嬬恋スカイラン

こんにちは、ランマニアです。

今日はスカイランニングジャパンシリーズのSKY部門第2戦、嬬恋スカイランに出場してきました。

このジャパンシリーズは、SKY部門とVK(バーティカル)部門それぞれを年間5戦戦い、そのうち上位3戦で獲得したポイントを競うシリーズ戦です。

中学から始めた陸上競技ではこういった「シリーズ戦」方式が珍しく、ランマニアが初めてこの世界に足を踏み入れたときにとても斬新に感じた企画だったのですね。

初めの頃は、ポイント獲得順位である30以内に入ることがなかなか難しく、去年あたりからようやくコンスタントにポイントを獲得できるようになってきました。

今年も、第1戦である上田バーティカルレースでは、SKY、VK両種目とも30位以内に入ることができ、なんとかポイント争いの土俵に上がることができたのでした。

さて、そんなジャパンシリーズの第2戦ですが、今回はVKとSKYは別会場、別日程となっていました。

VKは東京は御前山へ駆け上る「東京バーティカルレース」

こちらは緊急事態宣言延長により秋に延期となりました。せっかく試走をしていたのですけどね。

そしてSKYは、今日の嬬恋スカイランの種目の中でも最も距離が長く過酷な「スカイリッジ ロング」の部だったのです。

https://www.tsumagoiskyrun.com/

今回のコースは、四阿山の山頂直下まで一気に駆け登った後、標高2000m級の稜線(「リッジ」:尾根)を御飯岳まで行って帰って来るという、ヨーロッパの山やまを彷彿とさせる壮大なコースでした。

これは、スカイランナーなら「是非走ってみたい!」を思わせる素晴らしいコースでしたが、残念ながら悪天候によりコース変更となりました(実際山頂近くで土砂降りになり、気温2度ほどで走行不能になったら確実に低体温の危険性がありましたね)。

そして今回のコース変更により、もともと四阿山山頂直下まで登って帰りはゲレンデを下ってくる「ミドル」のコースを2周することになりました。

いやいや、今さらっと2周って言いましたが、このコース、走ればわかりますがものすごい急登が続くのですよ、1周だったとしても。

それを2周ですからね。

悪天候プランの方がコースがキツくなるとか、もうさすがは松本会長(日本スカイランニング協会)です。

この結果、本来の走行距離38km、累積標高差±2550mのコースが、走行距離31km、累積標高差±2300mに変更になりました。

数字だけ見ると、楽になったように見えるじゃないですか。

ところが、トレイルレースの難しいところはこうした数値(量的情報)よりも中身(質的情報)の方がレースのタイムに影響をするところなんですね。

1周目は晴れていたのでこのような絶景も拝めましたが・・。

元々のロングコースでは、最も上りが長く続き、最も勾配がきついのが、この序盤に設定されている四阿山までの一気登りです。

途中、両手で地面を掴みながら攀じ登る急斜面が2回ほどあり、これに加えて走るのは厳しい急坂がかなりの時間続きます。

それ以外が比較的なだらかな稜線沿いのトレイルだったり、緩斜面の下りだったとしても、こうした急斜面が一定時間続くと、猛烈に足にきてしまうのですね。

累積標高が大したことがなくても、こうした区間が長いとダメージも大きいのです(フルスクワットに近い状態になるので最大筋力も必要ですし、有酸素系のエネルギー供給系だけで補えないパワーが必要となるため)。

さらに、今回のレースはスタート地点がすでに標高1500m以上あり、コースの半分は2000mを超えるところを走ることになります。

前日入りして高所順応しているとはいえ、さすがに2000mでの「駆け上り」は呼吸がキツく、足も思うように動きませんでした。こうした中での急坂登りなわけです。

実際にコースは見たことはありませんでしたが、試走をした松本代表が「かなりきつい」というくらいですから、今回も序盤から無理して飛ばさず、「きつさ」をコントロールしながら走り続けることを意識してレースを展開しました。

この坂はまだ楽な方ですが、標高は2000mを軽く超えているので呼吸はかなりキツくなりました。

さて、そんな「悪天候バージョン」のコースでレースがスタートしました。

スタートしていきなり、ほとんどの選手が猛烈にダッシュを仕掛けて緩やかなゲレンデを上り始めたのには大変驚きました。

いやいやいや、それは持たんだろう、と。(ですがほとんどの選手は「持ちました」。エリートは凄い)

こちらはとにかく長丁場となるのがわかっていたので、終盤必ず逆転できると信じてペースを抑えに抑えて1周目の登りをクリアしていきました。

スタート地点をコース上からみて撮影。大した坂に見えませんが、こんな坂でも標高が高いと苦しいのです。

ちなみに、トレランで同じコースを2周というのは、練習でも経験したことはなく(というか経験したくない)、これの何が辛いかというと、1周目を走りながら「ここにもう一度来るんだよな」という「きつさ」を一度学習してしまうことなんですね。

これをもう一度やる、と頭に入れながら、常にペースは自重しながら上り続けなければなりません。

こうした時にランマニアがいつも意識しているのは「ジョグでこの距離を走るとしたら、こんなにきついペースでは走らないでしょ」と言い聞かせること。

冷静に考えて、31kmのロードジョグに出かける時、あるいは30kmのロードレースに出場するときに、絶対に「苦しくて仕方がない」ペースで走ったりはしないわけです。

「これなら30kmはもつ」というペースで走るに決まっていますよね。

これはトレイルでも同じです。

30kmのジョグができないペースで、30kmのトレイルを走れるわけがないのです。

では、ペースの把握ができないトレイルではどうやってペースをコントロールするのか。

これは以前も書きましたが、とにかく自身の体感による「きつさ」を常にモニタリングして、それをコントロールしながら走り(登り)続けるのですね。

登山道のような急な登り坂でも、ペースを抑えれば絶対に「はあはあ」息が上がってしまわないペースというものはあります。

今日のような高標高であっても、ペースこそ落ちますが、呼吸が乱れない程度のペースというのは必ず存在するのです(トレーニングを積んでいればですが)。

ライバルたちはどんどん先に行って見えなくなってしまうのですが、それを追っても仕方がないばかりではなく、確実に終盤撃沈しますから、それを無視してとにかく自身の「きつさ」に注意を集中します。

こんなところでも、極力息が上がらないように注意深くペースを維持します。

そうしてできるだけ「ジョグしている気分」を維持しながら、1周目を終えました。

そして、問題の2周目。

1周目にしっかりとペースを抑えたつもりでしたが、やはり最後の山頂までの急登(ほとんど崖)では完全に大腿部の筋肉が終わってしまい、「攣る寸前」まで行ってしまいました(まあ、練習不足ですね)。

それでも、体力的には比較的余裕があったので、転ばないように気をつけながらなんとか足を動かし続け、下りもそこそこのペースで下って来れました。

さまざまなトレイルレースでよくある「最後のゲレンデ下り」は、ランマニアの最も苦手とする区間ですが、そこで抜かれたのも珍しく一人だけでしたので、脚は残っていたといっていいでしょう。

序盤に相当数のランナーが自分の前を走っていたので、さすがに30位以内は無理かな、と思いましたが、どうやら1周目にかなりのランナーを追い抜いたのが効いていたようで、結果的に24位(後から修正されてました)にはいることができました。

どうにか、ポイント獲得です。

以前は、こうしたロング系の種目では終盤脚が止まりランク外に入ることが多かったのですが、ここのところ「きつさに注意を向ける作戦」が効いているようで、最後までよく足が持ってくれるようになりました(補給も意識しているというのもあります。過去記事参照)

タイム的には4時間40分というのが速いのか遅いのかはわかりませんが、トップ3の若者たちが3時間30とかのバケモノ記録で走ったのは別としても、女子の上位が4時間30分〜40分くらいまでに入っているのを考えれば、まあまあ健闘した方なのかもしれません。

さて、今日が終わるとしばらくトレイルレースへ出走予定はありません(遠征費含めると、結構「カネがかかる」スポーツなんですね、トレイルランニング)。

6月はじっくりトレーニングにあて、7月8月はトラックレースにでも出ようかと思っています。

また、冬にはロードレースにも出ようと思っているのですが、今回このトレイルレースで意識した「きつさに注意を向ける」というペース配分方法は、距離が正確にわからないロードレースや駅伝なんかでも有効だと思うので、普段の練習から意識していこうと思っています。

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