箱根駅伝を見て考えたこと

こんにちは、ランマニアです。

みなさん改めまして本年もよろしくお願いいたします。

ブログの方は2021年最初の投稿となります。

さて、今日はランナーでない人にとっても衝撃の箱根駅伝となりましたね。

毎年この1月3日の昼前からの時間というのは、もうだいたい優勝チームが独走状態になっていて、「ああ、もうこのまま◯◯大学が優勝かぁ。ああ、休みが終わってしまうなぁ」というなんともいえない時間が流れていくのですが、今年は最後の10kmあたりから「おいおい待てよ、これこのまま終わらんぞ」と、ランナーやってればなんとなく危うい雰囲気を察せられるくらい状況が一変してきたのですね。

ハーフマラソンを走ったことのあるランナーであれば、もうあの小野寺くんの心境は決して他人事では済まされない状態、まさに手に取るようにわかるしんどさだったと思います。

おそらく彼の実力から想定されるハーフマラソンの1kmあたりの巡航ペースからは30秒くらい落ちてしまっていたと思いますが、自分も含め、ハーフマラソンのレース終盤でキロあたりのペースが30秒も落ちたと考えたら、まあ正直なところ「大撃沈」なわけで。もう完全に脚が止まった状態ですよね。気合いとか根性とかでどうにもならない状態。

そんな状況で後ろから日本学生界を代表するくらいのエリートランナーが猛追してきているなどと想像したら、そりゃもう泣きたくなりますよ。あと数キロで優勝できるかどうか、しかも個人ではなくチームが、という状況で。

ランマニアは、実はプロ野球にも思い入れの強いチームがあり、もう40年来そのファンをやってきているのですが、シーズン通して野球を見ていると必ずあるのが「クローザーが打たれて逆転負け」というパターン。

このパターンの負けは選手はもちろんのこと、見ているファンにとってもかなり後を引くしんどい負け方なのですが、今日の創価大学を見ていてまず頭に浮かんだのはこのことだったのですね。

野球はどうしても「ピッチャー優位」のスポーツですので、無意識のうちに「抑えて当たり前」の心境で試合を見てしまっているのです。

一方、マラソン・駅伝はその日の体調やレース運びによっては大どんでん返しがあるスポーツだとは分かっているのですが、例年のようにアンカーに数分差で襷がわたって独走状態なら、まあ多くの場合は「逃げ切って当たり前」という頭でレースを見てしまうと思うのです。

この「抑えて当たり前」の状態で投げるピッチャー。「逃げ切って当たり前」と思われてタスキを受け取るランナー。

こういう十中八九成功が約束されていると期待される立場の人のプレッシャーというのは計り知れないものがあると思うのですね。

幸か不幸か、ランマニアはあまりこういう経験はしたことがないのですが「できて当たり前」のことを失敗しないでやるというのは、どんな些細なことでもプレッシャーを感じるだろうなと想像します。

だからもう当然なんですが、彼を責めたり彼に落胆したりする人なんて誰もいないと思うのです。まあ、SNSで勝手なこと言っている人たちは誰にでもそうする悲しい人たちなので放っておけば良いのですが、少なくともランニングの経験がある人であれば、むしろあの状況でよくやったよね、と。

しかし、かつては高校駅伝や箱根駅伝(の予選会)にも関わったことのある人間の立場から想像するに、やっぱり今日の結果を一番悔いているのは本人だと思うのですね。レースとしてはおそらくオーバーペース気味で失敗レースとなってしまったわけですし。周囲がどんなに励ましたりフォローしたりしても、自身の納得とはなかなか結びつかないもので。

ただ、ブラウン管越し(いや、今は液晶越しって言うのかな)に見ていたおじさんが感じたことを一つだけ伝えるとしたら、それはもうとにかく駒澤大学は強かったです、ということ。

いや、もっというと東洋大学も青山学院大学も相当強かった。メンバーの持ちタイム、走り方、そういうものから推測するに、おそらく戦力では申し訳ないけど創価大学は全く歯が立たなかったはず。

優勝なんてとんでもない。申し訳ないけど、できるわけがない。

東洋や青山にだって勝てはしなかったはず。

だから、チームとしての成績は2位でも出来過ぎなんです。途中まで1位にいたから2位が残念に感じるし、なんだか9回の裏サヨナラホームランみたいな感覚になってしまっているけど、9区までの展開次第では2位も3位も、4位だって難しくなった可能性は十分あったはずで。

とにかく、10人の合計タイムで見てみたら二番目だった。東洋よりも青山よりも上にいた。

だからすごい、本当によくやった。

っていうのではなく、駒澤大学が13年間も優勝できないんだから、そんなに簡単なことじゃないんだよ、っていうこと。

それを伝えますかね。

自分の失敗でチームの優勝を手放した、って思うのは当然でしょうけど、そんな失敗一つ防いだくらいで優勝できてしまうほど、箱根駅伝で優勝するなんてそんな簡単なことではないよね、っておじさんは思うのですね。

1人の力でどうにかできるほどそんな簡単なことじゃないんだろうな、と。

「お前1人の力でどうにかなったと考えるのはむしろ自惚だ!」くらいのことを言われた方が、本人は救われるのかもしれませんけど。

いや今日は本当はこんなこと書くつもりではなかったんですよね。

駅伝の途中で外に散歩しに行って、その間に全然別のこと思いついて、それをブログにしよう、って考えていたのですね。

高度に商業化した箱根駅伝という「ビジネスコンテンツ」についてとか、関東学生陸上界の箱根駅伝至上主義が生み出す日本の長距離界の功罪とか、そんなものを思い描いていたのですがね。

そうしたものが、最後の大逆転でぜーんぶぶっ飛んでしまいました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください