まさか都内でバーティカル?〜「東京バーティカルレース」コースを一足先に試走してきました〜

こんにちは、ランマニアです。

もうこうなったら有給取るなら今しかない、と昨日も先週に引き続き平日休みをもらって山へ行ってきました。

都内は檜原村にある大岳山

大岳山と聞いてピンときたそこのあなた、きっと関係者(?)ですね。

そうなんです。今年のスカイランニングジャパンシリーズのバーティカル部門(なんのことやらさっぱりな方は検索してみてくださいね)の第2戦目が、ここ都内の檜原村が舞台に選ばれたのです。

これは事件です。ものすごい快挙です。

なにせこのスカイランニングの舞台は、通常、群馬や長野など急峻な山々が連なる山岳地帯が選ばれることが多く、累積標高1000m弱を数kmで一気登りできる急で長い登山道のある山でなければ実現し得ないスポーツだからです。

それがまさか都内にです。

正直ランマニアは疑っていました。

昨年出走した長野県烏帽子岳のバーティカルレースのような、あのランナーの大腿四頭筋をことごとく破壊し尽くす猛烈で終わりの見えない急登なんぞ都内に存在するわけがない、と。

そしてランマニアはどうしても確かめたくなったのです。この目で見たくなったのです、「都内にあるバーティカルコース」とやらを。

結論から言いますと、

ランマニアは完全に舐めていました。(ごめんなさい)

これは正真正銘のバーティカルコースでした。

通常我々が出場するトレイルランニングレース(スカイランニングやバーティカルレースも含む)の舞台となる山のほとんどは、別の山と稜線で結ばれている「連峰」です。いまいちピンとこない方は、これと対照的な言葉の「独立峰」をイメージするとわかりやすいです。

日本で最も有名な独立峰はいうまでもなく富士山です。トレランの舞台で独立峰が選ばれることは極めて稀で、そういう意味では「富士登山競走」はかなり特殊なレースといっていいでしょう。

そんな「連峰」が舞台になるスカイランニングのコースは、ある山頂を目指す際に、2段階のセクションがあるとランマニアは考えています

連峰はその名の通り、稜線、尾根によって隣の山頂が結ばれています。ですから、山頂を目指す際には、まずはその尾根の部分、稜線を目指すことになります

で、たいがい、この稜線にとりつくまでの登りがとんでもなく急で、ここでかなり脚をやられることになります。正直、ランマニアの脚力では走り続けることができず、終盤は「歩き」専門になります。

そして、稜線に近づけば近づくほど勾配はどんどん急峻になり、ランナーを激しく苦しめます。

さて、そうやってようやく稜線に辿り着き、しばらく穏やかな尾根道を軽快に走れるわけですが、そんな時間はそう長くは続きません

最後のピークを目指す急登にとりつくからです。

スカイランニングやバーティカルレースでは、最も急な登り坂(いや壁ですね)が最後に待ち受けているのです。

どれほど急かといいますと、足だけでは登ることができず、両手を使ってよじ登らなければ先に進めないほどの急坂です(だから壁なんです)。下手をすると累積で100mとか200mとかこれが続くこともあります。稜線までの登りで、たいがい脚は終わっている中で、です。

この2つのセクションをいかにして攻略するか。これがスカイランニングのポイントだと思っています。(スカイレースの場合は下りもポイントになりますが)

で、こんな過酷さを絵に描いたようなコースが、都内にもあったのですよ。

このバーティカルレースの舞台となる大岳山への登山道は、古来から使われてきた非常にクラシカルで伝統的な参拝登山道です。ですが今ではほとんど使われなくなってほぼ「古道」と化した忘れ去られた存在だったようです。

なぜそうなったのか。

走ってみればわかります。めちゃくちゃきついからです

この大岳山は、登山ガイドを見るとほとんどは「途中までは御岳ロープウェイを使ってね」と快適な登山道を推奨しています。こっちの元来の参拝道を勧めているサイトはほとんど見当たりません。それほど「きつい」ということです。

そして、先ほどから書いているスカイランニングの典型的なコース設定が忠実になされている、いわば「最短距離で山頂に到達する快速登山を具現化したものとなっています。

最短距離だからこそ「きつい」のです

さて、実際の登山道は、参拝登山道らしく鳥居をくぐると、そこからいきなり全開で始まります。はじめはやや勾配が緩めなものの、少し走ると急な斜面をつづら折りで登り続けることになります。この区間が非常に長く、ランマニアは途中から歩きました。

これくらいの勾配が延々と続きます。

登っても登っても終わりは見えず、いつまで続くのかと気持ちが折れそうになった頃に、ようやく稜線に辿り着きます。

ここで稜線に出会います。ここを左に向かい、しばらくは尾根道を快適に走れます。

ここから約1.6kmは唯一快適に走れる尾根道区間です。ここで力をためて、最後の急登に挑む準備をします。

そして2回目の鳥居をくぐったところから、いよいよ本格的な岩場が始まります。ただし、長野のレースで多く見られるピークまでの岩場ほどは長くはないので、もうここから最後の力を振り絞ってスパートをかけても問題ないでしょう。

はい、最後はお決まりの岩登り。もはや「ランニング」ではないですね。

山頂は思いのほか広く、富士山までを一望できます。晴れていれば絶景ですね。

さすが東京都。百名山でもないのにこの立派な石碑。

そんな、都内にあった奇跡のバーティカルコースは来たる6月6日にレースの舞台となります。日本スカイランニング協会公認のジャパンシリーズ公式戦です。

これは盛り上がりますよ。

「頑張り」の正体は「電気」なんじゃないか、と

こんにちは、今日もぼっち練のランマニアです。

実は今日も山へ行ってしまったのですよ、山へ。

山は空気が綺麗だし(ウィルスもいない)空も青いし、今日は春みたいだしで、まあとにかく控えめに言って「最高」でした。

山の話は次回に回すとして、実は昨日の段階で今日どうなるかはちょっと微妙な状態でした。

昨日はあえて大袈裟には書きませんでしたが、ここ数週間では最も疲労症状が悪化していて、これは長期休養が必要なパターンかな、と若干凹んでいたのでした。

ところが今朝起きると、昨日のダルさが嘘のように体がすっきりと軽くなり、だいぶリセットされた感覚が得られました。

こういうのは、本当に感覚的なものなので正直判断は難しいのですが、ランマニアが長年付き合ってきた疲労感へのセンサーはだいぶ正確になってきていて、「これはダメそう」「これは平気」という判断をわりと的確に出せるようになってきました

で、今日は大丈夫だろう、と。

大丈夫になった要因もある程度押さえていて、それは多分昨日、一昨日の練習によるものだと推測しています。

ランマニアがいつも「疲労」「疲労」と言っているのは、自分の中では「筋の疲労」ではなく「神経系の疲労」のことです。

疲労自体がまだまだ解明されていないことだらけなので、自分自身の仮説や推測もあやふやなんですが、体感的には筋疲労というよりは、そこへ情報を送っている神経系がうまく働かなくなっている感覚があるのです。

みなさんも、実験か何かでカエルやマウスの脚の筋肉に電気刺激を送ると、死んでいる状態でも脚が電気の入力によって勝手に動くのを見たことがあると思います。

人間の筋収縮も基本的には同じ原理で、筋につながっている神経系が電気的に興奮して神経伝達物質を筋に送り込むことで筋が収縮するようになっています。

で、この電気信号のそもそもの始まりは脳からで、我々は脳で脚を「動かそう」と「意識する」ことで筋が収縮して走り出すことができるのです。そしてこの「意識」の強さが「頑張り」とか「心的な努力」の正体なわけです。

つまり、「頑張り」は「電気の強さ」とも言い換えることができます。

筋そのものが疲れてくると、脳からは「もっと頑張れ」とたくさんの電気的な信号を神経を通じて筋繊維に送り込んで動かそうとします。そうすると、だんだんと神経細胞そのものも疲労(酸化)してくるという仮説があります。そして、ランマニアの疲労は実はこの神経系の疲労なのではないか、という仮説に、今のところ行きついているわけです。

で、なんだか前置きがめちゃくちゃ長くなってしまいましたが、そういう前提があるので、昨日、一昨日は、ランマニアは意識してこの「電気の強さ」を極力弱めて走ってみたのです。

人間は、半ば反射的に歩いたり、走ったりする動きができる生き物です。

ですから、特に疲れてなければ意識しなくても勝手に歩けますし、我々ランナーのように筋力がある人ならば、勝手に脚が動いているんじゃないかと思うほどほど楽に走れてしまいます。

昨日、一昨日のランマニアも、特に「頑張ら」なくても動くくらいのペースに抑えて練習をしました。もうタイムなど気にしません。脚が勝手に動くだけのペースです。

そりゃあもうとんでもない遅いペースです。キロ6分とか5分半とか。

でも、正直ペースなんてどうでもいいのです。とにかく電気信号を控えめにして神経を休ませたかったのですから。

ランマニアは経験的に「この頑張りはやばい頑張り」というのが自分の中では大体わかっていて、それは「疲れているのに無理してペースを維持している頑張り」です。

この2日間は、そのゾーンに入らないよう、常に気持ちをコントロールしていました。

おそらくそれが今日の回復につながったものと考えています。

まあでも、この理屈はすべて推測と体感的なものです。本当は違うかもしれません。しかし、正直だれもこの疲労感の正体を目で見ることはできないのであれば、自分の感覚でコントロールするしかないわけで、それを解明されている事実と自身の知識とで解釈するしかいんだろうな、と。

結果、今日は体も回復して山へ行けました。

ひとまず、「電気の出力」をコントロールした結果と捉えておくことにします。

一人でやる良さと集団でやる良さ

こんにちは、ランマニアです。

先週末のインターバル練習は、いつもぼっち練がデフォルトのランマニアにとっては久々の集団走だったわけですね。

学生時代までは、基本「部活」ですから、むしろ集団で走る方が普通で、一人で練習というのをいわゆる「自主練」とか言っていたわけです。

アマチュアスポーツは本来「自主的に」行うわけなので、「自主練」なる言葉があること自体おかしな話ですが、社会人になってからは365日全てがいわゆる「自主練」ということになります。

何人かのラン仲間や職場の人からは、「よく一人でそんなに走れるよね」と感心されます。

ですが、ランマニアは、なんというかこの「一人」で走るのがとても好きで、これまであまり苦に感じたことはなかったのですが、周囲からそう言われてみて、こうやって毎日毎日一人で走ることの、一般的感覚からする「特殊性」に、改めて気づかされたわけです。

一人で走るメリット。

これはとにかく、好きな時間に好きなだけ走れる、ということですね。集合時間に縛られることもなければ、走る距離やペースを合わせる必要はありません。「完全なる自由」。これはとにかく何ものにも勝るメリットです。

ほかには、いつでも勝手にやめられる、ということがあります。

もちろん、学生時代も調子が悪かったり足の痛みなどで、予定していた練習から離脱することはよくありました。

ですが、そういう時は、なんというか、自分だけ先にやめた後ろめたさや劣等感などが湧いてきて、あまりすっきりやめられないんですね。

そういう心理的な面からも一人は気楽です。無理そうならやめればいいですし、やれそうならいくらでもやればいいわけで。

これは一見、手抜きの原因になっているかのような印象を受けますが、ランマニア的には、故障やオーバーワークを防ぐ意味でもとても大切なことだと思っています。

ランマニアのように慢性疲労を抱えていると、「やめ時」は自分でないとなかなかわかりません。周囲から見ると、「気持ちが弱い」と思われそうなタイミングでやめることも多々ありますが、これは自分にしかわからない感覚で、そこでやめておかないと後々大変なことになるのです。

一方、集団で走る方のメリットももちろんあります。

例えば、先週で言うと、普通ならできないようなペースで走れてしまう(ペースメイクを他の人に委ねることができる)。普通ならやれない本数をこなせてしまう(競争心や意地みたいなものが原動力になる)。そんなよさもあります。

自分一人では追い込めない領域まで体に負荷をかけ、体の変化を促すには、集団走は最適です。

ただし、ランマニア的にはやはりこのダメージは少し大きいわけですね。

人間はある程度、心理的な努力で「苦痛」や「疲労」を抑え込んで走ることができます

しかし、もともと苦痛や疲労は体からの「もうやめた方がいいよ」のサインなわけですから、そこを超えてまで体を追い込むと、何かしらの障害が発生するわけです。

ランマニアでいえば、やはり疲労度は一人で行う時よりも圧倒的に高くなります。

トレーニング効果も大きいでしょうが、疲労で走れなくなる期間をトレードオフすると、どちらがいいか果たしてよくわからなくなります。

人間には闘争本能がありますから、たぶんすべてのランナーは負けたくないのです。集団で走ると、たとえ練習と言えども、闘争心に火がつきますね。手を抜こうとしても、まあ無理な話です。

さて、そんなことでちょっと疲労の状態がワンランク上がってしまった今の状態。こうなると無理はできません。

女性とマラソンを考える

こんにちは、ランマニアです。

今日3月8日は「国際女性デー」というんですね。欧州では、男性が女性にミモザをプレゼントするそうです。

それはさておき、今日は名古屋ウィメンズマラソンで、また素晴らしい記録が出ました。先週の大迫くんに勝るとも劣らない圧倒的で驚異的なレース展開。当初、びわ湖毎日マラソンをみていたランマニアも、途中から名古屋にチャンネルを変え、一山さんに釘付けでしたよ。

女性とマラソンを考える時、わたしは以前から日本人ランナーの過度な節制について問題を感じていました。

女性はもともと男性よりも脂肪が付きやすく、男性に比べるとどうしても「痩せる」ことへ意識が向きやすいと考えられます。

こうした意識が自己の歪んだボディイメージを誘発し、マラソンは、忍耐や我慢を強いられる競技特性と相まって、摂食障害などの重篤な精神疾患と親和性の高いスポーツであるとランマニアは考えます。

実はランマニアの身近な人でも、長年摂食障害に苦しみ、そこから立ち直って全国で活躍し続けている女性市民ランナーがいます。

また、つい去年あたりも、摂食障害に陥って苦しみ続けている女性ランナーのことがメディアで話題になりました。

ランナーに限らず、摂食障害を患っている方は体型を見るとだいたい一目でそれと判断できます。痩せ方が異常だからです。

そうした意味では、今日の一山さんはしっかりと肉付きもよく、健康的に体が絞れている印象を受け、安心したところです。

本来マラソンのような過酷なスポーツは、まず体が健康でなければできないスポーツです。何よりも、第一に健康が最優先だと考えています。

本来そのように健康でなければできないようなスポーツで、そこを害してまでパフォーマンスを向上させようとするのは、むしろ逆にパフォーマンスを制限していることだと、冷静になれば誰にでもわかることだと思います。

マラソンは、生理学の仕組みや栄養、エネルギー代謝など、極めて科学的な理論によって説明できる理詰めなスポーツです。我慢強さや忍耐力も確かに必要ですが、それはあくまでまずは健康と科学を重視した上での取り組みです。

走るには、様々な栄養素が必要です。糖質はもちろん、タンパク質も、そして脂質でさえもエネルギーとして利用されます。そうした知識があれば、たくさん練習するにはたくさん食べる必要があるし、たくさん練習した後はたくさん食べなければならないことは、誰にでもわかる事実です。

今日の一山さんはたくさん食べるみたいです。

食べるものをカロリーだけで考えるのではなく、その内訳、栄養素で考えましょう

糖質、脂質、タンパク質、全てが走るためにひつようなエネルギー源になります。

「太るー痩せる」理論で考えるのではなく、走るために何が必要になるかという観点で、ランマニアは毎日好きなものをたくさん食べていますよ。

練習がスイッチを入れ、休養が効果を発現させる

こんにちは、ランマニアです。

いやー、今朝は久々にしんどかった。

高校生と一緒にインターバルトレーニングをやったのですよ。しかも1000mを5本とかいう、数日前から憂鬱なやつを。

この練習は主に最大酸素摂取量を向上させるためのトレーニングで、ダニエルズさんの換算式で算出すると、ランマニアは1km3分15秒弱くらいのペースで行うことが望ましいとされています。

ただし、ランマニアの場合は慢性疲労症候群がありますので、レースの結果はその分差し引かれて、若干身体能力をすべて出し切れていない感覚があります。

ですので、ダニエルズさんのVDOTよりも若干速めのペース設定で練習を行うようにしています。

なので、今日のような1000mのインターバルは3分10秒を目安にしています。

で、今日の高校生や集まった仲間たちは、ちょうどそれくらいのペースで集団を形成してくれましたので大変ありがたく、ランマニア的には非常に好都合な状況でした。

結果、5本の内訳は、3分13秒、09秒、11秒、10秒、09秒という、ほぼ設定どおりに行えて、これはもう今日のメンバーに感謝です。

さて、これだけの練習をこなすと、やはり疲れも尋常じゃないんですね。もう午後はぐったり。昨日は戦闘モードで疲れを感じない、なんて言いましたが、そんなことはなく、もう家でゴロゴロするしかないほどですよ、本当に。

さあ、大切なのは明日以降です。

自分の感覚ですと、今日のダメージはかなり大きいと考えています。

高校生たちと張り合ってますから、普段なら簡単にやめてしまうようなキツさでも、心理的にカバーして人間の脳が持っているもともとも防御機構「もうやめた方がいいよ」を抑え込んで走ってしまいました。

これをやった時は、自分が思っている以上に体へのダメージが大きく、このあと数日どっと疲れが来ることが予想されます。

もう一度言いますが(というか自分に言い聞かせますが)、本当に重要なのはここからです

トレーニングを積んで、その効果が現れるのは「休んでいる時」です。

トレーニングは体を変える「スイッチ」を入れる作業

休養は、スイッチが入った体を「変える」作業

です。

つまり、トレーニングは常に「休養」とセットだということです。

体は休んでいる時にダメージが修復されながら組織が再構成され新しい体が出来上がっていきます

そして、人間の体(というか生命体)がすごいのは、そうしたダメージを受けると、それを修復して再び回復すると、それまでの能力よりもさらに高い能力が身について再生される特性があります。

これを超回復と言ったりします。

ちょうど、木の枝を刈り取ると、その場所から非常にたくさんの若い芽が生えてきて木が若返るのに似ているでしょうか。

人間の体も、現在の持っている体がダメージを受けると、その再生の過程で能力が高まるような回復を見せることがわかっています。

ですから、この回復の過程をしっかり作ることがトレーニングをする上で非常に重要だと考えています。

なのでランマニアは、今日のような体に大きな負荷のかかる練習をした時は、最近はしっかり休むようにしています。

知り合いの中には、こういう練習の翌日に30kmとか40kmとかを走ってさらに負荷をかける人もいますが、正直わたしにはそれは無理ですし効果も見込めないと思っています。

今のランマニアの体は、体がダメージを受けてその損傷をせっかく修復している最中ですので、ここで追い討ちをかけるようにさらに損傷を加えてしまうと、その回復分を帳消しにしてしまう印象を持っています。

こうした、負荷をかける→回復させる、のサイクルを出来るだけ長く続け、体が大きな変化を起こして、私たちランナーにとって重要な「走力が高まる」現象が現れるのは、だいたい6週間程度とダニエルズさんは言っています。約ひと月半というところでしょうか。

ランマニアは2月中旬から2週間ほど、ふくらはぎの状態を回復させるため、一時的にポイント練をやめていました。

ですから、3月から6週間というと、ちょうど4月の半ば頃になりますね。

本当はこの時期にレースを入れて走力の高まりを確認したいところですが、このコロナ騒ぎでどうなるかわからないところが辛いところです。

ただ、いまはそれなりに手応えを感じているところなので、ひとまず怪我に注意しながらこのサイクルを維持していこうと考えています。

今のその疲労感は今の疲れではなくて

こんにちは、ランマニアです。

一昨日の山トレの疲れが、今日になってどっと出てちょっとだるいです。

ランナーの皆さんなら、誰でも経験あると思いますが、少し強度の高い練習をした後って、しばらくたってからその疲れはでませんか

ランマニアの場合は、だいたい3日後くらいがいつもピークです。

人間は、恐怖や興奮を覚えたときには、体が「戦闘モード」に入って敵と戦って(もしくは全力で逃げて)身を守るために、苦しさや痛みなどを感じないように脳の中が麻痺するようにできています

ですから、レース中は、練習だったら我慢できないような苦しさやしんどさも多少は我慢できるようになるのです。

ところがこの脳を麻痺させる物質は、戦っている(運動している)時だけでなく、それが終わった後もある程度出続けているのです。

するとどういうことが起きるでしょうか。

激しいレースを終えると、筋繊維が傷ついたり、筋肉や神経系の細胞が酸化するので、本来は休養をしてそれを修復しなければなりません。

しかし、一方では脳からはその痛みを和らげる物質が出ている状態なので、体がうけたダメージを感覚として感じられない状態になっています。

なので、レースの翌日とか、激しい練習をした翌日とかは、意外と頭は元気で、「今日もいけんじゃね」的な高揚感が続いてしまうのです。

それでも、体の組織は確実にダメージを受けていますから、それを無視して激しい練習を続けてしまうと、そのダメージがなかなか回復しないまま時間だけが過ぎていくことになります。

そしてそうこうしているうちに、痛みや疲労を麻痺させていた物質も止まり、実際に疲労を起こしてから数日経って激しい疲労感が襲ってくるのです。

ですから、いまランマニアが感じている「だるさ」は、厳密にいうと「今日の疲れ」ではなく、「一昨日の疲れ」と言い換えることができます。

また、「疲労感」の恐ろしいところは、「慣れ」が生じるところです。

疲労感は、痛みや苦痛と違って、ある程度さらされると、その感覚にだんだん慣れてきてしまって、はじめのうちに感じた強い疲労感が少し軽減しただけで、「もう回復した」と勘違いしてしまう特徴もあります。

こうなると、疲労が全くない状態での最高パフォーマンスが発揮できる体に戻らないまま、中途半端な回復状態で、なんとなく不調な状態で練習を続けてしまいます

当然記録も伸びません。

これが、オーバートレーニングやスランプの状態です。

ここまで来ると、本来なら2〜3日の休養で回復したはずの疲労が、数週間単位で休まねばならない状態に陥ってしまいます

疲労は、怪我と同じように、「初期対応」を間違えると結構深刻な状況になりますので、疲れたときは迷わず休むことをお勧めします。

休んだ方が強くなる理由は、次回説明します。

青梅の山を走ってきました

雨が降らずによかったです。

こんにちは、ランマニアです。

コロナ騒動でお仕事がなくなり、今日はお休みをもらいました。

で、せっかく平日の昼間に時間があるので、久しぶりに山を走りに行きました。山なら、感染の危険性がほぼゼロですからね。

ランマニアは、もう10年ほど前からトレイルランニング(厳密に言えばスカイランニング)に取り組んでいます。

もともとは、マラソンを速くなるために、脚力や心肺機能、それから体幹を鍛えるために始めたのがきっかけです(実際にはそのどれもあまり鍛えられませんでしたが)。

初めは、「本業」のかたわら「レジャー」のつもりで始めたのですが、次第に山の魅力に取り憑かれ、また成績もそこそこ残せるようになってきたことで、夏から秋にかけてはそれなりに本気で取り組むようになってしまいました。

実は、トレーニングには3つの原理があると言われています。詳しくは、ネット上に溢れていますので参考にしてください。

その一つに、「特異性の原理」と言うのがあります。

走るトレーニングは走ることを鍛えますし、ピッチング動作はピッチング動作を鍛えます。

それと同じように、このトレイルランニングにも当然特異性の原理が適用され、トレイルランニングにはトレイルランニングのトレーニングがあると言うわけです。

ですから、本来、トレイルランニングを速くなりたければ、山をたくさん走ることが最も効果があるのですが、ランマニアのようにメインがマラソンにあるようなランナーは、そればかりやっているわけにもいきません。

トレーニングには特異性の原理がありますから、トレイルランニングの練習ばかりしていては、マラソンが遅くなってしまうのです。

ところが、マラソンもトレイルランニングも、実は共通の要素があります

それは、心臓や血管などの循環器系と、肺などの呼吸器系の機能ができるだけ高い方がパフォーマンスを発揮できると言う共通点です。

長い距離を走る脚の筋力(やエネルギー代謝)、と言う点では、ロードを走るのと山登り(下り)をするのとでは、使う筋肉が意外と異なるので、それほど共通しているとは思ってはいません。

とにかく、そうした「心肺機能」は明らかに影響しますから、ランマニアは、長距離練習で鍛えた心肺機能を生かして、トレランを走っている、という感じです。

ところが、マラソン練習では絶対に鍛えられないのが、急な登山道をぐいぐいと登っていく登坂力と、その同じ道を駆け下りてくる下山力です。こればかりは、山を走るしかないので、ランマニアは、シーズンに入る前に少しずつ山へ行って体を慣らすようにしているのです。

前置きが長くなりましたが、そんなことで、今日は山トレをしたということです。

山トレで大事なのは、水平距離ではなく垂直距離(累積標高)です。

走る距離よりも、登った距離です。

今日走った青梅の雷電山までの青梅丘陵は、標高が400〜500mの低山ですが、ほとんど尾根道を進んでいくもののの、かなり激しいアップダウンがあり(基本的に稜線は平坦ということはありません)、青梅駅から雷電山往復で、累積標高1000mを超えました。

ランマニアの出場するスカイレースは、だいたいが累積標高2000mを超えるので、今日くらいの練習では全然足りてないのですが、まだオフシーズンなのでこれくらいで留めておきました。これ以上走ると、ランマニアは疲労が一線を超えてしまうので。

今日走った青梅丘陵は、初めて行きましたが、低山と思って甘く見ていると、痛い目に遭います(遭いました)。

途中までは整備された遊歩道ですが、半分から先は本格的な登山道です。急登も何度も出現します。

おそらく、都心から最も手軽にアクセスできるトレイルコースですので、初心者だけでなく、本格ランナーがトレーニングする場所としても不足はないと思いますよ。

閾値を超えてはいけません

こんにちは、ランマニアです。

ランナーにとっては、色々な意味で衝撃的だった昨日のレース。

一夜明けても、なんだか余韻が覚めず、まあ自分のような凡ランナーにはかすりもしない世界の出来事であったにもかかわらず、ランナーやっててよかったなぁ、と心底感じられるレースでした。

さて、そんな日に練習すると、ろくなことがありません。

現在ランマニアは、週1のポイント練という間隔で、体に負荷をかけています。自分の体の状態とかけられる負荷のバランスが、いまのところ最も得られやすいタイミングだと感じているからです。

昨日の練習は、無酸素性作業閾値(AT)を高めるための練習で、自分にとってのその辺りのペースで、一定時間走り続ける、というものでした。

ダニエルズさんの換算式では、ランマニアの閾値ペースはだいたいキロ3分30秒前後。

このペースで、最低トータル40分くらいは走ることを推奨しています。ランマニアは、たいていこの練習をする際は20分を2回に分けて走りますが、よほど体調が良い時でないと、2本も走れません。

ですから、昨日もまずは20分を目標にチャレンジしました。

ところがです。午前中大迫くん見て興奮してたんだかなんだか、いきなり最初の1kmの入りが3分22秒というとんでもペースになってしまったんですね。

いや、大迫くんはあまり関係なく、おそらくここのところの疲労をしっかり抜く取り組みが功を奏して、自分にとっての「閾値」が若干向上していたんだと思います。

でも、こういう時、本来ならちゃんとペースを落として、目的にしている練習をしなきゃいけないのです。だって、無酸素性作業閾値を向上させるには、40分程度は走らないといけないわけで。それができないペースで走ってしまっては、そもそもの目的から外れてしまいます

で、一応、ペースを落とそうと試みたんですが、なんだかんだで、もうだめでした。

人間はATを超えて走ろうとすると、しだいに呼吸が苦しくなってきます。特に、心拍数が上がりにくいランマニアのようなおじさんではその苦しさが半端なくなってきて、それほど長くは走れなくなるのです。

そんなことですから、当然20分も持ちそうになくなり、じゃあもうしょうがないからキリのいい5kmで終わりにしよう、となってしまうんですね。

これは一番やってはいけない練習

高校の時なんかは、練習は毎回必ず最後はレースになってバチバチに競い合ってましたが、それは若いから。おじさんは許されません。若くはないのです。

本当はしっかり20分間閾値ペースを維持して、次やるときは20分をもう一回できるように体を慣らせたかったのです。だけど、思いの外調子が良く、5kmを16分台でいけるかも、とか訳のわからない欲が出て閾値ペースをはるかに超えてしまいました。

まあ、充実感はありましたがね。

次の週末はインターバルをやる予定です。

「魔の区間(20〜30km)」

こんにちは、ランマニアです。

大迫くん、凄かったですね。最後までテレビに釘付け、あっという間の2時間5分。最終コーナー曲がったところでのガッツポーズ。

マラソン見ていてこんなに興奮したのは、いつ以来でしょう

そしてまた大迫くんのフォームのすごいこと。

終盤脚が止まった黒人ランナーよりも、はるかにダイナミックな接地と蹴り出し

ランマニアはかねてから、スピードを上げられるしっかりとしたフォームを身につけてから、そのフォームで長く走る練習をする方が良いのではないか、と考えていますが、まさにそれを具現化していたのだろうな、と、あのダイナミックなフォームを見ながら考えていました。

さて、ランマニアは、また何のエビデンス(科学的根拠、統計的根拠)もないランマニア的な視点で今回のレースを分析していました

慢性疲労を抱えているランマニアが、40km以上も休まず走るために、毎回のレースで失敗を繰り返しながらある工夫を見出していました

ランマニアがマラソンを始めてしばらくは、とにかく終盤に慢性疲労症状が悪化して急激にペースダウンする、という失敗を繰り返しました。

30km過ぎには脚が棒のようになってしまい、激しい痙攣におそわれ、10km近くも歩いたり走ったりを繰り返す惨状です。

例えば、自己ベストを出そうと1kmあたりのペースを決め、そのペースでラップを刻んでいくことを、おそらくほとんどのランナーの皆さんはやっていると思います。

ランマニアも同様で、例えば1km4分ペースを10km、20km、30kmと維持していくのです。

ところがある時、このパターンが失敗を誘発していることに気づきます

あるレースで、途中でなんとなく疲れてしまって、20kmから30kmの区間のペースが若干低下した時がありました。キロ4分ペースで走っていたら、ほんの数秒のキロ4分5秒とかそんなもんです。

しかし、このレースでなんとベスト記録を出したのです。

いつもはペースがガタ落ちする30km以降も、多少のペースダウンはあるものの、大幅な落ち込みはなく、なんとか最後まで持ち堪えてゴールし、しっかり走り切れたのです。

いつもの大幅なペースダウンに比べれば、20〜30kmの数秒のダウンは些細なことでした

この時思ったのです。

マラソンのような長丁場では、途中、あえてペースを抑えて若干休みを入れる必要があるのではないか、と。

確かに長距離のほとんどの種目では、設定ペースを決めて、そのペースで行けるところまで行く、というのが一般的な走り方です。

でも、マラソンのように走る時間が長い場合は、気持ちで疲労を抑え込んで走れる時間は限られていて、せいぜい5kmから10km。だから、最後の5〜10kmを気持ちで押し切るためには、その前にいったん休む必要があるのではないか、と考えました。

その後ランマニアは、フルマラソンでは20〜30km区間の走りを特に気を使うようにしました

その区間で、ちょっと脚が重くなってきたら、無理にペースを維持しようとせず、思い切って数秒落としてしまう。数秒ですから、最終的にはそれほど大した時間ではありません。

もちろん、エリートランナーのように数秒で日本記録がどうのこうのな人たちには危険な選択ですが、ただ、それとて終盤のペースダウンを考えれば、些細なことだと思っています。

で、ランマニアの場合はそれが結構うまくいき、その後もベストが出るときは、大抵この20〜30kmの「魔の区間」をうまく切り抜けられた時です。

そして今日の大迫くんです。

まさに20〜30kmの区間でいったん集団から離れて、意図してか否かは別として、終盤に向けて良い休養、準備ができたのではないか、と。

一方、井上くんは30kmまで果敢に先頭について、設定したタイムを頑に維持しました。それはそれで素晴らしいことです。しかし、あの終盤のペースの落ち方を見て、圧倒的にレベルは違いますが、かつての自分の失敗が思い出されたのでした。

井上くんに限らず、あのペースを維持した黒人ランナーの何人かは、終盤大迫くんにとらえられました。圧倒的な自己ベストタイムをもつ上位3名は仕方ないにしても、それに次ぐ4位ですから、もう最高の走りをしたと言って良いのではないかと思います。

こんなへっぽこランナーと超一流ランナーが同じ失敗をしているわけがない、と、私自身思います。

ですから、これは自分の失敗や成功と同等のものであると言っているわけではなく、あくまで、個人的な体験と今日のレースとがオーバーラップされて感じた感想である、ということです。

改めて、あの「魔の区間」をどう攻略するかが、自分にとっては重要になるなと感じさせられた、今回の東京マラソンでした。

東京マラソンを振り返る

こんにちは、ランマニアです。

さて、明日はいよいよ東京マラソン。エリートの皆さんは、こんな時だからこそ快走して、レースを楽しんできてほしいと思います(いや、エリートは楽しめないか・・・)。

エリートでない私たちは、国内最高峰の戦いをテレビの前で見守りたいと思います。

こんなランマニアですが、実は東京マラソンには過去何度も出場しまして、色々な思い出があるのですね。

まだコースが月島の方まで走って、東京ビックサイトがゴールだった頃のあの最後に待ち構える激坂の思い出。

気温2度前後で雪が降り頻る中で40分以上スターティングエリアで凍えていたこと。

そして、なんと言っても新コースとなって初めての出場となった2017年。

2017年大会は、ランマニアが目標としていた2時間40分を切った初めてで唯一の大会。この日のことはいまだに忘れられないですね。

慢性疲労を発症して、もう走るのは諦めなければならないと覚悟してからちょうど20年。こんな体でフルマラソンを走れるなんて、ましてや2時間40分を切るなんて、正直「絶対無理!」って思ってましたから。

まあ、月並みな言い方ですが、この2017年東京マラソンは、奇跡の大会だったわけで。

また、この2017年大会は、ランマニアにとって初の「準エリート」枠での出場で、これもまたモチベーションをさらに高めました。

別に特別エリアからスタートできるわけではないんですが、一応ゼッケン違うでしょう。変なリストバンドももらえるし。これつけてると、「おれ準エリなんだぜ〜、ワイルドだろう〜?」などとドヤ顔できてたわけです。撃沈すれば恥ずかしい思いをするもまた特別ゼッケンの宿命でもありますが。

新コースは、最初の10kmは旧コース同様一気下りで、ここで大幅な貯金を作れました。

ランマニアは、40分切りを目指すペースで走っていたのですが、10kmまでで2分近い貯金があり、その後、1kmごとに1秒ずつ使っても全然大丈夫、と気持ちを楽にした覚えがあります。

日本橋からは浅草方面へ向かい、こちらも順番は違いますがかつての旧コースと大体同じ場所を走ります。旧コースと違い、浅草が前半に来るので、雷門前の大声援を元気なうちに浴びることになるので、とにかくオーバーペースにだけは気をつけました。

雷門で折り返して、いよいよ蔵前から新しいコースになります。

ここからは、何度か川を渡る、唯一上り区間の存在するコースです。

ランマニアは試走の段階から、この蔵前→門前仲町→蔵前がポイントになるのではないかと考えていて、実際その通り、この区間のアップダウンで結構足に来てしまいました。明日走るエリートランナーはこんなへっぽこブログを見るわけはないですが、今後東京を走ることになった皆さんは、ぜひこの区間を気をつけて走ってほしいと思います。

30kmが銀座で、ランマニアはここまででかなり余裕がないと危ないと考えていました。

で、余裕は若干なくなりつつあったのですが、もっともやらかしてしまったのは、ここの給水で足をかけられたくなくて、ちょっとペースアップして前に出て給水を取ってしまったんですね。

これで一気に足に来てしまい、品川を折り返して帰ってくる頃には、もう足が動かなくなりつつありました。

それでも、残りはもう5kmちょっとですから、気持ちで走るしかありません。両足とも痙攣しかけていましたが、「自己ベストが絶対出せる」ということだけを考えて足を動かし続けました。

いよいよ40kmを通過し、残りたった2kmというところですが、フルを走った人ならお分かりのとおり、本番はここからです。

この状態での「残り2km」って、信じられないほど気の遠くなる距離です

脚、終わってるんです、本当は。でも、自己ベストへの執念だけで脚動かしてるんです。

そして残り1km。ここでもまだベストが出ると信じきれません。

で、なんとこのコース、最後の1kmはまさかの「石畳!

痙攣した脚にはこれが針のむしろのようにこたえ、本気で途中で止まるんじゃないか、と。

それでも沿道の大声援とこれを逃したら二度と40分は切れないという危機感だけで足を動かし、なんとか40分切りを達成しました。

40分切りを確信したのは、42km地点。つまり、あと0.195kmを残した時点だったわけで。

今にして思うと、よくやったわ本当に、って人ごとのように思います。

そんな思い入れ深い東京マラソン。

またいつの日か必ず出場したいと思っています。

明日はテレビに映し出されるコースを見ながら、当時のことを思い出して楽しもうと思います。