たまには全力を出して走らないとね

こんにちは、ランマニアです。

昨日は雨の中でしたが久しぶりに自分の力をMAXまで出し切って走ってみようと思い、1kmのタイムトライアルをやってみました。

なぜこのタイミングで行ったかと言いますと、先週はE週間でジョグしかしておらず、比較的疲労状態が軽い上に、今週もVO2Max以上のペースで走ったのは日曜のみ。それもおよそひと月半ぶり。

少し体がなまっている気がしたのと、この疲労状態なら全力を出して走ってもそこそこのタイムで走れそうだと思ったからなんですね。

さらに週末のレースにしても、片道山登りのバーティカルなので、それほど調整をしなくてもなんとか走り切れるだろうなという見込みもあり、ちょうど今のタイミングならタイムトライアルでもあまり影響が出ないだろうと踏んだからです(さすがにトラックレースが控えている時は、一気に調子を崩す可能性もあるためおいそれとはできませんが)。

個人的には、こうしたある一定の距離を「その時点での限界ギリギリで走り切る」練習は、たまに入れておく必要があると考えています。

人間の体は、どうしても楽をしようとしてしまう傾向があり(そりゃそうですよね。生存のためにはできるだけ効率よく、省エネで生きた方がいいわけですから。)、体の機能をフルに使う機会がなくなっていけば、自ずと脳は「ああ、こいつはこの程度の負荷までしかかけない生活してるんだな。」と判断してしまい、限界ギリギリの能力を使わずに済ませようとする体に適応させてしまうのですね。

それは、たとえ毎週のようにインターバルのような高い負荷の練習をやっていても、継続していくうちにそれには慣れてしまい、いつの間にか「高い負荷」ではなくなり「いつもの負荷」になってしまうからです。あれだけきついVO2Maxペースのインターバルとて、それを1km維持して5本くらい繰り返せるのですから、意外と「限界ギリギリ」のペースというほどでもないのですね。

しかし実際5000mくらいのレースを走ってみると、2000mあたりから、練習では感じたことのないようなしんどさに見舞われ、それをかなりの時間維持しなければならなくなります。練習だったら絶対に継続できないようなキツさでも、レースともなると不思議とそれをある程度は我慢できてしまいます。

そうやって我慢して維持している「しんどさ」を、練習で再現するのはなかなか難しく(特に社会人ランナーは仕事の疲れなどで練習で追い込むのが難しい)、練習の追い込み方と試合での追い込み方との差が、学生ランナーよりも大きく開いている印象を持っています。

とはいえ、そうやって常に「この辺でいいや」とぬるま湯に浸かっていると、われわれのような中年ランナーはどんどん身体機能が衰えていってしまいますので、たまには体にムチを入れて、全身から脳まで身体機能の限界近くの能力を発揮する機会を確保しないといけないな、と常々思っているのですね。

で、そういう練習は、少し疲労が抜けていてなんとか頑張れそうな時がチャンスなわけで。

社会人んランナーにとって、こういう機会は千歳一遇というと言い過ぎかもしれませんが、一度逃すと次に巡ってくるのはいつになるかわかりません。やれそうと思ったら、やってしまわないとまたしばらくの間「体に刺激が入らない状態」が長く続いてしまうのです。

なので、昨日は寒い雨の日で若干怪我のリスクもありましたが、むしろ公園には人が誰もいないしジョグで温めればそれほど寒さも気にならないと踏んで、いつものコースへ赴きました。

こんな個人的なボッチタイムトライアルでもやはりスタート前は緊張するもので、なんというか、自分の現在の力がわかってしまう怖さがあります。言ってみれば、入試の前の模試みたいなもんですね。

今回は手頃にできる1kmのタイムトライアル。

1kmと言っても、いきなり全力疾走では持ちませんから、この距離でも一応のペース配分があります。なんとなく「このペースでいけばなんとか1kmは持つだろう」という感覚的なペース配分ですね。

意を決してスタートすると、初めは脚が軽やかに動き気持ち良くペースを維持できるのですが、300mをすぎたあたりから徐々に呼吸が苦しくなってきて、体が硬直し始めます。

500mを過ぎるともう脚が結構動かなくなり、上体を使ってなんとか推進力を得ようとします。

そして残り200mを切ると、ほぼ呼吸は限界で脚も動かないのですが、最後は気持ちでカバーします。こういう時、もう1段階ペースを上げるぞ、と踏ん張ると人間は心理的な力で肉体的な力を補うことができるのですね。

もうこれ以上は無理、というところでフィニッシュ。

時計を見ると「3分05秒」。

思わずその場で「おそっ」って言ってしまいましたが、まあこれが今の実力ですね。

それでも、仕事の終わった後の雨の中、上にはウィンドブレーカーを着てのタイムですから、条件としては限りなく悪く、久しぶりの1km全力走の割にはよく走れたのかな、と思いました。

そして肝心なのが翌日の走りで、今日のジョグはとにかく脚がよく動くのですね。ペースに余裕ができた感触があり、軽やかにジョグを行うことができます。

要は、昨日の「全開走行」で体の機能をフルに使い、今日のような余裕のあるペースがさらに余裕を持って走れるようになるイメージです。

もちろん、相当な負荷をかけているので1本でやめておかないと今度は逆に疲労の方が上回ってしまい、こうした良い方の効果を相殺してしまう可能性があります。特にランマニアの場合は、2本以上やってしまうと、おそらく翌日は脚が重くて仕方がなくなると思っています。

たった1本の1km全力走でしたが、普段から遅いペースばかりで走っているランマニアにとっては間違いなく「新しい刺激」として脳は認識したはずです。

なかなか日常的にこれを取り入れるのは至難の業ですが、これから涼しくなっていき体が元気でいられる状態が長くなった時には、たまにQデーの合間などに入れていこうと思っています。

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