こんにちは、ランマニアです。
出場を迷っていたスカイランニングジャパンシリーズ(SJS)の最終戦、びわ湖バレイスカイラン。
その前の烏帽子スカイランVK部門で予想外の好順位だったため、シリーズ戦のポイントがかなり加算され、最終順位に大きく絡むびわ湖バレイは無理してでも出走すべきと判断したのでした。
びわ湖バレイスカイランは、SJSの最終戦に位置付けられ、この最終戦のエリート部門だけはエリート登録(日本スカイランニング協会登録)者の中でも、年間シリーズでポイント獲得者のみが出場できる、文字通りエリート部門の「最終決戦」なわけです。
そのことから、この最終戦のみ、30位以内に付与されるポイントがなんと2倍に増額される特別扱いなレースなのですね。(なのに、強豪選手が激坂王にイッテしまうという・・・)
その名も「グランドファイナル」
そんな特別感満載なこのレースに、2年前「SKY」部門で初出場することができ、とても胸躍らせながらはるばる琵琶湖まで車を走らせた(7時間!)記憶があります。
そして今年は、あの頃よりもだいぶ戦績も向上し、SKY、VK両部門でこのグランドファイナルに進むことができていたのですが、残念ながら所用の関係で、土曜日のVKのみ参加可能な状態でした。
当初は、強行日程での出場を強いられるし、遠いし、お金もかかるしで、VK走りに行くだけではとてもコストに見合った成果は得られないな、とほぼ出場を諦めていました。
ところが、前走の烏帽子での好記録。
これはVKだけでもシリーズ戦を最後まで締めくくりたいな、とちょっとした欲が出てきたのですね。
そうした中での、VKエリート出走となったわけです。
びわ湖のVKは、打見山山頂までの距離4.3km、獲得標高差900mのオーソドックスなバーティカルレースです。
烏帽子が7.5kmと、バーティカルとしてはやや長めの距離だったのに対し、びわ湖は4km程度で900m登りますから、どちらかというと本来のバーティカルらしいコース設定と言えます。
そして、烏帽子のように途中で下りが何度かあったり走れるシングルトラックが何箇所かあるわけではなく、最後までほとんど勾配が一定の、登りっぱなしで休めない、登り適性やスピードが試される誤魔化しの効かない、バーティカルオブバーティカル、と言ったコースです。
優勝タイムは例年35分前後(上田瑠偉さんは異次元の32分台)ですが、ランマニア的には40分台前半を目標に走ることにしました。
しかし、この週はちょっと練習で無理をしてしまい、疲労が思ったより抜けないままこの日を迎えてしまったため、アップの時から烏帽子ほどの好調さは感じられませんでした。
最終的に脚の疲労がボトルネックになるだろうな、というのはある程度折り込み済みで、終盤のペースダウンは覚悟をしていましたが、それでもレース時間は40分程度ということで、10kmレースより若干余裕を持たせた努力度で走り続けることを念頭に置きました。
このコースは、4.3kmのうち、初めの300mは激坂一気下りです。一旦谷まで一気に下り、そこから突然登山道の登り道が開始されます。
やや荒れた下り道なので、捻挫や転倒に気をつけながら、でもできるだけスピード上げて下り坂を駆け下ります。
下りが終わると、いよいよ本格的なバーティカルの開始です。
10kmレースの努力度なので、当然烏帽子のような努力度よりはワンランク上です。
ある程度「ハアハア」言いながらも、まだまだ脚を残して登っていったあの感覚ではなく、ちょっとした勾配の変化で脚が止まるやもしれない、ギリギリな呼吸のキツさ。
ここに意識を最大限に集中し、ストライドは伸ばさず、ピッチで小刻みに登り坂を削るように登っていきます。
累積が100を超えたあたりから、急勾配の九十九折りがが開始されます。
もう既に呼吸は前のランナーにも聞こえるほど上がっていて、まるで5000mのレースの後半のような大きな息遣い。
でもその荒い呼吸のまま、脚だけをしっかりと動かそうと意識します。
この九十九折りの曲がり角を曲がるたびに、どんどん脚がキツくなっていき、ついに初めて「歩き」が加わるようになります。
累積にしてまだ300m。
これは飛ばし過ぎたな、と思った時には既に遅いのですが、トレイルの急勾配では、走るのも歩くのもそれほど大きなスピードの差が生じないため、とにかく苦しくなったら歩き、回復したら走る、を繰り返して最低限のペースを維持します。
トラックレースなら、確実に撃沈だし、たとえば5000mでは3000mでオールアウトしてしまったのとほぼ同じ状態。
しかし、トラックレースのように、数秒、数十秒でPBを狙う性質のレースではないため(とはいえ数秒で入賞を逃したりするのですが)、撃沈してもとにかく脚を動かし続けることが大事になります。
しんどいながらもなんとか歩きと走りを繰り返し、ようやく残り累積200m。
ここまで来れば、もうあとは気力でやり切るだけです。
途中巨大な岩の隙間をよじ登ったり、一瞬だけ巻道を走れたりしながら気を紛らわせ、いよいよ最後の急坂と階段が見えてきました。
もう完全に酸素の負債が限界で、乳酸も除去しきれなくなり、一二歩で止まりそうになる階段を気力で登り、なんとかフィニッシュ。
久しぶりにレース後倒れ込み、数秒間仰向けに、そして数秒間うつ伏せに。
ここまで苦しいレースは、もしかしたら高校生の頃以来かもしれません。
そして、無酸素域で走り続けた時の、あの独特の気持ち悪さも襲ってきて、なんだか体が中学生に戻った感覚になりました。
時計を見ると、40分19秒。
目標の40分は切れませんでしたが、過去の結果と照らし合わせると、40分はそこそこの選手が走っているタイムですし、今回も9位という順位が目に飛び込んできて、久々に自分の記録に大きな達成感を得たレースとなりました。
さて、今回のびわ湖バレイも、前回の烏帽子に引き続き、自身の中で大きな手応えと達成感を得られる好記録を残すことができました。
正直、今年のこの結果には自分自身も驚きを隠せないのですが、よくよく振り返ると、昨年を上回るパフォーマンスを発揮することができた要因に、いくつか思い当たる節がありました。
それについては、次回のブログにまとめようと思っています。