそれと脳とを繋いでいる神経系を酷使したことで感じる「疲労感」なのかを見極めることは、一定期間安定して練習を続けるために割と重要なことだったりするのですね。

そして今日のように、脚そのものが物理的にダメージを受けているときは、走るフォームもおかしくなって、別の場所を故障しやすくなったりします(大腿部が疲労していると膝をうまく屈曲させられず、結果的にふくらはぎを痛めやすい、とか)。

なので、そうした懸念もあったことから、今日は体自体は元気であったものの、大事をとって強度の高い練習を避けたのでした。

いわゆるポイント練の際に、体が万全ではないことは比較的よくあることですが、そこで「その中でもやれる範囲でやる」のか「別の機会に設定し直す」のかは、なかなか判断の難しいところでもあります。

しかし、今日のようにメインがVO2Maxペースだったりする場合は、「遅いなりにやりきる」ことはほとんど意味がないので、やはりできるだけ良い条件で行うべきだと考えています。