こんにちは、ランマニアです。
先週金曜日は、本当はダニエルズさんが提唱している「閾値トレーニング」を行う予定だったんですが、疲れと筋の張りから、思い切って休養に切り替えたのですね。
ランマニアのような多くの生真面目ランナーは、こうやって予定していた練習を変えるとかやめるとか、というのは、本当に精神的にしんどいことと思います。(「今日はやめとくか」と簡単にやめられる気まぐれランナーが本当に羨ましい)
ですがランマニアは、最近こういう時は必ずこう考えることにしているのです。
「この練習をどうしてもやりたいのは、予定を変えたくないだけなんじゃないか? 本来の目的は速くなることだろう? 速くなるために本当に大事なのは、ここで怪我をしないことなんじゃないのか?」(そういえば、昭和の時代に流行したある格闘系マンガで「今日より明日」なんていう名ゼリフがありましたが、まさにそれです)
と。
そう考えるとですね、もう一人の自分が「うんうん、そうだそうだ。だから今日はやめよう。」と言ってくれて、無事に怪我や疲労を回避することができるんですね。
さて、そうやって一苦労しつつもなんとか予定を変更し、3日間スライドさせて、今日もう一度「仕切り直し」となったわけです。
ですがね、3日もスライドさせると、今度は「下手に失敗できないぞ」と変なプレッシャーが出てくるわけですね。先発ローテーションのピッチャーが、雨でスライドして「中7日になったんだからいい球投げられるだろう」とファンにプレッシャーかけられるのと一緒ですね(プレッシャーの次元が違うし)。
そんなこんなで、今日は万全を期して閾値走を敢行しました。
この閾値走(閾値トレーニング)は、ダニエルズさん的には持久的トレーニングの中核に捉えている大事なトレーニングで、詳しくは本を読めばわかりやすく書いてあるのですが、とにかく一人でやるのはなかなかしんどい練習です。
ダニエルズさんの規定しているVDOTでは、ランマニアの閾値ペースはだいたい3分26秒くらい。
この閾値ペースはダニエルズさん曰く50〜60分走れる「快適なきつさ」のペースらしいのですが、いやいやとんでもない。
確かにこのペースはランマニア的にはハーフマラソンのレースペースとほぼ同じで、まさにその「60分程度」(ランマニアでは70分以上)もつペースで、ドンピシャなんですが、これ、決して「快適」じゃないんですよ。
いや、多分、もう少し(というかかなり)若ければもっと楽なんでしょうが、基本的に年齢を重ねれば最高心拍数が徐々に落ちてきてしまうので、同じ酸素量を確保するにはおそらく呼吸でカバーしなければならなくなっていると思うのです。
だから、呼吸が異常に苦しい。
脚はそれこそ「快適なきつさ」そのものですが、呼吸は快適なんてもんじゃありません。控えめに言って「死にそう」です。心拍数も最大180まで上がってましたから、これ理論値(220ー年齢)を遥かに超えちゃってます。
なので、このペースをダニエルズさんがエビデンスを示している「20分間」維持するには、それなりに調子の良い時でないと(ランマニア的には慢性疲労がある程度抜けている状態)難しいのですね。(実はこの辺はダニエルズさんもわかっていて、最新のVDOTでは「中高年用」があるらしいですね。原典の英文だったか、最新版だったか定かではないですが。)
そしてランマニアは、とにかく「20分」の方を優先させるため、ペースはいつも3分30秒を切るくらいに抑えて走るようにしています(力がつけばもっと上げようと思いますが)。
そんな閾値ペースでの練習でしたが、まず、最初の1kmは3分29秒とこれはまずまず。なんというか、狙った通りにペースが作れる時はだいたい調子がいい時です。
ところが、次は油断して3分33秒。多少向かい風の影響はあったものの、これは落ち過ぎ。
しかしその後は、ようやく脚の動きもよくなり、呼吸の苦しささえ我慢すればフォームも安定し、3分28秒、28秒、26秒と、最終的には本来の閾値ペースまで戻すことができました。
こういう時に、「あの1日しっかり休んでよかった」と思うわけです。
ダニエルズさんのマラソン用プログラムでは、最終的にこの後60分のジョグを入れ、さらに20分閾値走をせよ、となっていますが、当然今のランマニアでは無理。
ただ、余裕はあったので、試しに30分だけジョグを入れて2本目をスタートさせましたが、まあいきなり3分52秒もかかりましたから全く話になりません。
ただ、この閾トレーニングは、閾値ペースで走っている時のみならず、そのペースで走った脚の状態でさらに走り続けるところにポイントがありますから、ひとまずその劇遅なペースでも10分だけ走ってみました。(ていうか、快適っていうのは、これくらいのペース)
意外と余裕はあったのですが、ふくらはぎをいたわらなければならない状況なので、ここは我慢してやめました。「物足りないくらい」がちょうどいいのです。
こうして、あの金曜日の決断は結果的に功を奏しました。
あの時、計画にこだわって無理に決行してしまっていたら、当然疲労でこんなタイムでは走れませんでしたし、たぶん肉離れもやっていたと思います。きっと今頃、「大後悔時代」に突入です。
ですから、練習量的には満足いくものではなくても、最低限のラインを維持できたことが今日は大きかったのです。