こんにちは、ランマニアです。
さて、故障がちだった今シーズン前半は思い通りの練習ができず、何かとフラストレーションが溜まる毎日が続いていました。
そうした中、ここへきてようやく日々「練習できるのが当たり前」の日常が戻ってきて、なんだか最近は「毎日走れるだけでも十分」な、随分安上がりな自分になりつつあります。
とはいえ、ジョグを中心に据えながらも、徐々に走れるようになっていく体と対話をしているうちに「やっぱりスピードを上げたい!」と言う欲が出てくるのですね。
7月は軽いジョグで済ませ「走ることに体を慣らす」ことを念頭に置き、8月は引き続き長く走ることに体を慣らす一方、時には心拍数を上げ、体に対して「もっと負荷のかかる日常が来るぞ」と適応を呼びかける機会にしようと思っていました。
こうした体へ「変化のスイッチ」を起動させればいいだけなので、特にガチガチなインターバルや閾値走を入れると言うよりは、短い距離を少し速いペースで走り「ハアハア」と息が上がる機会を定期的に取り入れようと試みました。
それが、8月に入ってから始めた週1回のショートレペ(200m〜400m)ですね。
第1週は試しに8本ほど入れてみたのですが、驚くほどこのスピードに脚が慣れてなく(たかだかキロ3ペースですよ、たった200mで)、自分自身の劣化具合に愕然としました。
もちろん、1本や2本そのペースで走る分にはなんともないのですが、4本、5本と本数を重ねていくうちにいわゆる「脚が止まって」、呼吸も苦しくなりました。
おいおい、キロ3ペースで200mを4、5本だぞ、となんとも情けない気持ちになったのですが、よくよく考えれば半年以上もこうしたペースが封印されていたわけですから、自分自身がただの「ジョギングおじさん」になってしまっていることを認めなければならないきっかけにはなりました。
ただ、こんなおじさんでも一度こうした「刺激」が入ると、ちゃんと体は応えてくれるのですね。
翌週はトラックでしたが、同じく200mをもう10本軽快に走れるようにはなりました。もちろん、終盤は努力度も増し、それなりに脚は止まりかけましたが、一歩一歩力強く地面を蹴り進め、ギリギリフォームも崩れない程度にこなすことができました。
そして今日は、このショートレペティションの3回目。今回はいつもの200mではなく、400mのレペにしてみました。
目的としては、これまでのように絶対的スピードを高めて(と言ったって自分にとってはたかだかキロ3ペースですが)、神経系と筋の連携、筋の収縮速度、高い心拍数を維持する、と言うよりは、1分以上VO2よりは速いペースを維持して、無酸素系のエネルギー供給系が優位な状態でしばらく走る、ということを目指しました。
これは、いずれLTペースやVO2ペースでの、ちょっときつい練習を入れなければならない時が来るまでに、体に「生活の中にこういうことも入ってくるんだぞ」と働きかけ、体に「変化のスイッチ」を起動させるためなのですね。
前述したとおり、今回は故障期間があまりにも長く続いたことで、気持ちは「ガチなアスリート」でも、体は「ジョグおじさん」なのです。
気持ちとしてはまた以前のような3分Iペースを5本とか、LT走をトータル8kmとかを今すぐにでもやりたいと思うのですが、今の体の回復力や筋力では「即故障」になるのは目に見えています。
今はとにかく、軽い練習でもそれを確実にこなし、一定期間継続していくことが重要だと思っています。
ところで、今日の練習では当初400mを10本ほど走ってみようかなと思っていました。
前回の200mの感じでは、一本を400mに伸ばしても10本くらいはいけそうな感覚だったのです。
しかし、ちょっとここのところの疲れもあり、脚の動きも悪く、またその状態で無理にペースを維持しようとするものですから、ふくらはぎにも負担がかかってきてしまったので、まだまだ余裕のある5本で練習を切り上げました。
10本の予定が5本で終了ですから、これは相当な「敗北感」ですね。
しかし、過去のブログでも何度も書いてきたように、練習の最終目的は「持久的パフォーマンスを向上させること」にあり、ひいてはレースを走って記録として残すことにあります。
今日の練習を予定通りこなして一時的な「満足感」を得るためではないのですね。(いえ、そのために走ってる人はそれでいいのですが)
いわば「今日の満足感ではなく、未来の達成感」を目標に日々の練習に取り組んでいるわけで。
これも何度か書いてきましたが、本当に長距離という競技は「満足の遅延」「遅延的な報酬」を意識しないと、決して続かない競技だと思っています。(その中にも、軽快にスピードを感じられる楽しさ、気持ちよさ、そんな「目先の満足」も見出すこともできるのですが)
今日の練習、400mを10本こなせば、間違いなく充実感でいっぱいになる。その後の飯も美味いに決まっている。ドヤ顔でツイートもできる(笑)。
それはわかってるのですが、もしその代償として再び故障を誘発し、しばらく練習から遠ざかる羽目になり、積み上げてきたものがまたリセットされると思うと、「今日の満足感」などどうでも良くなるのですね。
学生時代になかった考えとしては、練習は今日1日のそのメニューで考えるのではなく、昨日からの疲労や明日のメニューへの継続性、もっと言うと一週間、さらには一ヶ月単位でどう続けていくか、と言うことまで考えて取り組まなければならないということです。
昨日のジョグを90分でやめたのも、今日の400mを5本でやめたのも、全ては明日のため。次の一週間のため。最終的には8月の一ヶ月をトータルとして考えるため。
なぜなら、トレーニングによって体が変化していくには数週間から数ヶ月を要するからなのですね。
今日1000m×5やったから5000mのタイムがさらに縮まった!って言うのは、はるか昔中学高校の頃の話。
時間をかけて失ったものは、時間をかけて取り戻すしかないんですね。