烏帽子スカイランに出場してきました【スカイレース編】

2日目も晴天に恵まれ、まさにスカイレース日和となった烏帽子スカイラン。お寺の石段がスタート・フィニッシュ地点というこのセンスの良さ。

こんにちは、ランマニアです。

さて、今回の烏帽子スカイランでは人生初となる2日跨いでの2種目出場、通称「コンバインド」に挑戦することになりました。

昨年のJSAジャパンシリーズでは、正式にコンバインド順位も算定されるレースがいくつかあり、ランマニアの大撃沈した「上田スカイレース」でも2種目制覇、さらにコンバインド部門でも優勝し3冠をとってしまうようなランナーもいて、スカイレースだけでもやられてしまったランマニア的にはまさに「信じられない」といった心持ちでした。

そんなランマニアが今年一つの目標としていたのが、比較的短めのレースでそのコンバインドに出走すること。

残念ながらそれが可能となったレースはこの烏帽子スカイランのみとなってしまいましたが、昨日のブログでも書いたように、なんとかそのスタートラインには立てるほどの体力を身につけて今年最初で最後の唯一の機会にそれを達成できる状態になりました。

前日のバーティカルでは、序盤からハイペースで飛ばし、終盤もギリギリまで出し切りましたので、そこそこの疲労や筋痛を心配していたのですが、一晩明けて朝の状態ではレースを走れる程度の脚の状態であることは確認でき、まずはひと安心。

おそらく今年一番の冷え込みだった気もしますが天気も良く、これはもう疲れがなんだといってられないコンディション。お寺の石段を見上げて「これはやるしかないな」と気持ちも高まりました。

スタートは今回もウェーブスタート。ただし2人一組のペアによる30秒ごとのスタート。そしてペアになった方はトレラン界ではとっても有名な一流選手の方で、もうスタート待ちしている段階で昨日に続いてテンションMAXといった感じでした。

ウェーブスタートのいいところは、一人一人スタートラインでMCの方に紹介をされること。今回は感染症対策でこうなりましたが、もう毎回これでもいいのでは無いかと思うほどいい演出だと思います。

そしてお寺の長ーい石段の最上段からスタート。

スタートしていきなり急な石段を直滑降するのって初めての試みですし、そもそもそんなレースがいくつ存在するんだ、という話で。

今回のスカイレースは走行距離25kmの累積標高差+1550m(実際には1600mを超えましたが)、こちらも比較的緩やかな勾配を想像できるコース。

計3段階の石段を下り終えると、すぐさま急な登りが始まります。とはいえ、しばらくはロードやダート区間なのでまだ登山道のような急勾配ではなく、キロ6分台でも押していけるような上り坂。今回はこの区間をアップと捉えていたので、登山道に入るまでは前日のようにかっ飛ばさずにやや自重してマイペースを徹底しました。

さすがにスタート順が「オーバースペック」だったので、この区間で早くも数人のランナーに抜かれ、スカイランナーの登りのペースの速さに圧倒されました。

いつもスカイレースやバーティカルではどこでタイムに差がつくのだろうと疑問に思っていましたが、今回のようなウェーブスタートだとその原因をリアルに体験できました。

全く別物ですね、あのスピードは。登りの速さがランマニアなんかとは比べものにならないほど別物の速さです。

とにかく、一歩の推進力がまるで違い、平地であればランマニアの登りはジョグくらいのペースで、追い越していくランナーはもはやMペース並み。自分でもそこそこ登りが走れるようになったと感じていましたが、この差を体感してしまうと全く太刀打ちできないな、と。

そうこうしているうちに登山道に入り、いよいよスカイレースらしくなってきました。

ただ、やはり距離のわりに累積標高が低めなので勾配はなんとか走れるレベル。歩幅を狭めて疲労を溜めないように小刻みに登ります。

この登山道は、昨年このコースを開拓するにあたり、廃れていた登山道を復活させたとのことです。

しかし、実際に走ってみるととても廃道だったとは思えないほど素晴らしいトレイルで、危険な岩場や足場の悪いところは全くなく、柔らかなサーフェスでとても走りやすいシングルトラックが続きました。

登り続けて約60分。樹林帯を抜け空がひらけてくると、一度稜線に出て遠くに烏帽子岳が見えてきました。

初めに烏帽子だと思ったのは小烏帽子岳。あのピークの先に、もう一度岩場があります。

この時点で脚はまだ残っていましたが、呼吸がかなり苦しかったので思うようにペースが上がらず、烏帽子山頂へ向かう岩場でだいぶ後ろのランナーに詰められました。

前日登った烏帽子岳山頂。この時点で85分。前日よりも風が冷たくとても山頂にはいられないほど。

ここで折り返し、前日のバーティカルコースを逆にたどります。

途中まではよく知ったコースなので大体の距離感覚はあり、さらにゴールまでまだ14km近くあることから、下りとはいえ調子に乗って飛ばさないように慎重に下山。

のつもりが、後ろから猛烈なスピードで駆け降りてくる若いランナーに一瞬で次々と抜かれ、これはもうランマニアのような下りの筋力が全く鍛えられていないランナーでは相手にならないな、と諦めモード。

トレイルレースに出始めた頃から思っていたのは、やはりこの手のレースは下りのペースが実力差を決定する、ということ。登りでのタイム差など、下りであっという間にひっくり返ります。

最大酸素摂取量や乳酸閾値に代表されるいわゆる持久的能力があまり影響されない、どちらかというと「スキル」、技術的な要素が大きく影響するスピードなので、正直なところ本格的に練習しなければこっちのスピードを上げるのは無理だと常々感じています。

なので、ランマニアのように普段は平地のロードやトラックをメインにしているランナーにとっては、下りで詰められたタイムは登りで取り返すしか無いのですね。

ところが、今回の烏帽子スカイレースのコースは、この下りトレイルが終わった後にとても長いダートとロードコースが待っていたのでした。これは全くの想定外。

登山道からダートコースに入ると、もう走り方がほとんどロードレースのようなフォームに変わってきます。そして車両が入ってこれるくらいの勾配なため、下りの得意なランナーにとってはいくらでも飛ばせるわけですね。

ランマニアはこういう下りが大の苦手で、とにかく脚が前に出ていかないのです。もちろん、ここまでの登りと下りの筋疲労の影響もありますが、そうでなくても下りではたいしてスピードを出すことができません。

案の定、この区間でさらに数人のランナーに抜かれてしまい、ここまで登りで蓄えた貯金はなんだったのかと、ちょっと虚しくなりました。

とはいえ、もうこのロード区間は最後まで続くのでしょうから、走りをロードレースのそれに変え、なんとかスピードを出せるように意識しました。その結果、どうにか1km4分を切るくらいのペースにまで上げることができ、ここでだいぶ距離を稼ぐこともできました。

さあ残り3km。キロ4で行っても12分で終わる・・。

わけがないのがスカイレースの常です。最後にもうひと山、いえ二山三山あり、あと少しというところで大いにメンタルをやられるのですね。

1km4分を切るような猛スピードでロードを駆け降りてきたところで、あろうことか突然再び山道に引き摺り込まれ、とんでもない急登を登らされます。

長い下りで相当脚にはきているので、こういう時の急坂はまともに登ることができません。それでも残りは2kmあるかないかなので、もう気持ちで登り切るしかないのですね。

ようやく最後の「登山」を終えると、見覚えのあるスタート地点が見えてきました。よし、残りは「あの石段」だけだ。

フィニッシュまでの石段は全部で3段階。これは後半の2段階で、この手前にこれの倍くらいの石段が待ち構えています。

頭ではこの石段のために脚力を取っておいたつもりでしたが、実際に階段を駆け上がろうとすると、もう10段ほどで走行不能に。数段歩いてまた走って、これの繰り返し。

こういう時、上を見るとなかなか距離は縮まらないので、足元だけを見て一歩一歩階段を登っていきます。

前半の長大な石段を上り切ると、いよいよフィニッシュまでの後半の石段。

前半は歩き、フィニッシュまでの後半はMCの方に名前を呼ばれて多くの人に見られているので「見栄を張って」死に物狂いで駆け上がります。決して江戸っ子じゃないけど、江戸っ子魂みたいな、ほぼ痩せ我慢状態。

そして、最後の1段を上り切り、どうにかフィニッシュ。

タイムは2時間34分50秒。思ったよりも短時間でゴールでき。

それでもトップは2時間13分台とかですから、ちょうどフルマラソンのレースくらいのレースタイムです。確かに自分のタイムもそれくらい。これ、フルのタイムと比べたら結構な一致率になるんじゃないかと。

スカイレースのコースから振り返ると一望できる上田の街。ここまでの登山道は快適なトレイルが続きます。

最終的な順位もなんとかギリギリ20位に入ることができ、目標としていたコンバインド達成と、20位以内というオマケまでつき、晴天に恵まれた烏帽子スカイランを好印象のうちに終えることができました。

いや本当に楽しかったです。

本大会も開催に漕ぎ着けていただき、当日も万全のサポートをしていただいた主催者さんやスタッフの皆さんには大変感謝をしております。

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