こんにちは、ランマニアです。
マラソンや長距離走の練習をして、次第に走力がついてくると、自分の持久力が高まったからだ、と考えるでしょう。
実は、「持久力」というのは非常に曖昧な概念で、その言葉で表しているものは具体的に何か、と問われると、よくわからないものです。
小学校の頃は「持久走」なんていう言葉があり、短距離走と対照的な扱いで、ひたすら長く走る種目みたいな扱い方をされていました。
まあそれもあながち間違いではないのですが、この「持久」というのは、つまり「一定のスピードでできるだけ長く走り続ける力」ということになるでしょう。
この「一定のスピードでできるだけ長く走り続ける力」は、何によって決まるのでしょう。
これもよく言われる曖昧な概念として「心肺機能」とか「筋持久力」といった要素が挙げられています。
これらも間違いではないのですが、若干曖昧な言葉です。
ダニエルズさんの本にも書かれていますが、こうした「心肺機能」は、専門的にはおおよそ「最大酸素摂取量」という言葉と大体同義で捉えられます。また、「筋持久力」に似た概念として「無酸素性作業閾値」または「乳酸閾値」といった言葉が使われます。
「最大酸素摂取量」は、文字通り、人間の体が単位時間あたりに摂取できる酸素の量を表していて、これが高い人ほど長距離を速く走れると言われています。いわば、長距離ランナー版「戦闘力」みたいなものです。この力には、心臓の力や肺の機能、毛細血管の量などが関係していると言われています。
「無酸素性作業閾値」は、その人が「持久的なエネルギー供給系」を使って走れる最大スピード、みたいなものです。難しい言い方しましたが、要は、その人の「長距離を走るペース」の高さです。こちらも「戦闘力」みたいに、数値が高い方が長距離を速く走れると言われています。この値は、その人の筋肉の質やミトコンドリアの量、毛細血管の量などが影響していると言われています。
さあ、ここまでくると、本当にマニアックな話になってきました。いや、競技志向レベルのガチな長距離ランナーならこうした知識はまあ常識の範囲なのですが、一般的な市民ランナーには耳慣れない言葉だと思います。
しかし、この持久力を規定する要素についてはどうしても押さえておかなければなりません。
なぜなら、「練習する」ということは、これらを高めることだからです。
あなたの今日のトレーニングは、何を伸ばす練習なのか?
最大酸素摂取量を高めるため?無酸素性作業閾値を高めるため?はたまた、毛細血管を増やすため?
その目的を理解したうえで練習をすることが、その練習の効果を倍増させます。なぜなら、その効果を得るための絶対条件が決まっているからです。
次回から,自分の経験も含めてその辺の話を詳しくしていこうと思います。