山レースとの出会い

こんにちは、ランマニアです。

この4連休は自粛するつもりは毛頭なかったのですが、なんだか予想外の大雨で予定していた外出もキャンセルになり、結局あの緊急事態宣言が出されていた頃の「食う寝る走る(古!分かる人は同世代)」な生活に逆戻り。これはまさに想定外。

さて、Twitter界の情報を見ていると恐らく今年度はロードレースはおろか駅伝すらなくなる可能性が濃厚になり、今年のトレーニングプラン、レースプランを大幅に考え直さなければならない状況です。

まあ、ランマニアレベルのランナーでそんなたいそうなプランなんてものはないのですが、それでも現在のゴールドプログラムは10月の松本マラソンを想定して始めた練習でしたので、今後フルマラソンへ向けた練習をどうするかは本当に考えていかなければなりません(来年4月の長野マラソンは強気にやろうとしているので期待しているところですが)。

そんな中で、唯一「山レース」だけはどうやら予定通り開催してくれそうな気配があり、この連休の「擬似自粛生活」中にどんな予定で出走しようか考えていたところです。

ランマニアが山の世界に足を突っ込み始めたのは、もう今から遥か昔の2011年。きっかけは、当時マラソン界の話題をかっさらっていた川内選手(当時公務員ランナー)が積極的に山に出かけて登山道を激走しているという練習内容を紹介する番組を見たことでした。

これは衝撃でしたね。

実はランマニアも学生時代は合宿で訪れた車山高原でトレイル練習を入れたり、高尾山なども走りに行ったことはあったのですが、それこそそっちはほぼ「息抜き練習」、レクリエーションみたいなもんで、それが長距離走のパフォーマンスに影響するなどとは正直思ってなかったのですね。

そんな「山トレ」を当時2時間8分台でフルを走るランナーが行っている。これには度肝を抜かれましたね(いやその後に二郎系ラーメンの大盛りを平らげてる様子も映されていてそっちもでしたが)。

影響されやすいランマニアは早速彼が走っていた武甲山(埼玉県)に行き、同じルートで山練習をしてみました。

何を隠そう、ランマニアは「上り」にはちょっと自信があり、昔から上りコースではチーム内でも他のメンバーよりも速く走れ、自分には上り適性があるんじゃないかと少しばかり天狗になっていたのですね。

ところがですよ。登山道っていうのは我々ランナーが想像する「上り」じゃないんです。文字通り「登り」なんです。

登山道までの「上り」坂までは快調に飛ばしていたランマニアでしたが、いよいよ始まった「登山道」に差し掛かってものの10分でオールアウト。ふくらはぎがパンパンに張り、呼吸は極限に達し、もう走れなくなってしまったのですね。

「こ、この坂をノンストップで走り切ったのかあの公務員は!」とひとり山道で愕然としたのを覚えています。

結局その時は、走っては歩き、歩いては走るを繰り返しながらなんとか登頂し、初の「トレイルラン」というものの洗礼を受けたのでした。

しかしこの時の経験がなんだかやけに悔しく、その後何度もランマニアの自宅から最も近い奥武蔵近辺の山々で「山練」を重ねることとなったのです。

これがランマニアの山との出会い、トレイルランニングの始まりでした。

そして記念すべき初レースは早くもその翌年に実現します。今はなき「おんたけスカイレース2012」です(実は翌年も出走し、その一月後に噴火)。

なぜこのレースを初レースに選んだかというと、他のトレイルレースに比べ距離が短い(トレイルレースでの水平距離は正直あまり参考にはならない、ということに数年後気づきます)。レースレビューの写真がとても綺麗だった。とおおよそこの二つが理由で、完全にトレイルレースを舐め切った不純だ動機だったのですが、まあ本当に無知とは恐ろしいものです(のちに数々のレースに出ましたが、このおんたけスカイレースは屈指の難コース、しかし名レースでしたね)。

結果は皆さんの想像通りまあ酷いもので、序盤から登りをガンガンと飛ばして山頂に到達する前に脚が止まり、楽勝だと思っていた「お鉢巡り」区間では地獄を味わい、帰りは下りで足が支えられなくなる始末。なんとか完走したもののゴール直後は「もうこんなことは二度とやらない」と固く誓ったほどです。(ちなみに、トレイルレースに出る時は毎回そう誓いますが・・・)

しかし人間というものは不思議な生き物で、あの90%は苦しい記憶しか残らなかったレースの思い出も、残り10%の楽しかった記憶が強烈に頭に残るのですね。

自分の脚で駆け上がってきて迎えた標高2000mを超えたあたりの景色の美しさ。標高3000m近い地点にあるわずかな走れる区間を疾走する爽快さ。山でしか味わえない下り区間のスピード感。

ゴールした翌日にはこうした良い思い出ばかりが走馬灯のように蘇って「また走りたいな」と考えているおかしな自分がいるのです。苦しいことはすっかり忘れて。

そんなことで、その後様々なレースに出走し、正直かなり危険な目にも遭いながらもそうした魅力的な部分に取り憑かれてしまったランマニアは、とにかく「本業」のロードレースにあまり影響のない範囲でトレイルレース(ここ数年はもうスカイレースとバーティカルのみ。詳細は別記事にする予定)に出続けているのですね。

こうした「レジャー的」な目的以外にも、マラソンのためのトレーニング的要素があるとすれば、だいたい以下のようなことがあると仮定し、そのためにも定期的にトレイルレースに出走しています。

・どんなレースも走行時間は最低3時間はかかり、長い間脚を動かし続ける事で持久的能力が高められるのではないか、という仮説。

・平地には存在し得ない登り坂が繰り返されるため、心拍数を一定時間高めに維持して運動を継続できるのではないか、という仮説。

・激しいアップダウン(特に猛烈な下り坂)、バランスを取りづらい不整地を走り続けるため、姿勢維持のための筋肉(俗にいう体幹、上半身)が、筋トレをするより効率的に鍛えられるのではないか、という仮説。また、脚の関節の可動域が大きくなるので柔らかな脚の使い方を身につけられるのではないか、という仮説。

・緊張感を強いられる下り坂を一気に下ることで、反射神経や運動に関する脳領域(小脳など)を鍛えられることができるのではないか、という仮説。(これはマラソンにはあまり関係ないかもしれませんが、若さを維持するため。)

・夏場のロングジョグは平地ではかなりきついので、その代替練習として。

一方で、デメリットもあります。

・普段山練習をメインにしていないので、一度レースに出ると酷い筋痛に見舞われ、しばらくロードの練習ができなくなる。

・必携品の重量が2kg近くになり、かつ走行距離も長いため脚への負担が増大し故障を誘発しやすい。(実際トレイルレースが原因での故障を何度かしている)

これらの良し悪しを考慮して、通常ならば5月あたりから定期的にレースを入れてきたのですが、今年は7月まで全てのレースがなくなってしまいましたからね。

幸い、10月のレースは開催予定とのことでバーティカルやスカイレースを中心に予定を組んでいるところです。

ここ数年のトレイルランニングとの向き合い方についてはまた機会を改めて記事にしようと思っています。

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