こんにちは,ランマニアです。
今日から何回か,これまでのトレーニング論から離れて,ランマニア自身のことについて少し触れたいと思います。
ランマニアは,大学時代に慢性疲労症候群という病気になり,走ることを断念せざるをえなくなりました。
当時,慢性疲労症候群はかなりマイナーな病気で,症例も少なく周囲の理解も得られず精神的にもかなり苦しんだ記憶があります。
最近,Twitterの方で関心を持っていただき,いくつかお問い合わせもあり,私と同様苦しんでいる方がたくさんいるのだなと改めて実感したところでした。
今回は,ランマニアが過去に書き留めておいた自分自身の発症の経緯と回復までの道のりをこちらに掲載し,皆さんの参考にしてもらいたいと考えました。
発症の経緯は様々ですし,おそらくこの病気は一人一人によって原因も異なると思いますので,あくまで私ランマニアのケースでは,という観点で読んでいただければと思います。
発症の経緯
ランマニアは,大学2年の5月に走れなくなりました。
医者を6~7件回って様々な検査をしましたが、
結局、どこへ行ってもはっきりとした病名や原因は分からず、
最終的には、当時「慢性疲労症候群」の研究で有名だった、
帝京大学病院で、そう診断され、薬を処方されました。
結論を先に言えば、現在もそれが根治しておらず、
自分のランニングパフォーマンスに大きく影響していることは、
まぎれもない事実です。
当時から、「心理的問題」と指摘する多くの方がいましたが、
もし、モチベーションや情熱、エフォートの問題であるならば、
こうして20年以上も同様な症状を自覚することはないでしょう。
慢性疲労症候群は、
ある共通した症状を持つ疾病、あるいは自覚症状の一群であるため、
それを決定づける生化学的、神経学的な指標や、特効薬などは存在せず、
同じような症状を抱える患者でも、
その発症機序や改善の過程は皆違います。
私の場合、発症のきっかけだけは、はっきりしています。
大学2年の5月、関東インカレの応援で、
一日中、季節外れの炎天下にさらされ、
その日の夜に熱中症を発症しました。
当時は、その重大さに気がつかず、
全く下がらなくなった体表面の温度を、氷嚢で冷やすのみ。
最近になって分かったことですが、
こうした体温調節機能の不全は、体内の電解質バランスを崩し、
水分を体外に排出しようとする働きが高まるようです。
その結果、翌日から経験したことのない下痢が24時間続くようになり、
簡単な流動食と水分だけを摂る生活が4~5日続きました。
この間の減少体重は4kg。
明らかに異常でした。
ようやく下痢はおさまり、食事も普通にとれるようになりましたが、
この1週間の衰弱は激しく、体に力が入らない状態が続いたため、
ひとまず病院で点滴だけは打つことにしました。
ここで本来、ひと月ほどはしっかり休むべきでした。
しかし、今と違って、学生時代は一月どころか、
一週間のブランクですら耐えがたいものがあり、
競技を再開したい焦りばかりが先行しました。
すぐにジョグを再開し、ジョグができれば次はポイント練と、
今から考えると非常に危険な行動をとりつづけていました。
案の定、6月からは原因不明の微熱が一月以上続きました。
免疫機能が極端に低下し、何らかの感染症が発症していたと考えられます。
それでも練習を継続し、
ついにある時、ジョグペースの練習であっても、途中で立ち止まるようになりました。
その後、症状は悪化を続け、
5分の立位ですら維持できず、
日常的に過眠の状態に陥りました。
何時間寝ても朝は起きれず、
日中は何をしていても眠気が襲います。
何をするのも億劫で、生活をする意欲すら消失していきました。
幸い、大学は夏休みに入り、
その年の8月は、ほとんどを家で寝て過ごすことになりました。
こうして、いわゆる慢性疲労状態が続いていくわけですが、
おそらく、この時の自分の体には、
細胞レベルでの、不可逆的な
非常に大きな損傷が生じていたことが推測されます。
栄養不良の状態で激しい身体活動を行い、
本来栄養素によって修復されるべき損傷した(後になって分かったのは、酸化した)細胞が、
完全に修復されないまま次の損傷が生じ、
結果的に、元に戻らなくなった状態です。