4月振り返りと上田バーティカルレースについて

こんにちは、ランマニアです。

さて今日は毎年恒例のスカイランニングレース、上田バーティカルの猿飛佐助コース(5kmで累積1000mのバーティカル)に出場してきました。

バーティカルとしては3年前の2021年が初めての挑戦で、今年でこのコースは4回目の挑戦。

序盤から急登が続くこのコースは、ランマニア的には最も苦手なコースの一つであったのですね。

2021年は、故障の影響で山歩きばかりをやっていたせいか、記録は53分50秒の今日までのベストタイム。

それ以降は、風邪を引いたりオーバーペースになったりで、まともに走れたことのなかったとても相性の悪いバーティカルレースでした。

今回は、昨年の反省をもとに、とにかくスタートから1kmのロード区間でのオーバーペースに気をつけることを最初の目標にして、慎重にレース運びをするイメージを持ってスタートしました。

上田のシンボル太郎山。直登すれば累積700mほどですが猿飛佐助コースは一旦下らされるため累積1000mにも及びます

10秒ごとの時間差スタートで一人ずつ走り始めるこのレースは、後ろに行くほどより速い選手が控えています。

昨年、V Gamesのランキングで10位に入ったランマニアの後ろには、強豪選手が6名ほどしかおらず、スタート直後にぶち抜かれるのは目に見えています。

今回は、すぐ後ろがOver48で最後までランキング1位を争った今井さん。

彼の方が実力的には圧倒的に上ですし、まして上田のコースは彼が得意とする急登続き。

当然勝てるわけがないため、今回の作戦としてはすぐに追い抜かれた後、そのまま行けるところまでついていく、というものでした。

案の定、トレイルに入ってすぐに追い抜かれ、彼のペースに合わせてペースを維持しました。

スタートは10秒おきの時間差スタート

ここで気づいたのが、例年自分のペースはかなりのオーバーペースだったということ。

今井さんのペースは思ったよりも楽に維持でき、呼吸も大体ハーフマラソンを走る時の感覚です。

走行時間は大体1時間ですから、呼吸のキツさはハーフのレースを走るくらいを目安にする必要がありました。

そのペースを維持して、累積が400mから500mに差し掛かったあたりで勾配もだいぶ急になってきました。

この辺りから同じ努力度で登っていると、徐々に今井さんに引き離されていく状態になりました。

ああ、流石にバーティカルのスペシャリストはこういうところが違うんだな、と一歩一歩の登る速さの違いを実感しながらとにかく自分のペースを維持することにしました。

その後に控えていた斜度40度の「壁区間」で、圧倒的な差をつけられここで勝負あり。

最終的につけられた差は40秒。

昨年よりも2分、PBよりも20秒以上速く走った自分でも敵わない52分台でフィニッシュされてはどうしようもなかったですね。

それでも、このコースで40秒差にとどめられたことは大きな自信になりましたし、今井さんのペースメイクを知ることができ、今後のバーティカルレースにも大いに活かせる体験をさせてもらいました。

フィニッシュ地点の山頂は快適そのもの。しばらくのんびり過ごしました。

さて、そんな今回のレースでしたが、山の練習を特段取り入れたわけではない中でのPB更新というのは、この年齢にあってかなり嬉しい体験です。

陸上競技に比べると、どちらかというと自分の能力的には未開の地であるバーティカルの種目において、特異性の高い練習をしたわけではなく、走力の持久的トレーニングをしての記録更新というところに、今回の手応えを感じた要因があります。

先月は主にLTと解糖系を中心にトレーニングを積みました

4月は毎週のようにLTレベルに刺激を入れる練習を取り入れ、練習の終わりには必ず200mの高出力走を入れました。

今日のレースで、急登をプッシュしている感覚が、ちょうどその200mを走り切る直前の感覚に似ていて、力の入れ方や出力の出し続け方に、どこか慣れた感覚を得ながらレースを進めている印象を持ち、苦しいながらもぐいぐいと押せる感覚も得ていたのですね。

斜度40度の壁のような斜面を登り切った後に、やや緩やかなシングルトラックに変わり、なんとしてでも走りに移行したいという苦しい局面でも、毎週入れていた200mのラストの感覚を思い出しながら腕をしっかり振って脚を前へ持っていくことができました。

もちろん、この200mのインターバルの効果が得られたのも、それ以前にマラソントレーニングのためにしっかりと距離を踏んできた数ヶ月の下積みがあるのはいうまでもありませんし、4月は一定期間の総走行距離がかなり伸びたことも走力の向上につながったものと考えています。

この数ヶ月は大きな故障もせず、安定して走行距離を積み上げられました。

このようにして、特にバーティカル用の練習をしたわけではなかったのですが、6月以降のトラックや10月のロードレースに向けて、長距離種目の記録向上の鍵を握るLTと解糖系のトレーニングを継続したことが、結果的に山のレースにも応用できたという事実が、ここ数年間仮説を立てて取り組んできたことが結果として身を結んだことに、ささやかながら喜びを感じたのでした。

割合としては微々たるものですが、解糖系を刺激する練習を定期的に入れたことの体の変化は決して少なくありませんでした。

さて、実は今年度このスカイランニングシリーズはバーティカルのみの出走となります。

昨年度は距離の長いスカイレースでだいぶ失敗をしたのと、体へのダメージが大きすぎることを懸念して、今年度はバーティカルに専念することにしました。

明日のスカイレースにも出走はしませんし、次のレースは5月25日の経ヶ岳バーティカルリミット(実は下りがあるので純粋なバーティカルではないのですが)になります。

前半戦の大きな目標は7月の富士登山競走となりますが、それまでに山レースを入れつつも、ベースは平地での陸上競技トレーニングを継続しながら走力を高めていくアプローチで臨もうと思っています。

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