本気を出さず、本気を出す準備だけしておく

こんにちは、ランマニアです。

今月3回目のVO2Maxインターバルを雨の中やりました。

3回とも同じコースで、3分間「これなら10〜12分程度維持できるスピード」を維持して、それを5回繰り返します。

10分間維持できるといっても、3分でいっぱいいっぱいになってしまうのですが、実はレースであればその「いっぱいいっぱい」なところから、心理的に苦痛を抑え込んで持っていってしまうんですね。

このあたりが、練習とレースの心理的な面での違いであり、体にかかる負荷の違いでもあります。

誤解を恐れずにいえば、ランマニアは練習で「相当手を抜いています」。

そうですね、レース中の「本気度」を10とすると練習は6行くかどうかです。簡単にいえば相当な「出し惜しみ」ですね。

理由は二つあります。

一つは、「頑張る必要がない」からです。

練習は、その目的に応じて距離やペース、本数が決められているので、それ以上のことをやる意味はないのです。いや、心理的な「満足感」を得たければその目的は達成できるでしょうが、練習の生理学的、神経学的な目的を達成するには、その決められた負荷や強度で十分だからです。それ以上苦しむ必要はなく、ランマニアにはその趣味もありません。

もう一つは、「明日も練習がある」からです。

1回のレースのダメージは相当なものです。想像を絶するものがあります。人間は体が壊れないようにある程度のリミッターが効くようになっていて、それが「苦痛」としてサインを出します。基本、「苦痛」を感じたならば、もうそれに従ってその活動を停止すべきなのです。

ところが人間は欲深い生き物で、何かの報酬を得ようとするならばその「苦痛」すら乗り越えてなんとしても我がものにしようと企みます。

「自己ベスト」「PB」「優勝・入賞」

なんと響きの良い言葉でしょう。

このためなら、簡単に脳のリミッターを解除できてしまうのがランナーという生き物です。

こうした報酬のためにリミッターを解除して「苦痛」を押し通して(あるいは脳内物質によって感じないようになって)走ってしまえば、当然翌日はおろか、数日は休養が必要となります。想像を絶する体へのダメージと引き換えに、報酬を手にするのです。

で、普段の練習でこんなことをしようものなら、まあ当然数日以内に大きな不調の波はやってくるでしょうし、想定外の故障もしてしまいます。ランマニアは「練習PB」にも興味はないので、当然翌日以降の練習を優先してリミッターを解除することはしないようにしています。

そんな理由から、ランマニアは常に練習では「本気を出していない」のですね。

ただですね、レースで本気を出すには「本気を出す準備」はしておく必要はあるかなと思っています。

「本気を出す」のと「本気を出す準備をする」のとでは、言葉の遊びのようで意外と意味合いが異なると思っています。

例えば、今日のインターバルなら10分持つペースなわけですから、まあ初めっからキツキツではないペースなのですが、やはり3分間の最終盤はそれなりにしんどくなります。

そのしんどくなった時に、それに身を任せて脚を止めてしまうのではなく、「ここちょっと踏ん張るぞ」と少しだけ出力を上げてそのペースを維持するのですね。いやその時間は本当に少しです。あまりその時間を長く取ってしまうと、本当に「本気を出す」ことになりかねませんから。

こうやって、一本一本の最後、あるいは5本のうち最後だけでも、「本気を出そうとする」時間を少し作って「本気を出す準備」をしています。

でも本気は出しません。

「本気」はレースの時までとっておきます。

毎日が綱渡り

こんにちは、ランマニアです。

ゴールドプログラムフェーズⅡも2サイクル目が終了し、明日からいよいよ3サイクル目に突入です。

フェーズⅠから考えると、もう6週間もこのサイクルを続けていて、思い返すとよくここまで続いたものだと、我ながら驚きの事実です。

毎日淡々とTwitterに練習内容を上げているとなかなかわかりませんが、実は結構1回1回の練習が綱渡りで、意外と「明日の練習ができるかどうかすら未知数」的な状態で練習を続けています。

ペースとかタイムとか本数を見ただけでは、「そこそこやれてんじゃん」と思われるかもしれませんが、自分としてはあくまでそれは結果であって、そうやれる自信は毎回ないのですね。

今までも、「さすがに今日は無理だろう」という日が実は何日かありました。油断をすればいつでも疲労が一線を超えて走れなくなりそうな感覚はあります。

なので、インターバルやレペに限らず、なんてことのないジョグの日であっても正直気が抜けません。

「今日の無理は確実にいつか効いてくる」という恐怖(は言い過ぎか)と隣り合わせなわけですね。

それがあるので、とにかくジョグだろうがインターバルだろうが常に前々から言っている「出力」を意識しているのですね。

長年長距離を走っていると、残りの距離と今のきつさとの兼ね合いで「あとどれくらい脚は(呼吸は)持ちそうか」という、非常に感覚的ではありますが、なんとなくそういうものがわかるようになってきます。

トラックなら400mごとに(もっと言えば200mごとに)ペースをモニタリングできますが、普段練習している「自作」コースでは見れても1kmごとです。そうすると、基本ペース配分は自分の「感覚」だけが頼りになってくるわけで。

そして、この感覚は自身の「調子」や「疲労」にも応用でき、ランマニアの場合は毎回の練習でこれを頼りに出力を調整していることになります。

例えば、毎週火曜にやっている3分インターバルはVO2MAXペースで3分間疾走するのですが、実は毎回「5本やり遂げるペース配分」ではやっていないのですね。そんな「5本目で出し切るような」ペースでやってしまっては、もうしばらく走れなくなってしまうからです。

具体的には「余力を残して5本やり遂げるペース」を常に意識しています。

これは200mのレペも同じです。16本を絶対に出し切らないように、16本目を終えてもまだまだ今日は走れそうだぞ、というくらいで終えられるように。

で、そのペース配分はどうしているかというと、これはもう本当に体感的な情報を頼りにするしかなく、前述した「このペースなら5本を余力を残して終えらる」と感じられる出力、ということになります。

当然この意識はジョグの日も同様で、例えば今日の120分E runningでも絶対に使い切らない、という意識で走ります。

ところが今日は、途中でペースが上がりすぎ(起伏のあるコースだとこういうことが起こりやすい)、120分を待たずにかなりいっぱいいっぱいになりかけてしまったのですね。出力0を意識したつもりが、小刻みなアップダウンを繰り返しているうちに、自然とペースが上がってしまったのです。

以前なら、こうなったらもう出力を上げてそのペースで120分押し通してしまっていたと思います。

しかし、今はとにかくこのサイクルを継続することが大切だと考えていることから、「あえてペースを落として」いったん疲労を回復させて走り直したのですね。今日のジョグで出し切ることは、何の意味もないわけです。

とにかく、今日のようなことがないように毎日常に「出力」を意識し、「この感覚は少し出力が高いぞ」という体感的な努力感を常に気にしながら走ることが重要なのです。

こういう体感的な基準は心理的な面がかなり影響するので、いつも一定に保つのは非常に難しいのですね。

ランマニアの中では、「このペースを維持するのはちょっと無理をしている」という感覚が境目かな、と思っています。(インターバルやレペでは終盤そうなってしまうのは仕方ないですが)

この「無理している」時間をできるだけ短くするように、一度そうなってもすぐに出力を落とせるように気を付けて走っています。

なので、1日1日の練習がやっぱり綱渡りなわけで、その日の練習が終わったら毎回「明日は走れるかどうか」と、まあ考えてしまうわけですね。

短距離も速いおじさんになりたい

こんにちは、ランマニアです。

ゴールドプログラムフェーズⅡも、早くも2サイクル目が終わろうとしていて、スピード練ではVO2MAXインターバルが2回、200mレペティションも今日で2回が終了しました。

フェーズⅠでは、400mのレペと20分閾値走の組み合わせでしたが、フェーズⅡでは3分インターバルと200mのレペの組み合わせになりました。

はじめ、このフェーズⅡのメニューを見た時に「少し楽そう」と大いなる勘違いをした理由に、400mのレペが結構しんどかったのでそれから解放されることへの安堵感からでした。

ところが実際このフェーズⅡのサイクルに突入すると、思いのほかきつかったのがVO2MAXインターバル。

このペースの3分間というのは最後の1分から30秒あたりでかなり苦しい時間が待っているのですね。さらに結構なペースで3分間も疾走するため脚への衝撃も侮れません。

これが週に1回あることが、結構心理的にタフなのです。

なので、実際やってみての結論は「全然楽じゃない」。

一方で、新たに加わった200mのレペ。

こちらは長距離ランナーにとってはかなりの「短距離走」で、なかなか新鮮な気持ちで取り組めています。

疾走時間は平均すると33秒ちょいですから、短距離走者からすれば「流しかよ」と思われそうなペースですが、我々長距離ランナー的には「1km2分45秒ペース」で、まあ結構なスピードなわけです。

この200mレペは全部で16本なので総距離で言うとたった3.2kmしかなく、ほとんど脚が疲れるということはないのですが、一本一本で見ていくと、結構「一生懸命」走る必要があります。

そんな「短距離走」ですが、今回2回目ということで、だいぶフォームも大きくなり、神経系も作られてきたのか素早い脚の動きも可能になり、ちょっとだけ「短距離を走る面白さ」みたいなものを感じられるようになりました。

まあ16本もやりますから、全然短距離っぽくはないのですが、短い距離をある程度のスピードで駆け抜ける、という、普段の練習では味わうことのない「スピード感」を味わうだけでも長距離ランナーには刺激的なのですね。

余談ですが、今日の練習場は、様々な部活の中高生たちが「自主練」をしているのですが、こんなスピードで走っている「おじさん」はランマニアただ1人なわけですね。

まあ、ちょっとした注目を浴びてしまうわけなんですが、やっぱり「短距離が速いおじさん」には、自分自身憧れがありますよね。

なんせ、たいてい街で見かける走っているおじさんは「ジョギング」ですからね。

短距離走は脳トレ走

こんにちは、ランマニアです。

今月からダニエルズさんのプログラムもフェーズⅡに突入し、火・金の練習が若干変更になりました。

昨日の金曜は、これまで火曜にやっていたショートのれペティションの日だったのですが、フェーズⅡからは200mに変わりました。本数は、8本を間5分のジョグでつないで2セット、合計16本です。

フェーズⅠは400mを10本でしたから、単純に総距離だけで見ると若干減っているので、「意外と楽そうだな」と長距離ランナーは見かけの距離だけですぐにそう判断してしまいます。

そして実際に走ってみますと、400mなら「400mを最後まで持つペースで」、200mなら「200mを最後まで持つペースで」という意識に変わりますので、400mの時よりも若干「攻めた」走りになるわけですね。

400mの時はその意識ですとだいたい70秒前後で10本行っていました。

そして、昨日は同じ意識で走ったところ、一本目こそ31秒台と少しオーバーペース気味になってしまいましたが、それ以降はだいたい33秒を少し超える程度のスピードで安定しました。ちょっと速いですが、昨日は追い風がかなり強かったのでVDOTから換算された35秒よりは若干速くなってもおかしくなかったと思います。

この33秒というのは、もし400m走れば67秒くらいになるペースです。つまり、距離は短いですが、先月取り組んだレペのスピードよりも明らかに速いわけです。

速いということは、当然「少し頑張ら」なければならなくなり、以前から話している「出力」を上げる必要が出てきます。筋力は発揮しようとする「意識」によって強弱がつけられますから、だいぶ脳からの情報を強めに出して走った感じです。

そのせいかどうかわかりませんが、昨日終わった後は、脚の疲れはそれほどなかったものの(まだまだジョグなら10kmくらい走れそう)、とにかくぐったりと疲れてしまって、夜はあっという間に寝てしまったんですね。

今朝起きた時も眠気が残っている感じで、明らかに疲れている様子でした。

400mでは、3回目の時にはもうそういった疲れはほとんどでなくなっていたので、かなり適応してきたんだろうな、感じていましたが、今回の200mでまたどっと疲労が出てしまいました。

しかし、脚の疲れや筋の張りなどはほとんど感じられないことから、どうやら、速いペースで走る「筋力」「筋持久力」の適応は進んだものの、より強い筋力を発揮する「出力(脳から発揮される神経系の情報の強さ)」の適応は、やはりそれ相応の強さを発揮してこそ進むのではないかと考えました。

つまり、短い距離を出力を上げて走ることは「脳のトレーニング」にもなっているのかもしれないな、と。

これは来週もう一度200mのレペをやってみた時にわかると思います。

400mの時も、2回目以降だいぶ楽になったので、もし来週の200mを実施して今回のような疲れが出なければ、そうした適応が進んだものと考えていいのではないかと思います。

時間走のススメ

こんにちは、ランマニアです。

ダニエルズ練もフェーズⅡに入り、今日は最初のインターバルトレーニング。

通常、最大酸素摂取量向上を目的としたインターバル走は、1000mを5本とか距離を固定で行うことが多いのですが、今回はダニエルズさんの指示に従い「3分」×5というので挑戦してみました。

これは、VDOTにより導き出された「VO2MAXペース」(本当はVドットオーツーですが表示できないので)で走った際、100%VO2MAXに相当する心拍数に到達するのに最低2分間は必要であることから3分、そして3分というのは大体のランナーにとって1000mを走れば到達できるということで、1000mと設定されているからです。

そして、今日はたまたまなんですが、このコロナ騒動(実際にはもうそれが原因だったということを忘れてしまうくらいなんだか本末転倒なことになっているのですが)によって溢れかえる公園コースを避けるため、別の場所で練習をしたのですが、そこは距離が全く分からないところだったのですね。

距離が分からないと「1000m×5」なんてできないわけです(やっても距離がいい加減だと、速い遅いで一喜一憂してしまう)。

ですから、奇しくもダニエルズさんが設定してくれたHペース(10〜12分間維持できるくらいのきついぺーす)で3分走れ、はまさに今日のランマニアにとってうってつけの練習だったのです。

ところが、もともとランマニアはこういう時間で決められている「時間走」が昔から嫌いで、とにかく速く走っても苦しむ時間は変わらない、というのがしんどく感じるタイプだったのですね。

なので、今日もなんとなく走る前は気乗りせず、普通に1000mやりたいなぁ、と若干後ろ向きな気持ちで。

それでも距離が分かってないんだからしょうがない、3分完走とやらをやってやるか、と気持ちを切り替えてスタート。

いつものように、「1kmを3分15秒」とか決まっているわけではないので、さすがに入りは慎重になります。距離感覚が分からないですから突っ込みすぎて撃沈しても意味がないですし、楽々終わってもあまり効果がなく。

でも、むしろいつもの1000mを走る時のように「1000mを比較的余裕を持って走り切れるきつさ」「5本先まで同じペースを維持できる感覚」を意識してペースを作ってみました。

すると、2分あたりまではそこそこ余裕を持っていけるものの、2分30秒過ぎからしっかりとしんどくなってくるのですね。これ、ちょうど1000mのインターバルと同じような感覚で、「ラスト200m」のきつさとほぼ同じ。ああ、これはペース的には間違ってないな、と直感的に判断し、以降その感覚を忘れずに5本目までこなすことができました。レストは2分間のジョグです。

「しんどさ固定」は、つまりは「出力固定」と同義ですから、もし自覚的な「努力度」「出力」が正しく、脚の疲労が一定であれば常に同じ距離を走れることになります。

結果、今日走った5本は、3分間でほぼだいたい同じところでゴールすることができ、ペースとしては適切だったと思っています。4本目、5本目で大幅にペースダウンしてしまっては、若干オーバーペース気味であっただろうし、まだまだ余裕がある程度では「Hペース」ではなかったと思います。頭の中で常に「10〜12分続けられるペース」を意識して走ることが、このHペースの重要な点だと思いました。

そして、実際この「3分間走」をやってみて、意外なほどメリットが多いなと感じました。

例えば1000mと距離が決まっていると、やはりどうしても「1000m」という距離はランナーにとって、良くも悪くも「見通し」が持ててしまうため、「変な計算」をして走ってしまうのですね。「500mまで抑えていって、終盤上げていこう」とか「あのコーナー曲がったらスパートだ」とか。VO2MAXペースで3分走ればいいんですから、変な話そんな戦略は必要ないわけです。

しかし「3分間ペースを維持せよ」、であればしょっちゅう時計を見ることはできませんから、「時間という指標」は常にモニタリングできないわけです。モニタリングできないということは、つまり「見通しが持てない」ことに繋がり、「前半ためる」とか「終盤上げる」とか、レースの練習をするのでなければあまり必要のない余計な考えを持たずに済むわけです。

その結果、「今のペースで10分から12分走り切るぞ」というシンプルな感覚にだけ注意を向ければ良い状態で走ることができ、この状態が意外と集中力を維持することにつながっていたな、と走り終えて改めて実感したところです。

そうすると、3分間最初から最後まで一定のしんどさ(終盤はかなりきついですが)を維持して、まるでトレッドミルの上を走っているかのような安定した3分間を過ごすことができました。

確かに今日のコース設定も良かったというのもあります。ほとんど平坦、曲がり角や急カーブもなし。人もほとんどいなければ車もほとんどなし。こういう中で「3分間走ることに集中できる」という好条件でした。だからこそ「時間走」に最適だったな、と。

もともと敬遠していた時間走でしたが、たまたまそうせざるを得ない状況に置かれたことで、実に良い経験をすることができました。

とはいえ、きついっちゃきついんです。なんてったって「Hペース(きついランニング)」ですからね。

トラップは休み明けに

こんにちは、ランマニアです。

ダニエルズさんのゴールドブログラムも、4月は予定していた4週目に突入も、最後はふくらはぎを危うくしてしまい、無念のリタイア。

正直、3週目終わった時点で400mのタイムや閾値走のペースも頭打ちになりかけていると感じていたので、4週目は無理してやらなくてもいいかな、と思ってはいました。

まあ、だいたいそういう時は体にも出るんですね。

とりあえず、もう危ない違和感はすぐにわかりますので、それを感じたらすぐに練習はやめにして休むのが一番です。その状態で走れるスピードもたかが知れてますし、何より確実に悪化する。続けるメリットは何もないのですよ。

そして、ちょうど疲労も溜まってきていたところでしたので、ひとまず3日間休養を入れてみました。

これは経験上なのですが、3日の完全休養であれば、疲労回復のメリットの方が大きくなり、4日以上だとパフォーマンスの低下(と言ってもたかが知れてますけどね)の方に影響が大きくなる印象です。なので、すぐに復帰できるギリギリの休養期間は、自分の中で「3日」と規定しています。

とはいえ、では、3日休んでいきなり元気いっぱいになって、さあ全開走行可能か、というとそこは最も気をつけなければならないところですね。

ランマニアは、学生時代の数少ない3週間以上の休養を余儀なくされた故障のうち、実に2/3がこの「休み明け」に発生しています。

3日間もの休養を入れると、疲れの方はかなりリフレッシュされ、軽いジョグ程度でも「明らかな好調さ」がわかるほどですよね。

ところが、こうした筋肉の疲労が抜けた状態とは裏腹に、一方では3日間の走らなかった期間に「走り方」を忘れてしまっている場合があります。

以前から書いている通り、走る動作を行うためには、脳から神経系を伝わって筋肉に指令を送らなければなりません。どの筋肉に、どのようなタイミングで、どのような出力の情報を伝達するか、それを、とても無意識のうちに、かなり自動的に行なっているのです。

しかし、人間は「使わない動作」は次第に忘れていく動物ですから(大まかのものは覚えておくことができますが、細かな動き、常に意識して身につけたような動きはどうしても忘れていきます。)、私たちのように「ただ漫然と走る」ランナーではなく「一つ一つ細かい動作にまで注意を向けて走っている」ランナーたちが、一度走るのをやめてしまうと、意外と早い段階で覚えた動作が忘れ去られていきます。

その一方で、筋力は3日程度では全く衰えませんし、むしろ元気になり絶好調です。脳もリフレッシュされ、高い出力を送り込むことができます。

その状態で、休む前と同じように全開走行をしてみるとどうなるか。

脚は元気で、「なんとなく覚えている走り方」はできますから、ちょっとギクシャクした感じはあってもぐいぐいペースを上げていくことはできます。頭から正しい指令を出して走っているというよりは、脚が脳を無視して勝手に動いているイメージですね。

で、ランマニア的にはこの状態が非常に危険だと考えています。

本来、最も脚に無理がかからないフォームを覚えて、それを実現するために筋や神経系が発達してきたのに、一時的な休養でどちらかというと神経系の方が若干ですが機能しなくなっている状態。それでも筋は生きていますから、かなり間違えた動きで走れてしまうことになります。

つまり、「変なところに、変な力がかかってしまう」状態で走ることになります。

そうすると、当然脚に無理な負荷がかかりますから、故障の危険性が跳ね上がります。ランマニアは、高校時代に1回、大学時代に1回、全く同じパターンで同じ箇所を故障しています。

そんなこともあり、休み明けの今日の練習は非常に慎重になったわけですね。

SONIC RA MAXはかなりの重量級(実は重い靴もある面では故障の危険性をはらんでますが)なので、当然そんなにペースは上げられませんので、ちょうど良かったというのはあります。はじめは、キロ6分半以上の超スローペースから入り、まあ、ジョグにおいても「アップ」をするようなものです。30分くらい走ったところで、ようやくフォームがしっくりくるようになってきたので、そこからようやくキロ5分台まで戻し、動きに気をつけながら走ってみました。

気候もよく、こういう時ののんびりジョグは、とにかく純粋に「走る楽しさ」を味わえる快適な練習でした。

4月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

明日はrest確定してるので、今日で今月の「走る練習」は最後になります(明日は「休む練習」)。

4月はダニエルズさんの体力向上プログラムに取り組んできましたが、自分としては概ね順調にこなすことができたように思います。

まあ、最後の最後で脚が危なくなってしまったのは誤算でしたが、とりあえずこのメニューを3サイクル維持できたことでよしとしたいと思います。

特に、疲労症状が一線を越えることなく、常にどのメニューも予定通りにこなすことができる状態を1ヶ月維持できたことは自分でも驚きです。

さて、ここで今月の練習を振り返ってみます。

練習のペースは3種類のみ

先月はインターバルやMペース走、さらにはトレイルなどかなりバラエティに富んだメニューとなっていましたが、今月はEランニング(と言ってもかなり遅いジョグですが)とレペとテンポ走(閾値ペース)のみ。シンプルですが、毎週「これでもか」としつこく行ったので、若干心理的にキツかったですね。

3月はバリエーションに富んでいました。
4月はシンプルに3種類

こうしてみると、4月はEランニングの割合が一気に増え、じっくりと時間をかけて走る時間が多くなった印象です。120分ジョグの日でも20kmそこそこですから、まあたいした距離ではないのですが。

そして、もう一つの変化は月間走行距離です。

4月は3連休から始めたので、実質27日間です。

このプログラムに移行するにあたり、最も心配だったのが、確実に走行距離が伸びると思っていたので、それに耐えられるか、と言うことでした。

1週間のうちrestが1日しかないと言うのは、これまでほとんど経験がなく、しかもそれを4週続けると言うのは疲労が抜けるかどうか非常に心配だったわけですね。

しかし、この1ヶ月を終えてみると、現時点では週1のrestで疲労は十分回復しますし、物足りなさを感じるくらいにまで体力がついた印象です。

自分のように疲労しやすい体質の人間でも、トレーニングでそれがだいぶ改善(と言うかトレーニング効果と相殺されているだけだと思いますが)するとは、想像してなかったですからね。

で、結果的に月間走行距離も45kmほど伸びました。31日間あった3月より、そして、4月は頭に3連休がありましたから27日間でも走行距離が伸びました。

それでいて、一月終わった段階での疲労の具合は、3月よりも明らかに軽いので日々の回復力も向上してきたように思います。

さて、5月はゴールドプログラムのフェーズⅡに移ろうと思いますが、ちょっと今のふくらはぎの状態ではスピードを上げた練習は危ないので、数日はジョグで様子を見ようと思います。

とりあえずはゆっくり長く走る練習で有酸素能を維持し、脚の状態と相談しながらペースを上げていこうと思います。

気持ちよく走るのが目的じゃないからね

こんにちは、ランマニアです。

ダニエルズプログラムフェーズⅠも後1週間となり、今週を乗り切ればいったん休養を入れようと思っていたのですが。

今日はついにリタイヤです。

最後の400m×10だったのですが、残念ながら脚に違和感が出てその時点で中止。体力的にはあとひとサイクルくらいは十分やれそうだったのですが、先に脚が持ちませんでしたね。

いや、実は昨日の75分、さらには一昨日の120分のEペースランニングで、思いのほか脚が軽く、さらに新調したシューズが快適で、ついついペースが上がってしまったんですね。

特に、昨日は「こんなに気持ちよく走れるのは久しぶり」と、緩やかな下りでどんどん脚が前へ出てしまい、ちょっと衝撃が大きくなった気がしていました。

そして、今日はその反動で、少し大腿部を中心に脚の重さを感じていたのですね。

このような「脚のどこかに疲労や重さを感じている時」と言うのは、別の場所で推進力を補おうとするため、思わぬ故障を誘発することが多いです。

ランマニアは元々フォア気味の接地+下腿中心の走り、なので、大腿部が疲れている時は余計下腿を無理に使ってしまい、負担がかかることが多いです。

今日はまさにその状態で、そこそこ脚が動くから平気かな、と思って実際に400mまで走ってみたのですが、思ったよりも太ももが上手く上がらず、なんと言うか動きが制限されているような感覚を得ていたのでした。

そして案の定、下腿を中心に推進力を得ていたためか、2本目くらいから右脚が怪しくなり、3本目途中でふくらはぎがチクッとしたので、もうその場ですぐに中止。あと数歩走ると取り返しのつかないことになるので、この「数歩」が運命の分かれ道なのですね。

ひとまずそれ以上痛みは出ず、ことなきを得ましたが、いずれにしてもしばらくは、1km4分半以上のペースは避けたほうがよさそうです。また、ジョグでもややかかと寄りに重心をシフトし、ふくらはぎに負荷がかからないよう気を付けなければなりません。

まあ、こうなってしまったのも、昨日や一昨日のジョグで調子に乗ったからなんですがね。別にペースを上げたわけではないのですが、調子が良い時は勝手に脚が進んでしまいますからね。

本来、気持ちよく快適に走れるのはランニングの醍醐味なんですが、我々の目的は記録を伸ばすことであって、気持ちよく走ることではないですから、そこは自重しないとですね。

足裏占い

こんにちは、ランマニアです。

今日はサロモン SONIC RA MAXで120分ジョグをしてみました。

2時間で22km強ですから、たいした速さではないですが、終盤はキロ5も切り、一時は4分40秒台まで上がっていましたので、だいたいこの靴のポテンシャルはわかってきたのではないかと思います。

気になっていたオーバーサイズ感も、シューレースの通し方を工夫したところ、走行中に脚が腫れてくることも相まって、意外とぴったりなサイズ感になりました。むしろ、適度に足指を広げられるので、踏み込むにはちょうどいいかもしれません。

120分走り、どこにもストレスがなければ、まあそこそここの靴は自分に合っていたと考えていいと思います。

さて、ランナーの皆さんなら誰でも「靴の裏側」には常に興味がありますよね。

ランマニアも、暇さえあれば靴をひっくり返してソールの裏側を確認しています。(この様子を、知らない人に見られたら変態だと思われそうですが・・。)

言うまでもなく、靴裏にはランナーの様々な情報が隠されているのですね。

どこで接地しているのか、どちらの脚でよく蹴っているのか、変な癖はついていないか、などなど。

ランマニアは、ペースが上がれば上がるほど、どうしても接地が雑になり、足の外側から接地する癖があります。靴裏では、両足の外側が真っ先に削れてきてしまうのですね。

本当は、脚の付け根の方、大腿部からしっかり脚を振り出し、そのまままっすぐ脚を下ろしたいのですが、ペースが上がると余裕がなくなり膝下をせわしく動かして前へ進もうとしてしまいます。その結果、外側接地が促進されてしまいます。

しかし、普段のジョグでは、なるべく接地した後の動きを丁寧に行い、下腿(ふくらはぎなど)だけに頼らず、大腿部(特に二頭筋)をしっかり使って走れるよう意識しています。なので、ペースを上げた時に比べれば、比較的接地もスムーズに行えていると感じています。

で、ちょうどこの新調した靴でも45kmくらいを走り終えたあたりでしたので、靴裏を確認してみました。

右足

まずは右足です。ちょっと写真では分かりづいらですが、外側の黒の縁の辺りは思ったよりも削れていません。最も削れているのは、青の部分のブロックパターンで言うと2列目前から3ブロック目あたりです。ここはちょうど母子球のあたりで、ランマニアが接地する際最も重心がかかるところです。比較的、丁寧に設置できているのかもしれません。

左足

そして左足です。通常、ランマニアは左の外側が真っ先に削れてくるのですが、これで見ると、やはり黒の部分より青の真ん中あたりが最も削れています。一見すると左右対称っぽいです。

左足かかと部分

一方、こちらは左足のかかと部分。写真で見ると分かりづらいですが、もうほとんど着地した形跡がないほど新品状態ですね。いえ、自分の体感では決してかかとを浮かせているわけではありません。写真で言うと、あの赤の三角の辺りまでは地面に接している感覚はあります。ただ、本当に触れるくらいなので、おそらくこれほど綺麗なのでしょう。フォアフット、と言うほどではないですが、蹴った脚をそのまま地面に下ろすと、ちょうどこのような接地位置になるのですね。

さて、45km強でこの状態です。ひとまず、これまで通り丁寧な接地を心がけて、フォームが崩れないよう気を付けていこうと思います。そのためには、疲労のことも含めて、ペースを上げるのはもう少し待ってもいいかもしれません。

そして、ちょっと気のせいかもしれませんが、ふくらはぎの張りはあまり変わりませんが、大腿部の疲労がここのところあまり感じないのですね。

以前は、ジョグをした後でも、結構太ももに「きた」感じが常にして、1日だるい、と言った状態になりましたが、この靴にしてからそう言うのがほとんどないのですね。朝走っても昼過ぎには脚が軽くなっている、みたいな感じです。

確かに、走行中に太ももを触ると、アディゼロジャパンでは「ブルブル」筋肉が揺れるのに対して、このSONICでは、ほとんど筋肉が揺れないんですね。

これ、現行SONIC3のレビューで吉田香織さんが同じこと言っていましたが、確かにそうだな、と。

まあ、単純にソールの厚さの問題かもしれないので、「Vibe」フォームの影響と決めつけるのは慎重にならなければなりませんが、いずれにしてもなかなかいいです。

明日の夕方は雨予報。ちょっと濡らすのは気が引けますが、ウェットコンディションの性能も試してみたいですね。

主導権は明け渡さない

こんにちは、ランマニアです。

ついにいつも練習している公園と、近所の一周11km以上の広大なランニングコースの駐車場が閉鎖されました。

今のところ立ち入りは規制されていないので、走る分には問題なさそうですが、まあ駐車場を閉鎖したということは暗に「くるな」ということでしょうから、なんとなくいきづらい状態です。

明日や明後日のジョグは行き場があるのでまだいいとして、その翌日の400mをどこでやるか、ちょっと悩ましいところです。まあ、以前も言いましたが、とにかく私たちは道さえあればどうにか走れますから、工夫次第でどうにでもなるのですがね。

さて、昨日閾値走を終えて、明日の120分ジョグを終えると、これでついにゴールドプログラムも3週目が完了となります。

始めた頃は絶対に無理と思っていたこのプログラムですが、もう今週はかなり余裕を持ってこなすことができ、その日の疲労は翌日までには回復できるくらいまでに適応してきました。

このプログラムの1週目には、400mや閾値走、120分ジョグの後はかなり疲労が出て、ちょっと起き上がれないくらいの状態になりましたが、そこをなんとか切り抜けたあたりから、疲労が数日以内に回復できるようになりました。

そうすると、疲労の少ない状態で次の練習ができるようになるので、またその練習における疲労も溜まりにくくなり、好循環が生まれる、という流れができました。

簡単に言えば、体が適応してきたということですね。

この流れを作り出す上で、少し意識したことがあります。

まず、400mと閾値走以外のジョグの日は、体がしんどくなるペースでは走らない、ということを意識しました。以前話した「出力0」ですね。勝手に脚が動くだけしかペースを上げない、というのを徹底的に守りました。

結果、ジョグのペースはありえないほど遅くなりましたが(キロ6分から5分10秒くらいまで)、それだけ400mや閾値走の日の疲れは大きかったということです。

しかし、これくらいに出力を落としてようやく次の400mや閾値走の日にギリギリ調子が間に合う感じでした。

もう一つは、400mにしても閾値走にしても、あまり無理をしすぎないようにしたということです。

これはちょっと抽象的な表現ですが、なんというか、ムキにならない、というような、とにかくがむしゃらに走らない、という感覚です。

400mはRペース、閾値走はTペースですから、ある程度自分のV DOTから換算されたペースが決まっているのですが、そっちにペースを合わせるのではなく、「これなら10本こなせそう」「これなら20分維持できそう」という自身の苦痛の状態の方にペースを合わせて走る、というのを意識しました。出力で言うと、だいたい15前後ということになります(400mの10本目でも、閾値走の18分以降でもできるだけ15くらいを意識しました。20はがむしゃら走りです)。

そうしたところ、ジョグ以外の練習の日も、あまり無理した感じはなく、快適に、気持ちよく練習を終えられました。

そしてそればかりか、結果的にペース自体もだいたいVDOTに合ったペースに落ち着いたのですね。これはちょっと意外でした。

このようにして、設定ペースや距離に自分を合わせるのではなく、自分の出力によってペースや距離が決まる、と言った「主導権は自分」な練習を意識したのです。

実はこの意識は、もう11月頃から続けていて、その結果すでに半年近くも慢性疲労が悪化せずに練習を継続してこれました。

一昨年まで、好不調の波が激しく、1ヶ月追い込んだら1ヶ月だるくて走れなかった、とか、怪我で1年を棒にふった、とかそんなことが多かったのですが、おそらくそれは「ペース」「距離」に自分を合わせようとして、主導権を「負荷」の方に明け渡してしまっていたことに、今更ながら気づいたところです。

ランマニアは、幸いなことに、中学時代からずっと自分や自分たちで練習計画を立ててトレーニングを積める環境にいたので、自分の練習が「何かに強要されている」とか「主導権が握られている」と言った感覚は全くなかったのですが、実は知らず知らずのうちに「距離」とか「ペース」と言ったものに主導権を握られていたことにこの歳になってようやく気づいたのですね。

確かに、設定ペースとか到達すべき距離とか、そう言うものがあるからパフォーマンスが向上するものと思っています。

しかし、現状、ランマニアの体では、そんなものを追ったところで調子を崩すだけなのであれば、むしろ自分の調子や都合に練習内容を合わせてもらおう、とちょっと図々しいスタンスがちょうどいいように思えてきます。