走る理由を考えてみる

こんにちは、ランマニアです。

ちょっと今週はブログを書こうにも「ランマニア撃沈日記」になりそうなので、ちょっと趣向を変えて練習以外の話題について。

そもそもランマニアは、もうかれこれ30年以上も走り続けていますがなぜそこまでして走り続けるのでしょうか。

途中体を壊して(走ることが理由ではないですが)満足に走れなくなってしまった後にも、これまで執念深く(?)走る理由はなんなのか、とふと考えることがあるのですね。

人間が何か行動を起こしたりその行動を維持したりする原動力のことを「動機付け」と言ったりしますが、ではランマニアにとって「走る動機付け」とはいったいなんなのでしょう。

人間がある行動に対して動機付けが発生し、その行動が維持される際には、大きく分けて二つのパターンが存在するとランマニアは考えています(というか学説的にも)。

一つは、その行動をとるとなんらかの報酬が得られる場合。

この場合の「報酬」とは、なにも物質的なご褒美や金銭的なお給料みたいなものに限らず、人間が「快」に感じるものであればなんでも良いのです。他者からの称賛、自己満足、達成感、気持ち良い感覚など、どんなものでも「報酬」として機能します。

もう一つの動機付けは、その行動をとるとなんらかの罰を回避することができる場合。

この場合の「罰」も、身体的な苦痛や懲罰のようなものに限らず、単純に「不快」なものであればなんでも機能します。他者からの叱責、自責の念、不快感、など、「嫌だな」と感じるものは全て「罰」として機能します。

人間の行動は、だいたいこの二つのパターンによって維持されていると考えています。

では、ランマニアのランニング、長距離走、これらの行動が毎日維持されている動機付けとはいったいなんなのでしょう。

自覚しているものとしては、やはり上にあげた二つのパターンが両方とも存在しています。

まず「報酬」が得られることによる動機づけについて。

一つ目は、なにはさておき、やはり「走る」という行為自体の「楽しさ」があります。脚を動かしてリズミカルに衝撃を感じながら前へ進む感じ。呼吸や腕振りなどが気持ちよく同期して力強く体が同調する感じ。体全体に感じられる風の心地よさ。さらには走ることで脳の中で出る「気持ちよくなる物質」の効能。こう言った「感覚的」な楽しさは、この走ることの醍醐味と言えると思います。こういった「その場で得られる」報酬を、即時的な報酬と呼ぼうと思います。

二つ目は、練習をすることで自分の体が強くなり、走力が向上する楽しさ。達成感。充実感。自己有能感。効力感。なんだか訳のわからない自信。このような心理的な充足感を得られるのもランニングに限りませんがスポーツの醍醐味の一つでしょう。ただし、これはその場では得られず、ある程度練習を重ねてその成果として遅れてやってくる「報酬」なので、遅延報酬と呼ぼうと思います。

三つ目は、健康な体を得られること。走りすぎさえしなければ、いつまでも健康的で若々しい肉体でいられます。病気もしにくいでしょう。ご飯もとても美味しい(というか美味しく食べるために走っている)。極端に歪んだボディイメージは持ってはいませんが、やはりそれなりに引き締まった体でいられることは嬉しいことです。これもやはり報酬として機能していて、こちらについても若干遅延的な報酬と言えるかもしれません。

四つ目は、他者からの称賛、評価。人間、褒められて嫌な気持ちになる人は、ある特定のタイプの方以外はほとんどいないものと思います。褒められたくて仕方がない、というほどではなくても、多かれ少なかれ褒められることは「報酬」として機能するはずです。ランマニアも、やはり職場やラン仲間以外の集まりで「走るのすごいんだって?」と言われたり、あるいはラン仲間やSNS上で記録を褒められたりすることは嬉しいものです。これも、即時的に得られる報酬というよりは遅延的かあるいは偶発的かもしれません。

では、もう一つのパターン、「罰」を回避するための動機付けとはなんでしょう。

これもいくつかあり、一つ目は、「遅くなる」ことへの不安。走るのをやめて走力が落ちてしまうことへの怖さ、これはランナーなら誰しも感じることと思います。その恐怖(罰)を回避するために練習をしている、というのは、残念ながら0ではありませんね。

二つ目は、健康でなくなることへの不安、恐怖。もうこの年齢ですから、少し練習から遠ざかれば一気に体力は衰えていきますし、体型も変化してしまうでしょう。そうしたことへの不安感はないとは言えません。(まあ、中核的なものではありませんけどね)

そして、これはもう今ではほぼ確実に0に近くなりましたが、中学や高校、ギリギリ大学くらいまでは感じていたのが、「練習を休むことへの自責の念」ですね。今にして思うと、まあなんでまたこんなことで休むことを恐れていたんだろう、と思うようなどうでもいいことなんですが、部活のような集団で取り組むスポーツでは非常に感じやすい「危険な」罰刺激ですね。いわゆる「サボっている」という自覚、背徳感、自責の念。こうしたことも「罰」として機能するでしょう。スポーツはあくまで「自主的」「自律的」なものですから、そもそも「サボる」という概念はないはずなんですけどね。

こうして振り返ると、ランマニアの走る理由がだいたい整理されてきました。まあ、30年以上も続いている活動ですから、動機付けも多彩ですし、特に「報酬」へむかう動機付けは強いものがありますね。

とは言え、明日は週に一度のレストの日。

ランニングは楽しいと言っても、仕事の疲れを押しての活動で、のんびりしたい気持ちもなくはないですし、ジョグとて身体には負荷のかかる運動です。

だからやっぱり休みの日は嬉しいものです。

調子がいい時だから試せること

こんにちは、ランマニアです。

今週は火曜日にVo2Max強度での4分間インターバル、そして今日はLT強度での1.6km走5本。

今週は先週感じたような疲労がだいぶ抜けていて、火曜日のインターバルではようやく本来のペースでの練習ができ調子が上向いてきた感じでした。

で、今日は朝から一日雨で、しかも降り方も久しぶりに本降りで、通常ならこんな日に強度の高い練習はやりたくないものですが、今日はなぜか「雨でも走りたい」などと考えていたのですね。

「走りたい」という気持ちがあるかどうかは、結構調子のバロメーターとしては重要で、疲れている時はたいてい走ることそのものが億劫に感じるものです(今日みたいな雨の日はなおさら)。

そしてアップの時点でも久しぶりに簡単にキロ4分台までペースがあがり(ランマニアのジョグは基本遅いです。キロ5分20秒くらい。)、「今日は間違いなく走れるぞ」という感覚で本練習を開始。霧雨の中、本気の高校生しか走っていない中で、やけにモチベーションの高いおっさんでした。

スタートして案の定、とにかく脚は全く疲れがなく、リラックスして無理のないフォームでペースを維持。疲れている時はLTペースくらいだとなかなかフォームを意識する余裕はないのですが、今日は無理のないフォームを作りながら走ることも可能でした。

かなり余裕があったので、多分1kmは3分30秒くらいだろうなと思って時計を見ると、3分25秒。このペースをこんなに楽に走れたのは久々で、これは調子がいいだけでなく体も変わってきたのかなと思えるほど。そのまま余裕を持って1.6kmを終えましたが、LTペースの定義通り、このペースなら10kmくらいは持つんじゃないかと思えるほどの余力がありました。

そして、疲れがない時はとにかくペースが安定するのですね。

自分の脚の動きや呼吸の荒さ、きつさなど、そうした生理的反応の微妙な違いにも気付くことができ、時計など見なくてもその感覚を維持するだけでペースも維持できてしまいます。

これは非常に重要なことで、例えばロードレースや駅伝など、正確なペースを知ることができない時などは自分の体の感覚だけが頼りになります。その体の感覚と実際のペースとが一致させられるようになると、自分の出力を調整するだけで自在にペースを操れるようになってくるのです。

そしてそれはやはり、疲れがない時に練習するしかないわけで(疲れている時は、自分の感覚とペース、出力との関係にズレが生じる)。

で、今日はまさにうってつけな状態で、調子がいい中でLTペースという若干余裕のあるペースでそれを試すことができるという最高の場面でした。

結局5本走って、ペースの増減は1.6kmで±4秒程度。正確なコースをトレースできないロードコースでかつ距離表示のない場所で4秒程度は誤差の範囲ですので、かなり自分の生理的情報と実際のペースとが一致していたのがわかります。

こういうことは疲れている時には絶対できない経験なので、本来ならば今日くらいの調子を常に維持したいところです。

前回のインターバルはかなり余力を残して練習を終えることができ、今日の練習もそれよりもさらに余力を残せました。余力を残せば次の練習をさらに余力を残せますし、良い循環が生まれます。

とはいえ、ここまでに持ってくるのが一苦労なんですがね。

神経系の疲労が筋疲労を抑制している(リミッターがかかりすぎている状態)

こんにちは、ランマニアです。

先週火曜日のVo2Maxインターバルで途中棄権してから中二日でしたが、昨日は先週も行ったLTペースの1.6km×5本を実施しました。

先週行った際はその前に3連休を入れていたため、そこそこ走れてもおかしくないな、と思っていてその通りになりましたが、今週は三日前のインターバルをこなせなかったこともあり、それほど走れるとは思っていませんでした。

ところが、アップの時から思ったよりも脚がよく動き、あまりだるさも感じなかったのですね。

そして週に2回しかない強度の比較的高めの練習を二度とも失敗するわけにはいかなかったので、昨日は若干慎重になり、初めは様子見で出力を抑えて(あまり脚に力を込めず、軽く動くところでやめておく)走り始めました。

しかし1kmの通過が3分27秒と思ったよりも速かったので、だいぶスピードに余裕を感じ、その後も出力を上げずに余力を残してLTペースを維持し続けることができました。

4本目には1km3分24秒くらいまでペースが上がってしまったので、次のインターバル走のために余力を残したいと思い、ラストの1本は3分30秒くらいまでペースを落として疲れを残さないよう練習を終えました。

前回も述べましたが、ランマニアの疲労は神経系のものだと考えられているので、三日前にあのような結果になっても、脚の筋肉自体に疲労があるわけではないので、昨日のように突然復活してしまうことがあるのですね。

それどころか、昨日は先週よりも速いペースで走ったにもかかわらず、走行後も今日も脚の疲れがほとんどなく、日常生活でも脚の重さをあまり感じない状態になっています。

神経系の疲労があると実際の筋疲労以上にものすごく疲れたように感じてしまうのですが、その疲れに隠れて、いつの間にか筋肉が疲れにくく回復しやすいものに発達してきたようです。

なので、ランマニアにとってはこの神経系の疲労とうまく付き合うことで(悪化させないようにし、すぐに回復させられるようにする)、本当に少しずつですが筋繊維の適応を促すことができると考えています。

それを、練習をやりすぎたりペースを上げすぎたりして神経系の疲労が数日で回復しなくなるまで追い込んでしまうと、筋肉への刺激が足りなくなってしまい、さらにワンランク上の適応を促すこともできなくなってしまうのですね。

つまり、現状ランマニアの走力向上は神経系の疲労度が鍵を握っていて、「神経系の疲労以上の練習ができない=神経系の疲労以上に筋疲労を引き起こせない」、ということになります。

それが今まではどうしても記録向上を焦るあまり、神経系が疲労し切ってしまうほどの練習をしてしまったがために、継続して筋に刺激を与えることができなくなっていたのですね。

(もっとも、これは体のリミッターが必要以上に多めにかかっていることでもあるので、そのおかげで筋に過大な負荷がかからずに済んでいるというメリットもあるんですけどね。)

ところがこのダニエルズのゴールドプログラムが、ちょうど神経系の疲労が走れなくなるほどまで追い込まなくて済む程度に設定されていて(まあこれはたまたまなんですが)、漸次的に筋疲労を引き起こせるようになっているのが大変ランマニアにフィットしているところです。

なので、今月に入ってフェーズⅢに移行しても、やはり無理なく練習を継続して少しずつ力がついてきている実感があります。昨日のLT走でも走力の向上を感じましたし。

さてそんな状況でも、やはり火曜の4分インターバルはまだ5本完遂できる自信がないですね。Vo2Maxレベルの出力となるとかなり神経系にも負荷がかかるためだと思っています。

ようやく失敗しました

こんにちは、ランマニアです。

このブログを読んでくださっている方からすると、「なんだ、ランマニアはそこそこ走れんじゃないか」と思っている人もいたかも知れませんが、今日の練習でついに「本性」が現れました。

もともとランマニアはこんなもんで、ここ数ヶ月がとにかく上手くいきすぎていたのですね。

そして、あまりにもうまくいきすぎるので、ちょっと怖かったというのが正直なところです。

今日、久々に計画した練習を最後まで遂行できず、途中で止めることになりました。もちろん、怪我とかではなく「疲労」からですね。

疲労といっても、強度の高い練習や負荷をかけての筋ダメージではなく、ずっと前から話している「神経系の疲労」(これは推測ですが)によるものです。

この数ヶ月は、とにかくこれをうまく抑えながら、ちょうど継続できる練習のサイクルを維持できていたのですが、今日の練習ではついに予定していた練習をこなせるだけの疲労の回復が見られなかったのです。

今回のフェーズⅢからは、火曜と金曜の強度の高い練習が両方とも「長距離練」になったのですね。これは実際に始める前からかなりきついフェーズになるぞ、と予感はしていました。

例えば、フェーズⅡまでは、火曜か金曜は必ず「短距離系」のレペティションでしたから、どちらかで「長距離系」の筋肉や神経系を使ってしまっても、1週間はその部分を休ませることができました。

長距離系の練習の疲労は短距離系の練習にあまり影響しませんでしたし、その逆もまた然りでした。

そうやって、なんとか疲労の度合いを最低限に留めて1ヶ月間サイクルを維持できていたのです。

しかし、今月は長距離系の練習の疲れがまだ抜けきれぬうちに、再び長距離系の練習が三日か四日後にはやってくるのです。

今日は実際にその流れを初めて体験しましたが、やはりこれまでと違って疲れが抜けきれないままスピードを上げていく感覚を味わいました。

特に、1km3分10秒台あたりのペースを一定時間維持するのがとにかくしんどく、かなりの努力度が必要になるイメージです。

こういう時は大体疲れている時で、1本終えた時点で神経系が疲れ切って出力を上げられなくなることがほとんどです。いや、通常ランマニアの練習はいつもそうでした。

その感覚が、今日は久しぶりに現れたな、と。

しかし、今日はペースが予定よりもかなり遅くはありましたが、「4分インターバル」というのを初めて経験できました。1km地点を通過してから、さらにそのスピードで40秒以上走らなければならない、という経験は初で。

確かにきついです。ランマニアの場合は呼吸よりも脚のしんどさが先に来ますから、そのきつさが1km過ぎにピークとなります。

そうしたこれまで経験したことのない領域を今日は3本程度(3本目はIペースとは言えませんが)体験できたのは唯一の収穫だったかも知れません。

さて、問題はこの後ですね。すでに1サイクル目でドロップアウトですから、2サイクル目以降はもっと悲惨な状態になりそうですが、まあ、ひとまずできるところまでは挑戦してみようと考えています。

最初はきついと感じても

こんにちは、ランマニアです。

6月に入り練習の方もダニエルズゴールドプログラムフェーズⅢに突入しました。

このフェーズⅢは、ダニエルズさんも書いている通り、「最もハードなフェーズ」となっています。

フェーズⅠ、Ⅱまでの、いわゆるジョグ以外の高強度練習が「レペ+LT」と「Vo2Max+レペ」だったのに対し、このフェーズⅢではこの組み合わせが「Vo2Max+LT」となりました。

これまで取り組んできたレペは、400mや200mといったどちらかというと短距離走に近いスピードだったので、他の日の長距離練習の疲れとは別の部分が疲れるため、なんとか両立してこなすことができていました。

ところが、今回のフェーズⅢではVo2MaxとLTペースですから、若干近めのペースゾーンで、かつ長距離練習ということで、どちらも同じような部分の疲れが出そうなことは想像に難くありません。

さらに、間のジョグの時間も60分から75分に伸び、やはり名実ともに「最もハードなフェーズ」となるのは間違いなさそうです。

そんなフェーズⅢの第1週目として、今日は1.6kmのLT走×5本を実施しました。レストは1分です。

ランマニアのT(閾値)ペースは、だいたい3分26秒から30秒くらいだと考えています。今日は、フェーズⅡまでの練習で、これくらいの閾値ペースがどれくらい楽になっているか、確かめてみたい気持ちもありました。

コンディションは、強風が吹き荒れるあまり良いコンディションではありませんでしたが、周回コースなので追い風区間と向かい風区間とがあり、まあ最終的には向かい風区間部分のタイムロスだけを考慮すれば良いだけかなと思いました。

先日の3連休のおかげで、脚はだいぶ動き、若干オーバーペース気味な入りとなりましたが、結果として終盤に向けて少しずつペースが上がっていく理想的な内容で終えることができました。

体感的にはキロ3分30秒がだいぶ楽に感じられるようになり、ラスト2本はペースが上がっていきそうになるのをあえて我慢し、ペースを抑えながら走れる状態でさえありました。それでも、最後の2本は5本中最速でしたので、ランマニアが意識している「同じペースを余裕を持って走る」結果となったと思います。

ただし、実際にはキロ3分27秒程度のペースでは押していましたので、そのペースで8kmも走ったわけですから、脚への負担はかなりのものになりました。

フェーズⅢが始まったばかりでこの疲労度で、果たしてこの先やっていけるかどうか正直あまり自信がありませんが、これまでのフェーズでも最初はいつもそうでした。

しかしダニエルズプログラムの凄いところは、このサイクルをしっかり守っていけば、最終的にはこれらのメニューを無理なくこなせる力が身についてしまうところです。

初めてのメニューの1回目は、どうしても適応がなされていない状態なので、疲労もダメージも若干大きめになりますが、この後間のジョグで無理さえしなければ、疲労度を最低限に留めながら練習を持続できると考えています。

5月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

5月はダニエルズゴールドプログラムフェーズⅡを、1ヶ月にわたって継続してみました。

4月のフェーズⅠでは脚が持たずにリタイアとなり、その後でのフェーズⅡだったので、正直今月すべてのメニューをこなせるとは思いもしませんでした。

もちろん、「こなそうと思ってこなした」というわけではなく、予定されていた1週間のサイクルを「今日はやれそうか」「アップの時点で行けそうか」と毎日その日の疲労状態を確認しながらその日の練習に取り組んでいるうちに1ヶ月が経ってしまった、というのが実際のところです。

そして、そうしたこだわりはなかったつもりでしたが、信じられないことにこの1ヶ月間の練習ですが、28日間の練習(レストも含む)すべてを忠実にやり遂げることができました。

こんなことは学生時代にもなかったことで、この一月間いかに調子を維持し怪我を防げたかを物語っています。

ただし、実はそれにはある程度根拠があります。

まず、疲労についてですが、これは以前にも話した通り、とにかく1日1日の練習で「余力を残して走ること」を意識していた、ということです。

「絶対に出し切らない」

これはレペでもインターバルでもジョグでも、どんな時でも守り通したマイルールです。

これにより、1月もの長い間、そこそこの負荷を体にかけ続けても疲労が一線を超えなかった大きな要因だったと考えています。

次に怪我について。

5月が始まる時点では、4月の終盤に危なくなったふくらはぎがまだなんとなく危うい感じで、フォアフットでスピード練をやるのは少し不安な状態でした。

そこで、4月の下旬からスピード練を中断して代わりに取り入れたジョグの中で、少しだけフォームを変えて走るようにしました。

具体的には、脚を大腿部からしっかり前に振り出し、接地時には若干リア側から着地し(といってもかかとに全重心が乗る感じではなく)、下腿の上の方から大腿部にかけて力を入れる意識を繰り返し練習しました。

この走りに変えてから、練習ごとにかかるふくらはぎへの負担が軽くなっていき、これをスピード練にも応用できるようになってきました。

また、ジョグの日はサロモンのSONICシリーズを履いて、脚への衝撃を少しでも軽減できるようにしたのも大きかったです。このSONICシリーズに搭載された、制振技術「Vibeフォーム」は、思いのほか「真面目な」技術で、脚へのダメージをかなり軽減してくれました。

上からMAX、無印、Pro。どれも幅広なので、普段27cmのランマニアだと26.5、Proにいたっては26.0でもよかったかもしれません。

さて、そんな5月ですが1ヶ月の内訳は以下のようになりました。毎週決められた練習はすべてこなせたので、すべて4回ずつ行ったことになります。

先月はなかったIペース(ここではHペースでしたが)ランニングが導入されているのが最大の特徴。

ペースごとの割合ですが、先月のTペースがなくなりIペースが代わりに入っています。

走行距離が50kmほど増えていて、そのほとんどがジョグ。ジョグだけでも先月の走行距離を上回っています。

この3ヶ月間の走行距離の変化です。

3月から100kmも増えていますがあまり実感はありません。

今月は1日多かったとはいえ、1日で50kmも走っているわけではないので、月を通して平均的に距離が伸びたものと思います。ジョグの時間は変わっていないので、Hインターバルの日の総距離が伸びたのではないかと思っています。

さすがにこの3ヶ月では最長の走行距離、さらには負荷も大きくなっているのでさすがに疲労はかなりあります。明日からは三日ほど完全休養にし、一旦体をリセットさせようと思います。

フェーズⅢは、ダニエルズさんも「最も負荷の高いフェーズ」といっているように、その内容を見ただけで「これは流石に無理」という日も存在します(例えば4分Hインターバルなど)。間のジョグの時間も伸び、月間の走行距離もだいぶ伸びそうです。

しかし、この一月で確実に走力、体力、回復力は向上した実感はあり、一旦疲労をぬきさえすれば、そこそこやれなくもないかな、と期待しています。

短距離だって疲れます

こんにちは、ランマニアです。

ゴールドプログラムフェーズⅡも、今日の200mレペティションを終えてついに4週目の終わりが見えてきました。先月は4週目突入と同時にふくらはぎをやりかけてしまい、あえなく中断となりました。

さて、今回は珍しく短距離走の話。

ランマニアは何を隠そう子供の頃から短距離が遅く、また、短距離走に関するトレーニング理論や技術的な側面については全くのど素人です。

つまり、ランマニアに短距離を語らせるな、ということですね。

しかしこの2ヶ月間、ダニエルズさんに400mだの200mだの、さらにはウィンドスプリントのような短距離ダッシュを頻繁に課されるようになって、ちょっとだけ「短距離面白いかも」と思い始めている自分がいます。

この練習を始めるまでは、ランマニアにとっての短距離走とは、すなわち「流し」くらいが最速のスピードで、短距離選手から言わせれば「そんなの短距離じゃねぇ」と罵倒されても何ら反論できないほどの激遅ダッシュでした。

皆さんもそうだと思いますが、短距離を全力でダッシュする際は、瞬時に爆発的なエネルギーを筋に発生させ、できるだけ速く脚を動かそうとすることでしょう。

長距離ばかり走っていたランマニアにとって、こうした「瞬時に」とか「爆発的なエネルギー」といった力の発揮の仕方は不慣れで、どうやって力を発揮すれば良いか、やり方がよくわからなかったのですね。

だから、「速く走ろう」と思っても、せいぜい「キロ3分」とか、我々市民ランナーにとっての「超速ペース」が短距離走になってしまうわけで、それ冷静に考えたら100m18秒だよ、とツッコミを入れられるのがいいところです。

ところが、先月から400mのレペが入ってきて、キロ3よりは速いペースで走る機会が増え、さらに今月は200mとなったことで、いよいよペースの方もちょっとは「短距離走」らしくなってきました。

短い距離でもこういうスピードで走り続けていると、次第に「瞬時に」「爆発的な」エネルギーの発揮の癖が知らず知らずのうちに身についてくるのですね。

なんというか、脳が覚醒してくる感じ、一瞬で強い強度を筋肉へ送り込む信号を送れるような感じ。

そしてランマニアが「おれ、速くなったかもしれない」と自覚したのが、昨日のウィンドスプリントの時。

昨日、疲れはあったものの、この疲れは長距離の疲れ、短距離の疲れは「別腹」だから、ちょっと全力ダッシュかましてみるか、と調子に乗ってダッシュをしてみたんですね。

そしたら、以前は絶対にできなかったほど速くて小刻みなピッチで脚を動かすことができ、ぐいぐいスピードに乗れるんですね。

いい加減なGPSペース計ですが、ジョグのペースはだいたい合っているのでこれを信じると、瞬間速度で2分23秒/kmでしたから、100mで15秒から14秒台が出ていたことになります。しかもここは若干の上りコース。ランマニアの100mのベストは中学時代の14秒4という安定の14秒台。つまりこれと大体同じ、中学時代の全力疾走くらいのスピードで走れたことになります。

これ、確実に速くなったよね、となんだか「足が速くなった子供」みたいにはしゃぎましたね。

ところが、これをやってしまった翌日、そして今日、とにかく頭がぼうっとして眠くて仕方がなかったのですね。ちょっとこれは最近なかった「脳疲労」です。

脚が疲れているわけではないのです。とにかく、頭が疲れて億劫な感じなのです。だから脚はよく動くし、200mのレペも過去最高タイムで走れたりもしました。でも、頭がぼうっとするのはあまり変わらず。

これなんだろうな、と思って色々考えていたんですが、一つ考えられるのは、やはり「瞬時に」「爆発的な」筋力を発揮させるための指令を脳から出すためには、脳も一気に覚醒させ、大量の伝達物質をシナプスに送り込まなければならないと思うのです。それもある程度の時間(10秒以上)。

こういう活動って、長距離ランナーは普段からあまりやりませんし(ていうか45のオヤジがそんなことやらんでしょ、普通)、こういう大量の神経伝達物質が一度に送り込まれるのって、脳も慣れてないんだろうな、と。

慣れてないことに対しては人間は基本的に疲労しやすいので、だからこの不慣れな覚醒によって疲れてしまったのかな、と。

そう考えると、こういう高速の高出力を発揮するトレーニングは、以前も話したように脳トレの効果も期待でき、筋組織などの生理学的な変容だけでなく(いや神経系も生理学的な変容かもしれませんが)、中枢神経系のトレーニングも同時に行えるんだろうな、と思ったりしたわけです。

そして、高校時代は「すぐ終わるからいいよな」的に考えていた短距離選手に対して、こんなに疲れるトレーニングをよく毎日やれるよな、と見る目が変わってくるのですね。

疲れ方は違えど、この独特の「脳疲労」は長距離特有の脚の「筋疲労」に勝るとも劣らないタフな疲労だということにようやく気づいた次第です。

高校時代の短距離の皆さん、「すぐ終わっていいね」とか思ってしまってごめんなさい。今更ながらこの場を借りて謝りますね。

何事もほどほどに

こんにちは、ランマニアです。

今日は珍しくラン以外のネタを。(まあランにも関係していますが)

これまであまり触れてきませんでしたが、実はランマニアはランニング以外にもいくつかの趣味を持っています(マニア、というアカウント名の由来はそういうところからもきています)。

ランマニアは結構こだわり派なので、そうした趣味はどれも結構凝ってしまっていて、まあいわゆる「マニアック」なわけで。

しかし、そうした趣味(ランニングも含めて)全てに共通していることは、常に「ストレスになる程ははまらない」というルール作りをしていることです。もっと言えば「ストレスになるくらいならやらない」ということですね。

ぶっちゃけ、ランマニアの趣味は結構お金や時間のかかるものが多いです。マラソンだって、最近はエントリー代の高騰や遠征費などを入れれば結構お金のかかる趣味になってきてしまいました。

そうしたいくつかの趣味を「両立」していく上で、やはり限りある「お金」と「時間」は大切な要素になってきます。1日の時間は24時間、年間で使えるお金は「年収」というように、どうしたって限度はあるわけですからね。その限度の中で趣味をやりくりしなければなりません。

すると、ランマニアみたいに「凝り性」な人は趣味が多くなると非常に苦労するわけです。

趣味にはどうしてもお金がかかります。仕事をしていれば趣味に費やせる時間もそれほど多くはありません。

なのにやりたいこと、ハマりたいことは多くある。

そうすると、もっと拘りたいのに「お金がない」、もっとそれに関わっていたいのに「時間がない」と、「欲求」と「制限」とが葛藤して「ストレス」ばかりが多くなってしまうのです。「趣味」という本来「楽しいこと」のはずが、気づくと「ストレス」になってしまう。

これでは本末転倒なわけですね。せっかくの楽しい趣味を持っていても、楽しめないなら本当にもったいない。

そこでランマニアは最初の「ストレスになる程にははまらない」というルールを作っているのです。

こだわり過ぎるとお金がかかるのであれば、ほどほどにこだわって出費を抑える。時間を費やさなければ楽しめないのであれば、時間を費やさずに楽しめる程度にこだわる。などです。

さらに、ランマニアは凝り性だということを自覚していますから、「ハマりそうな趣味には手を出さない」というルールも設定しています。

例えば、ランマニアは結構「機械好き」だったりするので、とても興味があるけどあえて手を出していないものがあります。

それは「自転車」です。

ランニングが好きな人は自転車もやってる人が結構いますが、正直今それに手を出してしまうと、確実に「破綻」するのは目に見えているので、あえてそこには手を出さないように気を付けています。

そうして、拘りたい趣味に優先順位をつけ、しかもそれらひとつ一つを「ほどほどに」行うことで、大体の趣味を満遍なくそこそこ楽しめるよう調整しているわけですね。

で、非常に前置きが長くなってしまいましたが、実はここからが本題で。

今、SNS界では例の誹謗中傷の件が話題になっていて、まあ自分も全然人ごとではないなと感じている次第です。

ランマニアも、今年に入って一念発起し「ブログ」や「Twitter」を始めてみたのですが、今非常にこれらが楽しく、ためになり、充実した「趣味」の一つになっているわけですね。

しかし一歩間違えれば、自分もいつ何時同じような境遇に置かれるやも知れず、色々と心の準備をしておかなければならないなと。

そこで出てくる心構えが、初めに話した「ほどほど」にやる、ということなんですね。

Twitterやブログをやってる人なら誰でも多かれ少なかれそうだと思いますが、やっぱり「いいね」やレスポンス、「肯定的な評価」「ページビュー」などは嬉しいものです。それは、人間であれば誰でも感じる自然な反応だと思うのです。

しかし大切なのは、そうした「嬉しさ」についてもやはり「ほどほど」に感じておくことがポイントになると思っているのですね。

人間は「嬉しい」と感じると、脳の中で「ドーパミン」という物質が大量に出ることがわかっています。Twitterなどで「いいね」をされると多かれ少なかれ、このドーパミンが出ているのですね。

しかし、このドーパミンがあまりにも急速に大量に出てしまうと、ちょっとした中毒、依存症になってしまうのもわかっています。

なので、ランマニアも、お陰様でいつもいいねをしてくれるフォロワーさんや、いつもこのブログを読んでくださっている方がいるのはとてもありがたく嬉しいことと感じていますが、それについて「あまり喜び過ぎないように」「興奮し過ぎないように」いつも気を付けているところです。

ストレスにならない程度に「ほどほどに」ですね。

そして、もっとも重要なのは、ランマニア自身それほどメンタルは強い方ではないことを自覚しておく、ということです。Twitterやブログで不特定多数の人に何かを発信するということは、それなりに勇気がいることです。最近は慣れてきましたが、それでも色々と気になるものです。多分ひどい誹謗中傷を受ければそれなりにストレスを感じることは想像に難くありません。

それと戦ったり、あるいはスルーしたり、そんなことができるほどメンタルは強くないだろうな、と想像しています。

そう考えると、今回話題になっているような酷い誹謗中傷を受けるくらいなら、さっさとTwitterやブログやめちゃうだろうな、と感じています。

「ストレスになるくらいならやらない」

というやつですね。

「ストレスになる程はまらない」

「ストレスになるくらいならやらない」

まあ確かに今の年齢の半分くらいの年頃だったら、こんなことは思えなかっただろうなと思います。いろんなことに、真正面からガチンコでぶつかってた時期でしたからね。

仕事と違って趣味は、いつでも簡単にやめられます(依存症とかでなければ。いや依存症はもはや「趣味」ではないですが)。

「やめる」ことは逃げることでも諦めることでもなく、それ自体に何の意味も付加されない「やめる」という事象です。「やる」か「やめる」かです。

たかだか「趣味」でストレスを感じるくらいなら、思い切って「ログアウト」してその趣味に別れを告げ、新たな趣味を見つけにいくだろうな、と。いや、もともと興味あるものが多すぎるので、新たな趣味に事欠きません。変な話「趣味の保険」がいっぱいあるのですね。

幸いランマニアは、今のところランニングにしてもTwitterにしても大変良い仲間やフォロワーさんに恵まれ、毎日楽しいランニングライフを送らせていただいています。

これはもう感謝しかないですね。

正しいフォームで怪我を防ぐ

こんにちは、ランマニアです。

昨日は金曜日恒例の200mレペティション。

一本当たりの持続時間が短く、そして1週間で最も速いスピードで走る練習なので、わりと爽快で好きな練習です。

先月の400m×10 の時もそうでしたが、この短距離系の練習はランマニアにとって最も伸び代の大きい練習なため、2、3週間の取り組みでも十分変化が感じられて楽しいのですね。

実は、今月の200mではずっとある取り組みを続けてきました。

以前にも書いた通り、ランマニアはインチキフォアフット走行なため、どうしても膝から下の部位を故障しやすく、先月も4週目、あと一息というところでふくらはぎがやばくなったのでした。

ふくらはぎの張りくらいなら数日休めば回復しますが、絶対に痛めてはいけないのがアキレス「腱」や足底「腱膜」などの「腱」組織なのですね。

ここをやってしまうと「だましだまし」というのが通用せず、一見良くなったかと思いきや翌日悪化というような恐ろしい目に何度も遭ってきました。そしてそうなると、もう数週間レベルでの休養を余儀なくされます。

で、この足底やアキレス腱は、疲れている状態でスピードを上げる練習を繰り返すと痛める確率が高く、今のようにそこそこの練習を継続している時のスピード練習は大変危険な状況です。ですから、毎週この「金曜の夕方」は特に緊張を強いられる時間帯です。

さて、そんな危ない金曜の練習ですが、今月ダニエルズさんは200mのレペティションを課してきました。これをRペースで走りますから、まあ通常長距離選手がレースで走るようなスピードよりも遥かに速く、かかとをがっしり地面につけながらの安全走行では到底間に合わないスピードということになります。

そんなことでランマニアも例に漏れずかかとをつかずに前足部で接地してスピードを上げていくわけで。

ランマニアがインチキフォアフットになってしまった歴史については過去記事にあるので参照していただくとして(探しましたが見つかりませんでした。小学生の頃50m走でかかとをついて走っていたら「お前かかとついて走るから遅いんだよ」とバカにされたのがきっかけです)、なぜインチキかというと、とにかくランマニアの場合、速く走ろうとした際、膝下をせわしく動かすことでスピードを稼ぎ「雑な動き」のまま走る癖がついてしまったのですね。

つまり、大腿部(太もも)をしっかり使わずに走る癖がだいぶ前についていました。

一本の脚には様々な筋肉がついていて、それをできるだけたくさん使えたほうが一つの筋肉にかかる負荷は軽くなるわけで。

それをランマニアは下腿(膝から下)ばかりを使って走ってしまうものですから、どうしてもふくらはぎの肉離れや足底、アキレス腱を痛めやすくなってしまうのです。

そしてジョグなどのゆったりとしたペースであれば接地位置をかかと寄りにして大腿部に筋力を振り分けることができるのですが、200mのような速いスピードの場合、それがなかなかできずにいました。

しかし、今月の200mレペティションではそこをなんとか改善すべく、一本一本とても丁寧に脚を動かしてその問題点を修正しようと心がけてきたのですね。

どんなことを意識したかというと、とにかく走り始めから膝から上の筋肉に意識を向け(人間は動かそうと意識することでその筋肉に繋がっている神経系をしっかり使うことができます)、膝をしっかり前に出し、そして体の真下付近にかかとを下すイメージで疾走します。

すると、ちょうど接地位置が前足部のやや後ろ側、土踏まずの始まり当たりに来るようになり、そこからの蹴り出しではふくらはぎに加え大腿二頭筋(ももの裏)もしっかり使って推進力を得られるようになりました。

これを毎週16本、ずっと意識して走ってきたのですが、ようやく昨日の練習で「かかとをつかないのに大腿部を使える」走りが自然とできるようになってきたのです。

タイムもこれまでで最も速い32秒台で数本行けましたから、決して無理なフォームではなかったと実感しています。走行後のふくらはぎもほとんど張らず、むしろ今朝は二頭筋をつりそうになったぐらいです。

そしてこのフォームは火曜日のVo2Maxインターバルのペースにも応用できるため、1週間を通してだいぶふくらはぎへの負荷量を減らすことができるのではないかと考えています。

先月も3週目まではなんとか練習を継続できました。

しかし4週目でふくらはぎに来てしまったので、来週、4回目の3分インターバル、そして200mレペティションで、今回脚がどうなるか、このフォームで試してみたいと考えているところです。

本気を出さず、本気を出す準備だけしておく

こんにちは、ランマニアです。

今月3回目のVO2Maxインターバルを雨の中やりました。

3回とも同じコースで、3分間「これなら10〜12分程度維持できるスピード」を維持して、それを5回繰り返します。

10分間維持できるといっても、3分でいっぱいいっぱいになってしまうのですが、実はレースであればその「いっぱいいっぱい」なところから、心理的に苦痛を抑え込んで持っていってしまうんですね。

このあたりが、練習とレースの心理的な面での違いであり、体にかかる負荷の違いでもあります。

誤解を恐れずにいえば、ランマニアは練習で「相当手を抜いています」。

そうですね、レース中の「本気度」を10とすると練習は6行くかどうかです。簡単にいえば相当な「出し惜しみ」ですね。

理由は二つあります。

一つは、「頑張る必要がない」からです。

練習は、その目的に応じて距離やペース、本数が決められているので、それ以上のことをやる意味はないのです。いや、心理的な「満足感」を得たければその目的は達成できるでしょうが、練習の生理学的、神経学的な目的を達成するには、その決められた負荷や強度で十分だからです。それ以上苦しむ必要はなく、ランマニアにはその趣味もありません。

もう一つは、「明日も練習がある」からです。

1回のレースのダメージは相当なものです。想像を絶するものがあります。人間は体が壊れないようにある程度のリミッターが効くようになっていて、それが「苦痛」としてサインを出します。基本、「苦痛」を感じたならば、もうそれに従ってその活動を停止すべきなのです。

ところが人間は欲深い生き物で、何かの報酬を得ようとするならばその「苦痛」すら乗り越えてなんとしても我がものにしようと企みます。

「自己ベスト」「PB」「優勝・入賞」

なんと響きの良い言葉でしょう。

このためなら、簡単に脳のリミッターを解除できてしまうのがランナーという生き物です。

こうした報酬のためにリミッターを解除して「苦痛」を押し通して(あるいは脳内物質によって感じないようになって)走ってしまえば、当然翌日はおろか、数日は休養が必要となります。想像を絶する体へのダメージと引き換えに、報酬を手にするのです。

で、普段の練習でこんなことをしようものなら、まあ当然数日以内に大きな不調の波はやってくるでしょうし、想定外の故障もしてしまいます。ランマニアは「練習PB」にも興味はないので、当然翌日以降の練習を優先してリミッターを解除することはしないようにしています。

そんな理由から、ランマニアは常に練習では「本気を出していない」のですね。

ただですね、レースで本気を出すには「本気を出す準備」はしておく必要はあるかなと思っています。

「本気を出す」のと「本気を出す準備をする」のとでは、言葉の遊びのようで意外と意味合いが異なると思っています。

例えば、今日のインターバルなら10分持つペースなわけですから、まあ初めっからキツキツではないペースなのですが、やはり3分間の最終盤はそれなりにしんどくなります。

そのしんどくなった時に、それに身を任せて脚を止めてしまうのではなく、「ここちょっと踏ん張るぞ」と少しだけ出力を上げてそのペースを維持するのですね。いやその時間は本当に少しです。あまりその時間を長く取ってしまうと、本当に「本気を出す」ことになりかねませんから。

こうやって、一本一本の最後、あるいは5本のうち最後だけでも、「本気を出そうとする」時間を少し作って「本気を出す準備」をしています。

でも本気は出しません。

「本気」はレースの時までとっておきます。