トレーニング効果ー疲労=パフォーマンス

こんにちは、ランマニアです。

さて、今シーズンのスカイランニングジャパンシリーズも終了し、しばらく山レースからは遠ざかることになります。

昨シーズンは初の「コンバインド」(VKとSKYの連戦)を達成し、その両種目でのポイント獲得という、自身の「スカイランナー」としての一つの目標に到達できたシーズンでした。

今シーズンは、そこからさらにステップアップし、シリーズ戦通して安定してポイント圏内に入り込み、あわよくば上位争いに絡めるところまで到達できればと、今年から始まった全戦一括購入の「サブスク」にも申し込んで臨んだシーズンでした。

ところが、そんな矢先、4月に人生最大の危機が訪れたのですね。

この頃は故障も再発し、何もかもがうまくいかない時期だったのを覚えています。

今振り返っても、よく練習継続してたな、と。

そうした混沌とした毎日の中で、ジャパンシリーズの第1戦が開催されました。

練習はほとんどできず、ほぼ山登りと山歩きだけで臨んだ上田バーティカルレースでした。

ところが、そんな練習不足で臨んだこのレースでは、コンバインド出場にもかかわらず両日とも30位以内のポイント圏内に滑り込み、難コースの上田では初の両種目ポイント獲得という意外な結末を迎えました。

その要因として考えたのが検証編です。

結論から言えば、この時に検証した仮説が、実は今シーズン好調の要因につながっていると現時点では考えています。

そして、その後も「嬬恋」「烏帽子」「びわ湖」と、全てのレースでポイントを獲得し、終わってみればVKシリーズではシリーズ戦績総合10位と言う、自分にとっても信じられない結果でシーズンを終えることができました。

では、なぜ今シーズン、昨年よりも大幅に練習量を増やしたりアプローチを変えたわけではないのにここまでの進歩を遂げることができたのか。

それにはまず、昨年の鍛錬期と今年のここまでの数ヶ月の練習内容で、明確に変わった点について整理をしたいと思います。

いわゆるQデー(高強度の練習日)を週1に変更した

昨年はダニエルズさんの練習計画にある程度沿ったものを試したく、高強度練習を週に2度入れていました。それが今年は週1に。数ヶ月故障で練習をこなせなかったことで、体力も落ちていたのですね。ここは、最もわかりやすい大きな変更点です。

Qデーの高強度練習の内容を、昨年比8割程度にとどめた

これは意図的に行ったと言うより、昨年5本やってたところが体力的にしんどくて3から4本に減ったり、1000mやってたところが3分やるのがやっとになったり、といったいわば「体感的」「心理的」な欲求に従ったと言うことです。高強度の頻度も減り、一回の練習量も減ったわけですね。

週一のロングジョグの時間を150分以上に増やした(30kmを上限)

昨年と比べて唯一増加した要素はこのロングジョグです。昨年も週一で取り入れていましたが、年間通してずっと120分でした。と言うより、これ以上の時間はしんどくて継続できなかったのですね。週2の高強度で普段のジョグが結構しんどいものになっていましたから。

ジョグのほとんどを芝で行うことにした

最大の変化はこれでしょう。近場に適した芝がないので苦労しましたが、最終的にはジョグで10分のところにある公園で一周3分、距離にして500mほどの芝コースを作れることがわかり、もうほぼ毎日そこをぐるぐる走ることにしました。ただ、実際に毎日走ってみると、ふかふかの芝を踏み締める感覚が楽しく、周回コースもさほど気にならず練習を継続することができました。むしろ、車通りの多いロードを気を使いながら走るより遥かにストレスなくジョグを行うことができました。

昨年から大きく変わった点は、主にこの4点です。

ではこの4点が、なぜ好調の要因になり得たのか、と言うことです。

いきなり結論を言ってしまえば、別に速くはなっていないのです。

結局ここに落ち着くのですが、この練習サイクルが自身の「走力:疲労」バランスを最適に保っていた、と言うことなんですね。

上田の検証にも使った、効果と疲労との関係

今年の練習は、昨年よりも確実に抑えたものとなりおそらく走力自体はそれほど変わっていないか、下手をすると低下している可能性もあります。

しかし、毎日の練習で感じられる疲労感は明らかに去年よりも減少しており、「練習がしんどい」と感じることがほとんど無くなったのですね。

実際、強度の高いインターバルを行う際も、去年は初めの数本が本当にしんどく、呼吸よりも先に脚が動かなくなってしまうことが多々ありました。(今日のインターバルは久しぶりにその感覚でしたが)

今年は、インターバルを予定している日もそれほど憂鬱ではなく、アップの時から脚がよく動いて、気持ちよくスピードに乗れる日が格段に多くありました。

実際こなしている本数やペースは去年よりも落ちているのですが、快適さで言えば、明らかに今年が上。

走りながら、目的のゾーンにしっかり負荷をかけられてるな、という実感を感じながらの練習が日常的になってきました。

つまり、去年よりもトレーニングの効果はそれほど上げられていないにもかかわらず、疲労の程度がその分はるかに低いため、見かけ上パフォーマンスが向上したのと同等の効果が得られていたのではないかということです。

これが、今年上田の時に気づいた、「トレーニング効果ー疲労=パフォーマンス」の公式です。

そして、今年この公式のキモとなる「疲労」をできるだけ抑えられた要因は次の三つだと思っています。

高強度練習の頻度と量を減らしたこと

ジョグのほとんどを芝生で行ったこと

ロングジョグを150分以上に伸ばしたこと(回復力の向上)

この3点により、日々の練習で疲労を可能な限り抑えながら継続することができ、レース本番でも安定した出力を得られる状態を維持できたと考えています。

特に、バーティカルのように呼吸が苦しくても脚さえしっかり動かせればある程度勝負になるような種目の場合は、疲労が少ない方がはるかに有利です。

今年の烏帽子とびわ湖は、終盤VO2Maxの限界からかなり呼吸が苦しくなりましたが、少し休めば脚はまだ十分動かすことができました。

これは、疲労を溜めずに練習を継続してきた効果であったと認識しています。

さて、問題はこの後のロードレース、フルマラソンシーズンでどうなるかです。

高強度トレーニングをおこなっている感覚としては、おそらく5000mあたりの実力はかなり低下していると考えています。

去年までの設定タイムより大幅に遅いですし、呼吸の苦しさもはるかに上だからです。

疲労が抜けているとはいえ、絶対的な走力は落ちていると感じます。

疲労の要因が大きく影響しやすかったトレイルでは成果が出せても、この理屈でトラック、ロードも通用するとは考えにくいです。

12月以降、これらを検証するために5000mのトラックと10kmかハーフのロードレースに出ようと考えています。

それらの結果によって、今後のトレーニングの方向性も考えていこうと思っています。

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