経ヶ岳バーティカルリミットに出場してきました

こんにちは、ランマニアです。

さて、昨日は6年ぶりに経ヶ岳バーティカルリミットというトレイルレース(スカイレースとは謳っていませんが、事実上その基準は満たしている)に出場してきました。

6年前に初出場した際は、この「バーティカル」という名称と、登って下る単純コース、さらには距離が21kmという、コースの見た目の印象から割とスピードレースになると勝手に想像してしまったことで、オーバーペースで半分も行かないうちにエネルギーを使い果たしてしまった苦い思い出があるレースです。

この時は、山頂に到着する前からすでにオールアウトしかけ、帰りの下りでは走ることもできなくなり、フィニッシュ後は2時間ほど立ち上がれなくなってしまったほどでした。

そんな印象のあまり良くないバーティカルリミットですが、今回は比較的練習が積めていることと、登りの走り方が当時よりも熟練してきたこと、さらには7月の富士登山競走のコースのように序盤は長いロードが続いてから登山コースが始まるという共通性から、この時期には最適なレースだと考えたのですね。

ちなみに、レース後の表彰式では同じように「富士登山競走の練習」と位置付けている選手も数人いて、やはり同じことをイメージできるようなコース設定であったことがわかります。

そうしたこともあり、6年前の苦い思い出がありながらも、今回のバーティカルリミットはエントリーしてからずっと楽しみにしていたレースとなりました。

今回はJSAのエリートランナーが招待選手として集結。これもテンションが上がる要因の一つでした。

スタート時の天候はほぼ快晴。やや風が強いものの気温も低く、快適なコンディション。

前回も天気は良く、またスタート地点の公園も気持ちの良いところで、レースの過酷さがありながらもなんとなく楽しい雰囲気のある良いレースの一つです。

今回のレースプランは、とにかく勝負は折り返してから。なんなら、トレイルを下り切った最後のロード4kmで勝負する、くらいの気持ちで、序盤から前半の登りまでは絶対に努力度を上げないで走る、というもの。

失敗すると大変しんどくなるコースなため、珍しくスタート時は緊張をし、オーバーペースになりそうだったため、スタート直後はとにかくリラックスして努力度はマラソンのペース感覚で走り続けました。(レースタイムも大体マラソンと同じ)

スタートから4kmはこのような雄大なロード区間。とにかく呼吸が上がらないように。

調子もかなり良かったのと、ここ数週間、週末の高強度練習でもいいペースで走れていたため、このロード区間は登り勾配であったにもかかわらず、楽にキロ5分台前半のペースを維持できました。

ロード区間が終わった後のダート林道も力強く走れ、余力を残して登山道に入っていくことができました。

登山道は、いきなり急登が始まりますが、普段走っているJSAのバーティカルコースに比べれば標準的な傾斜で、時折走りを織り交ぜながら余力を持って登っていけるちょうどいいコースでした。

6年前の画像。傾斜は急ですが、両手でよじ登らなければならないほどの斜面はありません。

ここから4.5kmで累積1000m以上を登っていくわけですので、絶対に無理をしてはいけません。

6年前は、これを登り切れば事実上終わりだ、という意識がありかなり力を込めて登り続けてしまった記憶があります。

その結果、登りが終わる前に脚が終わってしまい、帰りの下りで走る体力がなくなってしまいました。

なので、いつでもペースが上げられる、なんなら走りに変えることもできる、というくらいの余力を残しながらリズムよく登りを歩き続けました。

途中数人を抜かし、最終的に追いついたランナーがペースを上げたため、その方(コグラン・リチャードさん)に山頂手前の分岐点までついていくことになりました。ここで引っ張ってもらったことが、結果的にオーバーペースを防ぐことにつながった気もしています。

山頂の手前にかなり激しいアップダウンがあり、往復するだけでかなり消耗します。

山頂手前では、折り返してきたトップランナーたちとすれ違うのですが、この時点で9番目。思ったよりも順位が良く、元気が出ました。

大体の印象ですが、トップの松本選手とはおよそ20分差くらいかな、と感じていました。

フィニッシュ後、記録がちょうど20分差だったことから、帰りの下りは同じくらいのペースで行けたのではないかと考えました。

さて、折り返して登り返しもクリアして、分岐から復路専用ルートで一気に下っていきます。

この帰りのルートは急坂が少なく、かなり気持ちよく下りを走り通すことができます。

岩場もほとんどなく、足場は柔らかいシングルトラックで、温存した脚でガシガシ下っていきました。

6年前の画像。時折急坂はあるものの、足場は柔らかな土でつい調子に乗ってぶっ飛ばしたくなります。

トレイルの下りは約6km。最後のロードが4kmですので、決して短い下りではありません。

でも、ついつい飛ばせてしまうトレイル下りが気持ち良すぎて、久しぶりに下りを攻めて走りました。

しかし、思ったよりもトレイル区間が長く、ちょうど下りが半分ほど終わったあたりで脚の動きが悪くなりました。

ふくらはぎにも軽い痙攣が起こり、足捌きも若干怪しくなってきました。

そうこうしているうちに、振り戻した足のつま先が石に引っかかり、リカバリーが効かず、豪快にヘッドスライディング。

柔らかトレイルだったため、本当に運よく無傷ですみましたが、これが岩場だったりトラバースだったりしたら、おそらく無事ではすまなかったほどの大転倒でした。

その後も相変わらず脚の動きは悪く、それでも下りは続きますので、必死に脚を動かしてトレイルを下り続けます。

トレイル区間ラスト1kmあたりでも、再び石に躓き転倒。

この時は十九折のカーブ地点で横に転び、木と斜面に激突。まあ、これくらいのことはよくあるので、この時も少し痛いくらいですみました。

転倒したところは、写真にあるような柔らかいシングルトラック。危ない転倒でした。

そうこうしているうちに、なんとかトレイル区間も終わり、最後のエイドを通過していよいよ勝負どころと考えていた最後のロード4km区間。

しかし、当初考えていたよりもはるかに脚は残っておらず、ギリギリ最後まで持つかな、という微妙な疲労度でした。

それでも、下りはキロ3分台を維持し、途中で緩やかな登が1kmほど続きましたが、そこでも気持ちを切らさずにペースを維持し、最後まで走り続けることができました。

最後、フィニッシュ地点までの歩道から公園内のロード区間までの1kmは脚を攣りながらの厳しい走り。

フィニッシュ地点の公園までの歩道から公園内のロードに入るあたりでは、もう完全に脚は終わっていて、痙攣を繰り返しながら無理やり脚を動かす状態でした。

しかし、順位は一つ上げ、8番手でフィニッシュできることや、タイムもかなり良かったため気持ちも高揚し、脚の状態に反して会心の走りでフィニッシュラインを走り通すことができました。

6年前失敗した難コースをようやく克服できた実感を持てました。

最終結果は、6年前の記録を14分ほど上回る2時間40分03秒。

転んでなければ40分を切れただけに、ちょっと惜しい感じもしましたが、それも実力のうちですので、結果には満足です。

順位も、先頭から21分差の8位ですから申し分なし。

年代別は、JSAと違って入賞者を除くため、おまけのように優勝をいただき得した気分です。

できれば、宮川さん、牛田さんの次に入って40代総合3位に入りたかったのですが、一人強力な40代選手が3位に入っていて、全く勝負になりませんでした。

また、7位の選手はなんと50代。

JSAには参戦していない選手たちにもまだまだ強い選手はいるものだな、とここへきて新たな世界を知った気分になりました。

50代目前にして表彰台の一番高いところに立たせてもらったのはいいご褒美になりました。

今回も、前回の上田バーティカルと同様、山練習はほとんど入れずに臨んだトレイルレースでした。

昨年の経験から、とにかくロード、平地の練習でしっかりと地力を高めて、揺るぎない走力を身につけることでトレイルにはある程度応用できると感じていました。

今回も、週末ごとの主にLT走ではかなり手応えを感じていて、ロード区間だけでなく、トレイルの急登でもかなり余力を持ってペースを維持できることができました。

トレイルレースの強度では、以前からLTが重要な要素であると感じていてそこを中心に鍛えてきました。

また、昨年度のマラソン練習から月間あたりの走行距離も微増し、直近2ヶ月は月間400km程度を維持できていたことから、通常のジョグでもあまり疲れにくくなっていることに気づきました。

こうした、特に派手な練習や山練を積んでいなくても、少しずつ負荷量や強度を上げ、それを継続することで、結果として走力が向上する過程は、変化は地味ですが確実なものであると改めて実感しました。

ここまで、幸い大きな故障をせずに練習を継続していますので、ここからも急激に練習量や負荷量を増やさずに、無理なくやれることを安定して続けていこうと思っています。

入賞者に贈呈される手作りの和紙賞状。このレースの魅力の一つですね。

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