今のその疲労感は今の疲れではなくて

こんにちは、ランマニアです。

一昨日の山トレの疲れが、今日になってどっと出てちょっとだるいです。

ランナーの皆さんなら、誰でも経験あると思いますが、少し強度の高い練習をした後って、しばらくたってからその疲れはでませんか

ランマニアの場合は、だいたい3日後くらいがいつもピークです。

人間は、恐怖や興奮を覚えたときには、体が「戦闘モード」に入って敵と戦って(もしくは全力で逃げて)身を守るために、苦しさや痛みなどを感じないように脳の中が麻痺するようにできています

ですから、レース中は、練習だったら我慢できないような苦しさやしんどさも多少は我慢できるようになるのです。

ところがこの脳を麻痺させる物質は、戦っている(運動している)時だけでなく、それが終わった後もある程度出続けているのです。

するとどういうことが起きるでしょうか。

激しいレースを終えると、筋繊維が傷ついたり、筋肉や神経系の細胞が酸化するので、本来は休養をしてそれを修復しなければなりません。

しかし、一方では脳からはその痛みを和らげる物質が出ている状態なので、体がうけたダメージを感覚として感じられない状態になっています。

なので、レースの翌日とか、激しい練習をした翌日とかは、意外と頭は元気で、「今日もいけんじゃね」的な高揚感が続いてしまうのです。

それでも、体の組織は確実にダメージを受けていますから、それを無視して激しい練習を続けてしまうと、そのダメージがなかなか回復しないまま時間だけが過ぎていくことになります。

そしてそうこうしているうちに、痛みや疲労を麻痺させていた物質も止まり、実際に疲労を起こしてから数日経って激しい疲労感が襲ってくるのです。

ですから、いまランマニアが感じている「だるさ」は、厳密にいうと「今日の疲れ」ではなく、「一昨日の疲れ」と言い換えることができます。

また、「疲労感」の恐ろしいところは、「慣れ」が生じるところです。

疲労感は、痛みや苦痛と違って、ある程度さらされると、その感覚にだんだん慣れてきてしまって、はじめのうちに感じた強い疲労感が少し軽減しただけで、「もう回復した」と勘違いしてしまう特徴もあります。

こうなると、疲労が全くない状態での最高パフォーマンスが発揮できる体に戻らないまま、中途半端な回復状態で、なんとなく不調な状態で練習を続けてしまいます

当然記録も伸びません。

これが、オーバートレーニングやスランプの状態です。

ここまで来ると、本来なら2〜3日の休養で回復したはずの疲労が、数週間単位で休まねばならない状態に陥ってしまいます

疲労は、怪我と同じように、「初期対応」を間違えると結構深刻な状況になりますので、疲れたときは迷わず休むことをお勧めします。

休んだ方が強くなる理由は、次回説明します。

青梅の山を走ってきました

雨が降らずによかったです。

こんにちは、ランマニアです。

コロナ騒動でお仕事がなくなり、今日はお休みをもらいました。

で、せっかく平日の昼間に時間があるので、久しぶりに山を走りに行きました。山なら、感染の危険性がほぼゼロですからね。

ランマニアは、もう10年ほど前からトレイルランニング(厳密に言えばスカイランニング)に取り組んでいます。

もともとは、マラソンを速くなるために、脚力や心肺機能、それから体幹を鍛えるために始めたのがきっかけです(実際にはそのどれもあまり鍛えられませんでしたが)。

初めは、「本業」のかたわら「レジャー」のつもりで始めたのですが、次第に山の魅力に取り憑かれ、また成績もそこそこ残せるようになってきたことで、夏から秋にかけてはそれなりに本気で取り組むようになってしまいました。

実は、トレーニングには3つの原理があると言われています。詳しくは、ネット上に溢れていますので参考にしてください。

その一つに、「特異性の原理」と言うのがあります。

走るトレーニングは走ることを鍛えますし、ピッチング動作はピッチング動作を鍛えます。

それと同じように、このトレイルランニングにも当然特異性の原理が適用され、トレイルランニングにはトレイルランニングのトレーニングがあると言うわけです。

ですから、本来、トレイルランニングを速くなりたければ、山をたくさん走ることが最も効果があるのですが、ランマニアのようにメインがマラソンにあるようなランナーは、そればかりやっているわけにもいきません。

トレーニングには特異性の原理がありますから、トレイルランニングの練習ばかりしていては、マラソンが遅くなってしまうのです。

ところが、マラソンもトレイルランニングも、実は共通の要素があります

それは、心臓や血管などの循環器系と、肺などの呼吸器系の機能ができるだけ高い方がパフォーマンスを発揮できると言う共通点です。

長い距離を走る脚の筋力(やエネルギー代謝)、と言う点では、ロードを走るのと山登り(下り)をするのとでは、使う筋肉が意外と異なるので、それほど共通しているとは思ってはいません。

とにかく、そうした「心肺機能」は明らかに影響しますから、ランマニアは、長距離練習で鍛えた心肺機能を生かして、トレランを走っている、という感じです。

ところが、マラソン練習では絶対に鍛えられないのが、急な登山道をぐいぐいと登っていく登坂力と、その同じ道を駆け下りてくる下山力です。こればかりは、山を走るしかないので、ランマニアは、シーズンに入る前に少しずつ山へ行って体を慣らすようにしているのです。

前置きが長くなりましたが、そんなことで、今日は山トレをしたということです。

山トレで大事なのは、水平距離ではなく垂直距離(累積標高)です。

走る距離よりも、登った距離です。

今日走った青梅の雷電山までの青梅丘陵は、標高が400〜500mの低山ですが、ほとんど尾根道を進んでいくもののの、かなり激しいアップダウンがあり(基本的に稜線は平坦ということはありません)、青梅駅から雷電山往復で、累積標高1000mを超えました。

ランマニアの出場するスカイレースは、だいたいが累積標高2000mを超えるので、今日くらいの練習では全然足りてないのですが、まだオフシーズンなのでこれくらいで留めておきました。これ以上走ると、ランマニアは疲労が一線を超えてしまうので。

今日走った青梅丘陵は、初めて行きましたが、低山と思って甘く見ていると、痛い目に遭います(遭いました)。

途中までは整備された遊歩道ですが、半分から先は本格的な登山道です。急登も何度も出現します。

おそらく、都心から最も手軽にアクセスできるトレイルコースですので、初心者だけでなく、本格ランナーがトレーニングする場所としても不足はないと思いますよ。

閾値を超えてはいけません

こんにちは、ランマニアです。

ランナーにとっては、色々な意味で衝撃的だった昨日のレース。

一夜明けても、なんだか余韻が覚めず、まあ自分のような凡ランナーにはかすりもしない世界の出来事であったにもかかわらず、ランナーやっててよかったなぁ、と心底感じられるレースでした。

さて、そんな日に練習すると、ろくなことがありません。

現在ランマニアは、週1のポイント練という間隔で、体に負荷をかけています。自分の体の状態とかけられる負荷のバランスが、いまのところ最も得られやすいタイミングだと感じているからです。

昨日の練習は、無酸素性作業閾値(AT)を高めるための練習で、自分にとってのその辺りのペースで、一定時間走り続ける、というものでした。

ダニエルズさんの換算式では、ランマニアの閾値ペースはだいたいキロ3分30秒前後。

このペースで、最低トータル40分くらいは走ることを推奨しています。ランマニアは、たいていこの練習をする際は20分を2回に分けて走りますが、よほど体調が良い時でないと、2本も走れません。

ですから、昨日もまずは20分を目標にチャレンジしました。

ところがです。午前中大迫くん見て興奮してたんだかなんだか、いきなり最初の1kmの入りが3分22秒というとんでもペースになってしまったんですね。

いや、大迫くんはあまり関係なく、おそらくここのところの疲労をしっかり抜く取り組みが功を奏して、自分にとっての「閾値」が若干向上していたんだと思います。

でも、こういう時、本来ならちゃんとペースを落として、目的にしている練習をしなきゃいけないのです。だって、無酸素性作業閾値を向上させるには、40分程度は走らないといけないわけで。それができないペースで走ってしまっては、そもそもの目的から外れてしまいます

で、一応、ペースを落とそうと試みたんですが、なんだかんだで、もうだめでした。

人間はATを超えて走ろうとすると、しだいに呼吸が苦しくなってきます。特に、心拍数が上がりにくいランマニアのようなおじさんではその苦しさが半端なくなってきて、それほど長くは走れなくなるのです。

そんなことですから、当然20分も持ちそうになくなり、じゃあもうしょうがないからキリのいい5kmで終わりにしよう、となってしまうんですね。

これは一番やってはいけない練習

高校の時なんかは、練習は毎回必ず最後はレースになってバチバチに競い合ってましたが、それは若いから。おじさんは許されません。若くはないのです。

本当はしっかり20分間閾値ペースを維持して、次やるときは20分をもう一回できるように体を慣らせたかったのです。だけど、思いの外調子が良く、5kmを16分台でいけるかも、とか訳のわからない欲が出て閾値ペースをはるかに超えてしまいました。

まあ、充実感はありましたがね。

次の週末はインターバルをやる予定です。

「魔の区間(20〜30km)」

こんにちは、ランマニアです。

大迫くん、凄かったですね。最後までテレビに釘付け、あっという間の2時間5分。最終コーナー曲がったところでのガッツポーズ。

マラソン見ていてこんなに興奮したのは、いつ以来でしょう

そしてまた大迫くんのフォームのすごいこと。

終盤脚が止まった黒人ランナーよりも、はるかにダイナミックな接地と蹴り出し

ランマニアはかねてから、スピードを上げられるしっかりとしたフォームを身につけてから、そのフォームで長く走る練習をする方が良いのではないか、と考えていますが、まさにそれを具現化していたのだろうな、と、あのダイナミックなフォームを見ながら考えていました。

さて、ランマニアは、また何のエビデンス(科学的根拠、統計的根拠)もないランマニア的な視点で今回のレースを分析していました

慢性疲労を抱えているランマニアが、40km以上も休まず走るために、毎回のレースで失敗を繰り返しながらある工夫を見出していました

ランマニアがマラソンを始めてしばらくは、とにかく終盤に慢性疲労症状が悪化して急激にペースダウンする、という失敗を繰り返しました。

30km過ぎには脚が棒のようになってしまい、激しい痙攣におそわれ、10km近くも歩いたり走ったりを繰り返す惨状です。

例えば、自己ベストを出そうと1kmあたりのペースを決め、そのペースでラップを刻んでいくことを、おそらくほとんどのランナーの皆さんはやっていると思います。

ランマニアも同様で、例えば1km4分ペースを10km、20km、30kmと維持していくのです。

ところがある時、このパターンが失敗を誘発していることに気づきます

あるレースで、途中でなんとなく疲れてしまって、20kmから30kmの区間のペースが若干低下した時がありました。キロ4分ペースで走っていたら、ほんの数秒のキロ4分5秒とかそんなもんです。

しかし、このレースでなんとベスト記録を出したのです。

いつもはペースがガタ落ちする30km以降も、多少のペースダウンはあるものの、大幅な落ち込みはなく、なんとか最後まで持ち堪えてゴールし、しっかり走り切れたのです。

いつもの大幅なペースダウンに比べれば、20〜30kmの数秒のダウンは些細なことでした

この時思ったのです。

マラソンのような長丁場では、途中、あえてペースを抑えて若干休みを入れる必要があるのではないか、と。

確かに長距離のほとんどの種目では、設定ペースを決めて、そのペースで行けるところまで行く、というのが一般的な走り方です。

でも、マラソンのように走る時間が長い場合は、気持ちで疲労を抑え込んで走れる時間は限られていて、せいぜい5kmから10km。だから、最後の5〜10kmを気持ちで押し切るためには、その前にいったん休む必要があるのではないか、と考えました。

その後ランマニアは、フルマラソンでは20〜30km区間の走りを特に気を使うようにしました

その区間で、ちょっと脚が重くなってきたら、無理にペースを維持しようとせず、思い切って数秒落としてしまう。数秒ですから、最終的にはそれほど大した時間ではありません。

もちろん、エリートランナーのように数秒で日本記録がどうのこうのな人たちには危険な選択ですが、ただ、それとて終盤のペースダウンを考えれば、些細なことだと思っています。

で、ランマニアの場合はそれが結構うまくいき、その後もベストが出るときは、大抵この20〜30kmの「魔の区間」をうまく切り抜けられた時です。

そして今日の大迫くんです。

まさに20〜30kmの区間でいったん集団から離れて、意図してか否かは別として、終盤に向けて良い休養、準備ができたのではないか、と。

一方、井上くんは30kmまで果敢に先頭について、設定したタイムを頑に維持しました。それはそれで素晴らしいことです。しかし、あの終盤のペースの落ち方を見て、圧倒的にレベルは違いますが、かつての自分の失敗が思い出されたのでした。

井上くんに限らず、あのペースを維持した黒人ランナーの何人かは、終盤大迫くんにとらえられました。圧倒的な自己ベストタイムをもつ上位3名は仕方ないにしても、それに次ぐ4位ですから、もう最高の走りをしたと言って良いのではないかと思います。

こんなへっぽこランナーと超一流ランナーが同じ失敗をしているわけがない、と、私自身思います。

ですから、これは自分の失敗や成功と同等のものであると言っているわけではなく、あくまで、個人的な体験と今日のレースとがオーバーラップされて感じた感想である、ということです。

改めて、あの「魔の区間」をどう攻略するかが、自分にとっては重要になるなと感じさせられた、今回の東京マラソンでした。