こんにちは。3日間、ランニングもブログも休養したランマニアです。
ランマニアは昨年9月ごろ、7月8月に練習を無理に無理して(と言っても多くの人にとってはたいした練習ではないのですが)続けた結果、一月くらい疲れが抜けなくなってしまった経験をしました。
3年前にフルマラソンで自己ベストを出してから、もうワンランク走力を上げるには、練習の負荷も上げなければならない、と必死になり、無理を重ねてしまったのですね。
その反省から、10月以降決して無理をしないよう、自分の疲れ具合に応じて練習を続けてきて、ようやく先月、ポイント練をまともにこなせるようにまで戻ってきたのでした。
そう言う経験があり、この3月は比較的良い状態を維持できたからこそ、思い切って少しまとまった休みを入れてみたのです。
この休みの効果は、経験上すぐには現れず、ここから練習を漸次的に上げていく中で徐々に調子が戻ってくると予想しています。
さて話は変わって、ランマニアはこの4月から靴を変えてみました。(変えたと言うか、元に戻しました。)
ランマニアは、もともとあまり靴に詳しくなく、多くの知り合いのランナーのように、練習によって靴を変えたり、新製品を試したりしないタイプです。
いえ、以前はそうではありませんでした。
高校から大学までは、アップ用、スピード練用、レース用、スパイク、などと、数種類のシューズを使い分け、それぞれの用途によってしっかりと靴を用意していました。
しかし、体調を壊してからはほぼポイント練ができなくなってしまったので、基本のジョグシューズだけあれば事足りてしまうことが多く、たまのスピード練もそのジョグシューズでこなしてしまうようになっていたのですね。
そんな事情もあり、アップシューズとスピードシューズを使い分ける必要がなくなったため、ちょうど「中間」あたりの靴へのニーズが年々高まってきました。
しかし、ランマニアが社会人になった頃は、今のようにマラソンブームなどまだなく、「長距離走」に取り組む人は、学生や実業団のようなシリアスなランナーか、健康目的の市民ランナーくらいで、今ではごまんといる「競技志向市民ランナー」など、当時そのへんで見かけることなど到底あり得ませんでした。
そんな状況でしたから、当然靴のニーズも「一部のエリートランナー向け」か「ジョガー向け」がほとんどで、ちょうどその中間あたりのシューズなどニッチすぎてどのメーカーからも販売されていませんでした。
具体的にどんな靴を求めていたかと言うと、「ジョグを軽やかに走れつつ、クッション性も高い靴。」「クッション性もそこそこあるけど、インターバルも意外といける靴。」と言う、非常に「わがまま仕様」でした。
少しマニアックな話をすると、当時のアシックスで言うと、スカイセンサーだと重すぎて、ターサーだと少しクッションが弱い。ナイキで言うと、ペガサスだと重すぎて、エアズームケイジ系だとジョグには不安定(このケイジ系は足底腱膜炎を発症すると言う致命的な相性の悪さがありました)、と言った具合です。
これは当時当然の悩みで、高校時代のランマニアは、アップはナイキエアペガサス、スピード練はニューバランスのコンプ系、レースはアシックスのマラソンソーティー、と、まあ贅沢なラインナップで練習をしていたので、そんな細かいニーズを一つにまとめる靴など、あろうはずもなかったのです。
しかし、そんな我々マニアックランナーのニーズに応える革新的なシューズが登場することになります。
2008年初夏、あのナイキから「ビクトリー」と言うこれまでの範疇にはなかったものすごい靴が登場します。(今のビクトリーはスパイク銘柄になってますかね)
このビクトリーが凄かったのは、とにかくレースシューズかと思うようなその軽さ。アッパー部の素材に工夫が凝らされ、ソウルの重さをアッパー部で相殺していたのですね。
そして何より我々のニーズに最も応えてくれていたのが、なんと前足部に薄い「エア」が内蔵されていたことでした。
当時はまだ、「フォアフット」などと言う言葉がなかった時代(あったかも知れませんが、一般には流布していなかった)。しかし、学生からスピード練をガンガンやってたランナーにとって前足部から接地するのは当たり前のことでしたから、「なぜかかとばかりにエアを入れたりクッション性を持たせたりするのか」と常に不満を抱いていました。
そんな中で、しっかりと前足部にクッション性を持たせ、かつ軽量化も両立できているこのビクトリーは、まさに我々が望んでいた「最強のランニングシューズ」だったわけです。
さらに、この靴の凄かったのは、ソウルのかかと部分が若干厚めに作られ、走り出すと勝手に前傾姿勢が生まれると言う革新性も備えていたことでした。
そんなパーフェクトなシューズでしたから、もうランマニアはこの靴だけを買い替えながら、ロングジョグからインターバルまで全てこれ一足でこなしました。いや、こなせてしまいました。
しかし、このビクトリーは、唯一にして最大の欠点が存在していました。
それは、軽量化のためのアッパー素材に柔軟性がほとんどなく、「確実に靴擦れする」と言う恐ろしい事実が判明したのです。
これはランマニアだけでなく、知り合いのランナーにも発生し、ネット上でもその情報は散見されていたので、もうほぼ確実に技術的な欠陥だったのでしょう。
そして、こうした欠陥とマニアすぎる設定のためか、このビクトリーも数年で廃盤になってしまいました。マニアックなシューズは売れないのです。
そんなビクトリー亡き後、ついにランマニアにとって運命のシューズとも呼べるこのシューズが登場します。
アディダス アディゼロジャパン。
後編へ続く。