こんにちは,ランマニアです。
4月から4ヶ月にわたって継続してきたダニエルズさんの「体力向上のためのプログラム」。
そもそもこれを開始することになった経緯は,コロナ禍で大会が軒並み中止となり,しばらく練習にじっくり取り組める時間ができそうだったから,ということでした。
確かに改めて振り返ってみると,ランマニアの場合は9月10月はトレランやトラックレース,11月からはロードや駅伝,それが3月くらいまで続いて,また5月からトレランが始まる,という具合で,とにかく落ち着いてトレーニングを継続する生活をほとんど送れていなかったのですね。
それ以前に,ランマニアにとっては疲労との付き合い方が最大の課題ですから,本格的なトレーニングを積んで走力を着実に高めていく,という競技への取り組み方はもうできないものと思っていました。1000mのインターバルなんてよほど調子が良くなければ5本はできませんし,3本だってやっとの状態でしたから。
そんな背景があり,本来なら毎月のようにレースに出ているような時期に全くレースがない。逆にこれはこれまでしっかりと取り組めなかった練習に,もう一度向き合えるチャンスなのではないか,と思ったのですね。
そこでいつもお世話になっているダニエルズさんのトレーニング計画をもう一度読んでみたところ,そもそも本格的なトレーニングを開始する前の準備段階で行うと良い,という「体力向上プログラム」に目が止まりました。これは直感的なんですが,なんとなく,「これならやれそう」と感じるような内容だったんですね。
このプログラムには競技の経験値やレベルに応じて幾つかの段階があり,説明を読んでいると,どうやらランマニアは最もレベルの高い「ゴールドエリートプログラム」がちょうどいいことに気がつきます。「え,エリートかよ」って一瞬ひるみましたが,内容を見ていると,間のジョグのペースを抑えればギリギリ取り組めるのではないか,という本当にスレスレのラインでした。まあ,無理なら量を減らせばいいわけですし。
そんな経緯で始めたことのプログラム,もうその経過についてはこれまで何度も触れましたのでそちらを参照してもらえればと思いますが,では実際やってみて,「体は変わったのか?」これがとても大事ですよね。
フェーズⅠでは,4週目に右ふくらはぎに軽い痛みが出て大事をとってそこで終了。Rペース400mとTペース20分を週に一回ずつ繰り返す比較的軽めのフェーズ(走行距離も310km程度)であったにもかかわらず,ふくらはぎに来てしまったんですね。
次のフェーズⅡは,初めて全練習メニューを忠実にこなすことができました。これは自分でも驚きで,常に疲労状態を抱えていながらもどうにか1週間を回せるコツみたいなものが掴めたようにも思いました。そして何より大きかったのは,このサイクルで続けてもどこも足が痛まなかったことでしょう。このあたりからいわゆる「脚ができてきた」実感がわいてきました。
フェーズⅢはダニエルズさんが言うように,最もきついフェーズで,ランマニアの疲労状態では案の定全てをこなすことはできませんでした。特に,Hペース(きつペース)4分間を5本繰り返すインターバルはもうとにかく脚が動かなくなってしまい,久々に疲労によって練習をやめなければならない状態になりました。しかしそれでも,ようやく3週目で初めてこの4分H×5をやり切ることができたので,この時も体力がついたことを実感しましたし,疲労状態があってもこれをこなせるだけの回復力が身に付いたと感じました。
そしてフェーズⅣについては前回述べたとおり,フェーズⅡ以来のメニュー完遂でした。このフェーズは初めに内容を見た時から,今の体力ならそれほど苦労せずにやり切れるだろうと言うイメージは持てていました。
この「イメージをもてた」と言うのは,自分の中では結構重要だと思っていて,自分の「感覚」でこれはやれそうだ,このペースでは行けそうだ,と言うのが実感できるときは,実際にそうできてしまう,と言うのがこれまでもありました。詳しいことはわからないのですが,なんとなく,自分の身体的な状態について人間はある程度経験と照らし合わせて,大まかなイメージを持つことができる生き物なんじゃないかと,昔から思っていました。
この辺りのことを言葉にするのはとても難しいのですが,例えば,今日のインターバルを3分10秒で行け,と言われたときに,ああそれなら楽そうだ,と思える感覚や,3分05秒で行け,と言われると,いやそれはきついだろ,と感じる感覚。こう言うのは比較的ハードにトレーニングを積んでいる方ならなんとなくイメージできる感覚なのではないでしょうか。
そうやって色々と考えていると,結局,今自分の中で大きな変化があるとすればそうした「これくらいならやれそう」と言う練習の量なり質なりペースなりが,このプログラムを始める前よりも一段上に上がった気がするんですね。こう言うのを,もしわかりやすい言葉で表現するのなら「自信」に他ならないのかもしれません。
つまり,4ヶ月前と今が最も大きく違うのは「自信がついた」と言うことなのです。
なんだそれ!って思われそうですが,この「自信」と言うのは,何も「これだけの練習やったんだからもうフルで2時間30分切れんだろ」と言うような「根拠のない自信」みたいなものではなく,自分がイメージできるもののレベルが上がったと言う「経験からくる自信」なんですね。これは,最大の変化と言っても過言ではありません。
4ヶ月練習して変わったのはそんなことかよ,と思われそうなので,もう一つ明らかに変わったのは「脚が痛まなくなった」と言うことですね。これもランマニアにとっては非常に大きいことです。
確かに,ちょっと短距離ダッシュをやりすぎて右の臀部から二頭筋にかけてが今ものすごく痛いんですが,それ以外の,いわゆる「長距離ランナーがよく痛める場所」については毎日不安なく走れているのです。ふくらはぎとか足底筋とか。
フェーズⅢからⅣにかけての2ヶ月間は,IペースとTペースがバンバン入ってきて,これまでだったら確実にふくらはぎをやってもおかしくない状態でしたが,結局一度も「チクっ」と言う痛みは一度も出なかったです。
と言うより,こういう脚の状態になってみて初めて,これまではいかに脚ができていない状態でインターバルとかをガンガンやってしまっていたんだな,と今更ながら気がついたところです。
こうして振り返ると,このプログラムを通して得られたものは,「走れることをイメージできる自信」と「少々のことでは怪我をしない脚」だったようにも思えますね。
この辺りは,今後マラソンプログラムを開始したときにわかってくることでもありそうです。