こんにちは、ランマニアです。
長距離やマラソンを始めると必ず避けては通れないトレーニング、「インターバルトレーニング」
ランマニアも中学から陸上を始め、以来、最も嫌いな練習の一つです(笑)
一流のエリートランナーでさえ、おそらく嫌いであろうこのインターバルトレーニングは、まあとにかく苦しいのです。
通常、人間はスピードを上げて走ろうとすればそれに応じた酸素が必要となります。なぜなら、スピードを上げて走るためにはより多くのエネルギーが必要となり、そのエネルギーを生み出すためには酸素が必要となるからです。
その酸素をどうやって筋肉に送り込むか、が問題です。
一つは、息を吸って酸素を肺に送り込み、肺胞から血中に酸素を取り込み筋肉へ届けます。だから、速く走ると呼吸が苦しくなるんですね。たくさん酸素を吸おうとしますから。
もう一つは心臓です。できるだけ大量の酸素を筋肉に届けるには、できるだけ速く多くの血液を全身に行き渡らせなければなりません。だから、速く走ると心拍数が上がるのですね。
つまりです。心拍数を上げるには速く走らねばならんのです。そして、悪いことに、心拍数を上げるような運動は苦しさも伴います。
「インターバルトレーニング」は、要は「心拍数を上げ続けるトレーニング」と言い換えることもできます。だから、とても苦しいトレーニング、でも、長距離を速く走るにはどうしても避けて通れないトレーニングです。
ダニエルズさんは、このインターバルトレーニングを使って最大酸素摂取量を高めることを想定しています(ダニエルズさんだけでなく、おそらく世界中のコーチ、選手たちも)。
しかし、ダニエルズさんがすごいのは、このトレーニングはだいたいどの程度行えばもっともトレーニング効果が得られるか、ということを、たくさんのデータを集めて証明しているところです。
子供から大人まで、このインターバルトレーニングの代表格はおそらく「1000mのインターバル」だと思います。長距離選手なら誰しも行ったことのある定番トレーニングです。ではなぜ、1000mなのか。
これについては実はダニエルズさんが証明しています。
最大酸素摂取量を高めるためには、「最低でも3~5分間、最大心拍数の98%以上の心拍数を維持しなければならない」と。
通常、私たちが全力で1000mを走るとだいたい3分そこらです(エリートは2分台ですが)。つまり、「最低でも3分間」の条件を満たすには、だいたい1000mくらいは走らないとならん、ということなんです。だから、1000mなのです。
しかも、その人の最大心拍数の98%以上ということは、ランマニアであれば185かそれ以上。これを3分以上継続。
こんな拷問のような練習、想像しただけで嫌になります。
そして極め付けは、この1000mのインターバル、みなさん走ってみればわかりますが、1000mを一本走っただけでは、そこまで心拍数は上がらないのです。二本、三本、と繰り返すうちに徐々に心拍数が上がり、三本目くらいからようやく目指すところまで上がってきます。
1000mのインターバルは、一本と一本の間は軽いジョギンングを入れ、決して立ち止まって休むことはしません。休んでしまうと、せっかく上げた心拍数がまた元に戻ってしまうからです。心拍数が戻る前にもう一度1000mを走ることで、その前の一本よりもさらに心拍数を上げることができるのです。こうして徐々に高めた心拍数がある一定の高さで止まり、安定したら、さらにその心拍数をできるだけ長く維持して走り通す。
なので、どうしても三本以上、できれば五本程度は必要になってくるのです。
これ、何をしているかというと、
要は「心臓の筋トレ」です。
もっといえば、心筋の筋トレ。
心臓は鍛えると、心拍数を上げやすく下げやすい心臓に変わってきます。
インターバルトレーニングを始めると、一本目はやけに苦しいのに、二本目以降は苦しさの中にも余裕が出てきます。これは心臓がウォーミングアップし終え、より速く動けるようになるからです。
ところが、鍛えまくったエリートランナーは、もう、一本目から心臓は全開まで動いてくれます。だからエリートランナーは、最初から結構なペースで押していけます。ここらへんが、ランマニアのような普通のランナーとエリートランナーとの違いです。
1000mのインターバルをどれくらいのペースで行えば良いかについては、各ランナーの走力ごとに違いがあります。それについては、ダニエルズさんのランニングフォーミュラに詳しい計算式があります。ネット上にも計算式がありますが、本を参考にした方がわかりやすくて良いでしょう。
ある程度ジョギングを継続でき、少しずつペースが上がってきたら、ぜひ、このインターバルトレーニングに挑戦してみてください。