出し切らずにやり切る

こんにちは、ランマニアです。

来年1月に予定していたある意味本命レースのハイテクハーフマラソン(公認)が中止となってしまい一瞬にして目標を失ったランマニアです。(そんな中毎日Twitterに「やるぞ、やるぞ」な勢いでツイートを上げている栗橋関所マラソンは本当にすごい。ゲストもすごい。)

しかし、そうした社会情勢に反して、自身の練習の方は先月あたりから確かな手応えを感じられるようになってきているのですね。

今年4月からダニエルズのトレーニングプログラムに取り組んでいるのですが、ここ数ヶ月は練習の中でその効果を非常に体感できています。

具体的に、そして端的に言うと、「脚が疲れない」。

ランマニアがトレーニングを継続していく上で、さらには絶対的な競技力の如何を問わず常に記録の向上を目指して取り組むアスリートを「競技者」と呼ぶならば、その「競技者」を続けていく上で最大のネックになるのは、このブログをずっと読んでくれている方には既知の事実ですが、自身が抱える慢性疲労症状です。

これとどう上手く付き合うか、あるいはこれを克服するかが自身の競技力に直結するわけでして、言ってみれば練習内容云々よりもはるかに大事なことだったりします。

「疲れやすい」

これは長距離を続ける上ではその競技の本質に関わるほど重大な問題であるので、常に言い訳にしたくないと考えていても競技力をスポイルするには確定的な要素になっているのですね。

しかしその「疲れやすさ」を、自身の肉体を鍛えることで「疲れにくさ」を手に入れ、それを相殺できれば結果的にプラス側に体力がシフトするのではないかと考え、春からのトレーニングを継続してきました。

今だから正直に言いますが、これはかなりしんどかったですね。

昨年以前のランマニアの練習パターンとしては、週に2〜3度のポイント練を入れ、間の練習は全くやらないかやっても10km程度のゆっくりとしたジョグ。このジョグも疲労を回復させることを目的としたものなので、今のような有酸素能力の開発・維持といった目的は全くありませんでした。ポイント練自体も、今のようなボリュームは全く確保できず、1000mなら3本、LT走でも20分未満といった、本当にお茶を濁す程度。

とにかく一度のポイント練による疲労が尋常でなく、一度それを入れるとその週の練習はほとんどダメになるか、長期にわたって不調に陥る、というのを繰り返していました。

なので、ダニエルズさんの練習計画に従ってトレーニングを継続していくなど、多分無理だろうなと思っていましたし、実際最初の頃は無理でした。

特に、ゴールドエリートプログラムの頃は本当にしんどく、週にある2回のQデーのうち片方は確実に撃沈していました。撃沈していましたが、あのサイクルで4ヶ月も練習を継続できたのはある意味奇跡で、遅いなりにやり切れていることに体の変化を感じていたものでした。

潮目が変わってきたのが今のマラソントレーニングを始めて2ヶ月あたりの頃。ちょうどトレラン・レースラッシュが一息ついて11月に入った頃ですね。

最も大きな変化は、1回のQデーの後の練習にかなり余裕が出てきたこと。結構ハードなインターバルやLT走、また距離の長いMペース走などの翌日の脚の状態が、非常に良好になっていることに気づきました。

具体的には、「今日別に落とさなくてもいいんじゃね」くらいの脚の状態、疲労の状態で、念のため60分ジョグとかで抑えていたものの、高校、大学時代のように二日連続で高強度練をやれと言われてもそこそこは走れそうな感覚を持っていました。脚の重さはあるものの気持ちで押していけちゃう、みたいな。

こうなってくると、毎週のQデーがそれほど憂鬱に感じなくなってきて(いやもちろん退勤後の夜の公園で激走するのはしんどいですけど)、多少の疲労があってもペースを落とせば最後までやり切れるだろう、と言う見通しを持って臨むことができるようになりました。

そして疲れがある状態でも、若干ペースを抑えて最後までやり切ってみよう、最後は出し切らなくてもやり切れる範囲で走り切ろう、と言う心構えでQデーに臨むようになりました。

学生時代は、最後に余力があるならそれを全て使い切って、振り絞って、練習では出し切るのが当然でした。ライバルにも負けたくなかったですし。

それが、現在は例えば本練習の初めの入りが想定タイムよりもかなり遅かったとしても、そこで気持ちが切れることもなく、じゃあ疲れてるんだろうからもうこの遅いペースでいいから最後までやり切ることを目標にしよう、と言うように途中で気持ちを切り替える、目標をシフトできるようになっています。

これはもちろん、今の練習がマラソントレーニングという、どちらかというと距離や時間を確保することが目標になる練習が中心だからと言うのもあります。

5000mのレースを目標にしていて、1000mのインターバルを3分20秒でいいや、なんて言うことはありえないわけですし。

そして、そのように「出し切らずにやり切る」ことを目標にできるのも、ある意味疲れにくい脚ができてきたからと言うのもあり、例えば一回のポイント練の疲労がかなり残っている状態であれば、最後までやり切ろうなどと思えるはずもなく、ペース上げて1本でやめようみたいな気持ちになっていたのが去年までです。

それが、脚はまだ動くんだから本数はこなそう、と思えるのも疲労が軽い証拠なのだと自分ではそう了解しています。

確かに、自分のここ数年のフルや5000mのタイムから考えると、練習時の実際のペースはかなり遅いことは否めません。果たしてこんなペースで走ってて練習になってるのかな、と思う時もあります。

しかし、この明らかに「疲れにくく」なった脚は今までのランマニアでは考えられない感覚です。月間350kmをもう半年以上連続で続けています。昨年までは300kmを超える月は年に2回あればいい方だった中で。

この「疲れにくさ」が果たして本当に走力につながっているのかを検証するには、やはりフルマラソンのレースに出るしかありません。5000mや10000mでは、どうしても無酸素よりの走力でカバーできてしまうため、ランマニアの疲労症状の影響があまり出ないからです。

せめてハーフでも、と思ってたところでの大会中止。

この検証の機会はもう少し先になりそうです。

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