ランニングエコノミー

こんにちは、ランマニアです。

以前、持久的能力を決定するのは、最大酸素摂取量と無酸素性作業閾値であると述べました。

世の中のランニング研究者やプロのコーチの方々も、おそらくこの2点が現時点で明らかになっている持久的能力を決定する大きな要素であることには異論はないと思います。

そして、実はもう一つ、長い距離を出来るだけ効率よく、省エネで走ることで、相対的に持久的能力が高まったのと同等の効果があるとされているのが、「ランニングエコノミー」という考え方です。「走りの経済性」とも言われています。

これ、簡単に言えば、走る時の「フォーム」のことです。

走る時のフォームが、出来るだけ効率よく、少ない運動量で大きな推進力を発揮できれば、そうでない人に比べて、長く走れるのではないかという考え方です。

これについては、色々な考え方があります。

卵が先か、鶏が先か、と同じ理屈で、

「速いからフォームが綺麗」

なのか、

「フォームが綺麗だから速い」

のか。

これは難しい問題ですね。ランマニア的な印象では、「遅い人に綺麗なフォームの人はいない」という感覚です。でも、「速い人でも変わったフォームの人はいる」とも感じています。

何が言いたいのかというと、ランマニア的には、「ランニングエコノミーはあくまで持久的能力の周辺的な能力」という考え方です。本質ではない、と。

フォームを変えることで、劇的に持久的能力が向上し、それだけで突然速くなることは、少し考えにくい、と、経験上感じています。

持久的能力の本質は、あくまで最大酸素摂取量無酸素性作業閾値であり、そこへのアプローチがまずは第一選択肢だろう、と。

ただし、そうしたトレーニングをするにあたって、

「できる限り効率の良い、経済性の高いフォームで走ることが重要である」

と考えています。

実は、ランニングのフォームを変えることは、そう簡単なことではありません。

人間は一人一人、骨格や筋肉のつき方、筋肉の柔軟性、関節の弛緩性、それからどの部分に力が入りやすいか(脳からの指令が届きやすいか)といったことは皆違うわけで、その人の一番心地よい走るフォームがあるからです。それを、半ば強制的に修正しようとすると、必ずどこかに歪みが来る、とランマニアは考えています。

ですから、私たちが何気なく自然と走り出そうとすると、自分のやりやすい、心地よいフォームが形成されるので、そのフォームでの筋肉、筋力、走力がついていきます

そして、もし、そうして身についたフォームのランニングエコノミーが低ければ、非常に効率の悪いフォームでの走力しか身に付かなくなってしまうのではないか、と、考えるのです。

で、一度身についたフォームを修正するのは並大抵のことではなく、またそのフォームでの筋力を作り直さなければなりませんし、怪我のリスクも高まります。

何が言いたいのかというと、もしフォームをいじるのであれば、

これからランニングを始めようとする人は、最初から経済性の高いフォーム(これは次回紹介します)で練習をする

ある程度染み付いてしまったフォームを変えるのなら、少しずつ時間をかけて変える必要がある

ということ。

もうある程度の走力のある人が、ちょっと走りを変えればいきなり速くなる、というようなことはあり得ない、とランマニアは考えるのです。これは、ランマニア自身がフォーム改造に繰り返し取り組んできた経験から感じることです。

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