3度目の足踏み

こんにちは、ランマニアです。

先月のちょうど今頃、故障明けとしては最初のトラック練習をしにいつもの競技場までジョグで向かい、LT走を初めて400mでふくらはぎに痛みが出てしまいました。

そこで完全に休むことを決めて、その後1週間ウォーキングだけで通し、3月に入ってゆっくりとジョグから再開して、今日でちょうど3週間。

再び同じ競技場でスピードを上げようとしたところ、やはりアップの時点で同じ箇所が痛み、走ることができませんでした。

1月、2月、そして3月と、こうも同じことを繰り返していると流石にメンタルも凹みます。

以前もこのようなことはよくあり、一昨年は足底筋膜炎で数ヶ月棒に振りましたが、やはり治っては痛めの繰り返しは気持ちにがやられますね。

今回は、かなりふくらはぎに力を入れても痛みはなく、ジョグでも全く気にならなくなっていたところでしたので、ちょっと驚きました。

「え、まじで?」と、思わず口にしたほど。

確かに、確実に状態は良くなっていることから、痛みの程度は軽いのです。

1月が10の痛みだとすると、2月が5、今日は2くらいの痛みでしたが、すぐにやめました。

なので、数時間経った午後にはもう痛みを感じることはなく、なんならジョグにでも行けそうな状態です。

しかし、今日のようにアスファルトの上を比較的薄めのシューズで、フォア気味に接地して走り続けると、腓腹筋(ふくらはぎの筋肉の一つ)の張力に筋が負け、微細な損傷が引き起こされるのですね。

これはおそらく、痛みや自覚症状がないレベル、非常に微細なレベルでの筋組織の再生が完了しきれていない状態で練習を継続していることが原因なのだと思います。

痛みがないから、「もう大丈夫」と勘違いしてペースを上げたり、フォア気味で接地をしてしまう。

多分、ゆっくりのジョグ、芝生の上でのジョグをしばらく継続する分には次第に良くなっていくのでしょうが、走力の衰えを実感することからついつい焦ってペースを上げてしまうのですね。

そうすると、治ってきたとはいえ、以前と同じような筋力を発揮できない部分に同じ負荷がかかり、結果的に治りかけている組織を再び傷めてしまう、という悪循環が生じているのだと思います。

まあ、初めのころに危惧していた「無限ループ」です。

完全休養の期間、その後のジョグの入れ方などは、おそらく間違ってはいないと思うのです(痛みや症状はとても良くなっているので)。

問題は、その後比較的短いスパンでファルトレクなどの高い負荷をかけてしまっていることが問題なのだな、と今回は思い知らされました。

走れてしまうだけに、それがイコール筋の状態が完全に戻ってきたと勘違いしてしまうのです。

先月にしても今月にしても、休養期間1週間。リハビリジョグを1週間、その後徐々に距離を伸ばし、その翌週あたりでスピードを上げる。走る期間は大体3週間です。

このスケジュールは、これまでの故障明けのパターンとしては、決して無理なペースではなかったのですが、今回はそれでも再発を引き起こしてしまいました。

もちろん、今回の傷め方が思ったよりも酷かったと言うこともあるでしょうが、それよりも、以前に比べ回復の早さがとても遅くなっている気がするのですね。

こんなに慎重に戻そうとしても、傷めてしまう。

筋の柔軟性や再生能力が老化の影響を受けているのかもしれません。

結局、年齢を重ねて記録を維持すると言うことは、こう言うこととの闘いなわけで、そこが難しいところなんですね。

若い頃と同じような練習をしようと思えば、どうしても足を傷めやすくなってしまう。

強い練習をすれば速く走れるようになるのかもしれませんが、そうすると今度は故障のリスクが跳ね上がり、速く走れる期間もとても短いものになってしまう。

このジレンマをどう解消していくかが中高年ランナーの重要なテーマなんだと思うのです。

昨年のようにうまくいく年もあれば、途端に悪循環に陥る時期もやってきます。

何十年も走ってきましたので、まあこう言うことはよくあるのですが、その度に「さて、どうしたものか」と悩むわけですね。

ひとまず、また1週間は走らず様子見です。

問題はその後ですが、今回はもう一月くらいはジョグだけで通そうかなと思っています。しかも、再開は本当にゆっくりと。1kmから初めて1日ごとに1km増やす、くらいのスローペースで。

今の段階でしゃにむにスピードを鍛える必要はないわけですし。

その状態で、ひとまず足の回復を見守ろうと思っています。

「走力ー疲労=パフォーマンス」

こんにちは、ランマニアです。

実はランマニアは雨でも普通に練習する人です。

ジョグだろうがインターバルだろうが、予定していたメニューであれば余程の悪天候でなければやってしまう派です。

なぜ走るかというと、簡単に言えば「走らない理由がない」からで。

高校時代のように、土のグラウンドで練習しているのであればインターバルなどは当然できませんが、今はほとんどがロード練習なので、足元の要因は解決します。

体が雨に濡れてしまうことについては、防水ウェアを着て走ってしまえばほとんど雨水が浸入してくることもなく、体が温まってくれば雨が体に当たることはほとんど何も影響がなくなります。

雨の日に走りたくないのは、要は走りはじめの「濡れるのが嫌だ」という心理的な要因が多くを占めていると思っています。

もちろん、転倒のリスク、風邪を引くリスク、これらは晴天時に比べれば格段にはね上がりますから、これらのリスクマネジメントをして走る、と言うのは大前提になりますが。

しかし、そんな「雨でも走る」ランマニアが、今日は珍しく「雨を理由に」走るのをやめました。

今週は月曜日をレストにしていたため、火水木金の4日しか練習をしていないにもかかわらず短い間隔でレストを入れると言うのも、ここ数ヶ月のルーチンからするとちょっと異例なことです。

今日休みを入れたのは、実は「雨だから」休んだと言うよりは「雨も降っているから」休んだと言った方が正確でしょう。

1月に脚を痛めて、その後そこそこの練習を継続してきてはいましたが、強度の高い練習はもう久しく行っていませんし、絶対的な走行距離も明らかに減少してきました。

2月は1週間のウォーキング期間も入れ、ジョグくらいの強度のランでも「だいぶ筋力落ちてしまったな」と実感できるほどの衰えを感じてきたのですね。

先週、久しぶりに芝生の上でファルトレクを入れたみたところ、全くスピードに乗れず、しかもふくらはぎも攣りそうになったことから、これは「いきなり戻す」のは危険だな、と感じたのでした。

案の定、昨日のジョグ中に痛めたところとは別の場所ではありましたが、右のふくらはぎの若干表層部に近いところの一部が「ピリッ」っと痙攣よりは危ない痛みが走りました。

これはちょっと一旦休ませた方がいいなと思い、昨日の時点では、今日土曜日の練習を軽いジョグにしようかなと思っていたのですが、朝起きた時の土砂降りで「レスト確定」だったわけです。

以前のスケジュールであれば、週2回のQデー、しかもそのQデーの走行距離も20km以上というルーチンでレストも週1で回していたので、今のこんな練習量でふくらはぎが張ってくるのは、明らかに筋肉が衰えている証拠です。

ただ、疲労が抜けてそこそこのペースで長い距離を走れてしまうため、以前の練習量でも回せてしまえそうなところがとても危険なところです。

しっかり練習が積めていた時は逆に疲労があり、

走力100ー疲労40=パフォーマンス60

だったところが、今は

走力70–疲労10=パフォーマンス60

みたいなところがあり、結果としてアウトプットが「見かけ上」一緒みたいなところがあるのですね。

なので、こういう「故障明け」の疲労が抜けている時期は、意外と大きな罠が潜んでいて、「疲労」と言う抑制要因が機能していないために、相対的にオーバーワークになってしまうことがままあるのです。

今週、ちょっとこの罠にハマり、正直、ちょっと調子に乗ってペースを上げすぎた感はありました。これは猛省です。

この「見かけ上一緒のパフォーマンス」についてですが、この「見かけ上」と言うのは、そのパフォーマンスを発揮した後の疲労度、ダメージ、あるいはそのパフォーマンスを発揮する際の余裕度など、を抜きにして考えた場合、と言うことで。

例えば、先日のファルトレク、キロ3分30秒ペースで走れたと言う意味では「もうTペースで走れるじゃん」と言う「事実」「結果」「見た目」は一緒なんですが、それを実施している際の「余力」はまるで違いますし、その後の「ダメージ」もやっぱりまるで違うのですね。

故障明けは、変な話疲労が適度に抜けてしまっているため、つい走行距離やペースが上がりがちで、そのためにせっかく治りかけてた患部をもう一度痛めてしまう、と言うことはよくある話です。

故障前と同じペースで走れたり、同じ練習ができたからといって「もう治った」と判断するのは非常に危険なので、実際にはここからがより慎重に取り組まなければならないフェーズだったりしますね。

休むは恥じゃないし役に立つ

こんにちは、ランマニアです。

今日で1週間のリハビリジョグ期間が終了しました。

その前の1週間はランは完全に封印しウォーキングだけの毎日を過ごしたのですが、流石にその効果は絶大で、この1週間、久しぶりに走りっぱなしの週を過ごしましたが、ふくらはぎの方はほぼ完全によくなった印象です。

この1週間の休養、入れてみれば「なぜもっと早く」となるのですが、練習が積めているときに1週間丸々休むのはなかなか勇気のいることですね。

さて今日は、ランニング再開後最長となる75分間のジョグを入れました。

いつものランニングコース(ロード、起伏あり)を、大体キロ6から始めて最終的にはキロ5くらいまでペースアップしたのですが、もうほぼふくらはぎを意識することなく、どこにも不安や痛みを感じることなく快適に走れたのですね。

実は先週ジョグを再開した時点では、まだ若干痛みのような違和感のようなものが残っていたのですが、昨日あたりから急激に脚の状態が良くなり、昨日から24時間空けた今日の練習では、痛めた場所を忘れてしまうくらい何事もなく。

やはり1週間のノーラン期間を入れた効果は絶大。

「休むは恥じゃないし役に立つ」

一方で、今日は以前からこのコースを走りながら気になっていたあるエリアに立ち入ってみました。

今走っているコースは、実に20年近く利用しているコースなのですが、ここを走っている時にはいつも目にしていながら一度も踏み入れていなかった場所があります。

ちょっとした丘陵地帯の森の中ですが、よく見ると遊歩道のようなシングルトラックが続いていて、走りやすそうな道があります。

今日はここのところ練習量が減っていて疲労も少なかったことから、思い切って寄り道をしてそのエリアに入ってみることにしました。

すると、外からは見えなかった森の中には、かなりの長さの遊歩道が整備されていて、ランニングするにはもってこいのコース、さらに登山道並みの勾配が続く区間も時折現れ、トレイルの練習をすることもできそうな場所でした。

さらにこのコースを走り続けると、その先には広大なアスレチック広場があり、その中もアップダウンのある遊歩道が整備されていました。

これらの二つのエリアを合わせると、おそらく1〜2kmほどの距離を確保でき、かつ1周まわれば累積標高も少なくとも100mは稼げそうなコースを設定できそうでした。

今日は脚を労って1周でやめましたが、次回は継続して走れるコースを探りながら一定時間ここで練習をしてみようと思います。

とはいえ、元々ここは子供向けのアスレチック場で散策路でもあるため、早朝などの人のいない時間帯を選んで利用するのが大前提です。

まあそれはどの公園でも走る際はその辺りのことは考えないといけないのですが。

学生でない社会人ランナーで、自分のホームグラウンドにトラックがある人というのはおそらく非常に稀なことだと思いますので、どうしてもロード練習が多くなると思います。

そのようなことから、練習といえば自然と「ロードジョグ」になってしまいがちな社会人ランナーにとって、今回のような土のサーフェス、起伏の大きいサーフェスは非常に貴重な練習環境になると考えています。

ロードのジョグはペースが安定してしまえば非常に快適で、大きな反発も得られるため、変な話楽にペースを維持できますし、ストレスも少ないのですね。

しかし、逆の視点から見れば刺激が一定で、同じ部分にばかり力が繰り返しかかってしまうので、その部分を痛めやすいというデメリットもあります。同じ動作の繰り返しは、同じ部位への負荷の繰り返しですので。

確かに、疲労が溜まっている時などは、ちょっとした上りでもしんどく感じるので、できるだけ平坦な道を選びたくなるのですが、少し体力に余裕がある時は、積極的に今日のような林間コースに脚を踏み入れて、できるだけ多くの刺激を入れようと思っています。

とはいえ、「平坦な道をできるだけ速く走る力」と言うのも一種の特異性ですので、クロカンやトレイルばかりを走っていても、当然ロードやトラックは速くならないのですけどね。

やはり練習は目的とバランスが重要、と言うことで。

「信じて走れば報われる」の謎

こんにちは、ランマニアです。

練習を再開して3日目。

今日は久しぶりにいつも走っている公園へいき、2月にファルトレクをやっていた芝生コースを気持ちよくジョグしてきました。

気温が低すぎず高すぎず、風も弱く、陽もまだ落ちる前で、本当に久しぶりに「走っていて気持ちいい」と感じられる時間を過ごすことができました。

今日は、そんな芝生の柔らかい感触を噛み締めながら(踏みしめながら)、ふと、タイトルのようなことを考えていたのですね。

信じて走れば報われる

長距離のトレーニングを続けている人なら、おそらく誰でも一度は感じたことのあることだと思いますが、なぜか不思議と、今取り組んでいる練習の効果を「信じて」継続していると、概ね良い結果が出てしまう、という現象。

逆に、こんなことやって意味あんのかよ、って思いながら継続した練習は、これまた不思議と効果が現れない、という現象。

ランマニアも、4年前にフルのベストを出した時は、正直、今あの時の練習を振り返ると全くトンチンカンな練習だったと思いますし、今なら疑心暗鬼で取り組んでしまうだろうな、と思われるような勘違い練習をしていたのですが(練習はレースペース命、みたいなところがありました)、当時は「絶対に速くなる!」って信じてやまなかったわけです。

その結果、それまでの自己ベストを4分も上回る大自己ベストを出すことができたのですね。「やっぱりオレのやってたことは正しかったんだ!」と正直してやったりですよ。

でもですね、やっぱりあの練習はあまりいい練習ではなかった、今はそう思っています。

そして、今、同じ練習を猜疑心を抱えながら継続しても、絶対に結果は出ないだろうな、と強く思うのです。

つまり、「信じて走れば報われる」は、やっぱり存在するんじゃないかと。

脳も含めた神経系と筋繊維までを「運動単位」として考えるならば

ではなぜ、「信じる」ことが大切なのか。

こんな、ちょっとオカルト的で、非科学的な論点は、このブログをずっと読んできていただいている方からすると、おいおいらしくないぞと思いますよね。

私自身、そう思います。

しかし、走りながら考えてみたのです。「信じる」こととはなんなのか、を。

そのヒントとなる概念が「運動単位」(motor unit)なのではないかと考えていたのですね。

大昔の記事で、筋繊維は運動神経に支配されていて、その神経に電気的な信号が送られることで筋収縮が生じて運動を行なっている、というようなことを書きました。

この神経系と筋繊維をまとめて「運動単位」と呼ぶことがあります。筋収縮は、神経系の働きを抜きには考えられない、ということなんですね。

運動神経は、途中脊髄の関与を受けているとはいえ、大元の指令は脳からの信号によって働くものです(この辺の話を深めようとすると相当マニアックな話になりますし、自分自身も理解しきれていない点も大いにあるのでここら辺で止めておきます)。

つまり、ざっくりいえば、「筋肉は脳によって収縮をコントロールされている」ということですね。

「信じない」状態は神経系が使えていない状態

さて、そこで初めの「信じる」理論に戻ってみます。「信じて練習する」とはどういう状態か。

これを考えるときに、わかりやすくイメージするために「信じずに練習をする」状態がどういうものかを想像してみようと思います(なんだか「帰無仮説を棄却する」みたいな)。

我々長距離ランナーのトレーニングの多くは、まあいってみれば「しんどい」練習が多くなりますよね。ジョグですら、終盤は疲れてきますし、もっというと疲れている時のジョグは初めからしんどい。

そういうときに、何を動機付けに我々は頑張りますか?

走った後のお酒、アイス。

いやいや、まあその通りですがそれをいったら今日の記事はここで終了になりますので、そうした外的要因ではなく、もう少し内的なものとして。

おそらく、多くの人は、「この練習は意味があるに違いない」「この練習をやることで強くなるに違いない」と「信じて」走るわけです。

これをもし、「信じない」ということになれば、どういう状況で走ることになるでしょうか。

「こんな練習意味あんのかよ」(ああ、これ、高校の部活とかでありそう)

「こんなに頑張ったってなんのいいこともないだろうに」

まあ、概ねこんな心理状態ですよね。

そしてその状態で、あのめちゃくちゃキッツいインターバルをやることを想像してみてください。

そりゃ当然、「これやり切って強くなるぞ」と思って走るよりは、遥かにタイムは落ちると思いませんか?

いや落ちますよ、当然。動機付けが低い、つまりやる気がないわけですから。

つまり、「信じないで」走ることは、「低い動機付け」で走ることとほぼ同義なのではないかと思うのですね。

そして、以前の記事の、筋収縮の出力は電気的信号の強さに依存している、つまり「やる気」とか「動機付け」とか比較的「情動」の影響も受けてるみたいな話に戻ると、結局「動機付けの低い状態で走れば、神経系もしっかり働かずに走る」ことになるわけです。

「信じないで走る」=「低い動機付けで走る」=「神経系の働きが鈍い」

という仮説です。

「信じて走る」は「高い動機付けで走る」こと

こうして整理してみると、その逆の「信じて走る」状態がどのような状態かは一目瞭然ですね。

そうなんです、「この練習は必ず身を結ぶ」「この練習をこなせば強くなれる」と「信じて」走ることは、非常に「高い動機付け」で、かつ「高い集中力」を維持して(つまり覚醒水準も高い)走ることにつながり、それは結果的に「神経系の働きを活発にする」ことになるのですね。

こうして、毎日の練習を「信じて」続けるのか、「信じないで」続けるのかでは、年間通して何百回と練習していれば、そりゃ大きな差になっていくわけですよ。

これが、「信じて走れば報われる」の、非常に大雑把な科学的背景なんじゃないか、と今日の45分ジョグで考えていたのですね。

まあ、なんのエビデンスもないのですけど。

ですが、こういうことは、意外と科学的に解明されすぎて、答えが簡単にわかってしまっても面白くないもので、こうしてああだこうだ考えている時が一番楽しいな、とも思っています。

そしてもちろん、「絶対に間違ってる練習」を「信じ切って」継続しても、決して強くはならないとは思いますね。(そもそも絶対に間違ってる練習を「信じて」走るのは想像難しい)

2月振り返り

こんにちは,ランマニアです。

さて,2月は故障を長引かせてしまい満足のいく練習(そもそも満足いく練習,ってなんだ?)ができずに,久しぶりに走行距離も強度も一気に低下する月となりました。

昨年12月まで文字通り「走り続けて」きてしまったので,確かに心身をリフレッシュさせるにはいい機会になったのかもしれません。

途中までは治る方向に進んでいましたが、無理がたたって痛みが出てしまいました。

1月はジョグのみで痛みが引いていったので、この調子でペースを上げていけるかな、と思っていたところ、2月の3週目で大きな痛みが出てしまいました。

回復のペースを上回る負荷をかけてしまったことが最大の要因です。Mペースはキロ4だったので大丈夫かなと思っていたのですが、脚へのダメージは想像以上のものがありました。

全体の走行距離が少ないのでMペースの割合が大きくなりました。

ペースごとの割合を見るとMペースがかなりの割合を占めていますが、そもそも今月は分母(走行距離)が小さいのでいつもと同じ距離を走ると、相対的に割合が高くなります。

Tペース以上のスピードで走った距離が、もう1月から激減しているので5000mや10000mを走る力が相当衰えているものと思われます。

28日しかなかったとはいえ、この1年でもっとも走行距離の少ない月となりました。

さすがに、今月の走行距離は一気に減りました。ウォーキングを入れると300kmは超えましたが、今回あえてウォーキングは計上しませんでした。

あくまで「休養した」という実績にしたかったためです。

3月に入った今日からゆっくりとジョグを再開してみました。

これまでもジョグなら普通にできていましたが、普通に走れているようで実は脚の状態はあまり良くはなっていませんでした。

また、しばらく練習を休んだことで全体的に筋力も低下しているため、故障前と同じような練習を再開しようものなら、また別のところを痛めかねません。

ウォーキングを続けていたとはいえ、走る筋肉は全く別物なので、ここからしばらくは距離もスピードも抑えながら慎重に戻していこうと思います。

走って痛まないことがことを長引かせる

こんにちは、ランマニアです。

前回の投稿で、たまにはウォーキングという練習もいいね的なことを書いたら途端に歩きしかできない状態に陥ってしまうのですから、本当に余計なことは言うものじゃありません。

まあとにかく1月以降、ふくらはぎは常に危ない状態なのに、「やれる範囲で」という往生際の悪さからギリギリのところで練習を続けてきてしまい、最終的には「ズキッ」というかなり危険な痛みを感じたところで、ようやく完全休養という選択肢を受け入れることができたのですね。

すぐにやめられないのは、戻す大変さが想像つくから

結局、1月の時点で今回のような「丸々1週間休み」を取り入れていれば、今頃はかなり強度の高い練習をこなすことができていたはずなんですが、そのまとまった休みを入れる勇気がなかったということ。

よく言われるように「1週間くらい休んだってどうってことないよ」というのは、確かにそうなんです。もう、何度も何度も何度も何度も故障をして、その度にそこから回復してみて分かるのは、「意外と早く戻ったよな」ということです。

しかし、確かにそれほど大きな落ち込みなく体力は戻るのですが、問題は「体力を戻すこと」と「ハードな練習をこなすこと」というのは、実は似ているようで微妙に違う状態なのですね。

例えば、以前ランマニアも、フルの翌週に5kmのロードレースとかが組まれているとんでもないスケジュールがあったのですが、この時は故障の防止と疲労回復を目的に、翌週の5kmまでは一度も練習しないで臨む、というルーチンを選択していました。

そして、フルでサブ3をやった翌週の5kmで15分台、とかいうことも普通にできてしまうので、確かに1週間丸々休んだって走力は落ちないというのは身をもって知っているのですね。

ところが、この1週間丸々休んだ後の5kmレースというのは「一発だけ」の走力なのです。

1回だけなら走ることは可能。

ですが、それはレースだから(仕方なく)そうしているのであって、通常、1週間丸々練習を休んで再開のその日からいきなり1000mのインターバルとかはやりませんよね。

当然、足慣らしのために数日はジョグをして、次はMペースとかLT走とかで徐々にペースを戻していくのが、いわば「安全策」なわけです。

そう考えると、もし仮に丸々1週間もの間練習を完全に止めてしまった場合に、次、通常通りの練習を再開するのであれば、少なくてももう1週間は慣らしの期間をおかなくてはなりません。

そうするとですね、例えば最後にLTペースの練習を行ったとして、その後今回の故障のように何らかの原因で1週間のブランクを開けたとすると、次に同じようなLT走ができるようになるにはどんなに早くても2週間後、安全を考えれば3週間程度は欲しいということになります。

こうした計算を思い描くと、「脚がやばい」と思った時に「今完全に休むと2〜3週間はスピード練ができないのか」と瞬時に考えてしまう自分がいるわけです。

そしてそうなると、今度は2〜3週間という期間は、もう明らかに1週間とは意味合いが異なってきます。

1週間で落ちない力でも、3週間なら確実に落ちる力があります(一度作られたミトコンドリアが減り始めるが、練習をやめて大体2週間くらいからとも言われていることもあり)。

例えば、VO2MaxやLTペースを一定時間維持する力などですね。

こんなことを考えていると、途端に「やっぱりやれる範囲で続けていきたい」と考えるもう1人の自分が悪魔の囁きをするのです。

「もしかしたらジョグを続けていれば治るかもしれない」と。

「ジョグならできる」は治っていない

で、確かにジョグをしても痛くはないし本当にゆっくりですがよくもなっていくことは事実です。

ふくらはぎの肉離れには大まかに3つのステージがあり、今回の状態はその1段階目にもかかるかどうかのかなり軽度な症状です。

しかし、痛めていない時なら何の問題もなくできるフォアフット着地での高速走行(高速と言ったってたかだかキロ3くらいですが)をしようものならいつでも「ピキ」っとなってしまうような状態では、「ジョグならできる」からと言って治ったとは言えない状態なのですね。

10kmから20km程度のジョグを継続していれば、何となく練習をした気になっていますし、何よりカロリーの消費も多いため食事も気にしなくてよく、ひとまず運動をした気持ちよさも味わうことができ、なかなか「止める」という決断がしにくい状態ではありました。

でも結局はこれを続けていては、いつまで経っても一つ上の練習に以降できない毎日が繰り返されてしまうので、やはり「ジョグならできてもジョグもしない」決断が必須だということに気づきました。

走行中の痛みを基準にするのではなく、「診察」の痛みで判断する

そしてようやく諦めがついたところで、今週1週間は久しぶりにランを停止して歩くだけの生活を続けてみました。

通勤経路の往復を中心に、大体1日10km以上は歩くように心がけました。

普段、こんなに長い距離を歩く機会が少ないので、久しぶりにすたすたと歩いてみると、意外にも多くの筋肉を使っていることに気づき、確かにウォーキング練習も悪くはないなという印象を持ちました。

最も大きな違いは、着地の高さの違いによる「脚への衝撃」と「心拍数」で、発揮する筋力の大きさや、衝撃に対する耐性、そして高い循環器系、呼吸器系への負荷の要素は、歩きでは得られないものがあるなと感じました。

しかし、10kmも歩くとなるとだいたい2時間近く時間を要するため、運動の継続時間としてはそこそこの長さになります。

したがって、弱い負荷を長い時間かけ続けることはでき、それはつまり「運動を継続するための力」=「持久力」という大雑把な能力は、最低限維持することができたのではないかと考えています(今後練習を再開してどうなっているかが明らかになりますが)。

現在、毎日行っているセルフ診察(つま先立ちをしてふくらはぎに思い切り力を込める、痛めた部分を押してみる等)では、格段に痛みが軽くなってきました。

今回もっとも厄介なのは、この痛みはジョグでは生じないということなのですね。

毎日本当に注意深く確認していかないと「治った」と勘違いしやすく、ついついペースや距離を上げてしまいがちなのです。

明日までランは中止し、月曜からゆっくりとジョグを再開しようと思っていますが、再開後もこの「診察」は継続して、痛みが軽くなっていることを確認しながら徐々に距離を伸ばしていこうと考えています。

たまにはWalkingという練習があってもいいよね

こんにちは、ランマニアです。

今週はダニエルズさんのマラソントレーニングでは、負荷をかけるいわゆる「Qデー」が2日ともMペースの距離走の週でした。

ふくらはぎの故障が明けてから2回目の本格練習週でしたが、最初のMペース走は前回のブログに書いた通り。

そして水曜日には2度目のMペース走を行ったのですが、残念ながら12.8kmまで走り、後半戦をスタートしたところでふくらはぎが猛烈に張ってしまい急遽DNF(Did Not Finish)となったのですね。

実は、この日のMペース走はそこそこに調子が良く、ペースもキロ3分55秒を切るラップをずっと刻んでいて、一旦12.8kmでMペースをやめなければ、残り9.6kmは普通に走れたのではないかと思えるほど、脚の状態も悪くはなかったのです。

しかし、ダニエルズさんの練習は、このMペースに限らずTペースの練習の際にも、同じ距離なのにまとめて走らせる時と分割して走らせる時を、1週間に必ず1回ずつ設定しています。

おそらく、分割させることで目的の心拍域(MペースなりTペースなり)で走る時間をできるだけ長く取れるようにという配慮があるのだと思います(ランニングフォーミュラーのTペースの項目に、テンポ走とクルーズインターバルのメリットがそれぞれ書いてあります)。

そういう意味で、今週水曜日の分割Mペース走も、確かにその前の日曜に行って連続Mペース走よりも、より本来のMペースに近づきましたし、一度休めることが頭にあるとそのペースでなんとか頑張れそうな気もするのですね。

ところがこの分割型の練習で、ランマニア的にしんどく感じるのは、毎回一度中断したペースにもう一度戻すという作業が結構きついというところです。

一度メインの走行ペースを終えてジョグを挟むと、体が結構冷えてしまい(これは物理的に「冷える」のもあるし、神経系の興奮も収まる、という「冷める」意味もありそうです)、もう一度同じペースに戻そうとすると、うまく体が動いてくれないのですね。

うまく体が動いてくれないところで、無理矢理脚を速く動かそうとして力を込めると、やはりどこかに無理な力がかかってしまうのでしょう。

水曜日に猛烈な張りを感じてすぐに練習を中止した時も、一度ペースを落としてジョグで繋いだ後の、後半戦の走り始め1km程度のところでした。

幸い、すぐに走るのをやめ、帰宅後アイシングをして様子を見たところ、結果的に故障したところが再発したのではなく、弱っていた部分に大きな負荷がかかってしまったことによる痙攣に近い急激な筋収縮だったようでした。なので、翌日には普通にジョグができ、以降脚の痛みも出ていません。

週間走行距離の80%に達してしまったので強制終了

さて、そんな経過をたどった今週の練習でしたが、走行距離は思いの外のびてしまい、1週間を待たずに昨日の時点で目標週間走行距離の80%(ランマニアは週100kmで設定しているので80km)に達してしまったのですね。

もちろん、この80%というのは水曜日に22.6kmのMペースを走った場合ですので、今週のように途中でDNFしてしまっているのであれば、その負荷では80%にとどめる必要はないと思いますが、ちょうどふくらはぎにも来ていたことなので、今週はもう走るのをやめておくことにしました。

貴重な練習なしの土曜日

社会人ランナーの皆さんにとって(ランマニアもですが)週末の二日間は貴重な練習日になることは言うまでもありません。

特に負荷が高まり時間もかかるハードな練習は、この土日のどちらか(あるいは両方)に取り入れるのが理想だと思います。

そんな「貴重な」土曜日を「練習オフ」にすると言うのは、極めて贅沢なことです。ランマニアも、土曜日に練習をしないと言うのはいつ以来でしょうか。

そんな練習なしの土曜日。

こう言うところがランナーのサガなのでしょうが、やっぱり天気のいい休日は体を動かしたくなってしまうのですね。

走るのはやめておこうと思っても、天気がいいのでどこかに行きたくなってしまい、今日は近場の丘陵地帯を歩くことにしました。

思いもよらず近場にトレイルコースを発見

最近ランマニアがハマっているのは、自宅から車で1時間以内で行けてしまう東京都のあきる野市。

ここは市町村合併によりかなりの広範な部分が一つの市になってしまった結果、標高の低い丘陵地帯があるエリアから、本格的な登山ができる山岳地帯のあるエリアまで様々な環境を網羅する、トレイルランナーにとってはかなり魅力的な地域となっています。

今日はそのうちの、市街地に近く標高の低い丘陵地帯を5kmほど歩いてみました。

この丘陵地帯が始まる最も東側の取り付きには、大澄山という低山があります。

スタートは、この丘陵地帯の最も東側の大澄山(だいちょうさん)から。

ここから尾根づたいに快適なトレイルが比較的長く続いています(うちの近所でこのような尾根はあっても1kmくらいです)。

割と起伏のある本格的な山道なので、首都圏のこんな近場にこのようなトレイルが存在していたのは正直盲点でした。

ときおり痩せ尾根なども出現するかなり本格的なシングルトラック。

この尾根道を3kmほど進むと浅間岳というさらに標高の高い山に到達します。

先程の大澄山よりわずか40mほどの標高差ですが、ここまでかなりの起伏があり累積では100m近くありそうです。

ここまでの尾根道は結構古くからあるハイキングコースで、今日は歩きでしたが、トレランをしてもなかなか走りやすそうです。実際ランナーにも数人遭遇し、地元では比較的メジャーな練習場所なのかもしれません。

この先、尾根道はまだ続き、日の出や五日市方面まで足を伸ばすことができるようなのですが、今日は歩きなのでここから下山し帰路につきました。

ウォーキングの効能は侮れない

ランマニアのように40代も半ばを過ぎてくると、やはり先述した脚へのダメージや回復も、若い頃と同じようにはいかないものが出てきます。

まあこれはなかなか受け入れ難い事実ですが仕方のないことです。

そうした中、適度に脚の筋肉を使いながら有酸素運動を継続できる「ウォーキング」は、中高年ランナーのトレーニングバリエーションの中に一つ入れておいて損はないものだな、と感じます。

特に、今回のように起伏のある山道を1〜2時間も歩き通すと、大腿部は結構刺激されますし、心拍数も上がります。

アスファルトの上をガンガン叩きながら60分ジョグをするくらいなら、2時間くらい山道を歩いた方が似たような効果を足に優しく与えることができるのではないかと考えています。

もちろん、ウォーキングをやった方がトレーニング効果が高い、というのではなく、足への回復等トータルで見た時に、場合によって何も考えずにただ惰性で60分ジョグをするよりは、脚を休ませつつ持久的なトレーニングを行える山道ウォーキング(ハイキング)の効果は、意外と侮れないものがあるかなと感じるわけですね。

走らせてくれない靴を履くことで「自分で走る力」を身につけることができるのかもしれない

こんにちは、ランマニアです。

昨日から今朝は5時起きで走るぞ、と少し早めに布団に入ったのですが、まさかの緊急地震速報で強制起動させられ、なんだか寝たような寝てないような浅い眠りのまま朝を迎えて練習開始となったのですね。

今朝は久しぶりに眠いままの出走となり、気が向かないままとぼとぼと練習場所の公園までの4.8kmをアップ(ダニエルズさんのメニューでも4.8kmEとなっており、玄関を出て練習場へ向かうまでの道のりを兼ねることができるので非常に効率がいい)。

朝の5時半では外は真っ暗ですし、公園にもほとんど人気はなく。

そんな中自分でも「よくやるな」と思いながらも、今日のメニューは22km以上の距離走なのでできるだけ早い時間帯に終わらせたかったというのがあります。

ジョグシューでMペースを体験してみる

さて、ずっと足を痛めていたので今日のような距離走も当然久しぶりのことで、とにかくペースを上げられる気は全くしなかったので、今日の目標は「ゆっくりでもいいから完走」ということになりました。

さらに、もうほとんど脚の状態は大丈夫とはいえ、20kmもの距離をキロ4前後で走るには若干の不安があり、いつものボストン8でその距離を走り通すのはなんとなくまだ怖さを感じたのですね。

そこで、以前から一度は試したかったサロモンのSONIC RA PRO2でMペースは維持できるのかどうか(もっといえばフルのレースに使えるかどうか)を試すにはちょうどいい機会だと思い、初めてジョグシューで距離走をやってみることにしました。

メーカーサイトでは一応レースシューズ扱いですが、まだジョグにしか使ったことがないSONIC RA PRO 2

軽いのに軽くないシューズ

このRA PROシリーズ、サロモンのサイトでは一応レース用を謳ってはいるものの、履いた感じではどう考えてもジョグ用。頑張ってもマラソンペース程度(だからそのペースのレース用、という意味か?)がいいところかな、という印象です。

しかし、メーカーがレース用をアピールするにはそれなりの理由もあり、なんと言ってもこのシューズの特徴は、その見た目からは想像もできない軽さにあります。

見た目はジョグシューなのに、驚きの210g!(26.5cm)

なんとまさかのボストン8よりも25gほど軽量なのですよこのRA PRO2は。

軽いと思っていたボストン8でもこの重量。(27cm)

しかし、実際履いてみるとこの重量差を全く感じないほど「重く」感じたのが今回のRA PRO2。

いえ、もちろん走行中の25gなんて実際に感じられるようなレベルでもなく、今日のようなMペースなんかでは全く影響を及ぼしもしない差なんですが、正直もっと軽やかに走れる印象を持っていたのですね。

実際に手に取るとものすごく軽いので・・・。

スタートしてMペースを維持しようと思い、若干フォア気味で接地をしてスピードを出そうとするのですが、なんだか軽くないぞこの靴。

初めは体が動かないためキロ4分30秒もかかりましたが、その後動きが良くなってきてもなかなかキロ4が切れず。

靴のせいにしたくはないですが、これがボストン8よりも軽いというのはにわかに信じがたい。

そんな気にさせられました。

恐ろしくスピードが出ない「レースシューズ」

走りながら「この重さ」はなんなのだろう、とずっと考えていたところ、接地のたびに感じるある違和感に気がつきました。

この「レースシューズ」、レースシューズなのに、全然スピードが出ないんです。

いやいやいやいや、それはお前の足が遅いんだろう、と突っ込みたくなりますよね。

はい、もちろんそれは認めるのですが、接地した際になんというか地面を蹴って推進力が得られないのです。

全然進まない。

これまでMペース以上のスピードで走るときに履いていた、アディゼロのボストンやあの悪名高いジャパン5ですら接地して蹴り上げる際にはバネのように弾む感覚が得られたものですが、この靴は本当に進まない。

こんな靴が世の中に存在していたのか、と驚きを禁じ得ませんでした(いやかなり失礼。でもこの後ちゃんとフォローしますので)。

衝撃を吸収しすぎて反発が得られない「Vibe」フォーム

しかしこの靴、ある強力な利点も存在しているのです。

Mペースのようなフォア気味の着地でスピードを出そうとすると足裏のフィードバックがうまく感じ取れないのですが、少しペースを落とすと他のシューズでは感じられない明らかに高いクッション性能が発揮されているのですね。

特に、多くのスピードシューズでは両立し得ないほどの前足部のクッション性能が(厚底さんたちとは比較できませんが)。

なので、結果から先に言うと、今日の練習では20km以上Mペースで走ってみて初めて足裏が一度も痛くなりませんでした。

これはボストン8では一度も体験したことがなく、もっと短い16kmくらいでも若干足裏の筋肉が痛んでくるのが普通でした。

もちろん、ミッドソールの厚みが全然違いますから(ボストン8は前足部の地面からの距離がとても短く感じます。アスファルトをすぐそこに感じるような感覚。)、そのことが最大の要因だとは思いますが、それにしても足裏の「守られ感」は別格です。

このクッション性能を支えているのが、おそらくサロモンロードシューズ最大のウリ「Vibe」フォームであることは間違い無いでしょう。

先代よりも若干ハード寄りにシフトしましたが、それでも接地時の柔らかすぎず硬すぎない独特の感触は、このロードシューズを履きたくなる最大の要因です。

ところが、そんな優れたクッション性能を発揮するこのVibeフォームこそが「軽くない」走りを生み出しているのではないだろうかと、走りながら薄々感じていたのですね。

そうなんです。優れた衝撃吸収能力を発揮する代わりに、接地時のエネルギーを全て吸収してしまい(実際にはそう言うことはないのでしょうが)、前に進むための反発力を生み出すことができなくなっているのではないかと考えたのです。

さらに、このフォームが足裏全体を覆い、アーチの部分がフラットになっていることもある程度関係している気がしていて、蹴り出す際の足裏の「しなり」も生み出すことができないのではないかとも考えています(素材がもう少し硬ければ竹のようにしなりながら反発を得られるのでしょうが、なまじ柔らかいためにしなることができないのでは?)。

アーチ部が柔らかすぎて「しなれない」のも反発が得られない原因か?

何十年もかけて培われてきた「吸収」と「反発」を両立する技術

そう考えますと、普段何気なく履いているランニングシューズ(ランマニアの場合はアディダスですが)と言うのは、長い時間をかけても大変高度な技術が投じられてきたことがわかるのですね。

この「吸収」と「反発」という相反する現象を同時に両立させてしまう多くのランニングシューズの技術力の高さには目を見張るものがあるなと、今日は改めて感じたところです。

例えば、比較的歴史のあるアディダスの「Boostフォーム」について言えば、あんな発砲スチロールのような一見柔らかそうな衝撃吸収素材が、あれだけの反発力を生むのですから、冷静に考えれば「どうなってんの?」と思うわけです。

今回のVibeフォームは衝撃を吸収する力は大変高いものがあるとはいえ、十分な反発力を生むには至っていません。それだけそれらを両立させると言うことは高い技術が必要なのだと思うのですね。

また、アディダスを代表する「トルションシステム」も、さりげなく土踏まずの部分に謎の樹脂プレートが嵌め込まれているだけなのですが、実はあれによりアーチ部の反発力を生んでいたことに気づかされました。

あの部分が硬くないと靴は「しなれない」のです。

もちろん、その「しなる力」が強いがために足底筋膜炎とかの遠因にもなってしまうのですが、その反発力を利用して私たちはスピードに乗れていたのだなと、改めて感じた次第です。

靴に走らせてもらってきた私たち

一方、今日の練習では別の側面も見えてきました。

今回履いたRA PRO2は、はっきり言って、スピードを出して走ることに対してほとんど助けを得ることができませんでした。

軽量で走りやすいはずが、反発が得られないため全く軽く感じることもできませんでした。

しかし、走りながら、途中からあることを考えました。

これ、もしかしたらしっかりとした接地をして、体重を乗せ、自分の脚の前へ進ませるための筋肉をしっかり使って走らなければ速く走れないのかも、と。

これに気づいてから、これまでのように前足部でちょこっと接地をしてふくらはぎの力で前に持っていこうという走りをやめ、ある程度フラット気味に接地をして大腿部の力も十分使って走ったところ、驚くべきことにスムーズな推進力を得られるようになったのですね。

ここからキロ4を切って走ることができるようになりました。

そしてもう一つ気づいたことがありました。

私たち(というかランマニア)は、普段いかに靴の性能によって「走らせてもらっていた」かと言うこと。

ランマニア的には、普段から「厚底」は履かずに、ある程度自分の力で走っている「気に」なっていたところがあります。地面の衝撃をもろに受ける比較的そこの薄いシューズで強靭な走力を発揮できている、と。

しかし、今回のような「走らせてもらえない」靴を履いてみると、普段いかに靴の性能に頼っていたかに気づかされるのですね。

そう言う意味では、今回のような靴で練習をすることは楽ではないし非常に疲れるのですが、「自分の力で走る力を身につける」と言う意味ではとても有意義なシューズなのではないかと、最後は考えを改めて練習を終えたところです。

だからこそ、1点だけ、これだけは改善してほしい唯一にして最大の欠陥

そう思えて、もう今後Mペースでの距離走はこれでいいのではないかと思い始めていたところで、やはりどうしても許容しがたい走る上での最大の欠陥がこの靴にはあります。

「小指が痛い」

これは如何ともし難いとても大きな問題です。

今回の2世代目から、どのグレードも(MAXも無印もPROも)靴幅が若干細めになりました。そのため前作よりもフィット性能は大幅にアップしているのですが、相変わらずアッパー部分の硬い補強はそのままです。

靴の幅が細くても、多くのシューズでは小指が痛くなることはありません。それは素材が伸縮性に富んだ柔らかいものだからですね。

サロモンさんはトレイルシューズの歴史が長いせいか、このつま先周りの補強がとにかく「しっかりし過ぎて」いるのです。

今日は小指に血豆ができるほどのダメージがあり、流石にこれでは練習に使うことはできません。

残念ながら、次回の距離走ではボストン8に戻ることになるでしょう。

せっかくこの値段でここまでのシューズを作れるのですから、後はこの補強部分だけ改善してもらえたらもう言うことはありません(実はSONIC3では改善されていたりするのかもしれません。海外では4も発売されましたし。)。

とはいえ、ジョグのペースであればここまで痛むことはないので、今後もジョグを中心にこの靴を使用して、「自分で走る」力を培っていこうと考えています。

「ジョグ時々ファルトレク」な日々を経て

こんにちは、ランマニアです。

今週からダニエルズ練を再開し、今日はQデーの2回目。LT走やVO2Maxインターバルを取り入れた比較的強度の高い練習の日です。

ふくらはぎの状態はだいぶ良くなってきているとはいえ、ロードでキロ3分台で走るのはひと月ぶりなので、今日を迎えるにあたり数日前からかなり緊張していたところでした。

1月は、しばらくの間前足部で踏み込むとふくらはぎが「ズキっ」というので、常にリアフットの癖がついていましたし、ジョグでも前足部を使うのを反射的に避けている走りになっていました。

クララが立つのと基本は同じ

こうした恐怖は、どこかで一度通常のフォームで走ってみて、「大丈夫だった」という経験を積まない限りはその不安はなかなか拭いされないのですね(「クララが立った」と同じメカニズム)。

不安は回避行動で維持されますから、克服したければその不安の対象に暴露される必要があり。

その一発目をいずれは経験しなければならず、ケガ明けはいつもその一発目がどうしてもおっかなびっくりになってしまいます。

そうして迎えた今日のQデーですが、当然いきなりIペースとかで全開走行なんてあり得ませんので、本来のTペース、Hペース(Iペース)、Rペースは全て1段階落として実施し、徐々にスピードに慣らしていく慎重さで臨みました。

また、この手の練習のシューズはいつもアディゼロジャパン5なのですが、今朝久しぶりに履いてみたところ、相当な硬さと薄さだったため、ちょっと危険と感じボストン8に変更して実施しました。

設定タイムより再発をしないことを最優先に

初めは、本来のダニエルズ練では3.2kmのTペースを2本。レストは2分。

しかしロードのTペースはかなりの負荷がかかるため、恐る恐る走ったところ、予想通りキロ4分弱のペースになり、結果的にMペースとなりました。

しかし、これでいいのです。

今日は病み上がり初の本格練習ですし、今ペースを上げる必要は全くありません。

なので、キロ4分ペースで3.2kmなど本来ただのジョグに過ぎないのですが、今の脚の状態から考えれば、相対的にはTペース並みの負荷はかかっていると考えています。

そして問題は、本来であればVO2Maxに刺激を入れるHペースのインターバル。

走った感じではとりあえずふくらはぎの状態は問題なかったとはいえ、いきなりキロ3分10秒はさすがに怖すぎるので、ギリギリフォアフットにならないくらいのペースで走ってみました。

結果は平均ペースキロ3分35秒。

正直、もう少し速く走れている感覚はありましたが、脚のことを考えるとこれくらいが精一杯なところです。

感覚的にはだいぶスピードを出している感じがしましたし、脚への衝撃もかなり大きいものがあったため、5本もできるか心配でしたが、結果的にこのペースを維持して5本実施。

VO2Maxには効果はなさそうですが、少なくともLT域では走れたことになり、久しぶりに大きな筋力を発揮する機会となり、ミトコンドリアに代表されるエネルギー供給系に大きな刺激を入れられた印象です。

シメは400m Rペースですが、1本目を走った時点でさすがにふくらはぎが危なくなってきたので、200mに距離を変更し4本だけIペース(38秒くらい)で走って終えました。

達成感のために練習してるのではないけどその満足感も大事

全て激遅ペースなので、練習終了時でも相当余裕がありましたが、とにかく今日はケガ明け最初の練習で、再発を防ぎながら練習をこなせただけでもう十分すぎる成果であったと思っています。そして、この満足感は本当に久しぶりでした。

やはり、強度の高い練習はやり遂げた後の達成感が桁違い。

もちろん、その達成感のために走っているわけではありませんが、趣味で取り組んでいる以上、その取り組み自体の楽しさ(ここでは達成感)がなければ長くは続かないと思うのですね。(辛い、苦しい、でもそれは速くなるために必要なこと、という動機付けだけでは歳を重ねると続かなくなるのは明白です)。

「ジョグ時々ファルトレク」の予想外の効能

前回この練習をやろうとして途中で脚を痛めたのが1月の上旬でしたので、気がつけば1ヶ月ぶりの再挑戦。

ジョグは継続できていたとはいえ、それなりに長い期間でした。

とはいえ、今日は思ったよりもTペースが楽に感じたため、もしかするとこの一月のジョグだけの生活が、思いのほか体にはいい方向に作用していたのかもしれません。

また、2週前から取り入れたファルトレクも、これくらいの走力を維持するにはとても効果のある練習であった可能性もあります。

そう考えますと、長距離を走るための脚作り、基礎体力や回復力の向上などを目指すのであれば、毎日じっくりとジョグを続け、時折ファルトレクを取り入れる程度の練習でかなりの効果が見込まれるのではないかと、今日の練習中考えていました。

ガチガチのインターバルやLT走、ペースの高い距離走などは、もちろん体の変化を促すには効果的な練習であるのは間違い無いと思うのですが、その代償として高い故障リスクを考えると、果たしてそのリスクを取るほどの効果を期待するのもどうなのかとも思えてきます。(所詮趣味ランナーなんだし)

であれば、今回1ヶ月間故障期間中に継続した、「無理のないボリュームでのジョグ」とか「芝生の上でのファルトレク」などをしばらく実施してみるのも、あるいは面白い効果が得られるのかもしれないな、と。

だけど趣味だから楽しむのも大事かな、に戻る

とはいえ、そうは言っても、今日のような練習はやはり達成感は得られますし、メンタル面では「自信」がつくのも確かなことです。

「目先の満足」と言えなくもないですが、我々趣味ランナーとしては意外とそういう要素も大事な気がするのですね。

今回の故障で得られた収穫

こんにちは、ランマニアです。

1月はふくらはぎを痛めてしまったため、通常の高強度の練習が全くできず、ジョグをしたり芝生を走ったりして、満足のいく練習ができませんでした。

しかし、今回の故障期間はこれまで経験したことのないほどの「異例」とも言える走行距離を積んでしまい、こんなこともあるのだな、と。

通常、故障をすれば数日は完全休養。そしてそのあと徐々にゆっくりとしたジョグを再開、というような流れを辿るのですが、今回は3日ほどウォーク&ジョグを行った後は、比較的通常と変わらぬジョグを再開することができたのですね。

もちろん、アスファルトをガンガンEペースでぶっ飛ばす、というようなことは無理だったのですが、芝生の上ならふくらはぎに負担をかけずに走行することができました。

そして今回の故障期間、最大とも言える収穫をその芝生ジョグから得ることができました。

芝生に入ったらペースアップ

芝生の上ならふくらはぎもある程度守りながら走ることができる。ならば、その区間だけペースを上げてみては、そう思い「芝生だけ」ファルトレクを思いつきました。

ファルトレクは別名「スピードプレイ」とも呼ばれていて、リディアードさんの本ではスピードを出すことを楽しむ文字通り「スピード遊び」という概念で説明されています。

12月までのように、アスファルトの上でガンガンスピード練習ができない状況でも、どうにか心拍数を上げたいと考えていたところ、芝生の上で若干ペースアップしてみたらどうだろう、と思いついたのでした。

ランマニアの通っている練習場(公園)は、敷地内の多くに自由に立ち入れる芝生が存在していて、インターバルなどをやるロードを避けて芝生地帯を選んで走ると、比較的まとまった距離の芝生区間を取ることができるのですね。

それでも、LT程度のペースで走ればあっという間に芝生区間は終わってしまうので、正直閾値を高めるとかVO2を刺激するとか、そういった目的で利用するには短すぎるのですが、ずっとジョグのように小さい動きしかできていないランナーにとっては、大きな動きで走ったり、素早い動きに体を慣らせたり、あるいは普段は上げられないような心拍域まで心拍数を上げたり、そういった目的にはちょうどいい距離の区間でした。

なので、このように「あえて」芝生を選んで公園をぐるぐると走りながら、芝生区間に入ったところでスピードアップ。ロードに入ればすぐさまジョグにもどす。これを繰り返しながら、自分で設定した距離、時間ではなく、与えられた環境に合わせてスピードを変化させる「インターバル走」を行ってみました。

最長800mでも意外と追い込める

このような芝生区間は、今回のコースでは最も長く取れても800mほどでした。

800mというと、ランマニアのLTペース(3’30”~25”/km)くらいでも3分取れるかどうかという程度。

LTペースなら最低でも5分くらいは維持したいところなのでやはりやや短め。

しかし、その800m区間が終わってロード区間を100mほど走るとまたすぐに芝生区間が再開されます。そっちも400mくらいですから、これらを合わせると大体5分程度はこの速度を維持することができるわけです。

このように、自然に与えられた疾走区間と休息区間を繰り返しながら、ぐるぐるぐるぐると公園を回っていると、思いのほか心拍数は上がってきますし、3kmほどそれを繰り返しているとどうしてどうして結構本格的な強度の高い練習になってくるのですね。

それでいて、芝生は柔らかいので脚には思ったよりもダメージがくることはありません。

この練習をジョグも含めて20kmほど走った後でも、あまり脚に張りのような疲労は感じられないのです。

なんとなく得をした気分です。

怪我をしていなくても取り入れたい練習

今回この芝生インターバルを行いながら思ったのは、とにかく普段いかにダメージの大きな練習を継続していたのだな、ということ。

あんな硬い路面でキロ3近いスピードでインターバルをやっていたなど、ちょっと信じられない感覚でした。

もちろん、ある程度脚はできていましたから、突如レースなどを入れない限り、一定期間安定して怪我なく練習は継続できるようにはなっていましたが、それでもいつ怪我をしてもおかしくないようなダメージを負っていたことは想像に難くありません。

なので、今後も定期的にこの「芝生インターバル」は取り入れて行ったほうが良いかもしれない、と考えをあらためたところです。

ただ、このコースの欠点はとにかく疾走時間を長く取ることができないところ。

都内では砧公園、地元埼玉では森林公園のようにかなりの距離を芝生区間で走り続けることができれば3分、5分と疾走時間を確保できるのですが、今回の公園はとにかくそれをやるには狭すぎるのですね。

定期的に、脚を守りつつ呼吸器系、循環器系を追い込める練習が可能になれば怪我を防止しながら走力を身につけることができるでしょうし、何よりアスファルトでは叶わないダイナミックなフォームを意識して走ることもできるわけです。

それでも、こうした発見、こうした意識は怪我をしなければ得られなかったもので、今回の故障で得られた大きな収穫であったことは間違いないところです。