2020年のラスボスは10kmロード

こんにちは、ランマニアです。

今年も残すところ後1週間となりました。

2020年はなんだかんだでコロナコロナな一年でしたが、個人的にはブログやTwitterを始めて様々な刺激、知識、励ましなどをたくさんもらえた一年になりました。

またそのおかげでこれまで取り組んだことのないような練習メニューに出会えたり、長い期間質の高い練習を継続できたりと、意外なほどトレーニングや競技に対してはプラス要因が多い一年でした。

さらに、例年故障や慢性疲労症状に悩まされることの多かったランマニアが、今年はほとんどそれらが原因で長期に離脱することもなく年間を通して安定的に練習メニューをこなすことができ、同時に限られたレースでもそこそこの結果を出すことができました。

これはもうほとんどTwitterで知り合った多くの方々から頂いた貴重なヒントのおかげであると確信しています。

控えめに言ってTwitterは最高です。

さてそんな2020年の最後の1週間に、まあ言ってみれば「ラスボス」みたいな最後の難関が立ちはだかっています。

自分でエントリーしておいて難関というのも変な話ですが、川内杯栗橋関所マラソン(ロード10km)です。

このレースは昨年初めて出場し、非常に走りやすく好印象なコースで、練習の合間にLTペースで走る機会を確保するには大変理想的なレースと感じました。

その理由としては、完全フラットの河川敷折り返しコースであること。そして、意外なほど(と言っては失礼ですが)レベルの高いレースで、自分の走力にあった集団の選択肢が多い、ということが挙げられます。

昨年はインフルエンザ明けということもありものすごく体が動かなかったのですが、それでもいい集団に恵まれ、34分台でフニッシュすることができました。

そんなレースだったため今年も迷わずエントリーしたのですが、今回は数ヶ月に及ぶマラソントレーニングの真っ只中、そして4サイクルあるトレーニングサイクルの中では最もハードなLT週間に当たってしまい、それなりにハイリスクなレースとなるのは間違いありません。

故障のリスクと撃沈のリスク。

まさにラスボスですね。

特に故障のリスクは看過できず、最もふくらはぎに負担のかかるLT走を、3日前はトータル12km以上入れてしまったため、同じ週にもう一度LTレベルのペースで10km(しかもレース)走るというのはかなり肉離れの危険性が高まったと感じています。

一旦ふくらはぎをやってしまうと、通常一月近くはインターバル系の練習は入れられませんし、周辺の筋肉に肉離れが「転移」することが経験上わかっています。なので、これだけは絶対に避けねばなりません。

なのでここ2日間はあえて極端にペースを落としたジョグを軽く入れるのみにし、練習のボリュームを確保するというよりは、筋へしっかりと血流を送り込み少しでも回復を早めようと無駄にあがいてみたのですね。

レースまではまだ残り3日ありますので、2日間は軽めの練習、というか運動で回復させる時間は残っています。

一方で、今年に限っていえば(いやしばらくは)かなり貴重なロードレースとなるわけですから当然記録も狙いたいところが正直な心境です。怪我をしないという大前提の中で。

ここまで続けてきたトレーニングの結果として、どのような効果が体感できるかある意味楽しみでもあります。

現時点で理想としているレース展開としては、「呼吸はそこそこ苦しいけど脚は疲れず最後まで我慢の走りで持っていける」ような感覚。これを掴めれば御の字と考えています。

出し切らずにやり切る

こんにちは、ランマニアです。

来年1月に予定していたある意味本命レースのハイテクハーフマラソン(公認)が中止となってしまい一瞬にして目標を失ったランマニアです。(そんな中毎日Twitterに「やるぞ、やるぞ」な勢いでツイートを上げている栗橋関所マラソンは本当にすごい。ゲストもすごい。)

しかし、そうした社会情勢に反して、自身の練習の方は先月あたりから確かな手応えを感じられるようになってきているのですね。

今年4月からダニエルズのトレーニングプログラムに取り組んでいるのですが、ここ数ヶ月は練習の中でその効果を非常に体感できています。

具体的に、そして端的に言うと、「脚が疲れない」。

ランマニアがトレーニングを継続していく上で、さらには絶対的な競技力の如何を問わず常に記録の向上を目指して取り組むアスリートを「競技者」と呼ぶならば、その「競技者」を続けていく上で最大のネックになるのは、このブログをずっと読んでくれている方には既知の事実ですが、自身が抱える慢性疲労症状です。

これとどう上手く付き合うか、あるいはこれを克服するかが自身の競技力に直結するわけでして、言ってみれば練習内容云々よりもはるかに大事なことだったりします。

「疲れやすい」

これは長距離を続ける上ではその競技の本質に関わるほど重大な問題であるので、常に言い訳にしたくないと考えていても競技力をスポイルするには確定的な要素になっているのですね。

しかしその「疲れやすさ」を、自身の肉体を鍛えることで「疲れにくさ」を手に入れ、それを相殺できれば結果的にプラス側に体力がシフトするのではないかと考え、春からのトレーニングを継続してきました。

今だから正直に言いますが、これはかなりしんどかったですね。

昨年以前のランマニアの練習パターンとしては、週に2〜3度のポイント練を入れ、間の練習は全くやらないかやっても10km程度のゆっくりとしたジョグ。このジョグも疲労を回復させることを目的としたものなので、今のような有酸素能力の開発・維持といった目的は全くありませんでした。ポイント練自体も、今のようなボリュームは全く確保できず、1000mなら3本、LT走でも20分未満といった、本当にお茶を濁す程度。

とにかく一度のポイント練による疲労が尋常でなく、一度それを入れるとその週の練習はほとんどダメになるか、長期にわたって不調に陥る、というのを繰り返していました。

なので、ダニエルズさんの練習計画に従ってトレーニングを継続していくなど、多分無理だろうなと思っていましたし、実際最初の頃は無理でした。

特に、ゴールドエリートプログラムの頃は本当にしんどく、週にある2回のQデーのうち片方は確実に撃沈していました。撃沈していましたが、あのサイクルで4ヶ月も練習を継続できたのはある意味奇跡で、遅いなりにやり切れていることに体の変化を感じていたものでした。

潮目が変わってきたのが今のマラソントレーニングを始めて2ヶ月あたりの頃。ちょうどトレラン・レースラッシュが一息ついて11月に入った頃ですね。

最も大きな変化は、1回のQデーの後の練習にかなり余裕が出てきたこと。結構ハードなインターバルやLT走、また距離の長いMペース走などの翌日の脚の状態が、非常に良好になっていることに気づきました。

具体的には、「今日別に落とさなくてもいいんじゃね」くらいの脚の状態、疲労の状態で、念のため60分ジョグとかで抑えていたものの、高校、大学時代のように二日連続で高強度練をやれと言われてもそこそこは走れそうな感覚を持っていました。脚の重さはあるものの気持ちで押していけちゃう、みたいな。

こうなってくると、毎週のQデーがそれほど憂鬱に感じなくなってきて(いやもちろん退勤後の夜の公園で激走するのはしんどいですけど)、多少の疲労があってもペースを落とせば最後までやり切れるだろう、と言う見通しを持って臨むことができるようになりました。

そして疲れがある状態でも、若干ペースを抑えて最後までやり切ってみよう、最後は出し切らなくてもやり切れる範囲で走り切ろう、と言う心構えでQデーに臨むようになりました。

学生時代は、最後に余力があるならそれを全て使い切って、振り絞って、練習では出し切るのが当然でした。ライバルにも負けたくなかったですし。

それが、現在は例えば本練習の初めの入りが想定タイムよりもかなり遅かったとしても、そこで気持ちが切れることもなく、じゃあ疲れてるんだろうからもうこの遅いペースでいいから最後までやり切ることを目標にしよう、と言うように途中で気持ちを切り替える、目標をシフトできるようになっています。

これはもちろん、今の練習がマラソントレーニングという、どちらかというと距離や時間を確保することが目標になる練習が中心だからと言うのもあります。

5000mのレースを目標にしていて、1000mのインターバルを3分20秒でいいや、なんて言うことはありえないわけですし。

そして、そのように「出し切らずにやり切る」ことを目標にできるのも、ある意味疲れにくい脚ができてきたからと言うのもあり、例えば一回のポイント練の疲労がかなり残っている状態であれば、最後までやり切ろうなどと思えるはずもなく、ペース上げて1本でやめようみたいな気持ちになっていたのが去年までです。

それが、脚はまだ動くんだから本数はこなそう、と思えるのも疲労が軽い証拠なのだと自分ではそう了解しています。

確かに、自分のここ数年のフルや5000mのタイムから考えると、練習時の実際のペースはかなり遅いことは否めません。果たしてこんなペースで走ってて練習になってるのかな、と思う時もあります。

しかし、この明らかに「疲れにくく」なった脚は今までのランマニアでは考えられない感覚です。月間350kmをもう半年以上連続で続けています。昨年までは300kmを超える月は年に2回あればいい方だった中で。

この「疲れにくさ」が果たして本当に走力につながっているのかを検証するには、やはりフルマラソンのレースに出るしかありません。5000mや10000mでは、どうしても無酸素よりの走力でカバーできてしまうため、ランマニアの疲労症状の影響があまり出ないからです。

せめてハーフでも、と思ってたところでの大会中止。

この検証の機会はもう少し先になりそうです。

ロング寄りにシフトしたVDOT

こんにちは、ランマニアです。

さて今日は、以前から予定していた地元の市の選手権大会へ行き1500mとマイルリレーに出場してきました。

去年は別のクラブ対抗大会で、同じように今日のメンバーと4×100mリレー、通称「4継」に出場してきたのですね。

この4継やマイルリレーは、言ってみれば「大人の遊び」で、まあ普段から地味で根気のいる長距離練習を続けていると、たまには短い距離をスパーンと走ってみたい衝動に駆られるわけなんですね。そんなマラソン練習の「息抜き」にみんなで楽しもうよ、というようなノリで長距離ランナーだけでオーダーを組んで走ってるのです。もちろん、スタブロも使ってですよ(ランマニアは昨年4継の1走を任されました。1人だけ40代なのに!)。

そんなスプリントトレーニングなど皆無な我々が短距離種目に出場するなどというのは、ある意味短距離種目への「冒涜」みたいなものなんですが、それでも組でビリにはならない程度には走れているので、毎年こうした楽しみ方は今後も続けていきたいと考えているところです。

さて、そんなリレーのことは置いておいて、今日大変な事実に直面したのは1500mの方だったんですね。これは正直悪い意味でのびっくり。

前回1500mのトラックレースに出たのは今から約4年半前。年齢で言うとまだ41歳の頃でした。この頃の練習のアプローチは、「40を過ぎたところでこれからどんどんスピードが落ちていくだろうから、あえて練習の量を減らしてスピードを重視し、本数をこなせなくてもできるだけ速いスピードで走るぞ」といったものでした。

当時は、たとえば1000mのインターバルなんかは1本1本を全力で走りました。本数は気にしません。とにかく全力で走れる本数だけやるというアプローチでした。一番速い時は、3分00秒、2分59秒、3分02秒とかで行ってた時期もありました。

この取り組みを続けていたときは、1500は4分20秒以内で走れてましたし、5000mも15分52秒とかで走った時もありました。ランマニアのVDOTが64あたりというのは、この時の記録からなのですね。

ところが、この全力インターバルも、年々スピードが出せなくなっていき最後にやった時には3分07秒くらいで行うのが精一杯になってきました。去年の9月ごろでしょうか。

こうなってくると、普段の練習でもなんとなく自分の走力(速いスピードを維持する走力)が落ちている気がしていて、1000mを全力で走るなんて言う作業も億劫になっている自分がいました。考えてもみると、平日仕事の後の公園で暗闇の中1人で1000mの全力走なんて想像しただけでゾッとしますね。

そうしていつの間にかこの練習をやらなくなり、気づけば数年が経ち、久しぶりに1500mに出てみようという気持ちになりました。単純に、もう本当の意味でのスピード練をやらなくなり、マラソン練習だけを続けている状態でセンゴをどこまで走れるのか、と言うのを試したくて。

結果は想像を遥かに上回る(悪い意味で)ものでした。

4年半前の4分15秒を大幅に下回る4分27秒。

前回は入りの1000mを2分48秒あたりで通過できていたのが、今日は2分56秒くらいがやっと。400mのラップも72秒とかが入ってきたので、もうこれはほとんど5000mみたいなラップです。

身体的な苦痛も遥かに大きく、ゴール後はしばらく咳き込むほどの呼吸困難に陥るほど。

ああ、体は確実に衰えているのだな、と現実を受け入れるのがちょっとしんどい感じがしたのは事実です。

しかし、一つの比較として面白いデータがあります。

この1500mを4分10秒代でガシガシ走れていた頃は、いわゆるMペースの距離走は、いつもどんなに調子が良くても3分50秒を超えるペースで行っていたのですね。いや、むしろ調子がいい時でそれくらいなので、通常は55秒とかかかっている状態でした。距離も20kmももたいないことが多く。

ところが、先月に行ったMペース走は3分46秒前後をかなり余裕を持って走ることが出来ました。これは、本来VDOTが64くらいの時に維持できなければいけないペースでした。

なのに、現在推定62くらいにまで落ちているVDOTの状態で、MペースはVDOT64くらいのものを楽に維持できるようになっているのですね。

そして、先日の5000mのタイム16分11秒でVDOTを見るとやはり64くらいの位置に相当します。

つまり、1500mのタイムでVDOTを算出するよりも5000mのタイムで算出する方がより正確に今の生理学的能力を測れるのではないかと言うことです。(実は4年前は1500m、5000m、ハーフと、大体が一致していたのですけどね)

これはやはり年齢を重ねるうちに(というかスピード練から遠ざかっているうちに)距離特性が若干長めにシフトしてきてしまい、短い距離を速いペースで走り続ける能力に衰えが見えてきた紛れもない事実なのだと思います。

とはいえ、今はとにかくフルマラソンをしっかりと走りきれるだけの脚を作りたくてそれに長い時間をかけて取り組んでいる時期です。当然スピード持久力は落ちていくでしょうし、そこを高めようとは考えていません。

しかし、長い距離をゆっくり走る力よりも、短い距離を速く走る力の方が急速に衰えていく実感はあります。これは、時間を空けば空けるほど顕著になると考えています。

今日のように、たまには若い人たちと一緒に限界ギリギリのスピードを出して走る機会も取り入れなければならないと考えています。

いずれ、今のマラソントレーニングがひと段落したあたりで、また以前のような超高強度のインターバルトレーニングなども再開したいと考えています。

今はフルマラソンを本当の意味で走り切るだけの脚作りを行いつつ、またいつの日か再開したいと考えている強度の高い練習をコンスタントに行えるだけの体づくりも同時に進めていきたいと思っています。

「制限」から生まれる「自由」

こんにちは、ランマニアです。

最近ランでもそれ以外でも、ちょっと思うことがあってこんなことを考える機会が多かったのですね。

欲しいものややりたいことが無制限に与えられた状態では、確かに全てが手に入るので何でもできるし苦労しないわけで。

この極端な例はお金で、お金が無制限に手に入ればもう一生働かずに済みますし(憲法では労働の義務が規定されているのでそうもいきませんが)、お金をいくらでも投じて様々な自由が手に入るのですね。

しかし最近、こうした無制限に与えられるものから得られる「自由」というのは本当に「自由」なのかな、と思うことがあります。

こういう「自由」は「一見」自由なだけではないだろうか、と。

「無制限」というのは別の見方をすると「全てを与えられる」という意味にも捉えることができ、それは「受動的」とも言え、「自ら獲得する」能動性とは対照的な状態だと考えるのですね。

例えば、何らかの制限があり、これは手に入らない、これは利用できない、というものがあったとき人はどうするかというと、なんとかしてそれに代わるものを探したり、あるいは自分で考えてそれと同じ役目を持つものを創造したりすると思います。

私たち市民ランナーが最もそれを感じる瞬間は、やはり「いつ練習するか」という練習時間のことを考える時だと思います。

もし、お金が無制限にあり、毎日走るだけの生活ができたとすれば(いや世の中にはそういう方々もおられるとは思いますが)、いつでもどこでも何度でも走ることができると思いますが、残念ながら我々多くの一般市民ランナーはほとんどフルタイムで働いていて、かつ通勤時間や残業時間に時間を取られて走る時間はかなり限られてきてしまっていると思います。

しかし、そんな「制限」の塊のような生活をしている中でも、多くの市民ランナーは恐ろしくレベルの高い練習を積んで(これは距離が多い、というだけではなく)、そして年齢に不相応な自己ベストをかなりの頻度で連発しているのですね。

これは何なんだろうと思うわけです。

これはランマニア自身を振り返りながら考えてみるのですが、やはり「制限」の中から生まれる「自由な」発想にほかならないのではないかと思うのです。

例えばインターバルの時間が朝も夜も確保できない、なんていうことがあったとすると、もうやるには昼休みしかない、という状況、つまりは最大級の「制限」が訪れたとします。

こうした時に、その人の仕事の状態やライフスタイルにもよるとは思いますが、同じ負荷をかけるにはどうしたらいいか様々なことを考えると思うのですね。

ランマニアが思いつくだけでも、

・昼休みのわずかな時間にアップ短めにして一本のスピードを極力高め、インターバル短めで本数少なめ、という超高強度インターバルに変更

・帰宅に電車を使うのをやめ、信号ごとに全力ダッシュとジョグを繰り返す

・職場がビルなら上下の移動を全て階段を使い全力で駆け上る

など、学生時代に練習するための時間(部活動)が確保されていた時には想像もできなかった練習方法を考えつくわけです。

こういう「自由な」発想は、「無制限」の状態ではなかなか思いつくことはなく、「制限があるからこその自由」とも言えるのではないかと思うのですね。

そんなことから、ランにせよ何かの趣味にせよ日常生活にせよ、それらに何らかの「制限」がある状態を、最近は意図的に作り出してそれを楽しもうと考えています。

Twitterで多くの市民ランナーの方の練習を見ていると「本当に仕事をしているのか?」と思えるほどものすごい練習やハードなトレーニングを長期間にわたって継続している方々何人もいます。

きっと、こういう方達は毎日の生活の中で常に自分で練習時間を捻出する工夫をしたり、練習内容を自ら創造したりして強くなる工夫を「自由に」行っているのだろうな、と想像します。

「どうしたら強くなるか」ということを考えた時に、「どんなメニューを行えばいいか」を考える楽しさに加え、「どんな工夫をして練習時間を確保するか」といった、練習内容を自由に創造する楽しさというのも最近はあるように思います。

11月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

さて、明日はレストが確定しているので11月の練習も今日で終わりです。まあ、ダニエルズ練は週単位の計画なので、月末だからどうこうっていうことでもないんですけど。

今月は月初めにレースがあり、そのあと3連休。そこからの本練復帰という流れでしたので、10月のレース疲れがどれくらい影響するか少し不安がある中でのスタートでした。

最初の週こそインターバルが1段階遅いペースになってしまった以降は、思いのほか疲労の影響はでず、おおむね設定ペース、設定本数、設定距離を守っての練習を継続することができました。

11月はダニエルズのマラソントレーニングの2サイクル目という設定で

以前のゴールドプログラムの時もそうでしたが、とにかくランマニア的にはVO2Maxインターバルに苦手意識があり、今月もH3分×5が含まれている月初めの高強度練習がダメダメでした。

もちろんレースの疲れが最も影響する時期だったというのはありますが、そうでなくてもこのHペースやIペースという強度で走った時の脚の疲れ方が、他の練習よりも強く出る傾向があります。

そうすると、3本くらいならともかく、5本やるとなるとどうしてもペースを落とさざるを得なくなり、なんとなく強度が不足した練習になってしまっている印象があります。

マラソントレーニングなので、どうしても量は確保したいと考え、ペースを抑えてでも決められた本数を、と考えてしまいがちですが、そもそもVO2Maxインターバルはそこそこの強度で走らなければあまり意味がない練習なので、実際のことろしっかりペースを上げて心拍数を上げた状態でやれる本数にとどめる、というアプローチも必要なのではないかと最近思っているところです。

マラソントレーニングとなり、MとTの割合が大幅に増えました

今月はMとTの割合が増え、特にTペースのLT走が2回で20km超と、週単位ではこれまで取り組んだことのないほどの距離を踏みました。レースほどのダメージはないとはいえ、ハーフのレースに1回出るくらいの負荷がかかるわけですから、分割したとしても体には相当負担がかかっていたはずです。

脚自体の疲労はあまり実感していませんが、かなり高出力でペースを維持したので中枢神経系の疲労は間違いなくこの後やってくると思います。

30日の月ではこれまでの最長距離です

そして、あまり比較することに意味はありませんが、月の総走行距離は30日の月としては最長となりました。ハードな練習が多かったため、体感的には400kmに迫る勢いかと思いましたが、それほどでもありませんでした。まあ、週の最高走行距離を100kmと設定しているので、ダニエルズさんの設定している週間走行距離に従って練習をしている間は、400に到達することはなさそうなんですがね。

さて、来月は再びいくつかのレースが入ってきます。

12日には久々の1500mと、なんとマイルに出る予定です。こんなフルマラソンの練習メインで、スピード勝負がどれくらいできるか試そうと思っています。

また27日は昨年も出場した川内杯栗橋関所マラソン10kmです。こちらは少し本腰入れて走って、ここまで積んできた練習の成果というか効果を検証したいと思っています。

いずれにしても、当面フルの予定がない中でのマラソン練習になってしまいますが、マラソンのような長い距離を走るための力は、一朝一夕に身につくものではないので、レースがなくてもトレーニングは継続し、一定の力を維持しながらレースの再開を待ちたいと考えています。

ぼっち練だからできる「最低限の努力」による「最低限の負荷」

こんにちは、ランマニアです。

さて今日は、もう数週間前からこの日を迎えるのがある意味楽しみのような憂鬱なような、なんとも複雑な気持ちになる練習メニューの日だったわけですね。

ダニエルズさんのマラソントレーニングの中でも、おそらく1、2位を争うほどのメンタルやられる練習、精神的にしんどい練習、そんなところでしょうか。

ベースはLT走なんですが、途中に一度レペティションを挟み、そこで終わらずそこまででいじめ抜いた脚をさらに使って最後にもう一度LT走を走らせるという、考えた人は相当意地悪なんじゃないかと思えるほど、ランナーの一番辛い部分をついてくる練習です。

これまでのマラソントレーニングの実施状況からすると、たぶんランマニア的には今日の練習は無理でした。

まず、今月の練習で疲れ切った中で、LTペース(ランマニア的には3分30秒/km)を維持するのは相当至難の業。疲れがある中でこのペースを維持するにはかなりの努力度が必要となり、努力度が上がるということは、それだけ中枢神経系にも負担をかけることにつながりますので、長い距離が持たなくなるのですね。

中枢神経系がオーバーヒートすると、もうジョグすら継続するのが厳しくなるので、現在の、ボリュームを維持することが最優先の練習段階では、それだけは避けなければなりません。

そうすると、今日のような体調で、かつこのような最後まで体力を温存しつつある程度のペースを維持しなければならないタイプの練習は、どうしたってペースを落とす以外やる方法がなくなってくるのです。

かといってMペースまで落としてしまえば、もう今日の練習の意味、効果はほとんど見込めなくなってしまいますのでそれも避けたい。

であれば、結局選択するペースは「ガチのLTペースではないが、本数繰り返したり一定時間維持すればLTゾーンも刺激できる程度のMペース以上のペース」という、言葉にするとなんだか訳のわからないペースになってしまいます。

こういう時は「感覚」で表現するのがとてもわかりやすく、要は「このペースなら1.6kmを8本、間に200mを挟んでも走りきれるな」というようなペース、ということになります。このペースで走ってみて、結果、それがMペースになってしまえばもう今日はしょうがない、そういった心構えです。

昨日あたりのジョグから、ちょっと疲労がかなりきているのがわかっていたので、おそらく今日もそれほど好調ではないだろう、とアップをしながら脚の感覚を確かめていましたが、やっぱりどう考えても疲れてる、そんな状態です。

でも、まずはやるだけやってみよう、と「このペースなら8本いけるだろう」というペースでスタート。

う〜ん、全然スピード感なく1kmの入りで時計を見るのが怖い、そんな心境で恐る恐る時計を見ると、「3’48”」

3分48秒!?

思わず二度見ですよ、二度見。

こういう時人間はまず「否認」から入りますので、何度も時計を確認します。いやいや2分48秒なんてことはあり得ないから、もう3分48秒で確定です。

最近は、ハードな(あくまでランマニア的にですよ)練習を続けているので、こういうことはよくあります。よくあるので、こういうショッキングなラップを見てしまっても極力気持ちを立て直すことが非常に重要です。

「いや、流しやってないし、疲れてるし、仕事終わりだから体動かないんだよ」とできるだけポジティブに考え、なんとか練習を継続させる意味を見出そうと努力します。

1本目はもうしょうがない。そのままペースを維持して1.6kmを6分そこそこ。完全にMペースですが、脚はまだまだいけそうなので2本目以降に期待。

2本目は若干体が動いた気がして、案の定5分57秒と少しだけペースアップ。

もう今日はこのペースでもいいから最後までやろう、と腹をくくって走り出した3本目。ようやく1kmの通過で3分35秒という「まともな」LTペースに戻すことができ、一安心。

脚もかなり動くようになり、その後は6本目までこれくらいのペースを維持することができました。

その後の200mを走る頃にはすっかり体のキレも戻ってきてほぼRペースで8本のレペティションを完遂。

からの1.6kmLT走が待っていましたが、もうここまでくると正直「気持ち」の問題。

脚の感覚がなくなるほどの、まるで麻酔でも打たれたようなダメージを受けた状態でのLT走でしたが、本日最速の5分41秒。

最後は完全に脚が終わり5分49秒かかってしまいましたが、それでも「だいたいLTペース」で今日の練習を終えられた気がします。

さて、今日みたいなコーチがいたらコーチを恨みそうになるメニューをやるとき、正直「ぼっち練」は相当しんどいです。

なんとなく漫然と走ってしまうので、心理的高揚感に助けられることもないですし、ペースメイクを誰かに委ねることもできません。

おそらくですが、今日もし同程度の走力の人と一緒に走ったら、もう少しペースを上げられていたでしょうし、「生理的な」LTペースも忠実に維持できたと思うんです。負けたくない、なんていう意地もありますし。

しかし、では仮に「今日だけ」その練習を実施でき、「忠実に練習をこなせた満足感」に浸ることに果たしてどれだけの意味があるか、そんなことも考えます。

多分ですが、もし今日「忠実に」練習をこなせたとしたら、明日以降の体のダメージは相当なものが残ってしまったと思います。「気持ち」や「高揚感」などでカバーしてしまった「生理的ダメージ」の威力を甘くみてはいけません(特にランマニアの場合)。

確実に後になってその反動はやってきます。下手したら、それこそ「計画していた」練習を変更せざるを得ない状況に陥る可能性も大です。

そう考えると、今日のように「疲れてる」「かったるい」「さっさと終わらせたい」みたいな気持ちの中で、そこそこの踏ん張りで維持できるペース、いわゆる「最低限の努力」で維持できるペースで練習をこなすことで、体への生理的なダメージを最小限にとどめつつ、求められた「最低限の負荷」(ここではLTゾーンですが)をかけられるのではないかと考えるわけですね。

そうすることで、明日以降の練習をまた継続することができる。練習は、今日で終わりではないわけで。

食べすぎて気持ち悪くなって、もうこんな料理みたくない、って思わないよう腹八分目でやめておくのと同じで、練習を嫌にならなずに、長きにわたって「そこそこの質」を維持するには、やはり練習も腹八分目がいいんだろうな、と、今日はぼっち練の良さみたいなものを再確認したところでした。

疲れない脚と速く走ることとは別

こんにちは、ランマニアです。

先週は、ダニエルズさんのマラソントレーニングではいわゆるMペースの週となっていて、週に2回16kmほどのMペース走を行いました。

16kmなので、実はあまり大した距離ではないのですが、ここのところMペースで走ろうとすると、3分50秒を切るのがかなりしんどく、55秒くらいでやれればいいや、くらいに思ってスタートすることが多くなっていたのですね。

ところが、先週は力がついたのか疲労が抜けたのかわかりませんが、2回のペース走のどちらも3分40秒台半ばをかなり楽に維持でき、とても快適に練習を終えることができました。

以前フルで2時間40分を切った時でさえここまでのペースでは走っていなかったので、練習でこのペースで走れるのはかなり脚ができてきたんだろうな、と手応えを感じていたところでした。

そうした自信を持って迎えた今週のT週間だったのですが、その1回目のQデーが今日。

Tペースで1.6kmを3本走りその後3.2kmを走るという比較的軽めの練習であったにもかかわらず、今日はキロ3分30秒で走るのがやっと、終盤は35秒まで落ちるというちょっと予想外の結果だったのですね。

もちろん、かなり走りに影響するような強風が吹き荒れていたのは間違いないのですが、それにしても脚が動かず。先週のMペースの余裕度から考えると、この一杯一杯感は何?といった状態でした。

確かに、先週のM練習ではかなり脚を酷使しましたし、週間で100kmも(ランマニア的には「も」)走っていたので当然疲労はあったと思いますが、それにしても3分30秒ペースに余裕がなく。

やはり、薄々気づいてはいましたが、このLTゾーンを境にして体にかかる負荷が急激に変わってくるのだな、と(だから「閾値」っていうのでしょうから)。

おそらく、ランマニアにとってキロ3分40秒台のMペースというのは、どちらかというといわゆる「LT1」というやつで、血中に乳酸が徐々に増え始めてくるあたり。

そしてキロ3分30秒を切るようなTペースは、おそらく「LT2」、本格的に血中乳酸濃度が上昇し始めるペース。

で、高強度練が少なめで距離を踏むような練習で対応できるのはLT1くらいまでで、LT2を引き上げるには、やはりもっと強度の高いVO2Maxレベルの練習を高い頻度で入れていかなければならない気もしているのですね。

最近では10km RPで走るCVインターバルなんかも効果的なんでしょうけど、いずれにしてもマラソン練習を継続している以上、それらの練習の質を保つには脚がフレッシュではない気がしています。

マラソントレーニングを始めた当初は、距離の耐性を身につけながらも5000mくらいにも対応できる体を作りたい、と欲張っていましたが、実際この練習を続けてみると、想像以上に脚へのダメージが残った状態を続けなければならないことに気がつきました。

加えて、神経系にも疲労がくるので出力を上げる練習も、自然と億劫になってしまいます。

そんなこともあり、来月、急遽「センゴ」(1500m)のレースにエントリーしてみました。

いわゆる「スピード練」をほとんど入れず、マラソントレーニングだけでどこまで対応できるかちょっと試してみたいと思い。

おそらく、有酸素系の力をフルに活用しながら走ることになると思いますが、ここらで一度体に「喝」を入れ、体を目覚めさせてみようかなと考えています。

「いきなりスタート」はありか

こんにちは、ランマニアです。

だいぶ更新が空いてしまいました。

10月のレース月間中はなんだか訳のわからないハイテンションで、それが終わってしまったところで急に気が抜けたというか一息ついたというか、とにかくしばらく放心状態でなんとなくジョグをして過ごす日々が続いていたのですね。

最後のレースとなった烏帽子スカイラン以降は、ひとまず1週間休養期間として完全休養3日に軽いジョグを4日と設定して脚を休ませました。

こういう休養期間は脚の筋繊維については休まるのですが、レース期間中にレースのたびに出力を上げて筋力を発揮し続けた中枢神経系、つまり脳の方は意外と遅れて疲労感が出るものなのです。

ランマニア的には、だいたいレースの翌週あたりにその疲労感が出る印象で、今回も休養期間に設定した週の終わり頃になんだかかったるいような感じの疲労感が出始めていたのですね。

こうなると脚は軽くて一見調子が良さそうに感じるのですが、実際走り出すと初めの脚の軽さがあまり長続きせず、思ったよりも早く脚に疲労が出始め、思うようにペースが上がらない状態に陥ってしまいます。この疲労状態にはまってしまうと、比較的長期間にわたり調子が悪化するので注意が必要です。

今回も、ダニエルズ練を再開しようとした烏帽子が終わった1週間後の状態がまさにそうで、脚は軽くてペースが上がるのに、なんとなくかったるい感じがして早く練習をやめたいような状態になっていました。そんな中で、最初のQデーが水曜日にやってきました。

この週は仕事も詰まっていて、メンタル的にもかなり一杯一杯の中、TペースとHペースとRペースを一度に織り交ぜる脅威のインターバル練習を迎えなければならない絶望的な週でした。

そんな中でしたから、練習当日も気持ちが後ろ向きで、アップの時から走ることに気持ちが入らず、「こりゃ久々にDNFだな」と嫌な予感がしたものです。

さて、結局この日の練習は予想通りペースが全く上がらずTペースがMペースに、HペースがTペースに落ち、目的の練習にはなりませんでしたが、その分設定された本数は初めてこなすことができ、まあ完全に自己満足ですが「やり切った感」は残った練習でした。

今日の話題は、実はこの練習の時に初めて試したことがあり、果たしてこの試みはどうなのよ、という話なのですね。

ランマニアは、もう中学時代からの半分儀式みたいなルーチンになっているのですが、いわゆるポイント練習、あるいはスピード練習と一般的に言われている練習をする前には必ず「流し」(これは昭和ランナーの言い方?)、つまりウィンドスプリント(WS)を数本入れてから走る習慣がありました。いえ、ほとんどのランナーの皆さんはこれをやっていると思います。

これは多分エビデンスもしっかりあると思いますが、要はいきなりVO2Maxくらいのペースで走ろうとしても、人間の体はその動きや動かす速さを作り出すためにまだ脳から抹消までの神経系の経路が未使用のままだと動きがぎこちなくなったり、心拍数も上げていないと心臓がちゃんと動かずに若干酸欠気味になって無酸素的なエネルギー供給系が動いてしまうといった理屈から、目的の練習がこなせなくなってしまうことを防ぐためのものだと理解しています。

なので、ランマニアは、レース前は当然、Iペース、Tペースの練習前も必ず、そしてMペースの練習前ですら流しを入れているのですね。

ところが、先週水曜日のQデーは、最初はTペースから入る練習だったにもかかわらず流し入れずにジョグが終わったらいきなりTペースで走り出してみたのです。多分、こういうことをするのは人生でも数回あるかどうかです。ここ数年では初で。

なぜこんなことをしたのかというと、とにかく頭が疲れていてあまり出力をあげたく無かったのと、流しを入れて脚を使いたくなかった、つまり完遂するために脚を温存したかった、という理由がありました。まあ、それだけ疲れていたのですね。

いざスタートしてみると、意外と脚は動いたのです。結構行けるな、と。

しかし、結局中枢性の疲労がひどく、出力をあげようとしても全く力が入らず、ペースはMペースくらいにとどまってしまいました。

ただ、これは流しを入れなかったことが理由ではないと思っているので(なぜなら、2本目にペースが落ちたので、アップ不足であるならば2本目はペースが上がっているはず)、意外とこれくらいのペースで走るのであれば流しはいらないんじゃないかと、うっすらと感じました。

そして今日のMペースでの距離走です。前回はTペースでの練習で流しを入れなかったので、それ以下のペースであるMペースではもっと不要だと思い、今日も流しを入れずに「いきなりスタート」。

やっぱり思いのほか脚は動き、キロ4くらいかなと思っていたらかなり余裕を持って3分51秒で1kmを通過。疲れている時などは、流しを入れても4分近くかかることはザラなので、やはりこれくらいのペースであれば流しを入れる必要はなさそうだ、と。

ぶっちゃけ、ここのところQデーの走行距離が伸びてきて時間もかかるようになってきたことはとても大きな問題なのですね。

「意識が低い!」と怒られそうですが、流しって走って戻って走って戻ると意外と時間が取られるもので。

そんな10分程度の時間我慢しろよ、って思われるかもしれませんが、我々サラリーマンランナーは意外と10分20分が1日の中で結構大事になってきて(特に平日は)、平日夜の練習などではできるだけ早く家に帰りたいというのが正直なところなんですね。

今日のMペース走もトータルの練習時間は約100分。休日なのでこれくらいの時間はなんともないですが平日であれば帰りはかなり遅くなります。

そんな中で、流しが入ってしまうとこれよりさらに10分以上時間が取られますから、2時間に迫る練習時間となります。フルマラソンの練習をしている以上、時間がかかるのはある程度仕方がないことですが、あくまで私たちが取り組んでいることは「趣味」なので。

仕事や家庭など日常の生活のことを考えると、やはりそれらとの両立については重要なテーマになるんじゃないかと。

MペースやもしかしたらTペースくらいでも、初めの数分、あるいは1本目くらいを「アップ」と捉えるのであれば、思い切って流しは省きそれを本練習の序盤に代替するという考えもありなのかな、と先週の水曜と今日試してみて考えたところです。

もちろん、5000mとかそれ以下の距離のレースなどでは絶対流しは必要ですし、VO2Maxインターバルも必要でしょうね。

でも、ペースがやや遅く時間もかかる練習の時はもう流しはやらなくてもいいのかな、とここ何日かで考えたことです。

10月の振り返り

こんにちは、ランマニアです。

少し遅くなりましたが、恒例の月間練習内容振り返りです。

先月は4週連続でレースがあり、最終日もまたレースだったこともあり、どうしてもレース報告が中心で練習報告が月を跨いでしまいました。

早速10月の1ヶ月を振り返ってみたいと思います。

意図していなかったものの、結果的に練習のゾーンがとてもバランス良く取り入れることができました。

今月を振り返ると、当然毎週のようにレースが入っており、そのレースをどのゾーン(VO2なのかLTなのか、など)として捉えるかでだいぶ変わってきますが、一応山レースは一律「Trail」項目に分類しました(実際にはLTやVO2ゾーンであったとしても)。

また、唯一のトラックレースである5000mについてはVO2Maxペースに分類しました。

その結果、今月は非常にバランス良くゾーンを分配することができ、なおかつ平日にもQデーを取り入れ心拍数を上げる練習頻度を下げることなく、このレース月間を乗り切ることができました。

以前Twitterの方で「レースは練習にならない」みたいなことを呟きましたが、それはそのためにテーパリング(練習量を落とす)したり、レース後の回復のために休養が増えたりしてしまうと、練習のボリュームが低下してしまい、結果としていい練習を継続できなくなってしまうということからそのような認識であることを述べました。

しかし、今月の結果を見るとレースがQデーとしてうまく機能していて、後で述べますが練習量を全く減らさずにこのレース月間を過ごせたことになっています。

実はこうしたレース期の乗り切り方を以前から目標にしていて、以前は普段の練習量が少なすぎるため、1度レースを走ると一気に疲労が一線を超えてしまい、その後しばらくは練習を再開できないことが多くありました。

それが今月は1レースに出たくらいでは大きな疲労がたまることがなく、週の間に一度Qデーを入れたとしても翌週のレースでほぼ十分なパフォーマンスを発揮することができました。これには自分でも驚いていたところです。

Trail比率の圧倒的な増加は当然として、M、T、Iがほぼ同比率だったのは意外でした。

その結果どのようなことが起こったかというと、これまでひと月の中で満遍なく取り入れることのできなかったそれぞれの練習ゾーンが、大体同じような比率で含まれることになりました。特に、ランマニアの最も苦手としているIペース(VO2Maxゾーン)での練習が、5000mのレースに出ることで最低限賄えたというのは大きかったです(練習だと1000m×5はかなり厳しい)。

そういう意味では、(練習量を落とさずに迎えられるという条件のもとにおいてですが)5000mのレースはIペースでインターバルをやることの代替策として意外とありなようにも思えてきます。特に、練習ではからきしペースが上げられないランマニアのような「レース弁慶」タイプは。

また、今回山レースは全てTrail扱いにしていますが、実際の心拍ゾーンで見てみると、短めのバーティカルでは明らかにVO2Maxレベルにまで到達している時間帯があり、スカイレースではLTゾーンで走り(登り)続ける時間帯も存在し、さらに月は変わりましたが烏帽子のスカイレースのようなロード区間ではマラソンペースを維持している時間帯もありました。

こうしてTrailゾーンまで含めてみますと、かなり広範にわたって代謝系を利用した月になったことがわかります。

この半年で最大距離に到達した10月

そしてなんといっても10月は3月以降統計を取り始めてから(実はもっと前からとっているのですが、ブログで報告し始めてから)、最も長い距離を走った月間となりました(31日間というボーナスもありましたが)。

レースに4度出て、平日にも1日Qデーを設けた中でのこの距離ですから、これは明らかに耐性がつき、回復力も身についたと考えていいと思います。

ポイントは、上のグラフにおける8月の落ち込みにあると思っています。

4月から始めたダニエルズのゴールドエリートプログラムを約4ヶ月間続け、そのあと一旦、計画外でしたが怪我による休養期間が挟まりました。

ここでの「消極的休養」がのちの9月10月に効いていたと考えています。

というのも、9月、10月は、一度のQデーやレースの後に、7月までの感覚からは想像できないほど疲労が残らないという経験をしていました。あの頃は一度のインターバルやLT走でしばらく疲労が抜けない日々が続いていた感覚があります。

自分自身の感覚では、8月に故障で練習量が減った時に、だいぶ体がリフレッシュされた感じがし、その後通常の練習メニューに復帰した際に、一度の高強度の練習による疲労がずいぶん軽くなった印象を受けていました。明らかに7月までとは違うな、と。

つまり、4月から7月までのトレーニング効果は、一度の休養期間を挟んで、1、2ヶ月後にようやく発現してきたのだろうと推測しました。

そうなると、一度の練習における疲労度が軽くなるわけですから、これまでよりも、少し多めの練習を積むことが可能になるわけです。あるいは、強めの練習という選択も可能であると。

今はまだ烏帽子スカイランの筋疲労がだいぶ残っているので、しばらくはジョグしかできませんが、この疲労が抜けたあたりから、これまでの練習をワンランク上げてみようと考えています。

現在取り組んでいるのはマラソン用のトレーニングなので、ここで引き上げるとすれば強度ではなく距離や本数になってくると思われます。

ただし、先日の5000mで感じた最大運動(実際5000mではそこまで追い込めませんが体感的にという意味で)における肉体的な限界はちょっと深刻でしたので、体を刺激するためには時たま強度の高い練習を入れる必要があるかもしれません(例えば、1000mを全力で2〜3本走る、など)。

烏帽子スカイランに出場してきました【スカイレース編】

2日目も晴天に恵まれ、まさにスカイレース日和となった烏帽子スカイラン。お寺の石段がスタート・フィニッシュ地点というこのセンスの良さ。

こんにちは、ランマニアです。

さて、今回の烏帽子スカイランでは人生初となる2日跨いでの2種目出場、通称「コンバインド」に挑戦することになりました。

昨年のJSAジャパンシリーズでは、正式にコンバインド順位も算定されるレースがいくつかあり、ランマニアの大撃沈した「上田スカイレース」でも2種目制覇、さらにコンバインド部門でも優勝し3冠をとってしまうようなランナーもいて、スカイレースだけでもやられてしまったランマニア的にはまさに「信じられない」といった心持ちでした。

そんなランマニアが今年一つの目標としていたのが、比較的短めのレースでそのコンバインドに出走すること。

残念ながらそれが可能となったレースはこの烏帽子スカイランのみとなってしまいましたが、昨日のブログでも書いたように、なんとかそのスタートラインには立てるほどの体力を身につけて今年最初で最後の唯一の機会にそれを達成できる状態になりました。

前日のバーティカルでは、序盤からハイペースで飛ばし、終盤もギリギリまで出し切りましたので、そこそこの疲労や筋痛を心配していたのですが、一晩明けて朝の状態ではレースを走れる程度の脚の状態であることは確認でき、まずはひと安心。

おそらく今年一番の冷え込みだった気もしますが天気も良く、これはもう疲れがなんだといってられないコンディション。お寺の石段を見上げて「これはやるしかないな」と気持ちも高まりました。

スタートは今回もウェーブスタート。ただし2人一組のペアによる30秒ごとのスタート。そしてペアになった方はトレラン界ではとっても有名な一流選手の方で、もうスタート待ちしている段階で昨日に続いてテンションMAXといった感じでした。

ウェーブスタートのいいところは、一人一人スタートラインでMCの方に紹介をされること。今回は感染症対策でこうなりましたが、もう毎回これでもいいのでは無いかと思うほどいい演出だと思います。

そしてお寺の長ーい石段の最上段からスタート。

スタートしていきなり急な石段を直滑降するのって初めての試みですし、そもそもそんなレースがいくつ存在するんだ、という話で。

今回のスカイレースは走行距離25kmの累積標高差+1550m(実際には1600mを超えましたが)、こちらも比較的緩やかな勾配を想像できるコース。

計3段階の石段を下り終えると、すぐさま急な登りが始まります。とはいえ、しばらくはロードやダート区間なのでまだ登山道のような急勾配ではなく、キロ6分台でも押していけるような上り坂。今回はこの区間をアップと捉えていたので、登山道に入るまでは前日のようにかっ飛ばさずにやや自重してマイペースを徹底しました。

さすがにスタート順が「オーバースペック」だったので、この区間で早くも数人のランナーに抜かれ、スカイランナーの登りのペースの速さに圧倒されました。

いつもスカイレースやバーティカルではどこでタイムに差がつくのだろうと疑問に思っていましたが、今回のようなウェーブスタートだとその原因をリアルに体験できました。

全く別物ですね、あのスピードは。登りの速さがランマニアなんかとは比べものにならないほど別物の速さです。

とにかく、一歩の推進力がまるで違い、平地であればランマニアの登りはジョグくらいのペースで、追い越していくランナーはもはやMペース並み。自分でもそこそこ登りが走れるようになったと感じていましたが、この差を体感してしまうと全く太刀打ちできないな、と。

そうこうしているうちに登山道に入り、いよいよスカイレースらしくなってきました。

ただ、やはり距離のわりに累積標高が低めなので勾配はなんとか走れるレベル。歩幅を狭めて疲労を溜めないように小刻みに登ります。

この登山道は、昨年このコースを開拓するにあたり、廃れていた登山道を復活させたとのことです。

しかし、実際に走ってみるととても廃道だったとは思えないほど素晴らしいトレイルで、危険な岩場や足場の悪いところは全くなく、柔らかなサーフェスでとても走りやすいシングルトラックが続きました。

登り続けて約60分。樹林帯を抜け空がひらけてくると、一度稜線に出て遠くに烏帽子岳が見えてきました。

初めに烏帽子だと思ったのは小烏帽子岳。あのピークの先に、もう一度岩場があります。

この時点で脚はまだ残っていましたが、呼吸がかなり苦しかったので思うようにペースが上がらず、烏帽子山頂へ向かう岩場でだいぶ後ろのランナーに詰められました。

前日登った烏帽子岳山頂。この時点で85分。前日よりも風が冷たくとても山頂にはいられないほど。

ここで折り返し、前日のバーティカルコースを逆にたどります。

途中まではよく知ったコースなので大体の距離感覚はあり、さらにゴールまでまだ14km近くあることから、下りとはいえ調子に乗って飛ばさないように慎重に下山。

のつもりが、後ろから猛烈なスピードで駆け降りてくる若いランナーに一瞬で次々と抜かれ、これはもうランマニアのような下りの筋力が全く鍛えられていないランナーでは相手にならないな、と諦めモード。

トレイルレースに出始めた頃から思っていたのは、やはりこの手のレースは下りのペースが実力差を決定する、ということ。登りでのタイム差など、下りであっという間にひっくり返ります。

最大酸素摂取量や乳酸閾値に代表されるいわゆる持久的能力があまり影響されない、どちらかというと「スキル」、技術的な要素が大きく影響するスピードなので、正直なところ本格的に練習しなければこっちのスピードを上げるのは無理だと常々感じています。

なので、ランマニアのように普段は平地のロードやトラックをメインにしているランナーにとっては、下りで詰められたタイムは登りで取り返すしか無いのですね。

ところが、今回の烏帽子スカイレースのコースは、この下りトレイルが終わった後にとても長いダートとロードコースが待っていたのでした。これは全くの想定外。

登山道からダートコースに入ると、もう走り方がほとんどロードレースのようなフォームに変わってきます。そして車両が入ってこれるくらいの勾配なため、下りの得意なランナーにとってはいくらでも飛ばせるわけですね。

ランマニアはこういう下りが大の苦手で、とにかく脚が前に出ていかないのです。もちろん、ここまでの登りと下りの筋疲労の影響もありますが、そうでなくても下りではたいしてスピードを出すことができません。

案の定、この区間でさらに数人のランナーに抜かれてしまい、ここまで登りで蓄えた貯金はなんだったのかと、ちょっと虚しくなりました。

とはいえ、もうこのロード区間は最後まで続くのでしょうから、走りをロードレースのそれに変え、なんとかスピードを出せるように意識しました。その結果、どうにか1km4分を切るくらいのペースにまで上げることができ、ここでだいぶ距離を稼ぐこともできました。

さあ残り3km。キロ4で行っても12分で終わる・・。

わけがないのがスカイレースの常です。最後にもうひと山、いえ二山三山あり、あと少しというところで大いにメンタルをやられるのですね。

1km4分を切るような猛スピードでロードを駆け降りてきたところで、あろうことか突然再び山道に引き摺り込まれ、とんでもない急登を登らされます。

長い下りで相当脚にはきているので、こういう時の急坂はまともに登ることができません。それでも残りは2kmあるかないかなので、もう気持ちで登り切るしかないのですね。

ようやく最後の「登山」を終えると、見覚えのあるスタート地点が見えてきました。よし、残りは「あの石段」だけだ。

フィニッシュまでの石段は全部で3段階。これは後半の2段階で、この手前にこれの倍くらいの石段が待ち構えています。

頭ではこの石段のために脚力を取っておいたつもりでしたが、実際に階段を駆け上がろうとすると、もう10段ほどで走行不能に。数段歩いてまた走って、これの繰り返し。

こういう時、上を見るとなかなか距離は縮まらないので、足元だけを見て一歩一歩階段を登っていきます。

前半の長大な石段を上り切ると、いよいよフィニッシュまでの後半の石段。

前半は歩き、フィニッシュまでの後半はMCの方に名前を呼ばれて多くの人に見られているので「見栄を張って」死に物狂いで駆け上がります。決して江戸っ子じゃないけど、江戸っ子魂みたいな、ほぼ痩せ我慢状態。

そして、最後の1段を上り切り、どうにかフィニッシュ。

タイムは2時間34分50秒。思ったよりも短時間でゴールでき。

それでもトップは2時間13分台とかですから、ちょうどフルマラソンのレースくらいのレースタイムです。確かに自分のタイムもそれくらい。これ、フルのタイムと比べたら結構な一致率になるんじゃないかと。

スカイレースのコースから振り返ると一望できる上田の街。ここまでの登山道は快適なトレイルが続きます。

最終的な順位もなんとかギリギリ20位に入ることができ、目標としていたコンバインド達成と、20位以内というオマケまでつき、晴天に恵まれた烏帽子スカイランを好印象のうちに終えることができました。

いや本当に楽しかったです。

本大会も開催に漕ぎ着けていただき、当日も万全のサポートをしていただいた主催者さんやスタッフの皆さんには大変感謝をしております。