11月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

さて、明日はレストが確定しているので11月の練習も今日で終わりです。まあ、ダニエルズ練は週単位の計画なので、月末だからどうこうっていうことでもないんですけど。

今月は月初めにレースがあり、そのあと3連休。そこからの本練復帰という流れでしたので、10月のレース疲れがどれくらい影響するか少し不安がある中でのスタートでした。

最初の週こそインターバルが1段階遅いペースになってしまった以降は、思いのほか疲労の影響はでず、おおむね設定ペース、設定本数、設定距離を守っての練習を継続することができました。

11月はダニエルズのマラソントレーニングの2サイクル目という設定で

以前のゴールドプログラムの時もそうでしたが、とにかくランマニア的にはVO2Maxインターバルに苦手意識があり、今月もH3分×5が含まれている月初めの高強度練習がダメダメでした。

もちろんレースの疲れが最も影響する時期だったというのはありますが、そうでなくてもこのHペースやIペースという強度で走った時の脚の疲れ方が、他の練習よりも強く出る傾向があります。

そうすると、3本くらいならともかく、5本やるとなるとどうしてもペースを落とさざるを得なくなり、なんとなく強度が不足した練習になってしまっている印象があります。

マラソントレーニングなので、どうしても量は確保したいと考え、ペースを抑えてでも決められた本数を、と考えてしまいがちですが、そもそもVO2Maxインターバルはそこそこの強度で走らなければあまり意味がない練習なので、実際のことろしっかりペースを上げて心拍数を上げた状態でやれる本数にとどめる、というアプローチも必要なのではないかと最近思っているところです。

マラソントレーニングとなり、MとTの割合が大幅に増えました

今月はMとTの割合が増え、特にTペースのLT走が2回で20km超と、週単位ではこれまで取り組んだことのないほどの距離を踏みました。レースほどのダメージはないとはいえ、ハーフのレースに1回出るくらいの負荷がかかるわけですから、分割したとしても体には相当負担がかかっていたはずです。

脚自体の疲労はあまり実感していませんが、かなり高出力でペースを維持したので中枢神経系の疲労は間違いなくこの後やってくると思います。

30日の月ではこれまでの最長距離です

そして、あまり比較することに意味はありませんが、月の総走行距離は30日の月としては最長となりました。ハードな練習が多かったため、体感的には400kmに迫る勢いかと思いましたが、それほどでもありませんでした。まあ、週の最高走行距離を100kmと設定しているので、ダニエルズさんの設定している週間走行距離に従って練習をしている間は、400に到達することはなさそうなんですがね。

さて、来月は再びいくつかのレースが入ってきます。

12日には久々の1500mと、なんとマイルに出る予定です。こんなフルマラソンの練習メインで、スピード勝負がどれくらいできるか試そうと思っています。

また27日は昨年も出場した川内杯栗橋関所マラソン10kmです。こちらは少し本腰入れて走って、ここまで積んできた練習の成果というか効果を検証したいと思っています。

いずれにしても、当面フルの予定がない中でのマラソン練習になってしまいますが、マラソンのような長い距離を走るための力は、一朝一夕に身につくものではないので、レースがなくてもトレーニングは継続し、一定の力を維持しながらレースの再開を待ちたいと考えています。

ぼっち練だからできる「最低限の努力」による「最低限の負荷」

こんにちは、ランマニアです。

さて今日は、もう数週間前からこの日を迎えるのがある意味楽しみのような憂鬱なような、なんとも複雑な気持ちになる練習メニューの日だったわけですね。

ダニエルズさんのマラソントレーニングの中でも、おそらく1、2位を争うほどのメンタルやられる練習、精神的にしんどい練習、そんなところでしょうか。

ベースはLT走なんですが、途中に一度レペティションを挟み、そこで終わらずそこまででいじめ抜いた脚をさらに使って最後にもう一度LT走を走らせるという、考えた人は相当意地悪なんじゃないかと思えるほど、ランナーの一番辛い部分をついてくる練習です。

これまでのマラソントレーニングの実施状況からすると、たぶんランマニア的には今日の練習は無理でした。

まず、今月の練習で疲れ切った中で、LTペース(ランマニア的には3分30秒/km)を維持するのは相当至難の業。疲れがある中でこのペースを維持するにはかなりの努力度が必要となり、努力度が上がるということは、それだけ中枢神経系にも負担をかけることにつながりますので、長い距離が持たなくなるのですね。

中枢神経系がオーバーヒートすると、もうジョグすら継続するのが厳しくなるので、現在の、ボリュームを維持することが最優先の練習段階では、それだけは避けなければなりません。

そうすると、今日のような体調で、かつこのような最後まで体力を温存しつつある程度のペースを維持しなければならないタイプの練習は、どうしたってペースを落とす以外やる方法がなくなってくるのです。

かといってMペースまで落としてしまえば、もう今日の練習の意味、効果はほとんど見込めなくなってしまいますのでそれも避けたい。

であれば、結局選択するペースは「ガチのLTペースではないが、本数繰り返したり一定時間維持すればLTゾーンも刺激できる程度のMペース以上のペース」という、言葉にするとなんだか訳のわからないペースになってしまいます。

こういう時は「感覚」で表現するのがとてもわかりやすく、要は「このペースなら1.6kmを8本、間に200mを挟んでも走りきれるな」というようなペース、ということになります。このペースで走ってみて、結果、それがMペースになってしまえばもう今日はしょうがない、そういった心構えです。

昨日あたりのジョグから、ちょっと疲労がかなりきているのがわかっていたので、おそらく今日もそれほど好調ではないだろう、とアップをしながら脚の感覚を確かめていましたが、やっぱりどう考えても疲れてる、そんな状態です。

でも、まずはやるだけやってみよう、と「このペースなら8本いけるだろう」というペースでスタート。

う〜ん、全然スピード感なく1kmの入りで時計を見るのが怖い、そんな心境で恐る恐る時計を見ると、「3’48”」

3分48秒!?

思わず二度見ですよ、二度見。

こういう時人間はまず「否認」から入りますので、何度も時計を確認します。いやいや2分48秒なんてことはあり得ないから、もう3分48秒で確定です。

最近は、ハードな(あくまでランマニア的にですよ)練習を続けているので、こういうことはよくあります。よくあるので、こういうショッキングなラップを見てしまっても極力気持ちを立て直すことが非常に重要です。

「いや、流しやってないし、疲れてるし、仕事終わりだから体動かないんだよ」とできるだけポジティブに考え、なんとか練習を継続させる意味を見出そうと努力します。

1本目はもうしょうがない。そのままペースを維持して1.6kmを6分そこそこ。完全にMペースですが、脚はまだまだいけそうなので2本目以降に期待。

2本目は若干体が動いた気がして、案の定5分57秒と少しだけペースアップ。

もう今日はこのペースでもいいから最後までやろう、と腹をくくって走り出した3本目。ようやく1kmの通過で3分35秒という「まともな」LTペースに戻すことができ、一安心。

脚もかなり動くようになり、その後は6本目までこれくらいのペースを維持することができました。

その後の200mを走る頃にはすっかり体のキレも戻ってきてほぼRペースで8本のレペティションを完遂。

からの1.6kmLT走が待っていましたが、もうここまでくると正直「気持ち」の問題。

脚の感覚がなくなるほどの、まるで麻酔でも打たれたようなダメージを受けた状態でのLT走でしたが、本日最速の5分41秒。

最後は完全に脚が終わり5分49秒かかってしまいましたが、それでも「だいたいLTペース」で今日の練習を終えられた気がします。

さて、今日みたいなコーチがいたらコーチを恨みそうになるメニューをやるとき、正直「ぼっち練」は相当しんどいです。

なんとなく漫然と走ってしまうので、心理的高揚感に助けられることもないですし、ペースメイクを誰かに委ねることもできません。

おそらくですが、今日もし同程度の走力の人と一緒に走ったら、もう少しペースを上げられていたでしょうし、「生理的な」LTペースも忠実に維持できたと思うんです。負けたくない、なんていう意地もありますし。

しかし、では仮に「今日だけ」その練習を実施でき、「忠実に練習をこなせた満足感」に浸ることに果たしてどれだけの意味があるか、そんなことも考えます。

多分ですが、もし今日「忠実に」練習をこなせたとしたら、明日以降の体のダメージは相当なものが残ってしまったと思います。「気持ち」や「高揚感」などでカバーしてしまった「生理的ダメージ」の威力を甘くみてはいけません(特にランマニアの場合)。

確実に後になってその反動はやってきます。下手したら、それこそ「計画していた」練習を変更せざるを得ない状況に陥る可能性も大です。

そう考えると、今日のように「疲れてる」「かったるい」「さっさと終わらせたい」みたいな気持ちの中で、そこそこの踏ん張りで維持できるペース、いわゆる「最低限の努力」で維持できるペースで練習をこなすことで、体への生理的なダメージを最小限にとどめつつ、求められた「最低限の負荷」(ここではLTゾーンですが)をかけられるのではないかと考えるわけですね。

そうすることで、明日以降の練習をまた継続することができる。練習は、今日で終わりではないわけで。

食べすぎて気持ち悪くなって、もうこんな料理みたくない、って思わないよう腹八分目でやめておくのと同じで、練習を嫌にならなずに、長きにわたって「そこそこの質」を維持するには、やはり練習も腹八分目がいいんだろうな、と、今日はぼっち練の良さみたいなものを再確認したところでした。

疲れない脚と速く走ることとは別

こんにちは、ランマニアです。

先週は、ダニエルズさんのマラソントレーニングではいわゆるMペースの週となっていて、週に2回16kmほどのMペース走を行いました。

16kmなので、実はあまり大した距離ではないのですが、ここのところMペースで走ろうとすると、3分50秒を切るのがかなりしんどく、55秒くらいでやれればいいや、くらいに思ってスタートすることが多くなっていたのですね。

ところが、先週は力がついたのか疲労が抜けたのかわかりませんが、2回のペース走のどちらも3分40秒台半ばをかなり楽に維持でき、とても快適に練習を終えることができました。

以前フルで2時間40分を切った時でさえここまでのペースでは走っていなかったので、練習でこのペースで走れるのはかなり脚ができてきたんだろうな、と手応えを感じていたところでした。

そうした自信を持って迎えた今週のT週間だったのですが、その1回目のQデーが今日。

Tペースで1.6kmを3本走りその後3.2kmを走るという比較的軽めの練習であったにもかかわらず、今日はキロ3分30秒で走るのがやっと、終盤は35秒まで落ちるというちょっと予想外の結果だったのですね。

もちろん、かなり走りに影響するような強風が吹き荒れていたのは間違いないのですが、それにしても脚が動かず。先週のMペースの余裕度から考えると、この一杯一杯感は何?といった状態でした。

確かに、先週のM練習ではかなり脚を酷使しましたし、週間で100kmも(ランマニア的には「も」)走っていたので当然疲労はあったと思いますが、それにしても3分30秒ペースに余裕がなく。

やはり、薄々気づいてはいましたが、このLTゾーンを境にして体にかかる負荷が急激に変わってくるのだな、と(だから「閾値」っていうのでしょうから)。

おそらく、ランマニアにとってキロ3分40秒台のMペースというのは、どちらかというといわゆる「LT1」というやつで、血中に乳酸が徐々に増え始めてくるあたり。

そしてキロ3分30秒を切るようなTペースは、おそらく「LT2」、本格的に血中乳酸濃度が上昇し始めるペース。

で、高強度練が少なめで距離を踏むような練習で対応できるのはLT1くらいまでで、LT2を引き上げるには、やはりもっと強度の高いVO2Maxレベルの練習を高い頻度で入れていかなければならない気もしているのですね。

最近では10km RPで走るCVインターバルなんかも効果的なんでしょうけど、いずれにしてもマラソン練習を継続している以上、それらの練習の質を保つには脚がフレッシュではない気がしています。

マラソントレーニングを始めた当初は、距離の耐性を身につけながらも5000mくらいにも対応できる体を作りたい、と欲張っていましたが、実際この練習を続けてみると、想像以上に脚へのダメージが残った状態を続けなければならないことに気がつきました。

加えて、神経系にも疲労がくるので出力を上げる練習も、自然と億劫になってしまいます。

そんなこともあり、来月、急遽「センゴ」(1500m)のレースにエントリーしてみました。

いわゆる「スピード練」をほとんど入れず、マラソントレーニングだけでどこまで対応できるかちょっと試してみたいと思い。

おそらく、有酸素系の力をフルに活用しながら走ることになると思いますが、ここらで一度体に「喝」を入れ、体を目覚めさせてみようかなと考えています。

「いきなりスタート」はありか

こんにちは、ランマニアです。

だいぶ更新が空いてしまいました。

10月のレース月間中はなんだか訳のわからないハイテンションで、それが終わってしまったところで急に気が抜けたというか一息ついたというか、とにかくしばらく放心状態でなんとなくジョグをして過ごす日々が続いていたのですね。

最後のレースとなった烏帽子スカイラン以降は、ひとまず1週間休養期間として完全休養3日に軽いジョグを4日と設定して脚を休ませました。

こういう休養期間は脚の筋繊維については休まるのですが、レース期間中にレースのたびに出力を上げて筋力を発揮し続けた中枢神経系、つまり脳の方は意外と遅れて疲労感が出るものなのです。

ランマニア的には、だいたいレースの翌週あたりにその疲労感が出る印象で、今回も休養期間に設定した週の終わり頃になんだかかったるいような感じの疲労感が出始めていたのですね。

こうなると脚は軽くて一見調子が良さそうに感じるのですが、実際走り出すと初めの脚の軽さがあまり長続きせず、思ったよりも早く脚に疲労が出始め、思うようにペースが上がらない状態に陥ってしまいます。この疲労状態にはまってしまうと、比較的長期間にわたり調子が悪化するので注意が必要です。

今回も、ダニエルズ練を再開しようとした烏帽子が終わった1週間後の状態がまさにそうで、脚は軽くてペースが上がるのに、なんとなくかったるい感じがして早く練習をやめたいような状態になっていました。そんな中で、最初のQデーが水曜日にやってきました。

この週は仕事も詰まっていて、メンタル的にもかなり一杯一杯の中、TペースとHペースとRペースを一度に織り交ぜる脅威のインターバル練習を迎えなければならない絶望的な週でした。

そんな中でしたから、練習当日も気持ちが後ろ向きで、アップの時から走ることに気持ちが入らず、「こりゃ久々にDNFだな」と嫌な予感がしたものです。

さて、結局この日の練習は予想通りペースが全く上がらずTペースがMペースに、HペースがTペースに落ち、目的の練習にはなりませんでしたが、その分設定された本数は初めてこなすことができ、まあ完全に自己満足ですが「やり切った感」は残った練習でした。

今日の話題は、実はこの練習の時に初めて試したことがあり、果たしてこの試みはどうなのよ、という話なのですね。

ランマニアは、もう中学時代からの半分儀式みたいなルーチンになっているのですが、いわゆるポイント練習、あるいはスピード練習と一般的に言われている練習をする前には必ず「流し」(これは昭和ランナーの言い方?)、つまりウィンドスプリント(WS)を数本入れてから走る習慣がありました。いえ、ほとんどのランナーの皆さんはこれをやっていると思います。

これは多分エビデンスもしっかりあると思いますが、要はいきなりVO2Maxくらいのペースで走ろうとしても、人間の体はその動きや動かす速さを作り出すためにまだ脳から抹消までの神経系の経路が未使用のままだと動きがぎこちなくなったり、心拍数も上げていないと心臓がちゃんと動かずに若干酸欠気味になって無酸素的なエネルギー供給系が動いてしまうといった理屈から、目的の練習がこなせなくなってしまうことを防ぐためのものだと理解しています。

なので、ランマニアは、レース前は当然、Iペース、Tペースの練習前も必ず、そしてMペースの練習前ですら流しを入れているのですね。

ところが、先週水曜日のQデーは、最初はTペースから入る練習だったにもかかわらず流し入れずにジョグが終わったらいきなりTペースで走り出してみたのです。多分、こういうことをするのは人生でも数回あるかどうかです。ここ数年では初で。

なぜこんなことをしたのかというと、とにかく頭が疲れていてあまり出力をあげたく無かったのと、流しを入れて脚を使いたくなかった、つまり完遂するために脚を温存したかった、という理由がありました。まあ、それだけ疲れていたのですね。

いざスタートしてみると、意外と脚は動いたのです。結構行けるな、と。

しかし、結局中枢性の疲労がひどく、出力をあげようとしても全く力が入らず、ペースはMペースくらいにとどまってしまいました。

ただ、これは流しを入れなかったことが理由ではないと思っているので(なぜなら、2本目にペースが落ちたので、アップ不足であるならば2本目はペースが上がっているはず)、意外とこれくらいのペースで走るのであれば流しはいらないんじゃないかと、うっすらと感じました。

そして今日のMペースでの距離走です。前回はTペースでの練習で流しを入れなかったので、それ以下のペースであるMペースではもっと不要だと思い、今日も流しを入れずに「いきなりスタート」。

やっぱり思いのほか脚は動き、キロ4くらいかなと思っていたらかなり余裕を持って3分51秒で1kmを通過。疲れている時などは、流しを入れても4分近くかかることはザラなので、やはりこれくらいのペースであれば流しを入れる必要はなさそうだ、と。

ぶっちゃけ、ここのところQデーの走行距離が伸びてきて時間もかかるようになってきたことはとても大きな問題なのですね。

「意識が低い!」と怒られそうですが、流しって走って戻って走って戻ると意外と時間が取られるもので。

そんな10分程度の時間我慢しろよ、って思われるかもしれませんが、我々サラリーマンランナーは意外と10分20分が1日の中で結構大事になってきて(特に平日は)、平日夜の練習などではできるだけ早く家に帰りたいというのが正直なところなんですね。

今日のMペース走もトータルの練習時間は約100分。休日なのでこれくらいの時間はなんともないですが平日であれば帰りはかなり遅くなります。

そんな中で、流しが入ってしまうとこれよりさらに10分以上時間が取られますから、2時間に迫る練習時間となります。フルマラソンの練習をしている以上、時間がかかるのはある程度仕方がないことですが、あくまで私たちが取り組んでいることは「趣味」なので。

仕事や家庭など日常の生活のことを考えると、やはりそれらとの両立については重要なテーマになるんじゃないかと。

MペースやもしかしたらTペースくらいでも、初めの数分、あるいは1本目くらいを「アップ」と捉えるのであれば、思い切って流しは省きそれを本練習の序盤に代替するという考えもありなのかな、と先週の水曜と今日試してみて考えたところです。

もちろん、5000mとかそれ以下の距離のレースなどでは絶対流しは必要ですし、VO2Maxインターバルも必要でしょうね。

でも、ペースがやや遅く時間もかかる練習の時はもう流しはやらなくてもいいのかな、とここ何日かで考えたことです。

10月の振り返り

こんにちは、ランマニアです。

少し遅くなりましたが、恒例の月間練習内容振り返りです。

先月は4週連続でレースがあり、最終日もまたレースだったこともあり、どうしてもレース報告が中心で練習報告が月を跨いでしまいました。

早速10月の1ヶ月を振り返ってみたいと思います。

意図していなかったものの、結果的に練習のゾーンがとてもバランス良く取り入れることができました。

今月を振り返ると、当然毎週のようにレースが入っており、そのレースをどのゾーン(VO2なのかLTなのか、など)として捉えるかでだいぶ変わってきますが、一応山レースは一律「Trail」項目に分類しました(実際にはLTやVO2ゾーンであったとしても)。

また、唯一のトラックレースである5000mについてはVO2Maxペースに分類しました。

その結果、今月は非常にバランス良くゾーンを分配することができ、なおかつ平日にもQデーを取り入れ心拍数を上げる練習頻度を下げることなく、このレース月間を乗り切ることができました。

以前Twitterの方で「レースは練習にならない」みたいなことを呟きましたが、それはそのためにテーパリング(練習量を落とす)したり、レース後の回復のために休養が増えたりしてしまうと、練習のボリュームが低下してしまい、結果としていい練習を継続できなくなってしまうということからそのような認識であることを述べました。

しかし、今月の結果を見るとレースがQデーとしてうまく機能していて、後で述べますが練習量を全く減らさずにこのレース月間を過ごせたことになっています。

実はこうしたレース期の乗り切り方を以前から目標にしていて、以前は普段の練習量が少なすぎるため、1度レースを走ると一気に疲労が一線を超えてしまい、その後しばらくは練習を再開できないことが多くありました。

それが今月は1レースに出たくらいでは大きな疲労がたまることがなく、週の間に一度Qデーを入れたとしても翌週のレースでほぼ十分なパフォーマンスを発揮することができました。これには自分でも驚いていたところです。

Trail比率の圧倒的な増加は当然として、M、T、Iがほぼ同比率だったのは意外でした。

その結果どのようなことが起こったかというと、これまでひと月の中で満遍なく取り入れることのできなかったそれぞれの練習ゾーンが、大体同じような比率で含まれることになりました。特に、ランマニアの最も苦手としているIペース(VO2Maxゾーン)での練習が、5000mのレースに出ることで最低限賄えたというのは大きかったです(練習だと1000m×5はかなり厳しい)。

そういう意味では、(練習量を落とさずに迎えられるという条件のもとにおいてですが)5000mのレースはIペースでインターバルをやることの代替策として意外とありなようにも思えてきます。特に、練習ではからきしペースが上げられないランマニアのような「レース弁慶」タイプは。

また、今回山レースは全てTrail扱いにしていますが、実際の心拍ゾーンで見てみると、短めのバーティカルでは明らかにVO2Maxレベルにまで到達している時間帯があり、スカイレースではLTゾーンで走り(登り)続ける時間帯も存在し、さらに月は変わりましたが烏帽子のスカイレースのようなロード区間ではマラソンペースを維持している時間帯もありました。

こうしてTrailゾーンまで含めてみますと、かなり広範にわたって代謝系を利用した月になったことがわかります。

この半年で最大距離に到達した10月

そしてなんといっても10月は3月以降統計を取り始めてから(実はもっと前からとっているのですが、ブログで報告し始めてから)、最も長い距離を走った月間となりました(31日間というボーナスもありましたが)。

レースに4度出て、平日にも1日Qデーを設けた中でのこの距離ですから、これは明らかに耐性がつき、回復力も身についたと考えていいと思います。

ポイントは、上のグラフにおける8月の落ち込みにあると思っています。

4月から始めたダニエルズのゴールドエリートプログラムを約4ヶ月間続け、そのあと一旦、計画外でしたが怪我による休養期間が挟まりました。

ここでの「消極的休養」がのちの9月10月に効いていたと考えています。

というのも、9月、10月は、一度のQデーやレースの後に、7月までの感覚からは想像できないほど疲労が残らないという経験をしていました。あの頃は一度のインターバルやLT走でしばらく疲労が抜けない日々が続いていた感覚があります。

自分自身の感覚では、8月に故障で練習量が減った時に、だいぶ体がリフレッシュされた感じがし、その後通常の練習メニューに復帰した際に、一度の高強度の練習による疲労がずいぶん軽くなった印象を受けていました。明らかに7月までとは違うな、と。

つまり、4月から7月までのトレーニング効果は、一度の休養期間を挟んで、1、2ヶ月後にようやく発現してきたのだろうと推測しました。

そうなると、一度の練習における疲労度が軽くなるわけですから、これまでよりも、少し多めの練習を積むことが可能になるわけです。あるいは、強めの練習という選択も可能であると。

今はまだ烏帽子スカイランの筋疲労がだいぶ残っているので、しばらくはジョグしかできませんが、この疲労が抜けたあたりから、これまでの練習をワンランク上げてみようと考えています。

現在取り組んでいるのはマラソン用のトレーニングなので、ここで引き上げるとすれば強度ではなく距離や本数になってくると思われます。

ただし、先日の5000mで感じた最大運動(実際5000mではそこまで追い込めませんが体感的にという意味で)における肉体的な限界はちょっと深刻でしたので、体を刺激するためには時たま強度の高い練習を入れる必要があるかもしれません(例えば、1000mを全力で2〜3本走る、など)。

烏帽子スカイランに出場してきました【スカイレース編】

2日目も晴天に恵まれ、まさにスカイレース日和となった烏帽子スカイラン。お寺の石段がスタート・フィニッシュ地点というこのセンスの良さ。

こんにちは、ランマニアです。

さて、今回の烏帽子スカイランでは人生初となる2日跨いでの2種目出場、通称「コンバインド」に挑戦することになりました。

昨年のJSAジャパンシリーズでは、正式にコンバインド順位も算定されるレースがいくつかあり、ランマニアの大撃沈した「上田スカイレース」でも2種目制覇、さらにコンバインド部門でも優勝し3冠をとってしまうようなランナーもいて、スカイレースだけでもやられてしまったランマニア的にはまさに「信じられない」といった心持ちでした。

そんなランマニアが今年一つの目標としていたのが、比較的短めのレースでそのコンバインドに出走すること。

残念ながらそれが可能となったレースはこの烏帽子スカイランのみとなってしまいましたが、昨日のブログでも書いたように、なんとかそのスタートラインには立てるほどの体力を身につけて今年最初で最後の唯一の機会にそれを達成できる状態になりました。

前日のバーティカルでは、序盤からハイペースで飛ばし、終盤もギリギリまで出し切りましたので、そこそこの疲労や筋痛を心配していたのですが、一晩明けて朝の状態ではレースを走れる程度の脚の状態であることは確認でき、まずはひと安心。

おそらく今年一番の冷え込みだった気もしますが天気も良く、これはもう疲れがなんだといってられないコンディション。お寺の石段を見上げて「これはやるしかないな」と気持ちも高まりました。

スタートは今回もウェーブスタート。ただし2人一組のペアによる30秒ごとのスタート。そしてペアになった方はトレラン界ではとっても有名な一流選手の方で、もうスタート待ちしている段階で昨日に続いてテンションMAXといった感じでした。

ウェーブスタートのいいところは、一人一人スタートラインでMCの方に紹介をされること。今回は感染症対策でこうなりましたが、もう毎回これでもいいのでは無いかと思うほどいい演出だと思います。

そしてお寺の長ーい石段の最上段からスタート。

スタートしていきなり急な石段を直滑降するのって初めての試みですし、そもそもそんなレースがいくつ存在するんだ、という話で。

今回のスカイレースは走行距離25kmの累積標高差+1550m(実際には1600mを超えましたが)、こちらも比較的緩やかな勾配を想像できるコース。

計3段階の石段を下り終えると、すぐさま急な登りが始まります。とはいえ、しばらくはロードやダート区間なのでまだ登山道のような急勾配ではなく、キロ6分台でも押していけるような上り坂。今回はこの区間をアップと捉えていたので、登山道に入るまでは前日のようにかっ飛ばさずにやや自重してマイペースを徹底しました。

さすがにスタート順が「オーバースペック」だったので、この区間で早くも数人のランナーに抜かれ、スカイランナーの登りのペースの速さに圧倒されました。

いつもスカイレースやバーティカルではどこでタイムに差がつくのだろうと疑問に思っていましたが、今回のようなウェーブスタートだとその原因をリアルに体験できました。

全く別物ですね、あのスピードは。登りの速さがランマニアなんかとは比べものにならないほど別物の速さです。

とにかく、一歩の推進力がまるで違い、平地であればランマニアの登りはジョグくらいのペースで、追い越していくランナーはもはやMペース並み。自分でもそこそこ登りが走れるようになったと感じていましたが、この差を体感してしまうと全く太刀打ちできないな、と。

そうこうしているうちに登山道に入り、いよいよスカイレースらしくなってきました。

ただ、やはり距離のわりに累積標高が低めなので勾配はなんとか走れるレベル。歩幅を狭めて疲労を溜めないように小刻みに登ります。

この登山道は、昨年このコースを開拓するにあたり、廃れていた登山道を復活させたとのことです。

しかし、実際に走ってみるととても廃道だったとは思えないほど素晴らしいトレイルで、危険な岩場や足場の悪いところは全くなく、柔らかなサーフェスでとても走りやすいシングルトラックが続きました。

登り続けて約60分。樹林帯を抜け空がひらけてくると、一度稜線に出て遠くに烏帽子岳が見えてきました。

初めに烏帽子だと思ったのは小烏帽子岳。あのピークの先に、もう一度岩場があります。

この時点で脚はまだ残っていましたが、呼吸がかなり苦しかったので思うようにペースが上がらず、烏帽子山頂へ向かう岩場でだいぶ後ろのランナーに詰められました。

前日登った烏帽子岳山頂。この時点で85分。前日よりも風が冷たくとても山頂にはいられないほど。

ここで折り返し、前日のバーティカルコースを逆にたどります。

途中まではよく知ったコースなので大体の距離感覚はあり、さらにゴールまでまだ14km近くあることから、下りとはいえ調子に乗って飛ばさないように慎重に下山。

のつもりが、後ろから猛烈なスピードで駆け降りてくる若いランナーに一瞬で次々と抜かれ、これはもうランマニアのような下りの筋力が全く鍛えられていないランナーでは相手にならないな、と諦めモード。

トレイルレースに出始めた頃から思っていたのは、やはりこの手のレースは下りのペースが実力差を決定する、ということ。登りでのタイム差など、下りであっという間にひっくり返ります。

最大酸素摂取量や乳酸閾値に代表されるいわゆる持久的能力があまり影響されない、どちらかというと「スキル」、技術的な要素が大きく影響するスピードなので、正直なところ本格的に練習しなければこっちのスピードを上げるのは無理だと常々感じています。

なので、ランマニアのように普段は平地のロードやトラックをメインにしているランナーにとっては、下りで詰められたタイムは登りで取り返すしか無いのですね。

ところが、今回の烏帽子スカイレースのコースは、この下りトレイルが終わった後にとても長いダートとロードコースが待っていたのでした。これは全くの想定外。

登山道からダートコースに入ると、もう走り方がほとんどロードレースのようなフォームに変わってきます。そして車両が入ってこれるくらいの勾配なため、下りの得意なランナーにとってはいくらでも飛ばせるわけですね。

ランマニアはこういう下りが大の苦手で、とにかく脚が前に出ていかないのです。もちろん、ここまでの登りと下りの筋疲労の影響もありますが、そうでなくても下りではたいしてスピードを出すことができません。

案の定、この区間でさらに数人のランナーに抜かれてしまい、ここまで登りで蓄えた貯金はなんだったのかと、ちょっと虚しくなりました。

とはいえ、もうこのロード区間は最後まで続くのでしょうから、走りをロードレースのそれに変え、なんとかスピードを出せるように意識しました。その結果、どうにか1km4分を切るくらいのペースにまで上げることができ、ここでだいぶ距離を稼ぐこともできました。

さあ残り3km。キロ4で行っても12分で終わる・・。

わけがないのがスカイレースの常です。最後にもうひと山、いえ二山三山あり、あと少しというところで大いにメンタルをやられるのですね。

1km4分を切るような猛スピードでロードを駆け降りてきたところで、あろうことか突然再び山道に引き摺り込まれ、とんでもない急登を登らされます。

長い下りで相当脚にはきているので、こういう時の急坂はまともに登ることができません。それでも残りは2kmあるかないかなので、もう気持ちで登り切るしかないのですね。

ようやく最後の「登山」を終えると、見覚えのあるスタート地点が見えてきました。よし、残りは「あの石段」だけだ。

フィニッシュまでの石段は全部で3段階。これは後半の2段階で、この手前にこれの倍くらいの石段が待ち構えています。

頭ではこの石段のために脚力を取っておいたつもりでしたが、実際に階段を駆け上がろうとすると、もう10段ほどで走行不能に。数段歩いてまた走って、これの繰り返し。

こういう時、上を見るとなかなか距離は縮まらないので、足元だけを見て一歩一歩階段を登っていきます。

前半の長大な石段を上り切ると、いよいよフィニッシュまでの後半の石段。

前半は歩き、フィニッシュまでの後半はMCの方に名前を呼ばれて多くの人に見られているので「見栄を張って」死に物狂いで駆け上がります。決して江戸っ子じゃないけど、江戸っ子魂みたいな、ほぼ痩せ我慢状態。

そして、最後の1段を上り切り、どうにかフィニッシュ。

タイムは2時間34分50秒。思ったよりも短時間でゴールでき。

それでもトップは2時間13分台とかですから、ちょうどフルマラソンのレースくらいのレースタイムです。確かに自分のタイムもそれくらい。これ、フルのタイムと比べたら結構な一致率になるんじゃないかと。

スカイレースのコースから振り返ると一望できる上田の街。ここまでの登山道は快適なトレイルが続きます。

最終的な順位もなんとかギリギリ20位に入ることができ、目標としていたコンバインド達成と、20位以内というオマケまでつき、晴天に恵まれた烏帽子スカイランを好印象のうちに終えることができました。

いや本当に楽しかったです。

本大会も開催に漕ぎ着けていただき、当日も万全のサポートをしていただいた主催者さんやスタッフの皆さんには大変感謝をしております。

烏帽子スカイランに出場してきました【バーティカル編】

雲一つない晴天に恵まれた烏帽子バーティカル

こんにちは、ランマニアです。

4週連続レースだったこの10月もあっという間に過ぎ去り、昨日、一昨日はその最後の週で烏帽子スカイランに出場してきました。

同時に今年の山レースも今回がラストレース。今年はコロナの影響で数々のレースが中止になる中、10月だけで3度の山レースに出場できるとは、春先にはちょっと考えられない状況でした。

さて、そんな最後の山レースとなった烏帽子スカイランですが、実は今年からバーティカル部門に加えてスカイレース部門が新設されました。

昨年はこのバーティカルのみに参加し、翌日スカイレースのテストランが行われていたことは知っていました。写真を見る限り、素晴らしい景色に加えなかなか走りやすそうなコースで、来年の第1回大会は是非とも出走したいなと考えていたのですね。

しかしこの烏帽子のバーティカルのコースは、自分の走力や体力と大変相性のいいコース。ランマニアの距離特性や体調面などを加味すると、ちょうど絶妙な距離と累積標高のバランスの取れたコース設定のため、どうしてもバーティカルに出走したい、と。

となると、スカイレースに出るには2日連続で2種目を走る「コンバインド」しか選択肢はなく。

正直悩みましたね。昨年の烏帽子バーティカルの翌日に、果たして25kmものスカイレースを走れるか、と問われれば「かなり厳しい」と答えざるを得ないほど疲労は残っていて、流石に難しいだろう、と。

そこで、今年は10月の一発目のレースにちょうど同じバーティカル「尾瀬岩鞍バーティカルキロメター」が設定されていましたので、それに出場してみてから決めることにしました。

結果、あの急勾配の尾瀬岩鞍を走った翌日でも、それほどひどい筋痛は発生せず、肉体的な疲労度も軽かったので「これならやれそう」と、烏帽子でのコンバインドを決断したのでした。

さて、そんな中で迎えた烏帽子スカイラン。初日のバーティカルです。

このコースの特徴は、走行距離7.5km、累積標高差+1200mの、バーティカルレースとしてはやや緩やかな傾斜が続くことです。

実際走ってみますと、尾瀬岩鞍の「ジャイアントウォール」のような攀じ登る急坂は最後に少しだけあるだけで、後は頑張れば走り続けられる程度の坂道。しかしだからこそ最後まで一定の苦しさを継続しなければならない、タフなコースでもあります。

しかし、ランマニアにとってはこの距離と勾配が走力にちょうどいい相性で、去年は最後までほとんど歩くことなく走り通せたいい印象の残っているコースでした。順位も20位台でこの世界でやっていけそうな手応えを掴んでレースでもあります。

そんなこともあり、スタート前からとてもワクワクして迎えた本レース。

今年は1人ずつのウェーブスタートでさらにテンションが上がり、年齢を忘れてスタートからノリノリでしたね。

そんな状態でもあり、そして脚の疲労も割と少なめで調子が良く、あろうことかスタートから出し惜しみなくダッシュ。

このコース、意外と長いんだよ、と心の中でつぶやくも、「もう行っちまったもんはしょうがない」とそのままのペースで最初のロード登りをガシガシと進んで行きました。

初めの2kmは緩やかなロードの上り坂が続きます。上田シリーズはこの旗がかっこいい!

ところが、当然といえば当然ですが、ロード区間が終わる2km過ぎで早くも呼吸が厳しくなり、「あ、これはまずいかも」と思った時にはすでに遅し。

オールアウトまでは行かないにせよ、とても60分以上走り続けるには厳しい努力感。そしてその後に襲ってきた脚に血液が送られてない感。

こりゃオーバーペースだわ、と残り5km以上を残して嫌な予感が。

確かに、ウェーブスタートで前後にものすごいランナーがいる状態で、それがプレッシャーとなってオーバーペース気味になったことは否めません。それが、想像以上に「オーバー」過ぎました。

序盤に何度か繰り返される少し急な坂道ですでに「歩き」が入り始め、「ああ、去年はここは走れてたよな」と徐々にネガティブな心境に。

さらに後ろから追い上げてくる自分よりもゼッケン番号の大きな選手に何人か抜かれ、やっぱり遅いんだな、と。

それでも、急坂は歩き、緩やかな登りは走り、を繰り返しているうちに、初めて前にランナーの背中が見えてきました。

良く見ると、ランマニアよりも2人早くスタートした、つまり1分早くスタートした選手で、これはだいぶ詰めたな、と、ようやくここで元気が出てきました。

一旦急坂を下ったところにあるエイドからがいよいよ本番です。ここからの傾斜が徐々に急になっていき、歩く頻度も多くなってきました。

それでも、とにかく呼吸はきつい。先週の5000mほどではないにせよ、ずっと苦しい。でも、苦しくなくなったらペースが落ちた証拠だから、苦しいのはペースを維持している証拠。苦しいけど残りはものの30分程度だから、と己を奮い立たせます。

そしてそうこうしているうちに樹林帯をぬけ、いよいよ山頂が見えてきます。去年は確かここから10分くらいでゴールした記憶が。

時計を見ると、55分強。

この時点で昨年のタイムが68分台だったことを忘れていて、なぜか「ああ、去年よりも遅いな」と思ってしまい、気持ちが折れかけます。

しかし、幸か不幸か、最後の岩登りに差し掛かったところで後ろからまた1人の選手に追いつかれます。ここで文字通り「尻に火がつき」予定していなかった最後のスパートを。

最後はこの岩場をよじ登ります。見えてからが長い!

最後の岩場は両手両足を使いながらの、もはや「ランニング」ではない別のスポーツ。標高2000mを超え、酸素も厳しくなったところで苦しさも極限状態で最後の力を振り絞ります。

ゴール直前でその選手には抜かれてしまったものの、おかげで最後の一歩まで出し切ることができタイムもかろうじて67分切り。

しばらく呼吸困難で岩を背に仰向けにして寝転びましたが、すぐに記録が気になりその場で昨年のリザルトへアクセス。

自分の記録を確認すると、なんと68分58秒。

今回のタイムは66分50秒前後だから、まさかのPB2分更新。これはまさかの想定外。てっきりオーバーペースで撃沈かと思いきや、ペースが速くてしんどかったのね、と。

序盤から攻めに攻めたのは、それだけ脚の疲労が少なく巡航ペースを上げられていたのですね。

さらに、4月からのダニエルズ練や先週の5000mレースなどで自分自身の体の変化も感じていて、これまでであればすぐに苦しくなる登りでも良く脚は動くし呼吸も苦しいながらも押していける感覚があり、登りのペースも速くなっている自覚はありました。

それがしっかりタイムにも現れていたと知り、正直ほっとした面もありました。

バーティカルのご褒美はなんといってもこの絶景。ゴールが山頂だからゆっくりと景色を堪能できます。

この日は快晴に加えてほとんど風もなく、山頂の景色は昨年に続いて360度大パノラマビュー。山頂ゴールのバーティカルはこの景色を楽しめるのがなんといっても最大の魅力です。

何となく先に脚が終わってしまった印象が残り、もう少し序盤からペースを落としておけば、と思わなくもありませんでしたが、序盤のロードでリズムを作ったことがその後の展開を決めたことも事実です。

バーティカルの難しいところは、途中何度も勾配が変わるため、意外と休める場所があったり、オーバーペースと思っていても途中の下りで回復したり、予期せぬ展開が待ち受けていることですね。この日の序盤の状態がロードレースであれば、間違いなく大失速をして散々な目にあっているのですが、途中のシングルトラックで呼吸を整えられたこともあり終盤は持ち直しました。

なので、一概に「オーバーペース」と断定するには迷うところです。

いずれにしても2分のPBと順位も10番台というこれ以上無い結果で終われた以上、ひとまず今もちうる力は出し切れたのかなと思い、初日のバーティカルは満足いく結果に終わりました。

さて、この疲労が翌日どこまで影響するでしょうか。

明日はスカイレースのレビューです。

レースが早めに終わり、午後は上田の街を堪能しました。

M×Kディスタンスチャレンジ(5000m公認)に出場してきました

こんにちは、ランマニアです。

さてレース月間も三週目となり、いよいよ最も「過酷な」5000mトラックレースの日を迎えました。

トレイルやフルマラソンなどと違って、とにかくこのトラック5000mというのは(というかこれ以下の距離のトラックレースは)スタートからゴールまで一瞬たりとも休む間がなく、極端な話「ずっときつい」時間が続く、過酷レースなんですね。

もちろん、100kmや100マイルのウルトラマラソンだって、最終盤ではこの世の地獄が待ってるのでしょうが(ランマニアに経験はありません)、この5000mという距離はギリギリVO2Maxペースを最後まで維持するのでとにかく苦しい。水の中で呼吸をしているかのような、猛烈な苦しさがずっと続くのですね。

いえ、若い頃はそうでもなかったんです。ほどほどの苦しさのまま最後まで押し通せるような余裕があったのですが、30代後半になったあたりから、この5000mという距離が猛烈に苦しくなってきました。脚はそうでもないんですけどね。

そんな苦しくて仕方がない種目なので、とにかく正直なところずっと気が重くてですね、トラック走って今の純粋な実力を把握しなくちゃな、という気持ちがある反面、早く終わってくれないかな、っていう気持ちもずっとあったのですね。

そして、その苦しさに加え、この種目はランマニアの長距離ランナーとしての今の実力を知る上でのいわば「ベンチマークテスト」みたいな位置付けで、とにかく「失敗するとかなり凹む」という、結果を知るのが恐ろしい側面も持っているのです。

なので、とにかくこのトラック5000mはメンタル的にタフな種目だったのですね。

ここ数年必ず毎年1回はトラックで5000mを走るようにしていますが、4年前の15分52秒をピークに、3年前の15分55秒、去年に至っては16分29秒と急激に走力の低下を目の当たりにしていて、正直、年齢による影響を疑い始め、自信をなくしかけていたところでした。

そんな中、今年は一念発起してダニエルズのゴールドプログラムに取り組み、もう一度基礎体力を高めて15分台を狙ってみたいと、考えていました。

Twitterで何度か書きましたが、ランマニアの中では1000mのインターバルを5本やった時の合計タイムが、大体その時ピーキングして迎えた5000mのタイムに相当する、という傾向があり、その観点では今シーズンは1000mのインターバルを3分12、3秒で行っていたので、ちょとギリギリなのかな、と思ってはいました。

なので、今日のレースも最初の1kmは絶対に飛ばし過ぎずに、どんなに速くても3分10秒まで、現実的には3分12秒くらいかな、というイメージで走りました。

スタートして1周目は75秒後半。ちょっと速めだけどむしろ最初の脚の軽さで遅めだと調子が悪い証拠なので、これくらいのオーバーペースはちょうどいいくらいと前向きに。

2周目は77秒くらいまで落ち着いたので、このままこのペースを楽に維持したいと考えながら1000mの通過が3分11秒。

しかし、絶妙なペース配分なのでこれはいいぞ、と思った矢先、ちょっとこのペースを維持するのがキツくなってきました。

呼吸も苦しいし、脚も動きが鈍くなってきて、このまま一生懸命このペースを維持してしまうと、間違いなく3000m手前から一気にペースダウンするのは目に見えていたので、仕方なくその集団につくのをやめて、後方から様子を伺うことにしました、っていうほど余裕はなく、もうすでに前についていくのが精一杯で。

2000mは苦しすぎて時計を押すこともできず、推定ですが6分25秒前後。

しかし、ここでの「休憩」で若干苦しさが和らぎ、またマラソントレーニングで鍛えられたせいか、脚は全く問題なく動くのでもう一度集中力を立て直しました。

3000mはアナウンスを聞き9分40秒。

この時点で15分台は詰んだので、残り3分15秒でいけば16分一桁もまだあるか、と目標を修正。

余談ですが、レース中(まあ練習もそうですが)、目標を持つということは非常に重要で、◯◯分が切れるぞ、というような目安があるだけで、かなりキツさに耐えられるようになるんですね。これは嘘のような本当の話で、脳科学の観点からもエビデンスがあるみたいで。なので、「15分台は無理だ、終わった」と思うのではなく「16分一桁台を目指そう」と気持ちを切り替えることは、その後の展開を大きく変えると思っていました。

さらに、もう一つ気持ちを切り替える方法として、我々のようにフルマラソンのような距離感覚に慣れているランナーですと、1kmとか2kmとかいう距離は、結構短く感じる傾向がありますね。

確かに5000mレースでの2km、1kmはとてつもなく長いんですが、比較的我々は脚ができていますから、苦しさだけ耐えられれば、どうにか脚の方は動かすことができるのです。

なので、5000mのような「短い」距離では、「残り7周」と見えても「残り2.8km」と置き換えるだけでだいぶ気持ち的に優位に立てる時があります(本当に僅かですが・・・)。

こうして、3000mを過ぎてからはいかに気持ちを切らさずに苦しさを我慢するかがテーマになり、今日も猛烈な苦しさの中ペースを維持したのですが、どうにか次の1000mも3分15秒でカバーすることができました。

そしていよいよラスト1000mです。

もうここからはいかに自分の「脳をだますか」ですね。「苦しいのは気のせいだ」とか、「16分一桁で走れば、限りなく15分台に近づくのだからゴール後の印象が違うぞ」とか、とにかく色々と問答して「諦めそうになる心」と戦うのですね。いや、本当しんどい。

さらにラスト1000mからの200mを走り終わったあたりが最もきついのです。うわ、まだ2周もあるのかよ、と絶望するのですね。でも、ここは勢いで1周回ってしまいます。1周回ってしまえさえすれば、残り1周なんですから。

さあ、そんなことで遥か先でラスト1周の鐘が鳴ります。この苦しさとの戦いも、残り80秒弱。そう思って、両手両足をひたすら動かします。

途中、選手の付き添いの方達がタイムを読み上げているのを聞いて、流石に16分一桁は厳しくなりましたが、それでも最後の直線で力を振り絞ります。もうすでにしんどさは限界。まるでこの世の終末です。

タイムが読み上げられながらフィニッシュラインを通過。「16分10秒」と読まれた時にはライン手前だった気がするので、一桁は無理だったか、と。

それでも、去年の16分29秒に比べれば大きな進歩。ここ数年では久しぶりに16分台前半でトラック5000mを走れたので素直に嬉しかったですね。

後ほど正式タイムを確認して16分11秒1。まあ、こんなものでしょう。

ちなみに、またまた余談ですが、この織田フィールドは今を遡ること27年前におそらくランマニアの生涯自己ベストとなるであろう5000mのベストを出した記念すべきトラックでして、それ以来の公認レースだったのですね。

そして、帰りながら色々と振り返り冷静に事実を分析してみると、

・ここ数ヶ月、圧倒的にVO2インターバルが不足していたのは事実。この苦しさはその影響を無視することはできない。

・しかし、その中でもLTが維持できていたことで苦しくなった時にペースを抑えれば撃沈することなくそのままのペースで押していける。

・ダニエルズ練のアプローチは間違っていない(5000mに特化していないので)。

・正直なところ、先週の志賀高原の疲れはあり脚の回転が鈍かった。

こんなところでしょうか。

もしこの先本当に15分台を狙うのだとすれば、今のマラソントレーニングの中に、もう少し1000mのインターバルを入れていくこと、しかもVO2ペースよりも若干速い3分一桁台で、といったところでしょうか。

4年前は毎週のように1000mのインターバルを入れていましたが、今のように厳密なIペースではなく、もっと速いペースで3本とかでした。なんというか、自分の体にかけられる最大負荷で走り通すというイメージで、本数少なく強度高め、といった具合です。

しかしこれはかなり脚に来てしまうので怪我のリスクは跳ね上がりますし、ただでさえ最近走行距離が伸びているので、果たして体が耐えられるか、というところです。

とはいえ、ひとまず最大の懸念事項だった現在の「ベンチマークテスト」も無難に終えることができ、ホッとしているところです。

来週はいよいよレース月間最終週で、烏帽子バーティカル、スカイレースのコンバインドです。きっとしんどい二日間になるでしょうが、ここは「山頂の景色と温泉と食事を楽しむ回」と割り切っているので比較的楽しみにしているレースです。

夕暮れ時の渋谷方面へ。今日も貴重な記録会を開催していただいたMKのスタッフの皆さん、ありがとうございました。

志賀高原エクストリームトレイルに出場してきました

うっすらと雪化粧をまとった横手山

こんにちは、ランマニアです。

さて、昨日は先週末に引き続きレースに出場してきました。

それも二週連続のトレイルレースとなる「志賀高原エクストリームトレイル」ミドルの部(32km D+2000m)です。

このレースは今年で3回目となるのですが、初出場の2年前は途中でコースロストしてしまい40分ものタイムロスを喫した苦い経験をした大会。

さらに、昨年は序盤のオーバーペースと体調不良がたたって、最終盤に体が完全に動かなくなり、それに伴い両足が痙攣して30分以上動けなくなってしまった、なんというかランマニアにとっては鬼門のような大会だったのですね。

そして極めつけは去年、一昨年と、スタート前から冷たい雨で、コースも水濠のようになってしまっている場所もあり、距離32kmの累積標高差2000mという数字だけでは計り知れない「エクストリームな」大会であることを思い知らされたレースでした。

そんなあまりいい思い出のないこの大会ですが、なぜかそれでもまた走りたくなる不思議な魅力のあるレースで、今回も懲りずにまた申し込んでしまったのですね(JSAの日本選手権ですし)。

3年目で初めて晴れた志賀高原

さて、今回のレースで最も気をつけたこと(というか唯一気をつけたこと)は、とにかくオーバーペースを防ぐこと。

一昨年はコースロストをしたために、それを挽回しようとかなりのペースアップをし、終盤のサンバレー以降ほぼウォーキング状態に。

昨年は、十分抑えたつもりが、体調もあまり良くなく、同じくサンバレーのはるか手前から上りは走れなくなり、残り5km手前で撃沈。

いずれも最後は脚を使い切ってしまい最終盤にタイムがかさんだレースが続いていました。

ラスト7km地点に待ち受ける最終盤の難所「サンバレースキー場」

そんなことで、今回のテーマは「サンバレーまでは自重せよ」

本コースの特徴は、前半の山岳区間でかなりの累積標高を稼ぎ、後半はほとんど走れるコースの中に罠のようにゲレンデの急登が組み込まれている、どこまで脚を残して終盤を迎えられるかが勝負になる、非常に経験値が必要となるコースです。

過去2年間を思い返すと、兎にも角にも、初めの元気なうちに登り切ることになる横手山のゲレンデと登山道で調子に乗ってぐいぐい押してしまったことが、その後の展開を決めてしまったな、と。

スタート直後はよく脚が動くので、なんとなく「いけんじゃね」という気持ちになりやすいのですね。どんどん標高を上げていくので気持ちがいいですし(高低差の図を見ると、なんとなく横手山を登って終えば、後はなんとかなる、みたいな印象を受けます)。

横手山の途中で来た道を振り返ると絶景が。こういうところでテンションが上がってペースアップしてしまいがちです。

そこで今年は、ペースではなく自身の感覚、特に呼吸と脚のしんどさに最大限注意を向け続け、「あ、これ以上は頑張ってはいけない」という、いわば車で言う「イエローゾーン」くらいの手前で出力をセーブする感覚を維持しながら坂を登り続けました。

だいたい心拍数で言うと140未満、といったところです。

きつさで言うと、ジョグに毛が生えた程度の努力感、Mペースで走るくらいのしんどさになればすぐに出力を抑え(ときには歩きに変えて)、しんどさを調整しました。

その結果、毎年最後まで走り切っていたこの横手山では、3分の1くらいの区間を歩きました。

なので、登り切ってゲレンデ下りに転じた際にも脚にはかなりの余裕があり、「ああ、本当はこれくらいの余力がないとダメなのね」と、これまでいかに飛ばしすぎていたかを実感しました。

横手山を登り切った後の北斜面は、なんと一面の銀世界。文字通り「ゲレンデ」でした。

その後、一ノ瀬の第1エイドまでの山岳区間では、何度も山登り山下りを繰り返すのですが、ここも同じように出力をイエローゾーン手前で調整し(実は意外に重要なのが下りのペースを抑えることで、これが今回は大いに効いた気がしています)、ほとんど脚に疲れを残さずに前半を終えることができました。

例年ガスがひどくてこんな景色があったことを今年初めて知ることに。
レースでなければしばらく景色を眺めていたくなる絶景。今年初めて志賀高原の真の姿を見ることができました。

さて、後半戦がはじまると、ゲレンデの登り下りや走れるトレイル区間、快適に飛ばせるロード区間などを経て、徐々に最後の難関「サンバレー」が近づいてきます。

例年、この区間ですでに脚が動かなくなりつつあり、ジャイアントスキー場の長い登りや琵琶池周りのちょっとした登りでさえも走れなくなっていました。

それが今年は、これらの区間は全て走り通すことができ、サンバレースキー場が見えるところまでかなりのペースを維持することができ、まだまだ何キロでも走れそうな余裕すらありました。

琵琶池を抜けると、遠くに巨大なゲレンデが見えてきます。遠近法でそれはまさに「壁」に見えるほど。

そして、今回はこの坂のためにここまで走ってきたといっても過言ではないほど「満を侍して」迎えたサンバレー。果たして脚は、どれほど残っているのでしょうか。

驚いたことに、これまで一度も、もっと言えば「一瞬も」走ることができなかったこの急登を走って登り始める自分がいました。脚を残す、ってこう言うことか、と。

さすがに中盤で何度か歩きを織り交ぜることになりましたが、最後まで走って歩き、歩いて走りを繰り返して、おそらくここ3年では最速でサンバレーをクリアすることができたはずです。

しかし、実は最も恐ろしいのは、このサンバレーで脚を使いすぎてしまうと、その後のラスト5kmで脚が痙攣して緩やかな登りで止まってしまうこと。このコースの難しいところは、こんな急登の後でも、ほとんど登り優位でフィニッシュへ向かうと言うところなのです。

それが心配だったので、ラスト2kmの緩やかな登りの続くシングルトラック区間までは、脚に余裕があっても十分に温存して走り続けることにしました。

そして、昨年両足が痙攣してハイカーさんに助けてもらった場所も今年は快調に駆け抜け、いよいよ最後2kmの緩やかな登り区間。その時のタイムが4時間19分だったので、キロ5分台で行けばもしかしたら30分を切れるかも、と俄然燃えてきました。

初めの1kmはなんとかキロ5分台でカバーすることができました。

しかし、次の1kmは勾配もキツくなり、さすがにこれをキロ5で走るのは不可能、脚もいっぱいいっぱいになってしまい、フィニッシュタイムは4時間30分57秒。

これまでの自分のタイムを考えると十分満足できるPB達成です。

ここまで楽しく走れたトレイルレースは初めて。

今回、最後まで脚を温存でき、ほとんどの区間であまり苦しまずに走り通すことができました。景色も綺麗で、こんなに気持ちの良いトレイルレースは初めてといってもいいほどで。

やはり、長距離レースにおけるペース配分は大事な要素なのだな、と改めて実感。

実は、直前に読んだ本で、65%VO2Maxペースで走り続けるとだいたい4時間を超えたあたりで筋グリコーゲンが枯渇し、その後は血液由来のエネルギーを使うことになるということを知り。

ちょうど今回のレースがそれくらいの運動継続時間になると踏んでいたので、途中かなりこまめに栄養補給を行っていたのですね。これはどれほどまでに効果があったか未知数ですが、全く影響がなかったとは言えないのではないかと実感しています。

そんなことで、今回自分が最も苦手としていた比較的距離の長いトレイルレースを、最後までペースを落とさずに走れた要因として考えられることを以下にまとめてみました。

・しんどさを調整して、序盤からペースを抑えた(これ以上はまずい、というきつさを心拍数140あたりで調整した)

・1時間ごとに栄養補給を行った

・下りを抑えた

・前日軽くジョグをして高地順応を行った

・春から取り組んだダニエルズゴールドプログラムによって疲れにくい脚が出来上がった

今回、ゆっくり走ったつもりでも、意外と巡航ペースは高めに維持できたのは、ダニエルズ練のおかげもあった気がします(去年まではここまで楽ではなかった)。

また、ほとんど山練を入れていないにもかかわらず、翌日にも筋痛がほとんど残っていないことも、ダニエルズ練によって疲れにくい脚ができたものと考えています。

さて、来週はいよいよトラック5000mです。

これは山レースと違って誤魔化しが効かず、現在の力量(特にVO2Max)が如実に現れてしまう、とてもシビアな距離ですね。もう現実をドーンと突きつけられてしまうような。

当然昨日の疲れも抜け切らないまま迎えてしまうため、それほど驚くようなタイムで走れないことは目に見えています。

それでも、現在の自分の力の目安を知る意味でも一度ここでトラックを走っておきたいと思っています。

紅葉真っ盛りの志賀高原。良い観光にもなりました。

今回も寒い中レースをサポートしていただいたスタッフの皆さん、ありがとうございました。

尾瀬岩鞍バーティカルキロメターに出場してきました

このスタートゲートを見るとやっぱりワクワクしますね。

こんにちは、ランマニアです。

さて、今日は今シーズン最初のレースに出場してきました。

昨年初めてチャレンジした「バーティカル」というスカイランニングのカテゴリーで、片道登りっぱなしの登山競走です。

ランマニアは実は下りが大の苦手で、かつ疲労の影響がもろに出てしまうロングコースのレースではまともに戦えないこともあり、このバーティカルという種目はほぼ登りだけのレースで距離もそれほど長くない(富士登山競走は別)ので、以前から密かに注目していた種目だったのですね。

昨年出走した初めてのバーティカルレースは「烏帽子スカイラン」のバーティカル部門。バーティカルとしてはやや長めのレースでしたが、想像したよりもかなりいい位置で走れ、この種目に対して好印象を残していました。

それ以来2度目のバーティカルが今回の尾瀬岩鞍バーティカルキロメター。

日本スカイランニング協会の日本選手権にも設定してある強豪ぞろいのハイレベルの大会で、今日は走る前からなんだかワクワク、そわそわしてしまい、「オーバーペースに気をつけろよ」と珍しくはやる気持ちを抑えるのが大変でした。

本コースの特徴は、なんといっても5kmで1000mを一気に登り切る急勾配。特に、レース中盤の通称「ジャイアントウォール」は斜度40度のまさに「絶壁」。5kmといってペース配分を間違えると、確実に終盤脚が止まってしまうのは明らかです。

そんな今回のコースは大きく3つのセクションに分けることができ、そのセクション間には下りや平坦の区間が一度ずつ存在します(なので5kmで1000m登るのではなく、もっと短い距離で1000mを登るのですね)。

序盤はこのような緩い斜面を登っていきますが、後半は遠くに見えるあの壁のような坂を登ります。序盤のハイライト。

初めのセクションは緩やかなゲレンデ登りから始まり後半急激な登りに変わる区間。ここはアップのつもりで抑えて走ろうと計画。

二つ目のセクションは、本コースの目玉ジャイアントウォールが登場する最難関エリア(後述しますが本当にきついのはこの後)。

そして最終セクションはフィニッシュまでのゲレンデ一気登り。

レース前の計画では、第1セクションで脚をためておき、ジャイアントウォール後に一気にスパート、なんて綺麗な展開を描いていました(その計画は20分で終了)。

また、今回のレースは50分前後の走行時間になるため、だいたい10000m程度のレースに出た時の負荷で押していければいいかなと思い、心拍数は160くらいを目安にしました。

そんなことを考えながら30秒おきの単独ウェーブスタートを待っていると、いよいよ順番が回ってきました。

こういうのは初めてなので意外と緊張します。

そして、10秒前のカウントダウンからスタート。

緊張してたので脚が軽くピッチも上がり、「序盤はアップのつもり」なんていう予定は一瞬で崩れ、ゲレンデの緩やかな上り坂でさえすぐに呼吸が深くなり、奇しくも10000mのレース並みの呼吸のキツさが襲ってきました。

しかし、今日はとにかく50分これを我慢すればよし。この呼吸と脚の疲れ方ならなんとか持つ気がする、と思い直し、ひとまず今の負荷、努力感を維持することに努めました。

最初のセクションは徐々に勾配を上げていき、最終的には走れないほどの相当な急勾配になり、累積400m以上を1.6kmほどで上り詰めていきます。

ランマニアはこうした急勾配でも歩いてしまうよりはふくらはぎの力を使って小刻みに駆け上がっていく方が疲れないため、この区間は努力感と呼吸の苦しさを一定に保って、とにかく歩かないようにピッチを狭めていきました。

それでも、この坂が終わる頃には結構脚と呼吸は一杯一杯になり、「思ったより使っちゃったなぁ」と残りの累積標高を考えると不安がよぎりました。

なんとか登り切ると、そこから折り返し、今来た急勾配を一気に降ります。ランマニアの最も苦手な急坂下りです。

なんといっても下りは想像以上に脚にダメージが来て次に待ち受ける登りにもろに影響しますから、ここはできるだけペースを抑えて駆け下りました。この区間で初めて後ろのランナー(30秒遅れでスタートしたランナー)に抜かれましたが、それでも慌てずに第二のセクションに備えます。

そして、いよいよ第二セクション。

ここは前半は急なゲレンデ登りです。この時はもう全て走り通すだけの脚は残っていなかったので、時折歩きも入れながら足を温存します(振り返ると、ここを走れれば50分切りも見えてくるんだろうな、と後から思いました)。

そしてゲレンデを登り切ると間髪入れず目の前に「壁」が立ちはだかります。いや、レースでなければこんなところを登ろうなどとは到底思わない、本当に恐ろしい斜面です。

「壁」に取り付くと、すぐに手で触れる距離に斜面が近づいてきます。しかし、実はここはきっとこうなるだろうな、と想像していた通り、登坂の力を両手にも分散できるため、坂の勾配に比して、思ったよりも脚だけには疲れは持って行かれないことに気づきました。

コツを掴むと、両手両足を使ってリズミカルに登っていくことができ、変な話、脚を休ませることすらできました(いや、休めたと思うくらいのペースならもっとペースを上げれば50分ぎりもできるのでしょうが)。

途中で1箇所、足場がない場所にルートをとってしまい、本当に滑落するかと思いましたが、どうにかそこをクリアし、壁を制覇。

さあ、残りは累積300m。「脚はギリギリだな」と考えながら最後のゲレンデまでの唯一快適に走れる平坦な区間をキロ4分台で疾走。

そして最後のゲレンデに辿り着き、最後の力を振り絞って一歩一歩脚を前に出します。

もうこの頃になると走り続けるのは不可能で(多分標高も上がり呼吸もきつかったのもあります)、少し走っては歩き、歩いては走りの繰り返し。時計を見ると心拍数は171。これは平地でVO2ペースでインターバルをやる時とほぼ同じ。そりゃあ苦しいわけです。

そうこうしているうちに目標としていた50分を経過。これ、50分切る人どんな体してんだ、と50分ぎりが全く想像できず。目標を55分切りに下方修正。

52分くらいから目の前にフィニッシュゲートがみえるも、なかなか差が縮まず。速く辿り着きたくて走ってもすぐに苦しくなり歩き、再び走る、を繰り返し。

ようやく最後まで走れそうな距離になり、まるで5000mのラストスパートのような苦しさの中一気に走りきりフィニッシュ。

そのままダウン。

レース後倒れたのって、いつ以来か。高校生以来かも、なんて思いながらしばらく起き上がれず。こんなに追い込んだのも本当に久しぶりで。

それでも、これだけ最後まで出し切れたレースは久しぶりで、まだまだこの年齢になってもここまで追い込めることに一安心。そして、ある種の爽快感と達成感とで、もうタイムや順位は二の次で満足感でいっぱいでした。

リザルトを見ると、50分を切っている人が思いのほか多く、ちょっと悔しい気持ちも出てきました。特に40代、しかも自分よりも年上で50分を切っている人もいて、自分もまだまだこんなレベルで満足してはいけないな、と早速気持ちを新たにしました。

しかし、やっぱりレースはいいですね。練習では絶対に追い込まないレベルまで体に負荷をかけますし、何より「全力」で勝負できる醍醐味があります。いってみれば「やり切れる」わけです。

今回のバーティカルに出場した目的は、高い負荷をかけて心肺、循環器系を追い込むこと。

一方で、来週の志賀高原エクストリームトレイルは、長い距離を走り通す有酸素能力や脚の耐性を身につけるためのレース。本当にきついのは来週です。

今回は自分の中ではうまく走れたレースになりましたが、来週は自分の苦手分野です。ここをうまく走れると、もう少し自信がつくんですけどね。

企画、運営をしていただいたスタッフの皆さんには感謝申し上げます。