LTペース=苦しくなるかならないかのギリギリのペース

こんにちは、ランマニアです。

ようやく怪我の状態も良くなり、今日は久しぶりにダニエルズ練に復帰しました。

ダニエルズ練と言っても、怪我が悪化しないように徐々にペースを上げていくうちにようやくLTペース(Tペース)まで戻ってきた、といった方が正しいでしょう。

先週土曜にはとりあえず定番のTペース1.6kmを3本ほど走ってみましたが、脚の方は問題なく、近々本来の5本くらいはこなしてみたいと思っていたのですね。

そんな流れで中三日で今日を迎え、約ひと月半ぶりの「Qデー」実施となったわけです。

このLTペースでの練習は、その人の「乳酸がそこから急に溜まり始める境目あたりのペース」、つまり「閾値」付近でのペースで走る練習で、ダニエルズさんの定義では「レースなら60分ほど、普段の練習なら10kmほど維持できるペース」とされています。

当然、VDOTで換算すれば自分のペースも一目でわかるのですが、ランマニアはできるだけしっかり数をこなしたいのと、その後の練習も長く継続させたいとの理由から、あまりこのVDOTペースには縛られないようにしているのですね。

例えば、今日などは1.6kmをLTペースで5本行いますが、要はLTペースで一定時間走る機会を確保すれば良いだけなので、きっかり「キロ3分〇〇秒ペースを維持」、とか厳格にそれを守る必要もないなと思っています。

むしろ、そのペースに縛られて5本持たなかったとか、翌日以降一気に疲労が出てスケジュールが狂った、ということの方が避けなければならないことだと考えています。

では、そうした数値に縛られずにどうやってLTペースを作り、維持しているのかといえば、それはもう「感覚」意外のなにものでもありません。

さっきも書いた「10kmくらい持つペース」というのですから、このLTペースは意外と楽に維持できるペースなのですね、本来。

「楽」というのは呼吸のことで、まるで酸素が足りない水中でもがき苦しむような呼吸の辛さとは無縁で、ダニエルズさんも言っている「快適なきつさ」というやつです。

この「快適な」な範囲の呼吸のキツさというのは、ランマニアの場合「呼吸がしんどくて一刻も早くゴールしたい」と感じる領域に達しない程度、と自分の中で規定しています。簡単にいえば、「比較的呼吸音が目立つのがわかるけど苦しくはない程度」、とでも言いましょうか。

「苦しくはない」、ここがポイントですね。

なので、今日も1本目の200mから400mを走り呼吸が変わってくるあたりで、決して苦しくない程度でペースを固定します。あと少しあげてしまうと「苦しさ」を実感し始める、というギリギリのところで止めておきます。

まあ、なんと言いますか、乳酸が溜まり始める閾値というより、「苦しくなる」閾値みたいな感覚ですね。「苦しさ閾値」。

これを1.6km最後まで維持してみると、結果的にペースはだいたいキロ3分30秒弱に収まります。

あら不思議、ランマニアのTペースは3分29秒ですからドンピシャです。

そして肝心なのはこのLTペースの練習は、呼吸を追い込むことではなく、筋に刺激を与えてミトコンドリアを増やすことが目的ですから(ミトコンドリア増加の要因は諸説ありますが)、最低限このペースで定められた時間走ることを確保しなければなりません。

なんか調子がいいからちょっとペースを上げて走ってみた、だけどいっぱいいっぱいになって3本で終わりにした。まあ、苦しい中よく走れたからこれでいいだろう。ではあまり効果がないわけですね。

なので、今日のように1.6kmを5本走るというのは、最低でもLTペースで8kmくらいは走らなければ筋の適応が起こらないことが前提となったメニューであると考えられるので、とにかく5本こなせるペース感覚で走らなければならないのです。

ランマニアの場合、それが「苦しくなるかならないかの境目あたり」に相当します。

ただし、これは疲労があまりない状態での話で、ランマニアのようにすぐに疲れが溜まってしまうランナーの場合は、疲れている時の「苦しくないギリギリのペース」というのは、かなり遅いペースになってしまいます。それこそMペースくらいに。

こうなると、ほとんどLT走としては機能しなくなってしまうので、こういう時はやはり時計の力を借ります。

少し疲れているときは、楽に走ろうと思うとかなりペースが落ちてしまう。だから1本目で体感とペースとの「ずれ」を確認した上で、2本目以降は少し頑張る必要が出てくるのですね。

もちろん、疲労がある状態ですと、脚にも無理な力がかかりますから怪我の危険性も高まりますが。

しかし、今日のように比較的疲れがない状態では自分の感覚と実際のLTペースとがかなり正確に一致してくるので、やはり基本は自分の感覚を大事にしてペースを作ることを意識する必要があるな、と改めて思います。

なので、できれば「質の高い練習」は疲れのない時に行うのがベターなんですけどね。

なかなかそうも言ってられないのが現実で。

たまには旅レポなども(結果は山レポ)

こんにちは、ランマニアです。

さて、この4連休はGoToキャンペーンを利用して登山をしに行ってきました。

脚の状態は良くなっているとはいえ、いきなり登山道クラスの上り坂を走るのは若干心配があるので今回は普通の登山に留めておきました。

今回は連れも一緒なので、危険な山は避けようと思い、当初はロープウェイで一気に高度を稼げる谷川岳(本当は世界一危険な山で有名)を考えていましたが、直前で大雨による土砂崩れが発生しロープウェイは運休。

仕方なく付近の百名山を探すと、若干マイナーな武尊山がありそれを選択しました。

中央奥に見えるのが武尊山。これは川場村からの眺めで、実際はあの裏側から登りました。

この武尊山がマイナーな理由は、登山道はいくつもある割に、どの登山口もマイカーでなければアクセスが悪く、かつ近くに超メジャーな谷川岳があることが最大の要因。そして調べるとこの山域はかなり熊の目撃情報が多く、その理由も人があまり入らないことが原因となっているようで。

事前に幾つかのルートを検討していると、宿泊する川場村から最もアクセスが良い初級者向けルート(川場村のパンフレットにそう書いてあります)が最初の候補に。やや距離は長いものの、危険箇所がなくコースも十分整備されている様子で、確かに初心者にはいいなと、初めは思っていました。

しかし、いくつかのコースレポートやブログを見ていると、かなりの頻度で熊との遭遇エピソードが掲載されており、これはまずいんじゃないか、と。

仕方なく、武尊山のメジャールートであるみなかみ側からの武尊神社コースを検索。

武尊山を登った人のほとんどがこちらのレビューで、幸い、熊の目撃情報もそれほど多くはなく、4連休中なら人も多くてそっちの心配は少ないだろう、と。

ところがこちらのコースの最大の難関は山頂付近に連続する5箇所の鎖場。ブログ等の写真で見るとかなりの傾斜でそり立つ壁のように見えますが、レビュアーさんの報告では皆「足をかける場所は豊富にあるので大丈夫」とのこと。

実は、これまでにトレランや合宿等でさんざん山に登りましたが、鎖がある場所は比較的傾斜は緩やかで落差も少なく、恐怖を感じるような場所はあまり経験がなく、経験上梯子がかけられているような場所の方が傾斜が垂直に近く高度もあり、危険な印象を持っていました。連れも梯子場の経験はあったので、鎖場であればなんとかいけるだろう、と。

さて、当日は天気は雨予報も現地は曇りでなんとか持ってくれそうな空模様。期待していた登山者も駐車場はほぼ満車で、登山道は人通りが多かったに違いなく、これなら熊も警戒して近寄らないだろうと一安心。

とはいえ、登山道に入るまでのアスファルト上には、明らかに鹿や猪のものよりは大きく量も多い獣のフンが落ちており、やはりこの付近にも熊が出るのは間違いなく、できるだけ音や声を出しながら歩みを進めました。

駐車場を出てすぐの舗装路上に早くも熊のフンが見つかり、やはり油断はできないなと。

その後何組かの登山者と出会い、だいぶ人気(ひとけ)の多い登山道になってくるとやはり心強いもので。道自体はそれほど急な上りやテクニカルな箇所はなく、気持ちの良い山みちをどんどん進んでいきました。

天気はあいにくの曇りですが、涼しくかえって消耗せずに済みました。

2時間ほど登ってきたところで見上げても山の斜面と空の境が見えるようになってきて、いよいよ山頂までの稜線が近いことがわかりました。地図上でも「危」と書かれた場所が近く、そろそろ鎖場が現れる頃です。

そしてそれは突然現れました。

この高低差は正直想定外でした。鎖場でこの高さは人生初(この後すぐに「人生初」を更新し続けます)。

他のブログで見た絵とまんま同じ景色でしたが、写真で見るより高度感はあり、まるで壁を登っていくような感覚は写真では伝わらないものでした。一瞬、引き返した方がいいんじゃないかと思ったほど。

とはいえ、確かに足をかけられる部分は豊富で、要は「怖さ」だけを克服すれば登こと自体はなんら問題なく。体を岩肌に倒すようにして体を固定すれば、まず滑落の危険はなく「保険」で鎖をにぎりながら一歩一歩上へ進みました。

続いて現れたのは平べったく広大な岩場。その大きさに圧倒されますが、傾斜は緩やかなので足ばさえ確保できればこちらも問題なく登ことができました。もちろん、登坂中に下を見るのは厳禁です。

2箇所目はさらに高度差のある岩場。高さはあるものの傾斜は比較的緩やかなので、下だけは見ずに足場を探しながら慎重に進みます。

そしてこの後の3箇所は、今回最も苦労した鎖場。どれもほぼ垂直に近い岩場で、かつ両脇に岩が迫り足をかける場所が限られ、高度もかなりのもの。落ちれば間違いなく助からない高さです。

以前、これくらいの高度は梯子で登ったことがあり、その時も足が震えましたが、今回はこれをほぼ手足の力だけ(鎖は保険)で登らねばならず、冷静にそのことを考えると恐怖は最高潮に。

木の根が邪魔してさらに難易度アップ。
二段階の鎖場。奥に見えるところがかなりの高度差。
保険で鎖を持てるとはいえ、手を足をかける場所は完全に自己判断。

なんとか無事この岩場をクリアすると、あとは気持ちもクールダウンしながらの快適な稜線歩き。ただこの日は低気圧の影響でガスで何も見えず、強風も吹き荒れる中で、なんだか踏んだり蹴ったり。

本来なら広大な稜線を一望できる絶景ポイントもガスで何も見えず。

それでも無事山頂に到達できた時はそれなりに満足感、達成感があり、ともかく雨だけには降られなくてよかったなと。

何も見えない山頂。登山者は10人ほどおり、この天候の中では大変心強い存在。

ここから先は、本来剣ヶ峰山を回って絶景を拝みながら下山するのですが、この日はガスで全く眺望が効かず、そちらを回って帰る理由はなく、ほとんどの登山者が今来た道をピストン。しかし、あの鎖場を下るのは「絶対に無理」と判断し、仕方なく霧の中を進みます。

本来なら周囲の山々を一望できる絶景ポイント。

帰りのルートは登山者も少なく、再び熊との遭遇が心配になってきたので大声をあげたり歌ったりしながら騒がしく下山。

滑りやすい急な下りでかなり神経を使いながらなんとか元の登山口まで戻ってきました。

湿った岩や木の根が滑りやすく、こちらのルートもそれなりにストレスの多い登山道。

想像以上にタフなコースでよく無事に帰ってこれたな、と改めて安堵。でも、苦労した割に景色は見えず単なる苦行に終わった今回の登山でした。

下山すると天候は回復。

ただ、今回泊まった川場村はのどかでとてもいい場所でした。スカイビュートレイル武尊山のゴール地点にもなっていて、来年は出場を検討しようかと思うほど。

広大な道の駅「田園プラザ」はグルメの宝庫で一日いても回りきれないほど。ここはリピート必至です。

道の駅「田園プラザ」は地元の食材を使った食の宝庫。どれも美味しく、それらをたくさん食べるため朝練をがんばりました。

なお、今回の登山や翌日の朝練で走ったトレイルの感じでは、もう脚の状態はほぼ問題なく、来月に控えているトレイルレースへの練習もそろそろ入れていける状態に。

強度の高い練習から少し遠ざかってしまったので、呼吸器系やLT系を最高の状態に戻せるかどうかは微妙ですが、8月に途絶えたダニエルズ練を再開しつつ、徐々に体を戻していこうと思います。

引き伸ばされたら引っ張り返す。倍返しな筋収縮。

こんにちは、ランマニアです。

長らく万全な状態で走れず、悶々とした日々を過ごしていたランマニアでしたが、今日は久々にキロ4なんていう「ものすごく速い」ペースで走ってみて、やっぱりランナーは速く走ってなんぼだよな、と実感したところです(キロ4が速いというのに語弊がありそうですが)。

一昨年悩まされた足底底筋膜炎にしろ、ふくらはぎの肉離れにしろ、アキレス腱炎にしろ、そして今回のハムストリングス付着部炎にしろ、実はすべてある共通の傷め方があるのですね。

これらの部位はほぼ全てが筋の付着部(解剖学的には「起始」と「付着」は厳密に分けなければいけませんが、ここでは便宜上筋が骨にくっついているところを全て「付着部」と呼んでしまいます)の炎症で、つまりは筋が骨とくっついているところというのは非常に力がかかって傷めやすい場所なんですね(ふくらはぎの肉離れは付着部よりもう少し中よりですが)。

私たちは走る際に何度も何度も筋収縮を繰り返し、そうすると当然筋肉がくっついている部分には多大な力とストレスが繰り返されるわけで、それがその日のうちに回復すればいいのですが、次第にその回復が間に合わなくなっていくうちに炎症が引き起こされ、痛み、つまり故障が発生するわけです。

そして、そうした筋収縮には、その力の発揮の仕方によって幾つかのパターンがありそのパターンによっては比較的負荷のかかりやすい「あぶない」筋収縮があるのですね。

そのあぶない収縮の一つが「伸長性の筋収縮」、つまりエキセントリックな筋収縮です。

「収縮」なのに「伸長性」という文字通り矛盾をはらんだこの言葉通り、なんとなくヤバそうな表現ですよね。まさに「引っ張られながら縮もうとする」もんですから。

筋は収縮することで力を発揮するので、関節を折り曲げて筋の長さを縮めながら筋力を発揮するのが力学的には自然な状態です。

例えば、鉄棒にぶら下がって懸垂をするときを想像してみてください。鉄棒を逆手に握って懸垂をしようとすれば、おそらく多くの人は肘を曲げて上腕二頭筋(二の腕)を収縮させながら筋力を発揮するものと思います。このように筋を縮めながらの筋収縮を短縮性筋収縮(コンセントリック筋収縮)と言ったりして、筋にかかるストレスは比較的軽めだと言われているんですね。

一方で、肘を屈曲させて鉄棒に上り切った状態から今度はゆっくりと降りていく際にも実は上腕二頭筋がしっかりと機能しているのですね。腕には全体重が掛かっていますから、そのまま筋力を0にしてしまうとストーンと落っこちてしまいますから。それを防ぎながらゆっくりと降りてくるには、少なからず筋力を発揮しながら下さなければなりません。

しかし、この時の上腕二頭筋は肘の関節が開きながら筋力を発揮している状態、つまり「伸ばされながら」筋力を発揮している状態なので、筋は次第に引き伸ばされていきます。でも、筋力を発揮するには筋「収縮」を行わなければならないため、「伸ばされながら収縮する」結構無理なことを行っているわけですね。

こんな真逆なことを行えば当然筋には過大なストレスが掛かってしまうわけで、先ほど話した筋の付着部なんかにも大きな負荷が掛かってしまうわけですね。

つまり、このエキセントリックな収縮こそが「あぶない」収縮と考えています。

では、ランナーの「あぶない」筋収縮はいつどこで起こっているのでしょう。

教科書的には地面に足を接地した瞬間、そこから蹴り出す瞬間のふくらはぎがあたりが代表的なところでしょうか。

詳しくはバイオメカニクスや解剖学の教科書を見れば書いてありますが、要は着地の瞬間や蹴り出す際は、ふくらはぎの筋が伸ばされながら力を発揮しなければならないので、伸長性の筋収縮が起こっているはずですよね。だからフォアフット接地で走っていると肉離れをしやすくなるんですね。引き伸ばされてるのに「引っ張り返す」わけですから。

そんなことで、特にランマニアにとってのふくらはぎは、肉離れやアキレス腱炎に繋がるとっても危ない場所なのでとにかく走っている時には常に注意をしているところだったのですね。また、足裏のアーチを形成している足底筋膜炎もかかと部分の付着部に炎症が起こることから、やっぱり「接地」には気を使うわけでして。

しかし、今回ランマニアが故障してしまったハムストリングスの付着部というのは、ちょっと意外な場所だったのですね。というのも、ハムストリングスは基本、膝関節を屈曲する際に筋力を発揮する筋肉で、フェーズによってはエキセントリックな筋収縮が起こるでしょうが、基本的には関節を曲げながら力を発揮する場所だからです。

もちろん、コンセントリックな収縮が基本でも筋には負荷がかかるので、それで故障することも考えられますが、ランマニアくらいの走力、筋力でそこまで負荷をかけるのはむしろ難しい気がしていました。

ところが、足を痛めてからジョグをしようとした時にあることに気づきました。

痛みが発生する瞬間の脚の動きに注意を向けていると、どうやら蹴り上げる時ではなく、「脚を前に振り出す時」に痛むことに気づきました。

蹴り上げて一度たたんだ脚を再び「伸ばして」前に出そうとする時、ここが一番痛みが大きくなる瞬間でした。

「伸ばす時」

そうなんです、「伸ばす時」だったのです。やっぱり。

蹴り上げた後前に振り出した脚は、半分は重力の力を使って戻ってきますが、ある程度速く走るには、自分の力で脚を戻さなければなりませんね。つまり、「戻そうとして筋収縮が起こる」わけです。

でも、戻そうとする脚(膝関節)は比較的伸ばされているわけですから、やっぱり「伸ばされながら収縮する筋」の状態になっているわけです。

インターバルやレペティションなど、スピードが速く大腿部も比較的高く持ち上がる動きでは、かなりの強度の筋収縮が起こっていたはずで、それを毎週毎週繰り返すうちに、だんだん付着部に負担がかかってきてしまったのですね。

短距離が遅く、走りも小さめのランマニアでも、数ヶ月もこうした動きを繰り返せば、さすがに脚も音を上げてしまうんですね。

ということで、現在はこのフェーズでの筋力を極力抑えれば比較的問題なく走れる状態で、今日もキロ4くらいのペースであれば、脚を戻す際に無理に力を入れる必要がなく、患部を悪化させずに走ることができています。

1週間での回復量から考えると、来週あたりはキロ3分台で走れそうな感覚ですので今週もできるだけ負荷をかけないようゆっくり戻していこうと思います。

出力の左右差ってある気がします

こんにちは、ランマニアです。

先週から故障明けのリハビリ週間で、軽いジョグを毎日継続しているところです。

今回やってしまったところは、ちょっと今までの故障とはタイプが異なり(ある意味同じ面もありますが。後述。)、通常脚の接地時に力が掛かって脚が痛む故障が多かったのに対し、今回は前へ進む際の推進力を得ようとする際に痛む故障です。

なので、これまでの足底筋膜炎やふくらはぎの肉離れでは、とにかく着地に気を使い、治らずに練習を再開すると脚を着けば着くほど悪化していくのが常でした。

しかし今回の怪我は、大腿二頭筋を中心としたハムストリングスに力をかけた時だけ痛む故障なので、変な話、下り坂のような勝手に前へ進んでくれるような場所では全く痛まない変わった故障なのですね。

逆に、上り坂ではいまだに患部が張ってきて、最終的には痛みもまだあるので、極力上り坂を避けて走っているところです。

なので、平坦な道を走っている分には、ペースを上げさえしなければ、もうほとんど故障をしている自覚がなく、着地するときに無意識に脚を庇うとか、変に着地ポイントを変えて走るとか、そういった「二次障害」を誘発するような動きは全くないのが救いとなっています。

しかし、ただ一点、普段と違う走り方になっているのは、前に進む際に患部のある右足で思い切り踏ん張れない、ということです。

今回の故障は、前に進もうと力を入れたときに痛む場所なので、前に進もうとする力を当然弱めて走ることになります(つまりペースが落ちる、ということ)。

そうなると前に進む推進力をどこでカバーするかというと、今回は自分の利き脚でない「左脚」ということになります。

多分、多くのランナーがそうだと思いますが、走っている時の力の入り具合は、明らかに利き脚の方が大きくなっているのではないでしょうか。ランマニアも例外ではなく、ふくらはぎは右脚の方が圧倒的に太いですし、力も入りやすいです。逆に左足はうまく使えている感覚がなく、ベタベタとまるで反発が得られない劣化したバネのような走り方になってしまっています。

実際左右の筋力差を測ったことはありませんが、感覚的には右60の左40くらいは離れていそうな出力差です。

しかし、今のように利き脚が十分機能していないと、当然出力を100%発揮できず、その分逆の脚で前に進もうとしてしまいます。

ところがこうして右脚が制限されてみると、最低でも左脚をうまく使おうとして、自然とスムーズで高出力な脚の使い方を人間はするのだな、とちょっと感心しているところでした。

これまで嫌いだった左脚のベタベタした走り方がなりを潜め、軽快にタッタッタとフラットに接地をして短時間で蹴り上げまでの動作を終えられるようになっているのです。

両脚が使えていた時にはやろうとしたって全くできなかった走り方で、変な話右脚が左脚になったような不思議な感覚で脚を使うことができているのです。これにはちょっとした驚きがありました。

とはいえ、ここで最も気を付けなければならないのが、普段使っていなかった筋肉、使っていなかった脚にかなりの負荷がかかり始めているために、そっちの故障の心配が出てくることです。

これはふくらはぎを肉離れした時によくあるのですが、大抵やってしまった方を庇うために、逆の脚に負荷がかかり元々の方が治る頃に逆側をやってしまう、というパターン。

今回も、左脚を気持ちよく使え、これで右脚が復活すれば左右差がだいぶ縮まり、非常に効率の良い走りができそうな気がしていますが、ここで気をつけないとそうなる前に左をやってしまい、すべては1からやり直し、ということになりかねません。

なので、やはりどちらかの脚に不安がある時にはペースを上げない、というのが大原則なわけですね。

現状、故障の快復を妨げない程度の最低ラインはキロ5分30秒くらいのペースです。下りならもう少し上げても大丈夫。

しかし平坦コースでキロ5まで上げようとするとちょっと不安がありますし、上り区間では明らかに患部に張りが出てきます。

日々軽快はしている実感はありますが、やはり絶対的に時間は必要になりそうです。

なので今は焦らずにやれる範囲でのペース、距離の中で、今回の左右差のような普段では体感できないようなことを試していこうと思っています。

8月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

ブログの方もご無沙汰してしまいました。

本当は、怪我の経過でも載せていこうかと思ってはいたのですが、やはり走れないとどうも無意識のうちにテンションが落ち、書きたい内容が思い浮かんでこないのですね。

「いい休養だ」と思って、せっかくの休みを楽しんでしまえば良いものを、そういう気持ちにならないところが、まあ一つのビョーキなんですね。ランナー病。

そして1週間休んでいる間に気温も一気に涼しくなり、季節が進み、8月も終わってしまいました。

で、恒例の月間振り返りです。

今月は、予定ではダニエルズさんのマラソントレーニング4週サイクルの1サイクル目でして、TペースやMペースの練習がどんどん入ってくるはずでした。

それがだいたい半分くらいしか消化できずに終わってしまったのですが、実際に8月を振り返ってみると、思ったよりも走行距離は走れた印象です(故障中のWalkも便宜上E練習に計上しました)。

最後の2週間は高強度が一気に減ってしまいました。

ペースごとに見てみると、圧倒的にEペースが多いのは当然として、今月から始まったM練習の割合が若干目立つところです。これはマラソントレーニングならではの練習内容ですね。

一応、Mは7割、Iは完遂したことになります。怪我をした週はTペースメインのRペースが若干入る予定でした。

今年に入るまで、ランマニアの月間走行距離は200台がデフォルトだったので、ここ数ヶ月続いた300kmオーバーはかなり異例のことで。以前なら今月の280kmでもわりと十分な感じでした。

8月は最後の10日で急速に走行距離が減ったので、月のトータルで報告するのはあまり意味がないのですが。

今回はダニエルズのゴールドプログラムが終わった時点で、もう少し長い休養を入れるべきでしたね。

臀部の痛みもあったわけですし、4ヶ月間の疲労はかなりのものがあったはずなので、最低1週間は休養を入れるべきでした。

しかしそのツケがここで回ってきて、結果的に1週間の休養、そして現在のリハビリジョグに至るわけです。高強度ができるまでに完治するにはトータルで数週間かかることを考えると、8月の頭に1週間休んでおけば、となるわけで。

とはいえ、患部が患部なだけに無理をしていたら肉離れの危険性もあった中、ダメージはギリギリ最小限に留められたかと思います。

今週は、ペースを抑えたジョグで様子を見て、その結果次第で来週以降徐々にペースを上げた練習を織り交ぜていこうと思います。

「ジョグならできる」は「ジョグでも痛む」の始まり

こんにちは、ランマニアです。

昨日、モチベーションが維持できてるみたいな記事を書いた矢先に、故障日記になってしまいました。まあ、以前からちょっと痛かったんですけどね。

かなり前の記事にも書きましたが、もともとランマニアはここ数年故障が多く、シーズンを通して無傷で練習をやり通せた1年がここのところなかったのですね。昨シーズンなどは、7月に痛めた足底筋膜炎を半年以上引きずりかなりパフォーマンスを落としてしまいました。

そんなことでしたので、今シーズンはかなりの練習を積んできた中でどこにも痛みが出ずに練習を継続することができ、自分でも驚いていたところだったのですね。

一方では、なぜ故障が無くなったのか、その理由もある程度自分の中では把握もしていました。

実はランマニアの故障は、競技を始めて30年以上になりますが、100%が膝から下の故障でした。特に、社会人になってからはほぼ3種類に限られ、ふくらはぎ肉離れ、アキレス腱炎、そして足底筋膜炎、だけでした。

このレパートリーを見て詳しい方ならすぐにわかると思いますが、この3種類はほとんど前足部から接地するいわゆるフォアフット走法でなりやすい故障です。特に、スピードを上げて取り組む練習を繰り返したり、少し距離の長いレースに出た後などには必ずどこかを痛めている状態でした。

今年4月から始めたダニエルズのゴールドプログラムも、始めてすぐのフェーズⅠの終盤に、一度右のふくらはぎが危なくなったことがありました。切れるまでは行かないにせよ、このまま負荷を加えると切れてしまう感覚がもう自分にはわかるので、これは危ないな、と。

そして同時に、このまま同じフォームで練習を続けるとやはりまた故障を繰り返し、練習を継続できないと考えました。

そこで、フェーズⅡからは、ジョグの日を中心に接地をかなり意識するようにして、足をできるだけフラットに地面に押しつけ、大腿部の裏側(ハムストリングス)を使いながら前へ進むようなフォームに変えていくことにしました。

これは思いのほかスムーズに移行でき、LT走ならともかく、Iペースのインターバルや慣れてくるとRペースのレペティションの時でさえ大腿部をうまく使ってスピードを出せるようになってきました。これは自分でも驚きましたね。

その結果、練習量が増えてきたフェーズⅡ、そしてフェーズⅢにおいても、以前のようにふくらはぎが張ることがほとんどなくなり、肉離れをしそうなとき特有のあの「チク」っていうような違和感も一度も感じずに練習を継続することができるようになってきたのです。

これはこのフォームを自分のものにしたな、という手応えを十分感じましたね。

そうして大腿部をしっかり使ってスピードを出せるようになると、以前のようにスピードを出して接地するインターバルやレペティションでも足を着くのが怖くなくなり、思い切りペースを上げて練習に取り組める喜びを感じていたところでした。

ところが、フェーズⅣの終盤、ある時、200mのレペが終わった後に家に帰ると右のお尻の下のほうがやけに痛むことがありました。その時は、ちょっと張るような、筋肉痛のような痛みだったので「ああ、しっかりお尻を使って走れてるんだな」とむしろその痛みに変な手応えを感じるくらい、あまり深刻に考えていなかったのですね。

何せ、ランマニアの故障は基本、膝から下ですからそんなところを故障するなどとは想像もしてませんでしたからね。

しかしその後も、とにかく「登り坂で右足をあげようとすると痛む」「速いスピードでダッシュをすると痛む」「膝を伸ばした状態で前にかがむと痛む」というある特定の動作が結構しんどい状態が続いたのですね。

でも、これらは基本、ジョグとか長距離の動作にはほとんど影響のないものですし、200mのような短距離練で痛めたものだから長距離練習を続けている分には問題ないだろう、と楽観的に捉えていました。何度も言いますが、こんなところが故障するとは思ってもいませんからね。

そしてフェーズⅣが終わって数日間休養をし、その後も十日ほどジョグだけの生活を続けていたので、もうこの痛みもほとんどなくなっていたところで、ダニエルズのマラソントレーニングで最初のインターバルの日を迎えました。

LT走とIペースインターバル、そしてレペティションが組み合わされたかなり負荷のかかる練習だったこともあり、最後のレペの時にこれまで感じた痛みを一歩超えたような痛み(故障をする時は大体分かりますよね、ああ、これは無理な痛みだ、っていうのが)を感じるようになったのですね。うーん、ちょっとまずいかな、と。

でも、翌週はMペースしかないからなんとかやり切れるだろうと、そのまま継続していたのですが、今日久々にTペースで走ったところ、やはりちょっと走り続けるのは危ない痛みになってきたので、ついに練習を中断することにしたのでした。

はじめの頃は、200mを33秒くらいで痛みました。次は36秒くらい。そして今日は42秒でも痛みました。より遅い速度で痛むのは悪化した証拠です。

ではなぜ今日いつも通りLT走をやろうとしてしまったのかと言いますと、実は日常生活の中での痛みは、ここ数日でだいぶ軽くなっていたからなのです。

先月の一番痛かった時は、「階段を登るのも痛い」「車から降りる時、右足をついて降りるだけで痛い」「座った状態でハムストリングスに力を入れると痛い」状態でした。

しかし、今は階段では痛まず、車から降りる時も大丈夫、そして座った状態で力を入れても痛みは軽くなった、という状態です。

なので、練習をしながらもよくはなってきてるのかな、と錯覚していたのですね。

これは想像なのですが、もともとはレペティションのような速いペースで使う部分を痛めたため、腿を上げるときや膝を曲げて地面を押し出すような力を発揮する時に痛みが出ていたのが、その状態で長距離練習を続けてしまったため、弱くなった部分に新たな損傷が生じ、これまで痛かった短距離走で使う部分が治ってきた反面、長距離走で使う部分に痛みが移行してしまったのかな、と考えています。

どの故障もそうですが、一度損傷が引き起こされるとその周辺にも損傷が波及するのがよくあるパターンです。

なので、ランマニアがかつてよくやらかしたのは、「ジョグならできる」と痛まない範囲で練習を継続した結果、「ジョグでも痛む」ようになってしまうこと。今回もまさにそうですね。

「ジョグならできる」のは、あくまで筋や腱が万全の状態な時であって、どこか一部が損傷したり炎症を起こしたりしていると、総合的に使える筋繊維が減ってしまっている状態なので「ジョグでも故障する」範囲が広くなってしまっていると考えた方がいいだろうな、ということです。ここは結構盲点だったりします。

さて、今回ランマニアの故障は、色々と調べたり「触診」したりしたところ、おそらく「ハムストリングス付着部炎」。こんなところは痛めたことがなかったので、恥ずかしながら聞いたこともなかった故障名です。

「登り坂で痛む」「膝を伸ばした状態で前かがみをすると痛む」に該当するのでおそらくこれでしょう。

大腿部を屈曲させる筋肉群の総称「ハムストリングス」が集まって付着している部分、「坐骨結節」が痛みます。

いずれにしても「酷使」によって傷んでいるわけなので、もうこれは「休養」しか選択肢がないわけで、しばらくここを使うような運動は控えた方が良さそうです。

ただ、逆にいうとここを使わない運動はできるわけで、できればここを使わない運動をして有酸素能力は維持したいと考えていて、それをどうしようか今思案中です。

間違っても「ジョグなら痛まない」と考えないように要注意です。

週替わりメニューが今のモチベーション

こんにちは、ランマニアです。

このブログもおかげさまで今日で100本目の記事になりました。

ブログを始めたときに参考にしたサイトには「まずは100本書きなさい」とあったので、少し時間はかかりましたが、ひとまずその目標は達成できました。

100本目だからといって何か特別なことがあるわけでもなく、いつも通り日々の練習で感じていることを今日も書こうと思います。

ダニエルズさんのマラソントレーニングに移行して今日で3週間が終わりました。

先月までの体力向上プログラムでは、一月ごとに一週間のメニューが変わっていく「月替り方式」で取り組みましたので、先月は同じ練習を4回やり通すという結構タフな毎日でした。

それに対して今回のプログラムは、一週間ごとにメニューを変えてそれを四週間取り組むいわば「週替わりメニュー」の形式となっています。例えば、一週目はジョグのみ、二週目は全ての心拍ゾーンの練習を組み合わせる練習、そして三週目はMペースでの練習を中心に、という具合です。

なので、一週間頑張れば来週からは違ったトレーニングが待っている、というように月替りメニューよりは心理的には楽で、練習もより楽しめるようになった気がしています。

しかし一方で、ある週のQデー(質の高い練習日)を失敗すると(体力向上プログラムでは結構ありましたし、今月もすでに一回)、その週に取り組むべきだった速度域の練習が翌月まで1ヶ月間取り組めなくなってしまうという危険もあります。体力向上プログラムでは「今日は失敗したけど来週こそは」とすぐに取り返せましたが、今回のプログラムでは1ヶ月間「リベンジ」の機会が巡ってきません。(まあ、スライドさせてもいいんですけどね)

そんな週替わりメニューですが、今週のQデーはMペースでのトレーニングが中心でした。前回のブログで書いたように1度目は暑さで撃沈してしまい距離は半分(6.5km)。しかし、2回目の方はどうにか完遂して合計12.8kmの距離を走れました。一週間当たりの距離で考えると、求められていた距離の4分の3はこなせた計算になります。なんとかギリギリ及第点かな、と。

そして、今回のメニューの最大の特徴は、今月このようにして1度取り組んだ速度域での練習が、翌月にはさらに距離が伸びることです。例えばランマニアの場合、今週のMペースは1度の練習で走る距離は12.8km(8マイル)でしたが、来月は16km(10マイル)、さらにその翌月は19.2km(12マイル)と言った具合にです。これは、その月のどの週の練習も同じように距離が伸びていくのです。

そうですね、ちょうど螺旋階段を登っていくようなイメージでしょうか。

そうやって徐々に体力を高めてより長い距離を走れる体(脚)を作っていくのですが、だからこそその月の1回の練習を失敗してしまうと次のステップに上がれない可能性もあるという、意外と恐ろしいプログラムだったりします。

なんだか、昔子供の頃にハマった1ステージクリア型のゲームのようなイメージですね。

でも、そんなこともあり、毎週求められたメニューをこなすと、翌月にワンランク上の練習ステージに上がれる、みたいな達成感があり、それが練習の楽しさにつながっている気もするんですね。自分自身のレベルが上がっていくかのような感覚。

これが今、レースがなくても練習に対するモチベーションが低下しない要因の一つなんだろうな、と。

とはいえ、明日から始まるTペース週間についても当然のようにレベルアップしていくわけで、数ヶ月後には3.2km×4とかになってしまい、果たしてそんなメニューがこなせるのか正直不安もあります。(Tペースで13kmとか・・・)

しかし、もともとある程度の疲労を抱えながらもダニエルズ練を続けてきた結果、明らかに以前よりも疲れにくくなり、また疲れてしまってもその回復に時間がかからなくなってきていることから、このようにしてスモールステップでトレーニングを継続していくことが重要なのだろうな、と。

今「やれる気がしない練習」でも、1ヶ月間「やれそうな練習」に取り組むことで、翌月のそれができるようになるんじゃないかと、まあちょっと淡い期待を抱いているところですね。

夏をあきらめて

こんにちは、ランマニアです。

連日37度とか40度とか、まあここ数年はこれくらいの暑さがやってくる夏が普通になってしまいましたが、それでも通常人間が耐えられるレベルを遥かに超えた気象状況になっていますね。

ランマニアの一応の基準としては、「気温35度を超えたら走らない」という条件を決めています。これは、とりあえず「体温」を超えた空気の中走るのは放熱できなくて危険だろう、ということと、仮に湿度が高くても35度未満ならギリギリセーフかな、という「自己判断」によるものです。

そして、このお盆休み中は、せっかくの休みで昼間や午後の時間を他のレジャーに当てたいこともあり、そうすると走る時間帯は自ずと「早朝」ということになるのですね。

先週の水曜日はその基準に合わせて朝からLT走やインターバルを組み合わせたQトレーニングを行いました。これは肉体的にも心理的にもかなりタフな練習でしたね。

気温は30度前後で日差しもあったので、ただでさえタフな練習がもう修行に近い練習になってしまいましたが、なんとかペースを落としながらやり切ることができました。

なので、真夏の高強度練習、ペースを落とせばなんとかやりきれそうだ、という手応えは掴んだ「つもり」だったんですが。

そして今日からダニエルズのマラソントレーニングが3週目に入ったんですね。先週は、1度だけでしたがT,I,R全ての速度域を走ってそれぞれのエネルギー供給系に刺激を入れました。マラソントレーニングはどうしても「ゆっくり目で長く」が基本になってきてしまうので、たまにこうして刺激を入れさせているのでしょう。

で、今週は2回のQデーは二日ともMペースです。ゆっくりとしてペースで、ただしマラソンのレースペースで走ることでフォームを整えたりペース感覚を養うためのMペース練習なのでしょう。

正直にいうと、「今週はボーナスステージだな」とかなり侮っていました。

ランマニアのMペースは一応キロ3分40秒前後で、暑さがなければかなり余裕を持って維持できるペースです。この暑さを考慮して3分50秒くらいに抑えれば楽にこなせる練習だろうと「油断」していたんですね。

はたして今朝は目覚めもよくアップの30分ジョグも快適で、スタート前から「これは確定だな」と本当に今にして思うとその自信はどこからくるんだというほど浅はかでした。

スタートすると、想像以上に足が動かず、はじめの1kmはまさかの4分11秒。しかもペースの維持がかなりしんどく。

もうこの暑さならキロ4でも良いんじゃないかと頭をよぎりましたが、なんとなくそれでは意味がない気がして少しずつペースを戻そうとしてしまたんですね。と言ってもキロ3分50秒。

しかしその後も思うようにペースが上がらず、3分58秒、51秒、その後ようやく48秒。もうこの辺りになるとMペースというよりLT走でもやっているかのようなしんどさに変わってきて、まだ半分もきてないことに絶望的になりました。

13kmの予定が約半分の6km過ぎで一度給水、と思いきやそのまま再び走り出せなくなってしまい、よもやのDNF。

気温30度はジョグでは大きな影響はなくてもマラソンペースを超えたあたりから急速に循環器系が追いつかなくなっていくのでしょう。(体温調節に血液が使われ筋肉に送られる血流が不足する、など)

とはいえこの暑さもまだしばらくは続きそうですし、循環器系に負荷のかかる暑さの中での中強度練習、高強度練習にもそれなりの効果はありそうですからなんとかやりくりしていきたいものです。

一つの意識としては、やはり「数字は追わない」ということかな、と思います。

数字、特に「ペース」ですね。ペースを上げればそれだけエネルギーが生成されますから筋温も急上昇します。筋温が上がればより多くの血流を体表面に流して体温を下げようとしますからさらに筋肉への酸素の供給が滞ります。つまり理論上VDOTが一時的に低下するのと同じなわけで。

なので、今日のキロ3分50秒が「LT走のようなきつさ(そして全く「快適なきつさ」ではない)」、というのはあながち間違えではなく、筋肉への酸素供給量を考えれば本当にLTペースに近かった可能性もあり、今日の気象条件でのMペースはもっと遅くなければならなかったのかもしれません。

そう考えると、とにかくこの「気温30度」状態が続くうちは、もう通常のVDOTペースは「あきらめて」数字は追わずに、呼吸のきつさ(気温の上昇で換気量は上昇するので)やペースの維持に対するしんどさのような体感的、主観的な指標に基づいて、練習を組み立てる必要があるのだろうな、と。

そして意外と大事なのは「日差しを防ぐ」こと。気温は30度でも、日差しが照り返している皮膚上はもっと高温になりますから、数十秒の間日差しの中で走っただけでも大幅なペースダウンは避けられない気がします。水で冷やすにも限界がありますし。

よって、走る時間は「やっぱり夕方以降」なんですね。

次のQデーは明々後日の水曜日。メニューは分割Mペース走。仕事があるので図らずも夜練になりますね。

怪我を防ぐ練習環境

こんにちは、ランマニアです。

ここのところ昼間の気温が外にいるだけで危険な状態で、もう走る時間は早朝か夜しか選択肢がない状況になっています。

大学生や実業団のように1週間も2週間も涼しい高地に滞在できれば良いのですが、通常一般的な社会人はなかなかそれは難しく、多くのランナーは暑い時間を避けたり水で冷やしながら走ったり様々な工夫を凝らして練習時間を確保していることと思います。

昨日はさすがにランマニアもこの暑さに辟易し、レジャーも兼ねて標高の高いところへ走りに行ってきたのですね(本当に涼しく、下界は異常とさえ思える快適さ)。

さて、そんな練習環境ですが、今のような真夏の暑い時期は例外として(この時期が快適であれば真冬は相当厳しいはず)、実は今住んでいる場所は比較的練習環境に恵まれた場所だと思っています。

平坦路が少ないという唯一の難点はあるものの、近くには1周12kmほどある完全クローズドな(車が入ってこれない)ジョギングコースがありますし、トレイルと言うほどではないにせよかなりの起伏のあるほとんど日陰のダートコース(10kmほど)もあり。そして4kmほど行けば完全フラットな公園コースも存在します。無料トラックも7kmほど離れていますがいけないことはありません。

こうして整理してみると、ほとんどのシチュエーションはカバーすることができ、本当に恵まれているな、と。

最も練習環境に苦労したのは高校時代。

たまたま高校が周囲が水田ばかりでほとんど起伏のない地域にあったため、普段のトラック練習は当然平坦路としても、ロードに出ても延々と平坦な河川敷を走るだけの変化に富まない単調な練習しかできませんでした。

高校駅伝の県予選がとても起伏のあるコースで開催されていたので、普段から起伏の多いところを走れる高校が羨ましく感じてたのを思い出します。

また、大学時代も都内の比較的23区に近いところにあったことで(実は23区内は起伏に富んだ場所が多いのですが)、こちらも顕著なアップダウンはなく、近くにある大きな公園や河川敷、水路沿いの平坦な道を延々と走る練習がメインとなっていました。

そうやって振り返ってみると、今置かれている環境は大変恵まれていて、疲れている時は平坦な道を中心にゆっくり走れ、元気であればアップダウンのあるロングコースに出てみよう、と臨機応変に対応できるのですね。

コースにバリエーションがあると何が良いかといえば、もちろんトレーニング効果や脚力の向上など「プラスの」側面もありますが、実は故障を防げるという「マイナスを防ぐ」側面も大きいのですね。

例えば、平坦な道を延々とゆっくりジョグをしているだけの練習が「安全」かといえば、意外とそうでもなく、基本的に長くなりがちな「ジョグ」の練習は、別の観点から見れば「同じ動作、同じタイプの筋収縮、同じ衝撃が、同じところに長い時間、多くの回数繰り返される」という「危険な」側面も持ち合わせています。ジョグしかしてないのに何故か故障をした、というのはそうした要因によるものであるかもしれません。

一方で、同じ距離をジョグするにしても、適度な上りや下りが繰り返されれば、その路面の変化によって使われる筋肉や衝撃の受け方が微妙に変化し、「同じダメージを受け続けない」というメリットがあります。もちろん、下り坂を延々と走り続ければ故障のリスクは一気に跳ね上がりますが、通常関東平野の市街地を走っていてそのような場面に出くわすことはほぼあり得ません。あくまでも「適度な」アップダウンです。

そして、路面「サーフェス」についても同じようなことが言えるでしょう。

例えばアスファルトは硬くて衝撃が強い一方で、グリップが良く大変走りやすい路面です。しかし、そのグリップの良さは逆の側面で見ると「力が逃げない(トラクションが高い)」ことにつながり、前に進もうとする力が脚に無駄なく伝わるということでもあります。つまりそれだけ負荷がかかるということですね。

これが砂利道やダート、トレイルであれば、前に進もうと脚に入れた力が適度に分散され(その分前に進みづらい)、脚への負担も軽くなります(路面が柔らかく衝撃も少ない)。

さらにいえば芝生なんかを走ってみれば気付くと思いますが、もうほとんどふわふわな状態で、「靴の反発力」や「ふくらはぎのバネ」を利用した走り方が通用しないことがわかります。前に進ませるためにはそれなりに工夫が必要になってきますね。ですが、それは別の見方をすれば「脚の使い方」「走り方」を変えていることにつながり、ロードで散々酷使してダメージを受けた筋肉を休ませることができるという側面もあります。

このような意味で、練習コースのバリエーションが多いということは、それだけ「脚の同じ場所だけを使いすぎない」ことにつながり、長い目で見て故障を減らすことに寄与していると考えています。

そうした観点から見て、今の練習環境は非常に恵まれていて本当に競技に打ち込んでいこうと考えている場合には「住環境」は決して軽視できないファクターなんだろうなとつくづく感じているところです(走るために家を借り替えた強者ランナーが知人にいますが・・・)。

あの「合宿効果」の功罪について「若さゆえの成功体験」から考えてみます

こんにちは、ランマニアです。

毎年この暑い夏の時期になると思い出すのが、やはりあの「夏合宿」ですね。

ランマニアは高校、大学とどちらもだいたい同時期に5〜7日程度の夏合宿が組まれていて、毎年この時期になるとやや標高の高い避暑地におもむきハードな練習に明け暮れたものです。

今よりもずっと考えが浅はかだったあの当時は、「きっと合宿に行けばたくさん走るから強くなるだろう」とか「標高が少し高いから高地トレーニングの効果が期待できる」とか「涼しい場所で追い込めるから間違いなく強くなる」みたいなことを考えてきつい練習に耐えていた気がします。

しかしそれとて満更でもなく、当時まだ10代半ばから20代前半くらいまではとにかく疲れもすぐに回復するし、体もすぐに応答するしで、たった1週間程度の陸上漬けの毎日を送ったくらいでもその効果を実感するには十分な結果をその後数週間以内に出すことができてしまうのですね。

比較的夏に強かったランマニアは、この夏合宿後の自己ベスト更新率が異常に高く、高校1年から大学1年までに自己ベストを出した月が、9月が3回、8月が1回と、ほぼ毎年のように夏合宿明けには5000mのベストが出ていたことになります。

まあ言ってみれば「合宿効果」抜群だったわけで。

ところがこの時の経験は、のちにしばらくランマニアを誤った道へ誘い込むことになります。

いえ、若い頃ならそれもそうだったのかも知れませんが、ある程度の年を重ねてからは同じ考えは通用しないのだということを痛感することになるのです。

この「合宿効果」を存分に味わい、多くの成功体験をしてしまった結果、ランマニアは「短期間にまとめてハードな練習をすれば体は変わる」という危険な信念をしばらく持ち続けることになってしまったのですね。

これが、ランマニア自身の体験による「合宿効果」における功罪の「罪」の側面です。

社会人になり、ようやく徐々に走れるようになってからも、この当時の華々しい「合宿効果」がいつまでも頭から離れず、何度か「短期集中」的に走力を回復しようと試みていた時期がありました。

「あの頃の合宿では3部練してたんだから、もう一度それをやればまた体が応答するだろう」

「この1週間頑張れば、疲労を抜いた後に一気に速くなるに違いない」

くらいのことを考えて、一時期しゃにむに走ろうとしていた時期があります。

当然結果は散々なもので、そんな練習は1週間はおろか三日すら続けることができず、挙げ句の果てには無駄に疲労を溜めてしまって数日間走れなくなる、なんていう本末転倒な状況に陥ることもしばしばでした。

これはのちに気付くことになるのですが、若い頃とは疲れやダメージからの回復力に大きな差があるし、そもそも一度競技から離れて走力も体力も「一般人」並に落ちている中で、それほどの負荷は相対的に体が耐えられるものではなくなっている、という厳然たる事実があったのですね。

さらに言えば、トレーニングの効果を得るにはしっかりとした段階や順序があり、その原理原則に則らなければ定着しない、という大前提も無視したものです。

こういう「若さゆえの成功体験」は、ことスポーツに関しては様々な場面、観点で至る所に存在している気がしていて、ランマニアのように若い頃から今まで、中年を過ぎても同じように競技を続けている状況では、意外とそれらに縛られるというトラップがある気がしています。

もちろん、「若さゆえの成功体験」は競技を続ける動機付けや、もっとマクロな視点で見ると「人生を生き抜く強いメンタル」などにも影響すると考えているので決して悪いことではないのですが(それが功罪の功の部分かもしれません)、その体験が年齢を重ねても通用する「普遍的事実」とは限らない、ということを常に疑ってかからなければならないとも考えています。

人間誰しも「若い頃にうまくいったこと」の思い出は強烈に記憶に残っていて、ランマニアのように現在の置かれた状況や肉体、メンタルなどを鑑みた臨機応変な対応や変化を恐れることも少なくないと思います。

こうした変化や新しい試みは、なかなか自分1人では着想できなかったり行動に移すことが難しかったりするので、たまには仲間と走ってみたり、書籍や文献から最新の知見を得たり、Twitterで様々な考えに触れたりすることがいかに重要かを最近痛感しているところです。