「生真面目ランナー」より「気まぐれランナー」

こんにちは、ランマニアです。

多くの長距離ランナーは、基本とても真面目です。特に、社会人になっても競技を続けているような人は、競技に対するモチベーションも高く、練習も熱心に取り組む人が多いです。

これ、長距離・マラソン、という種目の特性なんでしょうね。

長い時間、同じ動作を延々と続ける、苦しくなってもその苦しさを我慢して耐え忍ぶ。

こういう競技が向いている人って、やっぱり真面目な人なんだと思います。

ところがです。

かなり若い頃から競技を続けている人は、なんとなくうすうす感じていることだと思いますが、部活やチームの中でエース級の人とかずば抜けて速い人って、なぜか「生真面目」に地道に練習を続ける人よりも、「気まぐれ」で練習している印象のひとが多かった気がしません

ランマニア自身、高校時代の陸上部がかなり強かったんですが、インターハイに出た二人のランナーはまさしくこのタイプ。

「なんかおれ、今日疲れてるから走るのやめとくわ」

とか、

「よーし、今日なんかやる気あるからちょっと本気出すぞ!」

とか言って、その日の気分で随分練習に対するイレコミ方が違うんですよね。そして、ふつーに練習サボる

さらに、大学時代の後輩でも、5000mが一番速かった後輩は、研究室のゼミがあるとかなんとかで、全体練習にはほとんど参加せず。でも、気まぐれ的にいきなりインターバルを一人でやってるのを見かけたり。なんでそんな気まぐれな練習で、あんなに速くなるんだよ(5000m14分36秒)と、いつも釈然としない気持ちでした。

一方で、毎日地道に練習するタイプの選手は、そこそこは強くなるものの、なんだかんだで怪我とか体調壊すとかで、劇的な記録向上は見られず、小さくまとまってしまう傾向がありました。ランマニアも、まさにこっちのタイプ。

これ、なんでだろうと、ずっと思っていたのですが、最近になってようやくこの謎が解けた気がしたのです。

いや、なんてことのない、謎なんてたいそうなものではないのですが、単純に、私たちは「練習のやり過ぎ」だったんじゃないか、と。

彼ら「気まぐれ」タイプは、たしかに「練習量」とか、「地道さ」という尺度で測れば、ビックリするほどいい加減なんですが、一方で、その分ポイント練習にかける集中力とか力の振り分けかたはある意味レースなみなんですね。なぜ、練習からそんな「全開」で走れるのか。

それは、「疲れてないから」なんじゃなか、と。

さっきも言いましたが、彼らは「平気で」練習休むんです。「疲れていれば走らない」「気乗りしなければ走らない」そんなの当たり前です

いわば、体に素直なんですね。

一方、地道コツコツタイプは、疲れていようが調子が悪かろうが、予定した練習をちゃんとこなそうとします。いや、それも大事なんですが、しかし、ヘタをすると「練習をこなすことが目的」になっている可能性が非常に高い。もっと言えば「月間走行距離」に縛られている「月間走行距離の呪縛」参照)。

ランマニア、ようやくこの年になって「サボる」ことを覚えたんです。

「今日、疲れてるからやめよう」とか、「調子がいい時だけポイント練やろう」とか、そういいきかせて、思い切って休む。

なんと、これが効果てき面だったんです。

調子は長い期間維持できるし、なにより、ポイント練の質を高めることができるので、練習効果も遥かに上がるわけです。

心拍数を上げるのが目的のインターバルトレーニングをやるのに、疲れ切っていたら、ペースも上がらず心拍数も高い値を維持することができないのです。

ああ、そうか、と思いまた。

あの「気まぐれ」な後輩たちは、常に疲れがない状態でポイント練に参加していたんだ。だから、私たちよりも遥かに体を追い込むことができ、結果、トレーニング効果が上がってたのか、と。

「休養」は、負荷をかけてダメージを負った体を回復させる効果がありますが、もう一つ、「練習の質を高める」効果も見逃せないと思うのです。

そして、特にポイント練習は「質が命」です。どれだけ負荷をかけられるか。ここがポイントです。

だから、「休養」は練習の質を高めるためにも、どうしても必要な要素なのだと思っています。

「気まぐれランナー」は、意図せずその「休養」を適度に入れて、常に質の高い練習をこなせる体を維持していたのだなぁと、ようやくわかってきたのです。

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