たまには靴の話でも(後編)

こんにちは、ランマニアです。

前回の続きで、ランマニアがようやく自分にぴったりの靴を見つけた話。

今からもう10年以上前になりますか、アディゼロジャパンが登場したのは。

だいぶ昔のことなので記憶が定かではないですが、確かあの靴は、皇帝ゲブレシラシエが履いて世界記録かなんかを出した靴で、相当彼のフィードバックを受けて作られた靴だったとのことでした。

なんでも、「かかとをもう少し厚くしてくれ」と注文してその通りに作ったら、「結局一度もかかとをつかずにフルを走り切っていた」とか言うほんとかどうかわからない逸話がありましたね。

まあ、そんな衝撃的なデビューを果たした靴でしたが、ランマニアがあれを履いた瞬間に受けた衝撃はいまだに覚えています。

何が驚いたって、履いた瞬間「自分のために作られた」としか思えないくらい足にフィットしてしまったんですね、まさか。

それまでは(いやその後も)、たいてい靴を新調すれば、自分のサイズ通りの靴でさえ、「足の甲がきつい」だの「つま先が余る」だの「長さはいいけど幅が狭い」だの、まあ色々な不満はあるわけです。

ところが、この靴はまるで「靴下」を履いたかのようにぴったりと自分の足にハマり、どんなスピードで走っても靴の中で足がストレスを感じない、魔法のような履き心地だったんですね。こりゃたまげました。

そして、そこそこのクッション性と、適度な硬さ(ランマニアは、比較的ソウルの硬い靴を好みます。接地時に姿勢が崩れず、力がダイレクトに伝わる感覚があるからです。)、さらにはスピードシューズ並みの軽さ、それらを全て兼ねそなえたスーパーシューズだったわけです。

ランマニア的には、実はもう少しかかとが薄くてもよかったと思うのですが、そこは皇帝の「お考え」ですから素直に受け入れ、この靴で、ジョグからインターバル、そしてフルのレースまで全てをこなしていました。

数年前、この「皇帝モデル」は一時復刻され、あの「元祖」でなければダメなランナーたちの手に渡りましたが、現在ではすべてブースト化してしまい、残念ながらあの適度な硬さのジャパンを手にするすべはなくなりました。ランマニア的にも、ブーストフォームは足には優しいのですが、接地の時点で若干姿勢が崩れる感覚と膝下の「粘り気」を感じることで、やはり初代モデルが白眉だったなと思うわけです。

とはいえ、ランマニアにとってこの靴はオールマイティーなシーンで活躍できる靴であることから、もう10年以上、ブーストも含めジャパンオンリーでランニング生活を送ってきました

さて、そんなジャパン愛に溢れたランマニアですが、実は今年1月、この10年で初めて他のシューズに手を出しました

それが、同じアディダスの、アディゼロRCというモデルです。

ソウルの厚さはこれくらいが理想

マニアの方はご存知だと思いますが、このRCは、かつてはアディダスのレースモデルだったのですが、Takumi 戦シリーズの台頭で、こちらはいわゆる「部活用」廉価モデルに降格してしまったシューズです。

しかし先月、ちょっと良さげなソウルの薄さと「あまりの安さ」に惹かれ10数年ぶりに新しい靴に手を出したのですね。アマゾンさんでヨンキュッパですよ。

そしてこのRC、とにかく全てがまあ硬いソウルも硬ければアッパー部も硬く、買って数日は足の甲が痛くてしょうがないほど。足裏も直接アスファルトを踏んでるんじゃないかというほど硬い。やっぱり安物だー、と買ってすぐは激しく後悔したものでした

ところがですね、この靴、「慣らし運転」が必要だったのです。

練習で履いて、100kmくらい走った頃でしょうか。なんだか最初の硬さが消え、だいぶ足の自由度が高まり、接地から蹴り出しまで非常に足の甲が自由に動く感じになってきたんですね。

そして、ソウルの硬さにも次第に慣れ、むしろその軽さの恩恵を十分に受けることができ、非常に軽快に走れるようになってきたのです。

みなさんご存知の通り、回転運動では回転の中心から遠くにある部分には遠心力がかかります。そして、この部分に重さがかかると、遠心力がさらに増加し非常に大きい外側への力がかかるのですね。

走行中の足の動きもまさにこの回転運動。回転の中心は膝や腰ですから、靴を履いている「足」は最も遠い場所になります。その部分が重くなればこの回転力はより鈍くなっていくのです。

そんなこともあり、このRCの軽さのメリットはランマニア的にはかなり重要な要素だったのですね。

しかし、そうは言ってもやはりこの靴は「硬い」衝撃がものすごい。このままこの靴を履き続け、4月からの走行距離延長を目指すのは、ちょっと危険な気がしたのです。

そこで、再びのジャパンブーストへの回帰

久しぶりに履いてみて、やはり安定のクッション性ストレスのない履き心地接地した瞬間の安心感。これらはRCにはない数々のメリットですね。

さて、またしばらくはこのアディゼロジャパンにお世話になるのですが、世の中は厚底一色です。いまだにこんな靴で渡り合おうとしているランナーなんて、ランマニアくらいなものです(実際1、2月の駅伝でTakumiSen を履いていたのは私だけでした)。

そろそろ厚底へ移行しようと思ってはいるのですがね。

たまには靴の話でも(前編)

こんにちは。3日間、ランニングもブログも休養したランマニアです。

ランマニアは昨年9月ごろ、7月8月に練習を無理に無理して(と言っても多くの人にとってはたいした練習ではないのですが)続けた結果、一月くらい疲れが抜けなくなってしまった経験をしました。

3年前にフルマラソンで自己ベストを出してから、もうワンランク走力を上げるには、練習の負荷も上げなければならない、と必死になり、無理を重ねてしまったのですね。

その反省から、10月以降決して無理をしないよう、自分の疲れ具合に応じて練習を続けてきて、ようやく先月、ポイント練をまともにこなせるようにまで戻ってきたのでした。

そう言う経験があり、この3月は比較的良い状態を維持できたからこそ、思い切って少しまとまった休みを入れてみたのです。

この休みの効果は、経験上すぐには現れず、ここから練習を漸次的に上げていく中で徐々に調子が戻ってくると予想しています。

さて話は変わって、ランマニアはこの4月から靴を変えてみました。(変えたと言うか、元に戻しました。)

ランマニアは、もともとあまり靴に詳しくなく、多くの知り合いのランナーのように、練習によって靴を変えたり、新製品を試したりしないタイプです。

いえ、以前はそうではありませんでした

高校から大学までは、アップ用、スピード練用、レース用、スパイク、などと、数種類のシューズを使い分け、それぞれの用途によってしっかりと靴を用意していました。

しかし、体調を壊してからはほぼポイント練ができなくなってしまったので、基本のジョグシューズだけあれば事足りてしまうことが多く、たまのスピード練もそのジョグシューズでこなしてしまうようになっていたのですね。

そんな事情もあり、アップシューズとスピードシューズを使い分ける必要がなくなったため、ちょうど「中間」あたりの靴へのニーズが年々高まってきました。

しかし、ランマニアが社会人になった頃は、今のようにマラソンブームなどまだなく、「長距離走」に取り組む人は、学生や実業団のようなシリアスなランナーか、健康目的の市民ランナーくらいで、今ではごまんといる「競技志向市民ランナー」など、当時そのへんで見かけることなど到底あり得ませんでした

そんな状況でしたから、当然靴のニーズも「一部のエリートランナー向け」「ジョガー向け」がほとんどで、ちょうどその中間あたりのシューズなどニッチすぎてどのメーカーからも販売されていませんでした。

具体的にどんな靴を求めていたかと言うと、「ジョグを軽やかに走れつつ、クッション性も高い靴。」「クッション性もそこそこあるけど、インターバルも意外といける靴。」と言う、非常に「わがまま仕様」でした。

少しマニアックな話をすると、当時のアシックスで言うと、スカイセンサーだと重すぎて、ターサーだと少しクッションが弱い。ナイキで言うと、ペガサスだと重すぎて、エアズームケイジ系だとジョグには不安定(このケイジ系は足底腱膜炎を発症すると言う致命的な相性の悪さがありました)、と言った具合です。

これは当時当然の悩みで、高校時代のランマニアは、アップはナイキエアペガサス、スピード練はニューバランスのコンプ系、レースはアシックスのマラソンソーティー、と、まあ贅沢なラインナップで練習をしていたので、そんな細かいニーズを一つにまとめる靴など、あろうはずもなかったのです。

しかし、そんな我々マニアックランナーのニーズに応える革新的なシューズが登場することになります

2008年初夏、あのナイキから「ビクトリー」と言うこれまでの範疇にはなかったものすごい靴が登場します。(今のビクトリーはスパイク銘柄になってますかね)

このビクトリーが凄かったのは、とにかくレースシューズかと思うようなその軽さアッパー部の素材に工夫が凝らされ、ソウルの重さをアッパー部で相殺していたのですね。

そして何より我々のニーズに最も応えてくれていたのが、なんと前足部に薄い「エア」が内蔵されていたことでした。

当時はまだ、「フォアフット」などと言う言葉がなかった時代(あったかも知れませんが、一般には流布していなかった)。しかし、学生からスピード練をガンガンやってたランナーにとって前足部から接地するのは当たり前のことでしたから、「なぜかかとばかりにエアを入れたりクッション性を持たせたりするのか」と常に不満を抱いていました。

そんな中で、しっかりと前足部にクッション性を持たせ、かつ軽量化も両立できているこのビクトリーは、まさに我々が望んでいた「最強のランニングシューズ」だったわけです。

さらに、この靴の凄かったのは、ソウルのかかと部分が若干厚めに作られ、走り出すと勝手に前傾姿勢が生まれると言う革新性も備えていたことでした。

そんなパーフェクトなシューズでしたから、もうランマニアはこの靴だけを買い替えながら、ロングジョグからインターバルまで全てこれ一足でこなしました。いや、こなせてしまいました。

しかし、このビクトリーは、唯一にして最大の欠点が存在していました。

それは、軽量化のためのアッパー素材に柔軟性がほとんどなく、「確実に靴擦れする」と言う恐ろしい事実が判明したのです。

これはランマニアだけでなく、知り合いのランナーにも発生し、ネット上でもその情報は散見されていたので、もうほぼ確実に技術的な欠陥だったのでしょう。

そして、こうした欠陥とマニアすぎる設定のためか、このビクトリーも数年で廃盤になってしまいました。マニアックなシューズは売れないのです

そんなビクトリー亡き後、ついにランマニアにとって運命のシューズとも呼べるこのシューズが登場します。

アディダス アディゼロジャパン。

個人的にはブーストなしモデルの方が好き

後編へ続く。

己を知り、現実を知る

こんにちは、ランマニアです。

昨日の練習は散々な結果で、自分自身ついに力尽きたかと半分諦めかけていました。

ところが、そうは言ってもちょっと自分の中で釈然としないところもあって、それは何かというと、実のところ、「筋そのもの」の疲れはあまり感じてはいなかったのです。

それはある意味当然でして、この一月はとにかくできる限り筋へのダメージを少なく、そして回復を完全に待ってから次の練習する、をテーマにしてきましたから、そうでなければ困るわけです。

ですので、昨日のような「中枢性の疲労」のみが出てしまった時は、案外、しっかり睡眠をとることで「頭の疲労感」がリフレッシュされる場合もよくあるのです。

で、今朝ですよね。なんだか久しぶりに目覚まし前に目が覚めて、比較的すっきりと起きられました。

またここ数日調子が悪かった胃腸の状態も回復し、とても感覚的なことですが、「脳が休まった」感がだいぶありました。

ただ、疲れが出たことは事実ですから、とりあえず予定していたインターバルに挑戦するものの、自分のVO2Maxペースまで上がらないようならすぐに練習をやめる、と考えました。

果たして、アップのジョグからキロ5分を切るくらいまでペースが上がり、明らかに昨日よりは状態が良さそう。軽くウィンドスプリント(本練習前の軽いダッシュ)を入れても、ドスンドスンと直接足に衝撃がくるような疲労もなし。

とりあえず、出力を抑えてまず1本だけ走ってみるか、と。

ランマニアのIペース(VO2Max向上のために必要なペース)はだいたい3分15秒くらいですから、いつもなら結構初めから出力上げて突っ込むのですが、今日はダメならやめるつもりでしたので、やや抑え気味でスタート

ところが1本目、3分13秒

調子は良くないものの、これくらいではいけるのか、と少し安心して、2本目へ。

案の定、やはり疲労は残っていて3分16秒

ただ、まだIペースは維持できていたのでもう一本だけ。

さすがにいっぱいいっぱいでしたが、最後も3分16秒

3本の平均はぴったり3分15秒だったので、ひとまず最低限。疲労の悪化と故障の可能性を考えればもうここまでで十分です。

さて、なんとか1ヶ月予定した練習を全て消化してきました。ここまで予定通り、大きな疲労もなく、故障もなくやり遂げられたのはおそらく人生初かもしれません。

その最大の要因は、「自分の疲労度に従って練習を組み立てたこと」だったと思うのですね。

疲れているならペースを上げない。少しでも痛みそうな気配があればすぐに休むポイント練以外は出力0を徹底する。

もうしつこいくらいにこれを頭に叩き込みましたから。

そして、幸か不幸か、今月はレースが0になりました。

こんな3月はおそらく通常ありえないので、この機会を利用して、この1ヶ月、現在の自分の上限(基準)を調べてみようと考えました。

最初に「やるべき」内容を決めるのではなく、大まかな予定だけ決めておき、自分の体調や疲労に応じて量を調整する。そういうアプローチです。

そして、その結果がこれです。

EだのMだのはダニエルズさん読んでください。“Trail”は山練の距離。Effortは10以上でマーキングしました。
総走行距離に占める各ペースの割合

最後はちょっと疲れが出て、5本のところが3本になってしまいましたので、もう本当にこれが1ヶ月取り組めるギリギリのラインということでしょう。

内容を無視して月間走行距離だけで見ると、265kmですから週あたりだいたい65km。(これ、ダニエルズさんがモデルケースを示している「週64km」とまんま同じで笑ってしまいました。)

まあ、そんな実力なわけです、現状。

さて、これで現在の自分の「上限」「月収」がだいたい把握できました。意外と予想通りでした。

ポイント練も、一応全ての項目を入れましたから、だいたいどの練習でも「中3日」が妥当なところだということもわかりました。

ここで、ランマニアはいったん休養を入れます

明日から、最低3日、回復具合ではそれ以上、まとまった休養をとります。

この1ヶ月続けてきたサイクルでは、もう疲労が回復しないからです。

そして、その後ですが、もう一度体を作り直そうと考えています。

現在のままですと、「週65km」くらいしか体が持たないわけですね。この「月収」では伸び代もたかが知れています。4月も同じようにポイント練を入れていっても、まあ何も進歩はないでしょう。

なので、体力の上限をもう少し高めるために、ダニエルズさんが規定している「体力向上のトレーニング」を1からやり直そうと思うのです。(最低でも6週間、と言ってます)

幸い、コロナ騒ぎでおそらくしばらくはレースはないでしょう(あってもスカイランニングくらい)。じっくり体力を高めるにはちょうどいい機会かも知れません

それは突然やってくる

こんにちは、ランマニアです。

好事魔多し

ここまで順調だったランマニアですが、ついに怪しい気配が出てきました。

突然なんですね、疲労がどっと出るのは

今日もいつも通り出力0でジョグに出かけたのですが、数キロ走った時点で、急に体に力が入らなくなり、ペースが全く上がらなくなりました。

もう体感的にかなり遅いと分かっていましたが、時計を見ると、なんとキロ5分57秒

出力0というよりは、着地した足に力が入らない感覚で、とにかく走っているというよりは、足をそこに置いているだけ。まさに「アンダンテ(歩くような速さ)」

実は、一昨日くらいから予兆はありました

ランマニアは、肉体的な負荷をかけすぎると、神経系がとても疲労してしまう、と以前から話しました。

すると、肉体的な疲労感に遅れて頭の疲れ、つまり「元気が出ない」症状が現れてきます。

このサインとして、「朝起きるのがしんどい」「昼間も眠気が襲う」「ちょっとした作業も億劫になる」などがあり、数日前から若干これらがみられていました。

さらにもう一つのサインとして、「胃腸の具合が悪くなる」というのがあります。

精神的な疲れを感じ始めると、なんとなく食欲が減り、食べてもうまく消化されず、下痢が続くことがあります。

こうなると、練習を休むだけではすぐには回復せず、少し長めの睡眠が必要になります。

不思議なことに、この胃腸の不調は睡眠でだいぶ改善されるのです。つまり、「脳の疲れ」が原因なわけですね。

ただ、今回は先週の山ラン、そしてその前の閾値走ではかなり調子が良く、気持ちよく走れていただけに、この急展開には少し戸惑っています。

昨日もそれほど調子が悪かったわけではなく、無理した実感もなかったんですね。

通常、こうした疲労が噴出する時は、数日間無理に無理を重ねて押し通してしまったときに、いよいよ体がねをあげる、というパターンがほとんどでした。

今回のように、一定の「疲労の閾値」を超えないように、慎重に練習を進めてきた中でこうした症状が出るのはあまり経験がなかったのですね。

とはいえ、ランマニアにとってここ数週間の定期的なポイント練実施は、それなりに体に負荷がかかっていた気はしていたので、月終わりの区切りを迎え、無意識のうちに脳が緊張を解いたのかもしれません。

明日、一応予定通りにアップをして、流しを入れ、どのような状態になるか確認です。

ここまではちょっと上手く行きすぎ。

本来のランマニアは、こんな感じなのですね。

道さえあれば

こんにちは、ランマニアです。

ランマニアの住む埼玉県でもついに外出自粛要請が出まして(ただしランニングはOK)、さらに今日は季節外れの大雪とも重なり、ランナーにとってはなかなか頭を悩ます練習日となりました。

ざっと積雪10cm。

学生時代までは、長距離の練習というと、割としっかりと準備をして、しっかりとしたコース設定、距離設定をして、なんとなく全て「しっかり、きっちり」やるものだという認識がありました(まあ、生真面目ランナーですから)。

しかし、就職をして1日の大半を仕事に費やし、残りのわずかな時間で練習をしなければならない状況に陥ると、何から何までしっかりと準備して練習できる場合ばかりではなく、時には着替える時間、アップをする時間すら取れずに、なんとも「いい加減」な練習になってしまうこともままあることに、だんだん気がついてくるわけです。

ランマニアがこれまでやってしまった、最も最悪な状況下での「練習」は、スーツ姿にαゲル入りのアシックス製革靴で信号インターバル、という、高校生や大学生には絶対に知られてはならないような練習でしょう。

まあこれは極端な例としても、通勤ランの途中でインターバル化したとか、アップなしでビルドアップしながら閾値走になったとか、もうとにかくしっかりとした手順を踏めずにやれるだけやった変な練習は、数えきれずあります。

しかしそうした経験を踏んでいるうちに、ふと気づいたのは、我々の取り組んでいるマラソン、長距離走って、とにかく「道さえあれば」なんとかなってしまう、本当に条件に縛られずに取り組むことのできる、かなり恵まれたスポーツなのだということでした。

まず、以前も話しましたが、とにかく「一人ぼっち」でも全く問題なく実施可能。そして、特別な道具を必要としない(最近は靴さえ履かない人たちもいますね)。道具がいらないから準備の時間もほとんどなし(着替えさえすれば即実行可)。

で、極め付けは「どこでもできる」

これは相当なアドバンテージだと思うのです。

通常、多くのスポーツは、どうしても場所が必要になりますよね。野球場、サッカー場、コート、ゴール、卓球台、等々。

長距離走もトラックが必要な場合もありますが、最悪なくてもなんとかなります。

何せ、道さえあれば(下手したら道がなくても空間さえあれば)そこを走ればいいのですから。

一人でできて準備も簡単どこでも走れる。そうくれば、大抵の悪条件でもなんとか走れてしまうのが、我々ランナーのとても大きな利点だと考えます。

そうやって考えると、私たちの家の外は、もう全てが練習場のようなものですから、雪が積もろうがなんだろうが、どこかに行けばなんとかなってしまうものです。

幸い、今日ランマニアはポイント練の日ではなく、間のつなぎのジョグの日でした。いつもの出力0で、とてもゆっくり走っても問題ない日ですから、まあ走る場所の選択肢はほぼ無限に存在する状態です。

ただし、今日のように雪が結構積もった場合(ランマニアの住む埼玉西部はかなり積もりました)は、いつものロードは歩道が完全に雪で埋め尽くされ、だいぶ車道寄り(というかほぼ車道)を走らねばならず、車にも迷惑がかかるだけでなくかなり危険な走行になるわけですね。

なので、車のこない公園のような「クローズド」なコースがいいんですが、今度はそういうところは雪がかなり積もっていてほぼ走行不能状態です。

そこで、最後に行き着いたのが、まさかの「森の中」でした。

ランマニアの住む場所は、なんというかとにかく自然に恵まれすぎていて、1kmも走れば丘陵地帯の山林に到達することができるのですね。ランマニアは、下が柔らかい所で足をいたわりたい時や、軽いトレラン練習をするときなんかは、結構頻繁にこの丘陵地帯に足を運びます。夏も若干気温が低くて日差しも遮られ、ロードを走るよりも楽なんですね。

そして今日のような雪の日も、木々が雪を遮り、積雪もだいぶ抑えられていました。仮に積もっていても、下は土ですから、ロードのようにシャーベット状に変化せず滑ることもほぼありません。適度にトラクションがかかり、結構快適に走れるわけです。

唯一の先客はタヌキぐらいなもんです。

さらにコロナ関連で極め付けは、こんな雪の日に森の中で走ろうなんていう「変態」は他にいるはずもなく、誰とも会わずに一人快適に練習を続けることができるのですね。

とにかく、こんな悪条件でも探せば必ず走れるところがあるのが、私たちランナーの恵まれた点ですね。

月収に見合った生活をしています

こんにちは、ランマニアです。

まあとにかくコロナ騒ぎはかなり危険な局面を迎えていまして、ランマニアは今日もまたお休みをいただき、人っ子ひとりいない山の中を一人黙々と走ってきたわけです。

安心安全山の上。

本当にちょっと離れた山の中に入ってしまえば、もう誰とも会わず、感染のリスクは確実に0%と言ったところです。下手をすると、近所の公園ですらもう危ない状況かもしれません。

そして今日は前回のポイント練から3日あけて再びポイント練の日でしたから、ちょっと負荷のかかる練習をしたのですね。

ランマニアはとにかくゆっくり長く走るのが苦手でして、本当はもっとLSD(Long Slow Distance)のような練習を頻繁に入れなければならないと思うのですが、そこはやはり慢性疲労との兼ね合いがあり、ある程度調子の良い時でないと、こうした長い距離の練習をこなすのはなかなか難しいところなのであります。

ですが、今日は先日も話した、ここ最近の回復の早さと調子の良さから、少し長めに走っても大丈夫だろう、ということで山を含めた長めの練習をしてきました。

本来は、あまり起伏などはなく、一定の動作をできるだけ長く続けられるようなコース設定の方が良いのでしょうが、スカイランニングシーズンのことを考えると、どうしても定期的に山へ行かねばならず、こうした平日の昼間は貴重なのですね。

なので折衷案として、「低山を繰り返し登り降りしつつ、ロード区間を長めにとる」ことで、走行距離30km+累積標高1000m、という目標を立てて県内の比較的標高の低い山が点在する地区へ向かうことにしたのです。

ランマニアは体が温まってくるとすぐに調子に乗ってペースをあげがちで、それで結局疲れて距離を踏めない、ということが非常に多いので、今日は初めからペースは抑え、山登りですら無理にガツガツ登らず、小刻みなピッチを意識して走るようにしました。

結果、400m級の低山を3座登り、合計走行距離27km(水平移動距離しか算出されないのでおそらく28から29kmは行っていると思われます)、累積標高1100mと概ね目標通りの練習ができました。脚の疲れもまだ少し余裕のあるところで終了でした。

青梅にもありますが、埼玉です。1座目。
2座目。もっといい表札にしてあげたい。
3座目。最も気持ちが良かった山頂。

さて突然ですが、ランマニアが多くのランナーの人たちと決定的に違うのは、「足し算の練習」ができないということです。

かつての私もそうでしたが、ランナーならやはり毎日の練習の積み重ねは大切ですし、ある程度の走行距離を重ねて地力を高めていかなければならないと思います。そうした観点からは月間走行距離に代表される「練習の積み上げ」「練習の総量」という概念が必要になる部分があると思います。

一方でランマニアは、そうした足し算で練習を考えてしまうと必ず体に無理が来て、結果的に「長期離脱」(疲労、怪我)となってしまいます。これは積み上げた練習がパーになるという意味で非常にコスパが悪く、「あれだけかけたコストはなんだったのか」、と非常に後悔することになるのですね。

そこで、ランマニアの練習は常に「引き算」の練習になっているわけです。

わかりやすくいうと、もう月にもらえる「月収」が決まっていてその中でやりくりしなければならない、ということです。

例えば、月収手取り30万の人がいたとして(ランマニアじゃないですよ)、その人はその月収を大幅に超える生活はできないわけです。

住宅ローン、車のローン、光熱費、通信費、食費等々毎月確実に引き落とされる一定の出費があり、それが月収を超えないよう調整しているわけですね。

ランマニアの練習がまさにこれなんです。

ランマニアは「疲労」という単位の月収を得ていて毎月それを使い切らないように練習しなければなりません。(やれる練習の上限が決められている)

例えば、「疲労ポイント」なるものがあったとして、それがさっきの例で言うと「月30万」だとします。

そして、日々の練習によって溜まってしまう「疲労ポイント」も決まっていて、これが毎月30万を超えないように練習しないといけない、ということなのです。

とても感覚的で概念的な話になりますが、例えば今日の約30kmの山練含めたロングジョグの疲労ポイントは、自分の感覚的に「2万」くらいだとします。先々週の30kmペース走はかなり「大きな出費」で、多分「5〜6万」は行ってしまったでしょう。

この疲労ポイントは「走るペース×距離」のような感覚で算出でき、走る距離は短くとも「出力」を高めればそれだけ疲労ポイントは上昇してしまいます(同じような概念をダニエルズさんは「ランニングポイント」というので定義していましたね)。

それで考えて、適当に疲労ポイントを算出してみると、1000m×5のインターバル疲労ポイント4万閾値走20分プラスジョグ疲労ポイント3万平日の10kmジョグ疲労ポイント2千とか、まあそんなイメージです。

そして厄介なのが、この疲労ポイントは疲労している時は水増しされる、という恐るべき事実があります。借金の利率みたいなもんです。

例えば、ある日は3万の疲労ポイントを貯めてしまって、翌日ろくに休まずに、元気な時であれば1万程度の練習をやろうとするとこれが1万で済まなくなる3万の疲労ポイントを返済しないでそのまま走ると1万の練習が2万とか3万とかになってしまうわけです(とんでもない利率だ!)。

数日で30万使い切ることになります。

ですから、30万あるからと言って「つぎ込んじゃ」ダメなわけですよ。

そうした限られた疲労ポイントをやりくりして、30万という月収の中でいかに走力を高められるかが勝負なわけです。

ところがです。これがとても重要なのですが、なんとですね、この月収は増やすことができるのですよ。

ランマニアのリアルな月収なんてそうそう上がりませんが、この疲労月収は確実にあげることができます

どうやって。

もういうまでもなく、「日々のトレーニング」によってです。

以前Twitterでも話しましたが、毎日のトレーニングはもちろん走力を高めるためのものであるのですが、それと同時に「疲れにくく、回復しやすい体を作る」目的もあるのです。

こうした体を作るということは、ランマニアにとってはイコール「疲労月収を上げる」ことと同義になるのです。

例えば、月収30万円が40万円になったら、かなり豊かな生活を送れますね(いい家が買える、いい車が買える、いいものが食べられる)。

ランマニアにとっても全く同じで、疲労月収が40万になれば、もっと強度の高い練習をもっと長い距離、高い頻度で継続させることができるようになる、ということなのです。(1ヶ月に耐えられる疲労度が上がるのではなく、一度の練習で疲労する度合いが低くなるので、相対的に月収が上がる、という意味です)

まあ、控えめにいって「夢のような生活」が送れるわけです。

ですが、ランマニアにとって記録を伸ばすにはこれは必須の条件で、正直なところ月収20万ではもう記録を伸ばす術はありません(初心者の頃なら月収10万でも伸ばせるんですがね)。

そうした「引き算」の練習がランマニアの毎日なのですね。

おそらく、ここ数週間のランマニアの体感的な感覚と実際のやれている練習とから判断すると、先月よりも今月は若干疲労月収が上がった気はしています。(同じ一度の練習でも疲労しにくくなっている

ですから、4月は少し休養入れた後、ためしに若干の強度か距離をあげた練習を取り入れて疲労の具合を見極めてみようと思っています。

ちなみにこの疲労月収には特別手当て(やボーナス)はありませんので、毎日地道に練習を積むしかないのですね。

「走ってる時って、何考えてるんですか?」に答えてみる

こんにちは、ランマニアです。

ランナーであることが職場や友人に知られた時に、必ずと言っていいほど聞かれるのがこの質問。

「走ってる時って、何考えてるんですか?」

まあ、ランマニアも数え切れないほど聞かれましたよ、それは。そしてその質問の裏には「そんなに長く同じことしていて飽きないんですか?」が含まれてますよね、絶対。

走っている時に考えてることって、実に様々です。走る場所によって、走る距離によって、そしてなんと言っても走るペースによって全く違ってきます。

最も様々なことを考えてしまうのは、おそらく普段のジョグでしょう。

ランマニアは、だいたい平日のポイント練でないジョグは60分弱ですから、それはそれはたくさんのことを考えています。

実はこうしたブログのネタやTwitterの呟きなどは、ほとんどそうしたジョグ中に思い浮かんだことです。いや、本当に走っている時はどんどん色々な考えが頭に浮かびます。これ、全て文字に起こしたら辞典ができるんじゃないか、ってほどです。

そして、ランマニアはこう見えて(見えないか)意外と気持ちの切り替えが苦手なタイプなので、仕事で起きた嫌なことは結構引きずるんですね。

ジョグ練の時は、もう最後まで頭から離れないことなんてしょっちゅう

マラソンペースでも心のどこかに引っかかりながら。

最悪は、インターバルでも途中のあの地獄のような苦しさの合間に突然思い出したりして、急に辛さが倍増する、なんてこともしばしば。

冗談抜きで、仕事でやられたメンタル面は、練習にもかなり影響すると思っています。

ですが、こうしたジョグ練であっても、走りながらどうしょうもないことを考えているのは、練習効果的にはあまり良くないだろうな、と思っています。

ここから話が突然シリアスになるのですが、以前にも書いたとおり、筋肉は脳と神経系で結ばれています。その神経のワイヤーに電気的な刺激を発生させて情報を伝達し、筋を収縮させているわけです。

自分の脳で「意図」して筋を動かしているので、随意運動と言いました。

で、筋は筋繊維単体で動くわけではなく、神経系とセットで「運動単位」という一つのユニットを形成していて、それが総合的に機能しているわけですね。

ですから、筋(脚、足)さえ勝手に動いてくれればそれでいい、というわけではなく、自分で「意識」して、しっかりと脚に情報を送りそれで動かしてこそ初めて運動単位として機能するわけです。

そう考えると、上司に嫌味を言われたことをいつまでも引きずりながら走るのと、一歩一歩の接地から蹴り出し、下腿の振り出しからの接地などの一連の流れをしっかり意識して走るのとでは、運動単位にかかる負荷はまるで違うということになります。

そして、ランマニアは昔から走り方にやや問題ありなランナーなので、特に一歩一歩の接地を雑に行うと、比較的簡単に下腿を故障しやすいのです。

たかだか60分のジョグでさえ、歩数は万単位ですから、冗談ではなく何万回も接地に気を配り、丁寧に接地点と力を入れるタイミングを調節していることになります。

はじめの質問に答えるとすると、これが「走りながら考えていること」ですね。

多くの「一般人」は「んなばかな!」って顔しますが、ランナーの方ならまあこの感覚はお分かりになると思います。

なので、はじめの方で「メンタルが意外と大事」と言ったのはこういうことで、こうした「走ること」や「体の感覚」に常に意識を向け続け、それを注意深く監視できる精神状態、というのは意外なほど条件が整わないと難しいものだということです。

まあ、簡単に言えば「集中力」ということなんですが。

ランマニアがスカイランニングに挑戦しているのも、実は一つはこの能力を養うためでして、もともと色々なことを考えてしまいやすい自分の特徴から、走ることにしっかり集中するためにスカイランニングを走っている、という側面もあるのですね。

スカイランニングで最も集中力を発揮する場面は、もういうまでもなく下り区間です。いや、下りというよりもう「斜面」ですね。

あの斜面を駆け下りる時の緊張感と恐怖感は初めて体験した時は計り知れないものがありました。まさしく、一瞬の油断が命取り、というわけです。

ちょっとでも集中力を欠けば次の瞬間大クラッシュで大怪我です。まさしく「一歩一歩」に全集中力を動員して走るという感覚ですね。

この「一歩一歩」に常に気を配る癖がつくように、スカイランニングでその練習をしているというわけです。言ってみれば、「走る脳トレ」ですね、これは。(実際、集中力を発揮する前頭前野や運動機能を働かせる小脳などはかなり鍛えられると思っています)

だいぶ話は横道にそれましたが、「走ってる時って、何考えてるんですか?」の答えの一つは、「一歩一歩の足の感覚を確かめてるんだよ」でした。

インターバルやレースペースでの「考え事」(?)はまた別の機会で。

今日の変化はいつがきっかけか

こんにちは、ランマニアです。

このブログを読んでいただいている数少ない読者の方はもう何度も何度も聞かされたことですが、とにかくランマニアがここまで練習を継続できているのは、本当に珍しいことで(いや、初かもしれない)、とにかくこの状態を維持したいのであります。

そして今日は、そんな珍事の中でも珍事中の珍事、いやまさに「春の珍事」ともいうべき出来事があり驚いているのです。

それは、ポイント練のわずか2日後なのに、なんだかとっても調子がいい、ということなのです。

ランマニアの慢性疲労症状は、一回のポイント練を入れると程度の差あれ確実に多少は悪化します

全く走れないほどはないのですが、軽いジョグですら大幅にぺーすダウンするほどです。

ですから、以前も話したように、「努力度」「出力」を固定して、注意深く疲労の程度をモニタリングしているのですね。

そして、たいていポイント練明けの2日後あたりでは、この出力0ジョグですとだいたいキロ5分30秒以上はかかるほど疲れている場合がほとんどです。ひどい時は、6分程度かかることもあります。

ところが、今日は走り出しから自分でも信じられないほど足がよく(というか勝手に)動き、始めこそキロ5分を超えていたのが、最終的には4分40秒程度まで上がっていました。ポイント練2日後のジョグでペースがここまで上がることは記憶にありません。

一昨日の練習は、閾値ペースで押し通し、トータルの走行距離的にも17kmを超えていたので、決して楽な練習ではありませんでした(あ、これはランマニア的にですよ)。

そうした練習の後で今日の軽快さですから、これはもう「明らかに脚ができてきた」と判断できる証拠だと感じます。

ではなぜ、ここまでの変化が起きたのか。

少なくとも、先々週、もっといえば先週ですらここまでの変化は見られませんでした

大事なのは、「自分にとって何が効いたのか?」ということなのです。

ランマニアが高校生くらいの、まだまだ何もわかっていない勘違い野郎だった頃なら、きっと、「そりゃ、一昨日の閾値走が効いたんだよ」とか「いや、昨日休んだのが大きかっただろう」くらいにしか思わず、「よし、ならばこれから毎日閾値走で追い込むぞ」くらいなことを考えていたと思います。

多くの経験豊富、知識豊富なランナーの方なら、そんな短絡的な判断はまずしないと思います。

ただし、これは誰も筋肉を開いてその変化を視覚的に、一定期間モニタリングすることはできませんから、「何が効いていたか」などということを確信を持って断定できる人は正直いないと思うのです。

ですから、推測するしかないのですね。

では、ランマニアはどう推測したか。

自分の体なのだから、自分がよくわかっている、とは言い切れないのがマラソンの面白いところですが、まあ次のようなことを考えました。

一つ目は、30kmペース走

これは一定時間有酸素的な能力を維持して走り続け、代謝系に変容を起こす練習でした。できるだけ多くの酸素を利用しながら、糖質や脂質を利用して走り続ける。これにより、同じ強度の負荷でも、少しでも長持ちする(疲れにくくする)体質変容に向けて体に刺激が入った、というのが一つ目の仮説です。

二つ目は、実は200mのレペティション

人間は高強度の運動をすると、酸素をあまり必要としないエネルギー供給系が働き、乳酸という物質が体内に溜まってきます。この乳酸そものものが疲労物質なのではなく、乳酸により細胞内のph値が酸性に傾くことで、エネルギー供給系に関係する酵素の働きが悪くなる、というのが一つの説になっています。

そして、こうした酸性に傾いた細胞を元に戻す緩衝作用というものが人間には備わっていて、その能力は、先日の200m全力走行のような高強度負荷をかけることで高まるという報告があります。

ただし、この回復力は、もう少し短期的な回復力なので、今回のような1日や2日レベルの回復力を向上させるものではないかもしれません。

そして最も有力なのが、先週末の3連休

実はもうこれまでも体にはだいぶ変化が起きつつあったのに、休養が(ランマニアにとって)十分機能していなかったため、そうした変化が十分に発現していなかった、だから先日のまとまった休みを入れたことで、一気に開花した(超回復した)という仮説です。

ですから、ここ1、2週間の練習というよりは、それまでに継続してきた一定期間のトレーニングが前提にあり、それが休養によってここで効果が現れた、という考えです。

なので、結局、ランマニア的にも「これだ!」というものはなく、体に変化が起こるのには、それなりに一定の目的を持って練習を継続しなければならず、そしてその分のしっかりとした休養を取らなければならない、というごくごく当たり前のことを再確認した、というのに過ぎないのですね。

ですが、それでいいと思っています。

ひとまず、自分で実感できる変化が起き、それによりもう少し上の段階の練習を行えるようになれば

こうした変化の積み重ねが記録や走力の向上につながるわけですね。

あの1日は今日のためのもの

こんにちは、ランマニアです。

先週金曜日は、本当はダニエルズさんが提唱している「閾値トレーニング」を行う予定だったんですが、疲れと筋の張りから、思い切って休養に切り替えたのですね。

ランマニアのような多くの生真面目ランナーは、こうやって予定していた練習を変えるとかやめるとか、というのは、本当に精神的にしんどいことと思います。(「今日はやめとくか」と簡単にやめられる気まぐれランナーが本当に羨ましい)

ですがランマニアは、最近こういう時は必ずこう考えることにしているのです。

「この練習をどうしてもやりたいのは、予定を変えたくないだけなんじゃないか? 本来の目的は速くなることだろう? 速くなるために本当に大事なのは、ここで怪我をしないことなんじゃないのか?」(そういえば、昭和の時代に流行したある格闘系マンガで「今日より明日」なんていう名ゼリフがありましたが、まさにそれです)

と。

そう考えるとですね、もう一人の自分が「うんうん、そうだそうだ。だから今日はやめよう。」と言ってくれて、無事に怪我や疲労を回避することができるんですね。

さて、そうやって一苦労しつつもなんとか予定を変更し、3日間スライドさせて、今日もう一度「仕切り直し」となったわけです。

ですがね、3日もスライドさせると、今度は「下手に失敗できないぞ」変なプレッシャーが出てくるわけですね。先発ローテーションのピッチャーが、雨でスライドして「中7日になったんだからいい球投げられるだろう」とファンにプレッシャーかけられるのと一緒ですね(プレッシャーの次元が違うし)。

そんなこんなで、今日は万全を期して閾値走を敢行しました。

この閾値走(閾値トレーニング)は、ダニエルズさん的には持久的トレーニングの中核に捉えている大事なトレーニングで、詳しくは本を読めばわかりやすく書いてあるのですが、とにかく一人でやるのはなかなかしんどい練習です。

ダニエルズさんの規定しているVDOTでは、ランマニアの閾値ペースはだいたい3分26秒くらい。

この閾値ペースはダニエルズさん曰く50〜60分走れる「快適なきつさ」のペースらしいのですが、いやいやとんでもない

確かにこのペースはランマニア的にはハーフマラソンのレースペースとほぼ同じで、まさにその「60分程度」(ランマニアでは70分以上)もつペースで、ドンピシャなんですが、これ、決して「快適」じゃないんですよ。

いや、多分、もう少し(というかかなり)若ければもっと楽なんでしょうが、基本的に年齢を重ねれば最高心拍数が徐々に落ちてきてしまうので、同じ酸素量を確保するにはおそらく呼吸でカバーしなければならなくなっていると思うのです。

だから、呼吸が異常に苦しい

脚はそれこそ「快適なきつさ」そのものですが、呼吸は快適なんてもんじゃありません。控えめに言って「死にそう」です。心拍数も最大180まで上がってましたから、これ理論値(220ー年齢)を遥かに超えちゃってます。

なので、このペースをダニエルズさんがエビデンスを示している「20分間」維持するには、それなりに調子の良い時でないと(ランマニア的には慢性疲労がある程度抜けている状態)難しいのですね。(実はこの辺はダニエルズさんもわかっていて、最新のVDOTでは「中高年用」があるらしいですね。原典の英文だったか、最新版だったか定かではないですが。)

そしてランマニアは、とにかく「20分」の方を優先させるため、ペースはいつも3分30秒を切るくらいに抑えて走るようにしています(力がつけばもっと上げようと思いますが)。

そんな閾値ペースでの練習でしたが、まず、最初の1kmは3分29秒とこれはまずまず。なんというか、狙った通りにペースが作れる時はだいたい調子がいい時です。

ところが、次は油断して3分33秒。多少向かい風の影響はあったものの、これは落ち過ぎ。

しかしその後は、ようやく脚の動きもよくなり、呼吸の苦しささえ我慢すればフォームも安定し、3分28秒、28秒、26秒と、最終的には本来の閾値ペースまで戻すことができました

こういう時に、「あの1日しっかり休んでよかった」と思うわけです。

ダニエルズさんのマラソン用プログラムでは、最終的にこの後60分のジョグを入れ、さらに20分閾値走をせよ、となっていますが、当然今のランマニアでは無理。

ただ、余裕はあったので、試しに30分だけジョグを入れて2本目をスタートさせましたが、まあいきなり3分52秒もかかりましたから全く話になりません

ただ、この閾トレーニングは、閾値ペースで走っている時のみならず、そのペースで走った脚の状態でさらに走り続けるところにポイントがありますから、ひとまずその劇遅なペースでも10分だけ走ってみました。(ていうか、快適っていうのは、これくらいのペース)

意外と余裕はあったのですが、ふくらはぎをいたわらなければならない状況なので、ここは我慢してやめました。「物足りないくらい」がちょうどいいのです。

こうして、あの金曜日の決断は結果的に功を奏しました

あの時、計画にこだわって無理に決行してしまっていたら、当然疲労でこんなタイムでは走れませんでしたし、たぶん肉離れもやっていたと思います。きっと今頃、「大後悔時代」に突入です。

ですから、練習量的には満足いくものではなくても、最低限のラインを維持できたことが今日は大きかったのです。

「嫌な予感」は体のサイン

ただの山登りも楽しいもんです。

こんにちは、ランマニアです。

この3連休、ランナーなら誰しも「よ〜し走りまくるぞ〜」とやる気満々で迎えた連休だったと思います。

ランマニアも、少なくとも1日は結構きつめのポイント練を入れる予定でした。サラリーマンランナーにとって、なかなかできない負荷の高いポイント練は、こうした連休はもってこいの機会ですからね。

しかし、ランマニアは今回はちゃんと休むことにしました

いや、この連休をまるまる休養に当てるのは、本当はもったいなくてしょうがないのですが、ここは我慢、今は無理しない、と決めました。

実は、昨日から今日にかけて、ちょっと超えてはいけない疲労のラインを超えつつある気配があり、このまま続けるのはあぶないな、と。

さらに、ランマニアのウィークポイントであるふくらはぎの張りについても、やはり超えてはいけないラインを超えつつあるので、こちらもあと一回無理するとあぶないな、と。

ランマニアの慢性疲労症状にしても怪我にしても、初期の「まだいけそう」な段階で取る行動が、走れなくなるかならないかの分水嶺だと考えています。

そして、今日はまさにその分水嶺で「嫌な予感」がしたので、今日はランをやめました。

「嫌な予感」って、体から発せられる何らかの異変を感じている証拠なので、ランマニア的には結構重視する感覚です(痛みの質とか疲労のレベルとか、言葉では言い表せない、なんとも言えない違和感を感じるとき)。

でも、せっかく天気もいいし体も動かしたいので、トレランではなく「ただの山登り」をしにいきました。

いつもなら力を込めてリズミカルに登っていく登山道も、ゆっくりゆっくり、のんびりと足を進めていくと、筋はまったく張らないし、むしろ適度に血流が良くなりほぐれてくる実感さえ味わえました。

帰りの下りは急坂を選ばず、ちょっと距離はありましたが、なだらかな尾根道を気持ちよく歩いてきました。

なだらかな尾根道は走りたくなる衝動を抑えながら

下は土で柔らかいし、坂も緩やかなのでふくらはぎにも負担はかからず、下山後はむしろ歩行中の下腿(膝から下)の軽さを感じるほどでした。

これ、おそらくアスファルトで「軽いジョグで様子見よう」とかやってしまったら、間違いなくふくらはぎは痛んだであろうし、疲労も軽快はしなかったと思います。

今日久しぶりにゆっくりハイキングをしてみて、改めて「走る」という行為は、かなりの負荷をかけているのだと、実感しました。

ジョグでさえ、脚にかかる負荷は相当なものです。

そして、走れないからといって、天気のいい休日に鬱々としているのもメンタルヘルス上よくないので、やれる楽しみを見つける、ということが意外と大事なのだろう、と。

とはいえ、周囲のラン友たちはみな、練習会やらタイムトライアルやらでとっても気になってたんですけどね。