まさか都内でバーティカル?〜「東京バーティカルレース」コースを一足先に試走してきました〜

こんにちは、ランマニアです。

もうこうなったら有給取るなら今しかない、と昨日も先週に引き続き平日休みをもらって山へ行ってきました。

都内は檜原村にある大岳山

大岳山と聞いてピンときたそこのあなた、きっと関係者(?)ですね。

そうなんです。今年のスカイランニングジャパンシリーズのバーティカル部門(なんのことやらさっぱりな方は検索してみてくださいね)の第2戦目が、ここ都内の檜原村が舞台に選ばれたのです。

これは事件です。ものすごい快挙です。

なにせこのスカイランニングの舞台は、通常、群馬や長野など急峻な山々が連なる山岳地帯が選ばれることが多く、累積標高1000m弱を数kmで一気登りできる急で長い登山道のある山でなければ実現し得ないスポーツだからです。

それがまさか都内にです。

正直ランマニアは疑っていました。

昨年出走した長野県烏帽子岳のバーティカルレースのような、あのランナーの大腿四頭筋をことごとく破壊し尽くす猛烈で終わりの見えない急登なんぞ都内に存在するわけがない、と。

そしてランマニアはどうしても確かめたくなったのです。この目で見たくなったのです、「都内にあるバーティカルコース」とやらを。

結論から言いますと、

ランマニアは完全に舐めていました。(ごめんなさい)

これは正真正銘のバーティカルコースでした。

通常我々が出場するトレイルランニングレース(スカイランニングやバーティカルレースも含む)の舞台となる山のほとんどは、別の山と稜線で結ばれている「連峰」です。いまいちピンとこない方は、これと対照的な言葉の「独立峰」をイメージするとわかりやすいです。

日本で最も有名な独立峰はいうまでもなく富士山です。トレランの舞台で独立峰が選ばれることは極めて稀で、そういう意味では「富士登山競走」はかなり特殊なレースといっていいでしょう。

そんな「連峰」が舞台になるスカイランニングのコースは、ある山頂を目指す際に、2段階のセクションがあるとランマニアは考えています

連峰はその名の通り、稜線、尾根によって隣の山頂が結ばれています。ですから、山頂を目指す際には、まずはその尾根の部分、稜線を目指すことになります

で、たいがい、この稜線にとりつくまでの登りがとんでもなく急で、ここでかなり脚をやられることになります。正直、ランマニアの脚力では走り続けることができず、終盤は「歩き」専門になります。

そして、稜線に近づけば近づくほど勾配はどんどん急峻になり、ランナーを激しく苦しめます。

さて、そうやってようやく稜線に辿り着き、しばらく穏やかな尾根道を軽快に走れるわけですが、そんな時間はそう長くは続きません

最後のピークを目指す急登にとりつくからです。

スカイランニングやバーティカルレースでは、最も急な登り坂(いや壁ですね)が最後に待ち受けているのです。

どれほど急かといいますと、足だけでは登ることができず、両手を使ってよじ登らなければ先に進めないほどの急坂です(だから壁なんです)。下手をすると累積で100mとか200mとかこれが続くこともあります。稜線までの登りで、たいがい脚は終わっている中で、です。

この2つのセクションをいかにして攻略するか。これがスカイランニングのポイントだと思っています。(スカイレースの場合は下りもポイントになりますが)

で、こんな過酷さを絵に描いたようなコースが、都内にもあったのですよ。

このバーティカルレースの舞台となる大岳山への登山道は、古来から使われてきた非常にクラシカルで伝統的な参拝登山道です。ですが今ではほとんど使われなくなってほぼ「古道」と化した忘れ去られた存在だったようです。

なぜそうなったのか。

走ってみればわかります。めちゃくちゃきついからです

この大岳山は、登山ガイドを見るとほとんどは「途中までは御岳ロープウェイを使ってね」と快適な登山道を推奨しています。こっちの元来の参拝道を勧めているサイトはほとんど見当たりません。それほど「きつい」ということです。

そして、先ほどから書いているスカイランニングの典型的なコース設定が忠実になされている、いわば「最短距離で山頂に到達する快速登山を具現化したものとなっています。

最短距離だからこそ「きつい」のです

さて、実際の登山道は、参拝登山道らしく鳥居をくぐると、そこからいきなり全開で始まります。はじめはやや勾配が緩めなものの、少し走ると急な斜面をつづら折りで登り続けることになります。この区間が非常に長く、ランマニアは途中から歩きました。

これくらいの勾配が延々と続きます。

登っても登っても終わりは見えず、いつまで続くのかと気持ちが折れそうになった頃に、ようやく稜線に辿り着きます。

ここで稜線に出会います。ここを左に向かい、しばらくは尾根道を快適に走れます。

ここから約1.6kmは唯一快適に走れる尾根道区間です。ここで力をためて、最後の急登に挑む準備をします。

そして2回目の鳥居をくぐったところから、いよいよ本格的な岩場が始まります。ただし、長野のレースで多く見られるピークまでの岩場ほどは長くはないので、もうここから最後の力を振り絞ってスパートをかけても問題ないでしょう。

はい、最後はお決まりの岩登り。もはや「ランニング」ではないですね。

山頂は思いのほか広く、富士山までを一望できます。晴れていれば絶景ですね。

さすが東京都。百名山でもないのにこの立派な石碑。

そんな、都内にあった奇跡のバーティカルコースは来たる6月6日にレースの舞台となります。日本スカイランニング協会公認のジャパンシリーズ公式戦です。

これは盛り上がりますよ。

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