本気を出さず、本気を出す準備だけしておく

こんにちは、ランマニアです。

今月3回目のVO2Maxインターバルを雨の中やりました。

3回とも同じコースで、3分間「これなら10〜12分程度維持できるスピード」を維持して、それを5回繰り返します。

10分間維持できるといっても、3分でいっぱいいっぱいになってしまうのですが、実はレースであればその「いっぱいいっぱい」なところから、心理的に苦痛を抑え込んで持っていってしまうんですね。

このあたりが、練習とレースの心理的な面での違いであり、体にかかる負荷の違いでもあります。

誤解を恐れずにいえば、ランマニアは練習で「相当手を抜いています」。

そうですね、レース中の「本気度」を10とすると練習は6行くかどうかです。簡単にいえば相当な「出し惜しみ」ですね。

理由は二つあります。

一つは、「頑張る必要がない」からです。

練習は、その目的に応じて距離やペース、本数が決められているので、それ以上のことをやる意味はないのです。いや、心理的な「満足感」を得たければその目的は達成できるでしょうが、練習の生理学的、神経学的な目的を達成するには、その決められた負荷や強度で十分だからです。それ以上苦しむ必要はなく、ランマニアにはその趣味もありません。

もう一つは、「明日も練習がある」からです。

1回のレースのダメージは相当なものです。想像を絶するものがあります。人間は体が壊れないようにある程度のリミッターが効くようになっていて、それが「苦痛」としてサインを出します。基本、「苦痛」を感じたならば、もうそれに従ってその活動を停止すべきなのです。

ところが人間は欲深い生き物で、何かの報酬を得ようとするならばその「苦痛」すら乗り越えてなんとしても我がものにしようと企みます。

「自己ベスト」「PB」「優勝・入賞」

なんと響きの良い言葉でしょう。

このためなら、簡単に脳のリミッターを解除できてしまうのがランナーという生き物です。

こうした報酬のためにリミッターを解除して「苦痛」を押し通して(あるいは脳内物質によって感じないようになって)走ってしまえば、当然翌日はおろか、数日は休養が必要となります。想像を絶する体へのダメージと引き換えに、報酬を手にするのです。

で、普段の練習でこんなことをしようものなら、まあ当然数日以内に大きな不調の波はやってくるでしょうし、想定外の故障もしてしまいます。ランマニアは「練習PB」にも興味はないので、当然翌日以降の練習を優先してリミッターを解除することはしないようにしています。

そんな理由から、ランマニアは常に練習では「本気を出していない」のですね。

ただですね、レースで本気を出すには「本気を出す準備」はしておく必要はあるかなと思っています。

「本気を出す」のと「本気を出す準備をする」のとでは、言葉の遊びのようで意外と意味合いが異なると思っています。

例えば、今日のインターバルなら10分持つペースなわけですから、まあ初めっからキツキツではないペースなのですが、やはり3分間の最終盤はそれなりにしんどくなります。

そのしんどくなった時に、それに身を任せて脚を止めてしまうのではなく、「ここちょっと踏ん張るぞ」と少しだけ出力を上げてそのペースを維持するのですね。いやその時間は本当に少しです。あまりその時間を長く取ってしまうと、本当に「本気を出す」ことになりかねませんから。

こうやって、一本一本の最後、あるいは5本のうち最後だけでも、「本気を出そうとする」時間を少し作って「本気を出す準備」をしています。

でも本気は出しません。

「本気」はレースの時までとっておきます。

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