取り越し苦労ではあったものの

こんにちは、ランマニアです。

先日の怪我騒ぎから2日経ち、今日はあろうことか120分ジョグをしている自分がいました。

まったく人騒がせな、と言ったところですが、まあ兎にも角にも「走れなくなるほどの」怪我ではなくて一安心でした。

Twitterにも冗談めいて書きましたが、ランマニアのふくらはぎの肉離れ症状にはいくつかの段階があり、今回はその中でもかなり初期の症状だったのですね。

人生初のギブス

ランマニアの経験した最大の肉離れは文字通り「本当に切れた」肉離れ。

噂には聞いていましたが、断裂した部分に内出血が起こりベコっとへっこむほどの重症具合。見るからに「こりゃ終わったわ」と絶望するほどの強烈な印象で、着地すら無理なので人生初のギブス着用。車の運転もできませんから、ただでさえ歩くのが非常に困難になっているのに移動は全て歩き。

この時の経験が、自分の中での肉離れスタンダードになっているのですね。なので、「ここまでには絶対してはいけない」というブレーキがかかるため、「ちょっとやばい」段階ですぐにやめるようにしているのです。

やっぱり初期対応が重要

で、一昨日の練習でもLT走の2本目スタート時に「これはまずい」という張りを感じたため、まだ走れたもののこれ以上やる意味はないと判断して練習を中止しました。

このふくらはぎの損傷は、経験上「切れた」か「切れてない」かの状態でその後の経過がまるで変わってくるのです。

内出血まで行かないにせよ、軽く切れてしまった状態(痛っ、となった状態)にしてしまうと、ジョグで繋いだとしても慢性的に症状が継続してしまいます。

そして、接地を工夫して症状を抑えようとしても、切れてない別の繊維により大きな負荷がかかってしまうため、さらに別の場所が切れる、という非常にまずい悪循環に陥るのですね。

切れる前には必ず予兆がありますから、それにいち早く気づき、張りを感じたらすぐに強度の高い練習を中断する、というは自身の肉離れ防止法の定番になっています。

なので、今回は結果的に大事に至らず「取り越し苦労」に終わったわけですが、その取り越し苦労こそが怪我の防止につながるものと思っています。

力の入れ方を調整する

とはいえ、力を込めればまたすぐに強い張りが発生し、いつまで経ってもVO2Max程度までスピードを上げた練習ができないままになってしまいます。

また、完全に休んでしまって脚全体の筋力の低下を招いてしまえば、今度は筋力不足から逆に練習の強度の耐えられない脚になって怪我を誘発しやすくなってしまいます。

この辺りが難しいところなので、こうなってしまった時は結局「やりながら治す」という折衷案を採用します。

ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)は主に足裏の前の方で地面を捉えて「ジャンプ動作」を発生させるときに使う筋肉です。つまり、体を上方に跳ね上げるために使える筋肉です。

でも、単純に上方にだけベクトルを大きくしても前に進みませんから、他の筋肉や関節・腱を利用して前方方向に力をかけて走っているのですね。

この「上への力」を抑えて「前への力」に配分を大きくすれば、多少はふくらはぎへの負担を軽くすることができます。

例えば、今日のようなジョグペース(キロ5からキロ4分半くらいまで)では、「前への力」が優位でもどうにかペースを維持することができます。

ふくらはぎを使って「パーン」と跳ねなくても、前へは進むわけです(遅いですが)。

そうすると、相対的にふくらはぎへの負荷を減らすことができますから、「走る距離を減らさず負荷を減らす」ことができるのですね。

なので、今日もできるだけ足の後ろの方を使って(リアフット)走るよう心がけた結果、ほとんどふくらはぎを張らせずに2時間も走ることができました。

やれるのはMペースまでか

さて、今日2時間走れたことで、結果的に先週はQデーを一回飛ばしただけ、という結果に終わりました。

今週はちょうどいいことにMペースの週になります。

ランマニアのMペースはキロ3分45秒程度ですので、やはりこの「ふくらはぎ」の力を借りなければ維持できないペースです。

今の状態ではちょっと危ない感じです。

ですが、おそらく今日の感じではキロ4分であればふくらはぎに強い張りを生じさせずに走ることが可能ではないかと考えています。

これは理論上はMペースとは言えないものですが、「M域」で使う筋肉は動員することができ、動き自体もそれに近づけることができると考えています。

また、あまり心拍数を上げない時期を長く続けてしまうと、心筋も衰えていってしまうので、脚に負担をかけない程度に心拍数を上げておきたいと思っています。

あくまで趣味なので

多くの人は、「心拍数を上げるなら、水泳やバイクもあるぞ」って思われるでしょう。

まさにその通り。

水泳やバイクなら脚に全く負担をかけずに心拍数を上げることができますね。

でも、ランマニアは泳ぐのが嫌いなんですね。

バイクも、日本の道路事情では自転車は事故の危険性がかなり高く気持ちよく漕げる場所というのがなかなか見つからず。

結局、走るのが好きなんです。走るのが趣味なんですね。

競技志向でバリバリ強くなりたいくせに、こういうところで「やっぱり趣味」が出てしまうのです。

「速くなりたいくせに、嫌いなことはやりたくない」

いや本当にわがままです。


好事魔多し

こんにちは、ランマニアです。

ついにやってしまいました、ふくらはぎ。

この1年間、ずっとなかったんですけどね。やはり先日の10kmロードの負担は相当なものがありました。

ことの発端は、やはりあの関所マラソン。

まあとにかくあの日の記事にも書きましたが、ここ数年では最も調子の良い状態で、久しぶりに脚の力が全て靴を伝わって地面に届けられ、フォームもペースも自分の思いのままコントロールできる状態。

レース運びもタイムも全て納得のいく結果となったわけですね。

しかしそういうレースは逆に考えると脚には物凄く大きな負荷がかかっていることの現れで(グリップのいいタイヤを履いてエンジンのパワーがロスなく路面に伝わると車のボディにも負担がかかるように)、本当は怪我のリスクが非常に高まった瞬間でもあったのです。

実はレース中にも兆候はありました。

そうですね、ラスト2kmから1kmだったでしょうか、右脚のふくらはぎが急速に張っていく様子が感じられました。

当然ラスト1kmあたりですからもうやるしかないわけで、多少の強い張りなら最後まで押し通してしまえ、と思ってスパートをかけたのですね。

幸い、ゴールまではなんとかその状態が悪化することもなく、ふくらはぎパンパンだなぁくらいで済んでことなきを得ました。

問題はその後でした。

ランマニアは、実は普段「ダウン」と言うものをほとんどしないのですね。

理由は単純です。レースで出し切ると、もう疲れて走りたくないからです。

もちろん最後に軽く体を動かして血流を増やし、体内の疲労に関わる物質の代謝を良くした方がまあいいのでしょうけど、もう疲れ切ってしまっていると「帰り道がダウンだよ、それでいいよな」的な気分になってしまい。

先日のレースでもいつもならそうしていたはずです。しかし、会心のレースをしてしまった時は、ゴール後も気分がいいのですね。めちゃくちゃ爽快で。

あろうことか、一緒に走った仲間に「ダウンいこうか!」とか誘ってしまったわけですよ、調子に乗って。

ランマニアを知るランナーなら「ランマニアがダウンだとよ!」と驚くはずです。

まあ本当に調子に乗るとろくなことがないわけでして、この「余計な」ダウンの最中、ついにふくらはぎが音を上げ、切れるところまで入っていないものの「この痛みはやばいやつだ」と感じるような一段階上の痛みが襲ったのでした。

当然、「ごめん、ちょっとふくらはぎやばいからやめる」とすぐにやめたのですが、その後も前足部で踏ん張るだけで少し痛みが出るほど強く張っていました。

とはいえ、このあとはしばらく休養だし、次週もE週間だからジョグだけしてれば良くなるだろうと、割と楽観的に考えてはいました。

実際、その後は軽いジョグや登山、それから意外とトレイルは負荷が分散しますのでそうした工夫をしながらジョグで繋いでいるうちに、痛みもほとんど消え、昨日の時点では張りもほとんどなくなっていたのですね。

なので、今日はやれそうだな、と思っていたのですが、やはり「レース後2週間は要注意」のマイルール通り、今日の練習で再び強い張りが出てしまいました。

もちろん、切れるほどの重症ではありませんし、ゆっくりとしたジョグなら問題ありません。着地の仕方を工夫すればおそらく痛みも出ないでしょう。

ただ、キロ4分30秒以内はまず無理です。

つまり当分はMペース以上で走ることはできません。

まあ事実上、練習ができないのと同じですよね。

せっかく積み上げたものが数週間でだいぶ元に戻ってしまうのが非常に残念ですが、考えてみれば昨年は非常に順調にことが進んだ年でしたし、最後にいいレースができました。なので、一度体をリセットするにはいい機会なのかもしれません。

それと、明日軽く走ってみて、もしスローなジョグが大丈夫なら、ゆっくりとしたジョグにじっくり取り組むにはいい機会かもしれません。

ランマニアのジョグは通常でもかなり遅いのですが、それでもキロ5くらいまでは上がりますから、それよりもずっと遅い、特に下腿の反発をほとんど必要としないようなペースのジョグをする機会というのは貴重かもしれません。

昨年8月のハムストリングス付着部炎以来の練習を中断する故障ですね。

そう言えばあの時もダニエルズ練開始後4ヶ月でした。

だいたい4ヶ月あたりが一つの様子見ポイントなんですかね。



引き伸ばされたら引っ張り返す。倍返しな筋収縮。

こんにちは、ランマニアです。

長らく万全な状態で走れず、悶々とした日々を過ごしていたランマニアでしたが、今日は久々にキロ4なんていう「ものすごく速い」ペースで走ってみて、やっぱりランナーは速く走ってなんぼだよな、と実感したところです(キロ4が速いというのに語弊がありそうですが)。

一昨年悩まされた足底底筋膜炎にしろ、ふくらはぎの肉離れにしろ、アキレス腱炎にしろ、そして今回のハムストリングス付着部炎にしろ、実はすべてある共通の傷め方があるのですね。

これらの部位はほぼ全てが筋の付着部(解剖学的には「起始」と「付着」は厳密に分けなければいけませんが、ここでは便宜上筋が骨にくっついているところを全て「付着部」と呼んでしまいます)の炎症で、つまりは筋が骨とくっついているところというのは非常に力がかかって傷めやすい場所なんですね(ふくらはぎの肉離れは付着部よりもう少し中よりですが)。

私たちは走る際に何度も何度も筋収縮を繰り返し、そうすると当然筋肉がくっついている部分には多大な力とストレスが繰り返されるわけで、それがその日のうちに回復すればいいのですが、次第にその回復が間に合わなくなっていくうちに炎症が引き起こされ、痛み、つまり故障が発生するわけです。

そして、そうした筋収縮には、その力の発揮の仕方によって幾つかのパターンがありそのパターンによっては比較的負荷のかかりやすい「あぶない」筋収縮があるのですね。

そのあぶない収縮の一つが「伸長性の筋収縮」、つまりエキセントリックな筋収縮です。

「収縮」なのに「伸長性」という文字通り矛盾をはらんだこの言葉通り、なんとなくヤバそうな表現ですよね。まさに「引っ張られながら縮もうとする」もんですから。

筋は収縮することで力を発揮するので、関節を折り曲げて筋の長さを縮めながら筋力を発揮するのが力学的には自然な状態です。

例えば、鉄棒にぶら下がって懸垂をするときを想像してみてください。鉄棒を逆手に握って懸垂をしようとすれば、おそらく多くの人は肘を曲げて上腕二頭筋(二の腕)を収縮させながら筋力を発揮するものと思います。このように筋を縮めながらの筋収縮を短縮性筋収縮(コンセントリック筋収縮)と言ったりして、筋にかかるストレスは比較的軽めだと言われているんですね。

一方で、肘を屈曲させて鉄棒に上り切った状態から今度はゆっくりと降りていく際にも実は上腕二頭筋がしっかりと機能しているのですね。腕には全体重が掛かっていますから、そのまま筋力を0にしてしまうとストーンと落っこちてしまいますから。それを防ぎながらゆっくりと降りてくるには、少なからず筋力を発揮しながら下さなければなりません。

しかし、この時の上腕二頭筋は肘の関節が開きながら筋力を発揮している状態、つまり「伸ばされながら」筋力を発揮している状態なので、筋は次第に引き伸ばされていきます。でも、筋力を発揮するには筋「収縮」を行わなければならないため、「伸ばされながら収縮する」結構無理なことを行っているわけですね。

こんな真逆なことを行えば当然筋には過大なストレスが掛かってしまうわけで、先ほど話した筋の付着部なんかにも大きな負荷が掛かってしまうわけですね。

つまり、このエキセントリックな収縮こそが「あぶない」収縮と考えています。

では、ランナーの「あぶない」筋収縮はいつどこで起こっているのでしょう。

教科書的には地面に足を接地した瞬間、そこから蹴り出す瞬間のふくらはぎがあたりが代表的なところでしょうか。

詳しくはバイオメカニクスや解剖学の教科書を見れば書いてありますが、要は着地の瞬間や蹴り出す際は、ふくらはぎの筋が伸ばされながら力を発揮しなければならないので、伸長性の筋収縮が起こっているはずですよね。だからフォアフット接地で走っていると肉離れをしやすくなるんですね。引き伸ばされてるのに「引っ張り返す」わけですから。

そんなことで、特にランマニアにとってのふくらはぎは、肉離れやアキレス腱炎に繋がるとっても危ない場所なのでとにかく走っている時には常に注意をしているところだったのですね。また、足裏のアーチを形成している足底筋膜炎もかかと部分の付着部に炎症が起こることから、やっぱり「接地」には気を使うわけでして。

しかし、今回ランマニアが故障してしまったハムストリングスの付着部というのは、ちょっと意外な場所だったのですね。というのも、ハムストリングスは基本、膝関節を屈曲する際に筋力を発揮する筋肉で、フェーズによってはエキセントリックな筋収縮が起こるでしょうが、基本的には関節を曲げながら力を発揮する場所だからです。

もちろん、コンセントリックな収縮が基本でも筋には負荷がかかるので、それで故障することも考えられますが、ランマニアくらいの走力、筋力でそこまで負荷をかけるのはむしろ難しい気がしていました。

ところが、足を痛めてからジョグをしようとした時にあることに気づきました。

痛みが発生する瞬間の脚の動きに注意を向けていると、どうやら蹴り上げる時ではなく、「脚を前に振り出す時」に痛むことに気づきました。

蹴り上げて一度たたんだ脚を再び「伸ばして」前に出そうとする時、ここが一番痛みが大きくなる瞬間でした。

「伸ばす時」

そうなんです、「伸ばす時」だったのです。やっぱり。

蹴り上げた後前に振り出した脚は、半分は重力の力を使って戻ってきますが、ある程度速く走るには、自分の力で脚を戻さなければなりませんね。つまり、「戻そうとして筋収縮が起こる」わけです。

でも、戻そうとする脚(膝関節)は比較的伸ばされているわけですから、やっぱり「伸ばされながら収縮する筋」の状態になっているわけです。

インターバルやレペティションなど、スピードが速く大腿部も比較的高く持ち上がる動きでは、かなりの強度の筋収縮が起こっていたはずで、それを毎週毎週繰り返すうちに、だんだん付着部に負担がかかってきてしまったのですね。

短距離が遅く、走りも小さめのランマニアでも、数ヶ月もこうした動きを繰り返せば、さすがに脚も音を上げてしまうんですね。

ということで、現在はこのフェーズでの筋力を極力抑えれば比較的問題なく走れる状態で、今日もキロ4くらいのペースであれば、脚を戻す際に無理に力を入れる必要がなく、患部を悪化させずに走ることができています。

1週間での回復量から考えると、来週あたりはキロ3分台で走れそうな感覚ですので今週もできるだけ負荷をかけないようゆっくり戻していこうと思います。

「ジョグならできる」は「ジョグでも痛む」の始まり

こんにちは、ランマニアです。

昨日、モチベーションが維持できてるみたいな記事を書いた矢先に、故障日記になってしまいました。まあ、以前からちょっと痛かったんですけどね。

かなり前の記事にも書きましたが、もともとランマニアはここ数年故障が多く、シーズンを通して無傷で練習をやり通せた1年がここのところなかったのですね。昨シーズンなどは、7月に痛めた足底筋膜炎を半年以上引きずりかなりパフォーマンスを落としてしまいました。

そんなことでしたので、今シーズンはかなりの練習を積んできた中でどこにも痛みが出ずに練習を継続することができ、自分でも驚いていたところだったのですね。

一方では、なぜ故障が無くなったのか、その理由もある程度自分の中では把握もしていました。

実はランマニアの故障は、競技を始めて30年以上になりますが、100%が膝から下の故障でした。特に、社会人になってからはほぼ3種類に限られ、ふくらはぎ肉離れ、アキレス腱炎、そして足底筋膜炎、だけでした。

このレパートリーを見て詳しい方ならすぐにわかると思いますが、この3種類はほとんど前足部から接地するいわゆるフォアフット走法でなりやすい故障です。特に、スピードを上げて取り組む練習を繰り返したり、少し距離の長いレースに出た後などには必ずどこかを痛めている状態でした。

今年4月から始めたダニエルズのゴールドプログラムも、始めてすぐのフェーズⅠの終盤に、一度右のふくらはぎが危なくなったことがありました。切れるまでは行かないにせよ、このまま負荷を加えると切れてしまう感覚がもう自分にはわかるので、これは危ないな、と。

そして同時に、このまま同じフォームで練習を続けるとやはりまた故障を繰り返し、練習を継続できないと考えました。

そこで、フェーズⅡからは、ジョグの日を中心に接地をかなり意識するようにして、足をできるだけフラットに地面に押しつけ、大腿部の裏側(ハムストリングス)を使いながら前へ進むようなフォームに変えていくことにしました。

これは思いのほかスムーズに移行でき、LT走ならともかく、Iペースのインターバルや慣れてくるとRペースのレペティションの時でさえ大腿部をうまく使ってスピードを出せるようになってきました。これは自分でも驚きましたね。

その結果、練習量が増えてきたフェーズⅡ、そしてフェーズⅢにおいても、以前のようにふくらはぎが張ることがほとんどなくなり、肉離れをしそうなとき特有のあの「チク」っていうような違和感も一度も感じずに練習を継続することができるようになってきたのです。

これはこのフォームを自分のものにしたな、という手応えを十分感じましたね。

そうして大腿部をしっかり使ってスピードを出せるようになると、以前のようにスピードを出して接地するインターバルやレペティションでも足を着くのが怖くなくなり、思い切りペースを上げて練習に取り組める喜びを感じていたところでした。

ところが、フェーズⅣの終盤、ある時、200mのレペが終わった後に家に帰ると右のお尻の下のほうがやけに痛むことがありました。その時は、ちょっと張るような、筋肉痛のような痛みだったので「ああ、しっかりお尻を使って走れてるんだな」とむしろその痛みに変な手応えを感じるくらい、あまり深刻に考えていなかったのですね。

何せ、ランマニアの故障は基本、膝から下ですからそんなところを故障するなどとは想像もしてませんでしたからね。

しかしその後も、とにかく「登り坂で右足をあげようとすると痛む」「速いスピードでダッシュをすると痛む」「膝を伸ばした状態で前にかがむと痛む」というある特定の動作が結構しんどい状態が続いたのですね。

でも、これらは基本、ジョグとか長距離の動作にはほとんど影響のないものですし、200mのような短距離練で痛めたものだから長距離練習を続けている分には問題ないだろう、と楽観的に捉えていました。何度も言いますが、こんなところが故障するとは思ってもいませんからね。

そしてフェーズⅣが終わって数日間休養をし、その後も十日ほどジョグだけの生活を続けていたので、もうこの痛みもほとんどなくなっていたところで、ダニエルズのマラソントレーニングで最初のインターバルの日を迎えました。

LT走とIペースインターバル、そしてレペティションが組み合わされたかなり負荷のかかる練習だったこともあり、最後のレペの時にこれまで感じた痛みを一歩超えたような痛み(故障をする時は大体分かりますよね、ああ、これは無理な痛みだ、っていうのが)を感じるようになったのですね。うーん、ちょっとまずいかな、と。

でも、翌週はMペースしかないからなんとかやり切れるだろうと、そのまま継続していたのですが、今日久々にTペースで走ったところ、やはりちょっと走り続けるのは危ない痛みになってきたので、ついに練習を中断することにしたのでした。

はじめの頃は、200mを33秒くらいで痛みました。次は36秒くらい。そして今日は42秒でも痛みました。より遅い速度で痛むのは悪化した証拠です。

ではなぜ今日いつも通りLT走をやろうとしてしまったのかと言いますと、実は日常生活の中での痛みは、ここ数日でだいぶ軽くなっていたからなのです。

先月の一番痛かった時は、「階段を登るのも痛い」「車から降りる時、右足をついて降りるだけで痛い」「座った状態でハムストリングスに力を入れると痛い」状態でした。

しかし、今は階段では痛まず、車から降りる時も大丈夫、そして座った状態で力を入れても痛みは軽くなった、という状態です。

なので、練習をしながらもよくはなってきてるのかな、と錯覚していたのですね。

これは想像なのですが、もともとはレペティションのような速いペースで使う部分を痛めたため、腿を上げるときや膝を曲げて地面を押し出すような力を発揮する時に痛みが出ていたのが、その状態で長距離練習を続けてしまったため、弱くなった部分に新たな損傷が生じ、これまで痛かった短距離走で使う部分が治ってきた反面、長距離走で使う部分に痛みが移行してしまったのかな、と考えています。

どの故障もそうですが、一度損傷が引き起こされるとその周辺にも損傷が波及するのがよくあるパターンです。

なので、ランマニアがかつてよくやらかしたのは、「ジョグならできる」と痛まない範囲で練習を継続した結果、「ジョグでも痛む」ようになってしまうこと。今回もまさにそうですね。

「ジョグならできる」のは、あくまで筋や腱が万全の状態な時であって、どこか一部が損傷したり炎症を起こしたりしていると、総合的に使える筋繊維が減ってしまっている状態なので「ジョグでも故障する」範囲が広くなってしまっていると考えた方がいいだろうな、ということです。ここは結構盲点だったりします。

さて、今回ランマニアの故障は、色々と調べたり「触診」したりしたところ、おそらく「ハムストリングス付着部炎」。こんなところは痛めたことがなかったので、恥ずかしながら聞いたこともなかった故障名です。

「登り坂で痛む」「膝を伸ばした状態で前かがみをすると痛む」に該当するのでおそらくこれでしょう。

大腿部を屈曲させる筋肉群の総称「ハムストリングス」が集まって付着している部分、「坐骨結節」が痛みます。

いずれにしても「酷使」によって傷んでいるわけなので、もうこれは「休養」しか選択肢がないわけで、しばらくここを使うような運動は控えた方が良さそうです。

ただ、逆にいうとここを使わない運動はできるわけで、できればここを使わない運動をして有酸素能力は維持したいと考えていて、それをどうしようか今思案中です。

間違っても「ジョグなら痛まない」と考えないように要注意です。