烏帽子スカイラン VKエリートに参加してきました

こんにちは、ランマニアです。

故障から復帰後、第2戦目はここ数年連続で出場している「烏帽子スカイラン」です。

この烏帽子は、日本スカイランニング協会(JSA)のスカイランニングジャパンシリーズ(SJS)戦にも位置付けられていて、バーティカル「VK」とスカイランニング「SKY」のそれぞれ「エリート」がそれに当たります。

このシリーズ戦で、毎試合登録者の中で30位に入るとポイントが加算され、そのポイント数で年間シリーズを戦う、魅力的なシステムになっています。

さて、そんなSJSの第4戦、烏帽子スカイランの、まずはVKのレースレビューです。

通常バーティカル競技は、累積標高差1000m程度を一気登り、登りっぱなしのコース設定となりますが、烏帽子は珍しく下りや平坦区間がかなり設定されています。

この烏帽子のVKは、ここ数年出場するたびに自身のコースレコード(PB)を更新し続けている縁起のいいレースとなっています。

比較的走れる区間が多く、また下りも存在する珍しいVKのためか、割と自分自身の特性にはマッチしたコースです。

昨年は、練習も積めていて、さらに当日の調子も良かったせいもあり、序盤からかなり飛ばし気味に入ったものの、終盤の失速も最小限に抑えられ、65分台のベスト記録を更新することができました。

昨年は自分でも驚きのPBで自信を深めたレースとなりました。

そうした良い印象のあるレースであるためか、今年のレースも、前週に志賀高原を走って中5日だというのに、さらに10月に練習を再開したばかりだというのに、何だか今年も昨年同様に走れてしまう根拠のない自信に満ち溢れていたのですね。

レースで失敗する時は大抵、こういった自身の体の状態を把握しきれずに、気持ちだけが先走った場合です。

今回も、アップの時からなんとなく脚が重く、上り坂で感覚を確かめようとしてもすぐに失速するような最悪の状態であったにも関わらず、スタートからそこそこのペースで駆け上がってしまいました。

スタートして1kmのロードが終わると登山道に入りますが、初めの尾根越えの時点で足が終わりかけて絶望しました。

疲れているため、きっとペースが遅いだろうと思っていたところ、かなりの序盤でいつも歯が立たない同年代の有名ランナーに追いついてしまい、これはもしやOPなのでは?と気づいた時には時既に遅し。

累積にしてわずか300m程度の段階で、既に脚の動きが鈍くなりかけていました。

こうなってしまうと、残りの900mを登るのはかなりしんどくなります。

本来、急登続きの終盤に脚を取っておかなければ、大幅なタイムロスが生じてしまうスカイランニングですから、この展開はかなりまずい展開でした。

案の定、例年ならまだまだぐいぐい押せていたはずの終盤の緩やかな登りでもある気が入ってしまい、急登では止まりそうなほどのペースダウンを強いられました。

また、練習不足から、一歩で登れる距離も短くなっていて、知らないうちに巡行ペースもかなり落ちていたようでした。

登山道のような急な登り坂は、いったん動きが止まると進むために必要な時間が2倍3倍と跳ね上がるので、ロードレースやトラックのように、脚が止まってもそこそこ進めるようなことはありません。

なので、さっきまであれほど順調に登り坂を進めていた様子から一変して、まるで別の競技に変わってしまったかのような動きと、進む速度に変わってしまうのですね。

ラスト200mある岩場に、10分近く要してしまいました。

結局、毎年苦しめられる最後の岩場も止まるような速度にまでペースが落ち、結果として昨年のPBから約4分遅れ、そしてまさかの自己ワーストタイムでフニッシュという結果となりました。

練習ができていない中でOPともなれば、簡単にワースト記録となってしまうバーティカルの恐ろしさも実感しました。

順位的には14位と、ポイントもかなり獲得でき、練習不足の割には満足いく結果と言えなくもないですが、レース終盤は潰れてしまった悪い印象が残り、軽快に気持ちよく登り坂を走るVK特有の楽しさを味わえなかったのはとても残念でした。

烏帽子の最大の魅力はやはり山頂からのこの絶景です。

ただ、それでも山頂に到達し、360度のパノラマビューに飛び込むことのできるこの烏帽子VKの最大の魅力は、その絶景にあります。

通常なら2時間も3時間もかけた先に待っているこの山頂の風景を、我々はわずか1時間足らずで目にすることができ、山頂がゴールのVKではそれにしばらく浸ることができます。

多少のタイムや順位の悪さも、この景色を前に、まあ許せてしまうのがVKの良いところですね。

翌日のSKYでは、ここを折り返し、一気に麓に向かって下っていきます。

体調や体力不足を見誤り、ペース配分を大きく間違えた初日のVKでしたが、2日目のSKYではその反省を生かしてレース展開を大きく変えることになりました。

次回は、SKYのレースレビューです。

10月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

8月、9月と走ることを封印してましたので、久しぶりの月間振り返りとなりました。

10月は色々あり、まとめたいことは山ほどあるのですが、ひとまず時間がないので10月のトレーニングとその内訳を簡単に報告します。

10月は基礎体力や脚の耐性を築き上げるための初歩段階として、ジョグをひたすら続けました。

実は、9月の中旬あたりから、様子見で1km、2km、最終的には6kmほど走れるようになっていたのですが、そこはあくまでトレーニングを積むためのリハビリ期間として設定していたので、走行距離として扱いませんでした。

もちろん、本来ならそこも記録してしっかりと距離管理をすべきですが、9月まではまだこのまま足が快復していく手応えを感じられなかったため、無理をしない意味でも記録はしていなかったのですね。

結果的に、今となっては完治に向けて足は変化していたのですが、当時は何度もぶり返す痛みに治せる自信を失っていたというのもあります。

なので、「これならもう大丈夫だろう」と確信を持てた時点で「トレーニング再開」と定義していたのでした。

それが今月に入っての練習です。

ほぼ毎日通勤時のランニング、週末のまとまったジョグ、というのを数週間繰り返し、終盤はトレイルのレースで長めの距離を走りました。

平均すれば、ほぼ1日あたり10km程度のジョグしかしてませんし、ウィンドスプリントも一本たりともしていません(電車に間に合うようにダッシュもしてません)。

そうした状況で、トレイルがどれほど走れるかかなり不安でした(特に志賀高原)が、どうにかセカンドベスト、それもわずか4分遅れで済ませることができたのは、大きな自信になりました。

結局、疲労を溜めずに、当日のペース配分さえ間違えず、補給をしっかり行えば、ジョグだけでかなりパフォーマンスを発揮できることに気付いたわけです。

練習再開後、トータル200km程度の走行距離で望んだ志賀高原エクストリームトレイル32km

昨日までの烏帽子スカイランにおいても、とにかく無理な負荷を体にかけず、コンディションを整えることのほうが、ハードなトレーニングを積んで体を壊すよりもはるかに良い結果が残せることを、改めて実感したのでした。

最後の2週でトレイル率が急増しましたが、練習回数として3回だけがトレイルです。

8月はほぼ練習皆無で、9月も本当に散歩程度のジョグ。10月にようやく練習らしくなってきましたが、それでも日数的には20日ほど。

こんな練習で、相当走力は落ちただろうな、と感じていましたが、昨日の烏帽子スカイレースの終盤のロードでは、一時、キロ4分ちょうどくらいのペースで巡航できるほど脚もよく動くようになっていました。

確かに、バーティカルでの呼吸のキツさは尋常ではなく、レース翌日に呼吸筋が筋肉痛になる程換気能が落ちている印象でしたが、そこを除けば、レースとして楽しめる程度には走力が戻ってきた感覚は得られました。

今年5月以来の月間300km超え。日々のジョグは行き帰りの通勤で分割されるため、体への負担は軽かったです。

さて、先週から2週連続で長めのトレイルを走ってしまい、サーフェスは比較的柔らかかったとはいえ、筋へのダメージは相当なものが残りました。

一月単位で見れば300km程度ですが、先週からのトータルでは週100kmほどに急増していますので、このタイミングは故障などが起こるリスクの高い時期だと考えます。

11月はそろそろロードでも距離を伸ばす予定であることから、今週は数日休養を入れ、筋の損傷を回復させなければなりません。

特に、筋痛が激しい時はフォームも制限され、思わぬ故障を誘発するため「走れても走らない」選択が重要となります。

いずれにしても本命レースは2月以降ですので、10月はようやくリハビリ終了、11月からトレーニング開始、でもその前に一旦休もう、くらいの気持ちでゆとりを持っていこうと思います。

志賀高原エクストリームトレイル JSA日本選手権(ミドル)に参加してきました

こんにちは,ランマニアです。

昨年は「就活」で参加できなかった志賀高原エクストリームトレイルに,二年ぶりに出走してきました。

早いもので,このレースに初めて参加したのは2018年で,そこからもう4年が過ぎてしまいました。

昨年は未出走ですが,それ以外は全てミドル(32km D±2000m)に出走し,今回のレースで4度目の参加となりました。

このレースは日本スカイランニング協会の日本選手権に位置づけられているということもありますが,それよりも本コースが関東近辺では屈指の「エクストリーム(極限)」なコースであることが,ランマニアが毎年参加している理由です。

年間通して参加しているトレイルレースの中でも屈指のエクストリームなコース設定です。

本大会を運営されている「北信濃トレイルフリークス」さん自らが,「終盤の絶壁(サンバレースキー場)」や「避けることのできない泥濘区間」,「ほとんど晴れない天候」などをそのエクストリームな理由にされていますが,ランマニアの中で最もエクストリームなのは,他のトレイルレースでは決して体験することのできない「志賀の山々」の真っ只中を全身で浴びながら走れることだと思っています。

ランマニアの嫌いなものベスト3に入るゲレンデ下りも,この絶景を前にしたら嫌とは言ってられません。

真のエクストリーマーになるには,やはり55km D±2800mのロングコースを走らなければならないのでしょうが,正直ランマニア的には今回のミドルで相当にお腹いっぱいになってしまうため,その一端を垣間見るに過ぎないと言ったところでしょう。

それでも,それなりのトレイル経験がなければこの32kmのミドルコースを完走するのも至難の業でして,それだけに,今回のような「練習不足」の状態で出走するのは相当なリスクを伴うものでありました。

一定の練習を積んでいなければ何が起こるかわからないのが志賀高原

今年は,6月中旬以降足底筋膜炎の快復に時間がかかり,山練はおろか通常のランも2ヶ月近く行えない状態が続いていました。

ようやく9月中旬に練習を再開して以降も,本当に軽い数kmのジョグを続ける毎日で,3週間前にようやく10km,2週間前から20kmがやっと走れるようになったばかりの状態でした。

トレイルはロードとは違う能力を使うということはわかっていましたし,過去にはランがほとんど0でも山歩きだけで対応できた経験もあるにはありましたが,今回のコースの恐ろしさを過去幾度も経験している身としては,やはり「こんな練習」で走り切れるかどうかは本当に出たとこ勝負といったところでした。

昨年の上田スカイレースは,国内最難関コースでしたが山歩きだけで乗り切った経緯があります。ただし,今年は山すら一月以上登っていませんでした。

なので,今回出走するにあたっては,

①とにかく急な登りは全て歩き,走れる区間も軽いジョグで通す

②脚が終わったり,故障が再発したときは即リタイアする

を念頭に,確実に完走することを目標にして臨みました。

スタート後すぐのゲレンデは緩やかな登りが続きます。

昨年より,スタートはJSA日本選手権組は別スタートとなり,今年も一般よりも3分まにスタートとなりました。

ところが,昨年豪華メンバーだった日本選手権ミドルは,今年わずか13人の出走にとどまり,寂しいスタート風景となってしまいました。

それでも,女子も含め強豪ぞろいのメンバーですから,ランマニアのように初めはゆっくり走る,みたいな感覚で行くと,スタート後すぐに最後尾に追いやられてしまうのですね。

そんな状況で当然焦りも出てくるのですが,初めの横手山までの累積500m近い登りでは絶対に脚を使っていけません。

少しでも努力度が上がりそうになる勾配になれば,すぐに歩行に切り替え,軽いジョギングくらいの感覚が続く程度にペースを抑えて登り続けました。

横手山リフトまでがちょうど25分。歩いた割には思ったより早く到達できました。

JSAの集団からはどんどん離されますが,とにかくここはまだまだ序盤も序盤,始まってもいないくらいの感覚で,横手山の山頂を後にし,思ったよりも脚を使わずに山岳区間に入って行きました。

エクストリーム名物,どろんこ区間

横手山から寺子屋峰までの山岳区間は,ミドルコースの第2セッションともいうべき区間です。

一般的なトレイルレースでよくあるような急激な登りや下り,岩場やシングルトラックなどバラエティに富む景色を楽しめる区間となっています。

体力的にもまだまだ余裕があり,標高2000m弱の文字通り「天空」を走れるスカイレースらしい区間です。

この区間を楽しみたいがためにこのレースに出走するといっても過言ではないほど,この区間はスカイランナー好みのコースになっていると思います。

晴れさえすれば,このような絶景を浴びながら天空の稜線を走り続けられる区間が存在します。

この第2セッションはまだまだ序盤ですが,最初のハイライトが赤石山です。

割と樹林帯や笹藪の多い山岳区間にあって,珍しく視界がひらけ、山頂から下界を望めるピークとなります。

赤石山山頂から大沼池を振り返る。まだ疲労も軽い段階で最も楽しめる時間です。ここまでで累積1000m。

ここまでくると,だいたい累積標高が1000mとなり,登り区間の約半分が終わったことになります。

時間としては2時間前後なので,だいぶ走った気になりますが,体力的には半分以上残していなければ終盤大変なことになります。

初期の頃は,何度かここで飛ばし過ぎて終盤動けなくなったことがありました。

この後,横手山以来最もハードな登りが続く,寺子屋峰までの直登区間をクリアすると,一の瀬エイドへ4km、一気にゲレンデを下って行きます。

寺子屋峰で累積1250m程度。水平距離もまだまだ13km程度ですから、ここで脚が動かなくなってきているときは相当やばい状態です。

今回は抑えに抑えたため、一の瀬までのゲレンデ直滑降も比較的楽にこなせました。

一の瀬までのゲレンデ下りはおそらく下り勾配が最大となっている区間です。ここでかなり脚がやられるので注意が必要です。ランマニアはゲレンデ下りが大嫌いです。

ところで、今回もう一つ意識したのが、エネルギー切れを防ぐということです。

前回の嬬恋スカイランでは終盤血糖値が大幅に低下したような感覚(ハンガーノック)を味わい、危うく動けなくなりそうになった経験をしました。走行時間が4時間を超えてきたあたりで、補給をろくにしていなかったことが原因だったと思いますが、今回はその経験を踏まえて、かなり早い段階(70分程度)で一度200キロカロリーほど、さらに2時間経過後にもう200キロカロリーほど補給しました。

その一環で、一の瀬エイドでも普段は食べないお饅頭をひとついただき、もう一つを携行することにしました。

これは後々かなり効きました。

一の瀬エイドから先が実際の後半戦です。風光明媚な区間が続く一方で、確実に脚は終わりに近づきます。

初出場だった時は、この一の瀬エイドまできたらもう残りはわずかだと思っていました。

累積標高も残すところ600m程度ですし、距離も10数km。景色も綺麗で、最後は楽しみながらゴールかな、と、甘々な考えで走り続けたのを覚えています。

個人的には、一の瀬エイドから先が最終の第3セッションと捉えていて、ここをどうまとめるかが最終タイムに最も影響すると思っています。

特に、「ジャイアントスキー場」「サンバレースキー場」の2大ゲレンデまで脚を残しておき、いかに走り続けるか、走れないまでも止まらずに歩き続けるかがタイムの短縮に大きく影響します。

一の瀬エイドからジャイアントスキー場までの山岳区間は、高低差がないものの、斜面に申し訳程度に取り付けられたシングルトラックを走る区間があり、ここで意外と脚を使わされてしまい、知らず知らずのうちに溜まった疲労に気づいた頃に、第一の難関、ジャイアントスキー場を迎え撃つことになります。

初めて見た時は、誰でも「まじかー!」と叫ぶと思いますが、残念ながらここで累積100m近く一気に登らされるのです。

しかしここを越えると、蓮池、エイド、琵琶池、といったん平和な時間が久しぶりに訪れます。

ジャイアントスキー場を登った後にこうした時間が来るので、初出場だと、これでもう終わりだろう、と誰しも勘違いするはずです。

ジャイアントスキー場を後にすると、紅葉に色づく快適なロードや湖畔を走る区間、気持ちの良い緩やかな遊歩道が続き、いよいよゴールが近付いたことに気付かされます。いや、勘違いさせられます。

少々マニアックな例えをすると、少年の頃やり込んだRPGで、最後のボス戦でHPとMPを使い切り、もうゲームクリアだと思ってそのまま進んでしまったような、あの感覚です。

なんとも言えない達成感。もうやりきったぞ、という脱力感のまま、エンディングを見ようとその場を去ろうと、愚かにもHPをそのままに帰路につこうとするあの感覚です。

しかし、ここは志賀高原、エクストリームトレイルなのです。

GPS時計を持っている人は、もう一度確認してみてください。累積標高がまだ300mほど残っているはずです。

このまま終わるはずはないのです。

姿を現したラスボス、サンバレースキー場。我々にとってはまさに死の壁、「デスバレー」です。

ランマニアも初めて出場してこの場に立った時には目を疑いました。

ここまで散々登り続けてきて、もうあとは小刻みなアップダウンがあるくらいだろう、と勝手に思っていたんですね(実はコースマップの高低差の図ではこの壁は分かりにくくなっている)。

実際に坂に、いや壁に取り付いてみればわかりますが、ここまで登ってきた勾配の中では群を抜く急勾配です。

もちろん、登山道にはこれよりも急な岩場はありますが、ここまで長い距離を登り続けさせられる急登は他にはありません。

脚が終わっている人は、途中で登れなくなるんじゃないかと心配になる勾配です。

実際の視界にはこのように映ります。エリートはここを走って登れるので信じられません。

今年も、序盤からここを意識して脚を温存してきたこともあり、前回のPBを出した時と同様、ここでもなんとか歩き続けることはできました。

このサンバレーをクリアすると、だいたい累積150mくらい。残りの累積標高はいよいよ100m少しとなります。

ここから先は、いったん下った後に少し長めの歩行区間が続きます。

この歩行区間の中に2度ほど急な登りがあり、残りの累積標高をだいぶ稼ぐことになります。

ここが歩けるのは正直助かりますが、タイムを狙う人たちには大きなロスになることは間違いありません。

歩行区間が終わるとラスト3.5km。湿原の向こうに見える小高い丘が最後の上りです。きついですが、ここまでくると気合ですね。

歩行区間を終えると、もうあとは3.5km、走り切るだけです。登り区間もいくつかありますが、脚が残ってさえいれば、出し惜しみせず突っ走ってもなんとかんるでしょう。

今回は、序盤の温存と、そしてこまめな栄養補給が効いたせいか、このラスト3kmで珍しく「スパート」をかけることができました。

トレイルでも終盤まで脚を残し、今回のように脚を動かし続けることができれば、だいぶタイムを短縮できるものと思われます。

序盤抑えたとはいえ、結果的に最後まで走り切ることができ、大幅なタイムロスはありませんでした。

ゴールタイムは、4時間34分で、一昨年の自己ベストからおよそ4分遅れに止めることができました。

今回、走行中は常に呼吸の苦しさを感じ、標高が高いところで走り続ける能力が前回よりもだいぶ低下している印象で、その分の遅れだったと思います。

この辺りは、もう一度LTやVO2Maxを鍛えて、戻すことでだいぶ改善されるように思いました。

とにかく、序盤からペースを抑え、ジョギングを続ける感じ、ハイキングを続ける感じで走り続ければ、この一月の練習程度でも十分トレイルは走れることがわかりました。

当然、最低限のジョグを続ける期間は必要ですが、当日はオーバーペースとエネルギー補給に気をつけさえすれば、脚は意外と持つものだと改めて実感できました。

逆にいえば、どんなにトレーニングを積んでいても、ペースを間違えたり、補給をおろそかにしたりすれば、簡単に失敗するのがトレイルであると感じたのも事実です。

いずれにしても、長く苦労した故障期間が明け、またこうしてレースに参加でき、脚の痛みもなく走り通せただけで、今回は満足でした。

1からやり直し

こんにちは、ランマニアです。

8月上旬に練習ツイートをしてから約2ヶ月間、Twitterもブログもせず,完全に雲隠れしていました。

もしかしたら,ランマニア競技やめたか?と思われていたかもしれませんが,実際一時的にはそれくらいの気持ちで休まないといけないな,と思っていたのは事実です。

というのも,今回の故障は本当に快復が悪く,何もせず休んでいても一向に痛みが引いていかない日々が長い間続いていたのですね。

通常,これまでの故障であれば(足底筋膜炎でも)目安として1週間丸々休めば,だいぶ痛みが引いていったのですが,今回かなり焦ったのは,1週間走らず過ごしていても患部の痛みが全く変わらなかったことです。

一時期は,もうこのまま走れなくなるんじゃないか,とかなり先行きを心配して、メンタル的にやられた時期もありました。

ではなぜ,今回の故障はここまで長引いてしまったのか。

振り返ると,いくつか思い当たることがあります。

①6月に痛みに気づいたあと数週間,レースも含めかなり走ってしまった

②痛みが引いた後の休養期間が十分でなかった(最大2週間入れた時もありましたが,結果的に3週間の休養が必要な故障だった)

③そもそも治りにくい足底筋膜炎

④老化による回復力の低下

この辺りが自分なりに思い当たったところです。

①については,故障のかなりの早期に休みを入れたつもりでした。事実,あの頃(6月上旬)は1日の休みで軽快する幅も大きく,これならすぐに復帰できるな,と感じていました。

しかし,せっかく快復した患部をしっかり休ませずに,長めの距離を走ったりレースに出てしまったことが,損傷部分をさらに深く,広範に傷つけてしまった印象があります。

②は、これも当初1週間丸々休めば大体の故障は痛みが軽くなるため,その状態で数km走る分には全く問題なかったのですが,今回の故障は,①と③の理由から,ほんの数km,もっといえば数百m走っただけで故障が悪化する時期もあったほどでした。ここでせっかく治した患部の炎症がまた最初の状態に戻ってしまい,そこから改めて快復させるために同じだけの時間が必要になってしまう,それを何度か繰り返してしまったことが長引いた原因でした。

ここまでの状態が,6月下旬から8月中旬まで続き,少しよくなったと思って走り始めてまた元に戻る,を二月近く続けてしまったことになりました。

そして,そこから3週間ほど完全に走ることから遠ざかり,中途半端に走ってしまったりしないよう,自分が競技者であることを一時的に忘れて生活しようと考えました。

Twitterやブログで近況報告や記録をつけてしまうと,ついつい走ってしまうので,それも一切やめ(読むのも),生活の中に走るという気配を全て消し去ることにしました。

走れていた頃やレースのことを考えてしまうと,どうしても「再開すること」が目標になり「治すこと」を忘れてしまうからですね。

ただ,これについては,今年に限っては,転職したてでまずは仕事に集中してそれに慣れるという意味では,むしろそれは必要な時期ではあったと前向きに考えました。

これほどまでに長い間まともに走らなかったのは人生で二度目くらいだったので,まあそれなりにしんどい時期ではありましたが。

9月の中旬から,ようやく土日に少しだけ走ってみて,翌日の患部の様子を確認しました。

痛みが変わらないようではダメなので,走っても次の日にはさらに良くなっているかどうかが重要な基準でした。

もう大丈夫,と思って走り始めても,翌日か2日後辺りにまた再発するというのを繰り返していたので,少し走れたくらいではまだツイートするのはやめようと思っていて,とりあえず,10km程度まで走れるようになるまでは「復帰」という言葉を使うのは控えていました。

2週間前から,毎日1〜3km程度走っても悪化しなくなり,先週からは通勤時のランニングを再開することができました。

そして先週の木曜あたりから通勤時の往復にランを入れられるようになり,トータルで10km走れるようになったことから,この土日は2日とも芝生を中心に60分のジョグを入れることができました。

足底筋膜炎は完全に痛みが引くのに1年ほどかかるため,練習が再開できても数ヶ月は違和感が残ります。ただ,走行中に痛みがなく,朝起きた時の一歩目の痛みが悪化していなければ練習を続けても問題ないので,連日10kmの練習がここまで続けられれば,「もう復帰と言って差し支えない」だろうと判断したのですね。

いやここまでくるのに本当に長かったですが,一時期はもう二度と走れないのではないか,と思っていたことを考えると,今はこうして毎日走ることが日常になり,週末には60分のジョグができるようになったことで,とにかく復帰できたことの喜びの方が遥かに大きい状態です。

今後のレースプランはまた別に紹介することにして,ひとまずは練習復帰の報告がてら,2ヶ月以上ぶりのブログ投稿になりました。

7月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

ランナーとしてはこの故障はできれば避けたかったのですが、およそ3年ぶりに足底筋膜炎になってしまい、ここ一月練習を休むことになりました。

この故障、過去には左足1回、右足1回と発症し、今回が3回目。

前回は、ロングトレイルのレースを走った後に、ろくに休まずLTインターバルをガンガン入れているうちに、足底が限界に達したパターン。

その前の右足は、アウトソールに硬い補強の入ったナイキのシューズを履いたことが原因で痛めたもの。

どちらも、なかなか治らずに、完治におよそ1ヶ月を要したのを覚えています。

特に、前回の左足の時は、通常の土踏まずにとどまらず、踵部分にまで腫れと痛みが転移し、かなりの重症になってしまったことで、本当に苦労しました。

それに比べると、今回は土踏まずの踵付近の一部分だけに痛みがあったのみで、割と軽症なのかもしれないと、少し甘く見ていたのですね。

そもそもの気づきは6月に入ってすぐ、東京バーティカルの前日あたりに感じた違和感が最初でした。

あの時はまだ、走ることで悪化するほどではありませんでしたし、練習も上手くこなせていてその成果を発揮したい思いもあり、そのままレースに参加しました。

その後数日休み、痛みも軽くなったところで翌週も嬬恋のスカイレースで、ここは距離もかなり長かったのですが、あまりに痛めば途中で止めることも考えながらレースには参加しました。

本来ならここで休む予定だったのですが、急遽この翌週に職場でリレーマラソンに誘われてしまい、今にして思うと、ここで硬いサーフェスをハイペースで走ったことで、かなり傷が広がってしまったように思います。

ただ、この時も数日休めば良くなると思い、3日ほど休んだ後から練習を再開し、その翌週にトレイル練を入れたところでいよいよ痛みが繰り返されることがわかり、ここでようやく「故障」を受け入れて休むことにしました。

そもそも、この足底筋膜炎がいつも厄介なのは「痛いなりに走れてしまう」ことなのですね。

例えば、同じく何度も繰り返しているふくらはぎの肉離れなどでは、一旦ピキッとやってしまうと、歩くのも痛く、我慢して走ろうものなら走行中にどんどん痛みが増していき、すぐに走れないほどの痛みに発展してしまいます。

ところが、この足底筋膜炎は、朝イチでは痛みがあるものの、その日一日を過ごしているうちに次第に痛みが軽快し(温まると痛みを感じなくなる特徴があり)、夕方には「走れるかもしれない」となってしまうのが、大きなトラップなのです。

走行中も、肉離れのような耐え難い痛みではなく、なんとなくむずむずするような、ちくちくするような、我慢できなくはない程度の痛みしか感じません(そもそも痛みとして自覚できない場合も)。

しかし、そうやって走っているうちにも、知らず知らずのうちに微細な断裂は進み、翌朝の痛みがその前日よりも増している、という自分でも「なぜ?」と思うような経過を辿ることがしばしばです。

今回もまさにその経過をたどり、初めは富士登山競走も出走する予定でしたから、数日走っているうちに気づくと痛みが増していて、これは完全に走るのをやめなければ痛みは消えない、と気づくまでに時間を要してしまったのですね。

今月は、そのような「試し走り」を繰り返しただけの1ヶ月になってしまい、もう練習というよりは近所を散歩した程度でした。

最終的には、走行中や歩行中の痛みはほとんどあてにならないため、朝イチで感じる痛みから快復の程度を判断することにし、朝の時点で少しでも痛い場合は走るのをやめておくという基準で練習を再開することにしたところです。

そうした基準で考えれば、練習の再開はもうそろそろ大丈夫だろう、という所まで来ていて、昨日は久々にのんびり登山などしてみました。

昨日はひと月ぶりに山へ出かけました。相模湖を望める石老山。この山域はヤマビルが多数いて、生まれて初めて取りつかれました。

まあとにかくこの足底筋膜炎は治りが悪く、重症、軽症など問わず、だいたいひと月くらいはみないといけないのだな、と改めてこの故障の厄介さを痛感したところです。

もうこうなってしまったらジタバタしても仕方がないので、とにかく痛みがなくなるまでは走ることを控え(本当に少し走っただけでも治りが悪くなる)、もう一度走れるようになるのを気長に待とうと思います。

「温まると痛みが引く」というのがトラップで,走っても悪化しないから走って良いわけではないことに気づくのが遅れました。
数年ぶりに月間100kmを下回りました。

6月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

8月くらいの感覚でいた今週の暑さですが、実はまだ6月だったのですね。

暑い中走るのが好きなランマニアにとって、今週のこの暑さの中走れずに、昼休みに散歩をするのはささやかな楽しみでした。

というのも、先週那須にトレイル練をしに行った際の疲労状態がかなりピークに達していて、このまま練習を継続してもますます調子を落としていくだろうな、と感じたこと。

さらには、今月上旬にわずかな痛みを感じていた右足の足底腱膜炎が膠着状態になってしまっていたこと。

これらのことが重なったことで、今週はもう完全レストにすることにしたのですね。

先週の那須のトレイル練で幾度もつまずき(うち1回は転倒)、疲労の状態がピークに達していることに気づきました。

今月は、第1週からほぼ毎週レースで、そのたびに足底腱膜炎が悪化しないよう、レース後に連続レストを入れていました。

レースで悪化することもなければ、痛みが増すこともなく、なんとか練習は継続できたものの、このサイクルを4週続けたことで、今月の走行距離は激減してしまいました。

「連休」が目立つ6月となりました。

一方で、今月は2回のトレイルレースとトレイル練習を入れたため、走行距離に占めるトレイルの割合が急激に高まりました。

3割がトレイル。半分が嬬恋ですが。

また、LTペースや解糖系を使う練習もそこそこ取り入れたので、見た目の走行距離よりも、思いのほか脚への負荷がかった月だったのかもしれません。

とはいえ、5月は久々に400km近く走ったこともあり、この6月はレースを中心に据えて、あまり無理はしないよう意識していた月でもありました。

7月には富士登山競走という「大物」が控えており、ここで一旦体をリフレッシュさせておく必要があったのも事実です。

6月は今年最低の月間走行距離となりました。

通勤方法が変わり、荷物を背負ってアスファルトを走ることで、どうしても脚への負荷がかかりがちで、今回の脚底腱膜炎も少なからずそれが影響してそうでした。

練習の継続の仕方も今なお模索中で、毎日無理をしすぎずに、かつ週の中でそこそこ追い込む日を確保するのはなかなか難しいのですが、どうにか故障を回避しながら安定して練習を継続する方法を見つけたいところです。

嬬恋スカイラン スカイリッジ(ロング)に出場してきました

こんにちは、ランマニアです。

日曜日はスカイランニングジャパンシリーズ(SJS)のSKY部門第2戦、嬬恋村で開催された、嬬恋スカイランに出場してきました。

このSJS第2戦は、先週がバーティカル(VK)部門、そして翌週にSKY部門が開催されるという「変則コンバインド」方式で行われることになりました。

先週はVK部門の第2戦が東京都で開催。

先週のVK前日あたりから、右足の足底にやや気になる痛みがあったため、レース翌日から3日ほど練習を休み(通常VKならそれほど休み入れません)、その回復具合によっては、今回の嬬恋がもしかすると危うい状況になる可能性も秘めていました。

結果的に今回のレースで症状が悪化することはなく(むしろ改善)、想定された故障の心配は杞憂に終わりましたが、先週はかなり足の状態に気持ちがナーバスになっていたのは間違いありません。

そんなことから、今回のレースを走るにあたっては、結果として練習がかなり落とせたことで疲労は抜け、割と絶妙にピーキングができていたように感じていました。

ただ、とにかくレース中に故障が発生したり、走行不能になったりしないかということだけが気がかりで、レースの序盤は常に右足の足底に気を配りながらのレース運びになりました。

かろうじて天候が回復し、予定通りのプランAでの開催となりました(昨年は地獄のプランB、2周コース)

今回のは、「スカイリッジ」という約2000m級の稜線を走り通す、本格的なスカイランニングレースです。

SJSが規定する、いわゆる「SKY」部門でも比較的距離が長く(38km)、累積標高も2600mに迫る、上田スカイに匹敵する難易度を誇ります。

しかし、高標高を走り通す上、途中にエスケープルートが確保できないため、悪天候時は危険回避のプランBになることがあり、昨年は同一コースを2周するルートに変更された経緯があります。

去年は悪天候プランB、脅威の「バーティカル2周」コースとなりました

今回も、前日は土砂降りの雨が降り、当日の天候も心配されましたが、なんとか翌日は天候も回復し、通常通りのコースを走ることができました。

このスカイリッジの特徴は、とにかく長い時間高標高を走り続けることにあります。

今回も走りながら気づいたのですが、やはり標高2000mを超えるエリアを走っているときは、明らかに呼吸の苦しさや視界の狭まりを感じ、場所によっては吐き気をもよおした区間もありました。

同様なコースで、秋に行われる「志賀高原エクストリームトレイル」というがありますが、あちらよりも、高標高のしんどさを感じやすいコースだったように思います。

天候が回復したとはいえ、絶景が拝めることはほとんどなく、毛無峠付近では暴風雨という想定外の展開に

そうした中でも、今回は練習を落としたおかげか、初めて到達する毛無峠や御飯岳までかなり余裕を持って走ることができ、折り返してゴンドラリフトの四阿山直下の稜線にたどり着くところまでは、かなりいい順位でレースを展開することができました。

ここまでで距離は大体26km、累積標高は2000mにせまるあたりでしたので、脚の残し方から無難にまとめられるのではないかと、甘い目論みでいたのですね。

ゴンドラの山頂駅付近からフィニッシュ方向を望む。あとは下るだけだと思ったら大間違いでした。

事態が急変したのは、その稜線を辿って、四阿山の山頂直下へ向かうまでの緩やかな登り。

残しておいたはずの脚が、急激に動かなくなり、これまで走れていたような勾配でもガッツリ歩きが入るようになってきました。

ここまで後ろから抜かれることがなかった中で、初めて後続のランナーにも抜かれるようになりました。

この急激な変化の前に起こった気掛かりな変化は、レース中に初めて体験する「空腹感」でした。

通常、トレイルレースでは、比較的こまめに給水、給食をしているので、あまりお腹が減るということはないのですが、今回は、足の故障が気になっていたため、レース前にしっかりとレースを走る意識があまりなく、補給食もいつもより少なめにしてしまったのですね。

また、コースプロフィールも「上田よりは楽だろう」という変な楽観的な見方をしていて、補給の重要性を忘れていたというのもありました。

その「空腹感」のあとにやってきたのが、体に全く力が入らない状態と、頭がくらくらする状態。

これがいわゆる「ハンガーノック」ってやつか?と、これに気づいた時には相当に焦りました(ただ、後で気づいたのですが、ちょうどこの区間は標高が最も高いエリアで、酸欠の影響も少なからずあったものと思います)。

かろうじて、最後の補給食「一本満足」を一つ残してあったため、それを急いで補給し、四阿山を下りながら、どうにかある程度は走れる状態にまで戻すことができました。

しかし、最後の最後に大きな大誤算が待ち受けていたのですね。

ラスト4km。残していた累積標高差が、ここで待っていました。

事前の説明会で、最後に急な登りがあることはわかっていました。

しかし、ここまでの長さと標高差とは思ってもなく、完全に終わっていた脚と、残されたエネルギーでは、ここを登ることはできませんでした。

最後は走ったり歩いたりから、歩いたり止まったりに変わり、完全にただの我慢大会になってしまったのが非常に残念でした。

下山する頃にはようやく天候が回復し、初めて晴れた嬬恋の景色を拝むことができました。

ただ、リザルトを見ると、かなりのエリート選手でもこのコースを苦戦していた様子がわかり、上位との差が、通常の5時間レベルのスカイレースよりも開いていないことに気づきました。

足が止まらなければ、と思いつつ、いつも上位に来る常連さんたちでも最後まで走り通すのが難しいコースだったことを考えると、ある程度の結果は残せたのかもしれないと、思いを改めました。

当然課題はいくつもありますが、先週のVKに引き続き今週のSKYでもポイントを獲得でき、大きな故障や怪我なく完走できたことで、ひとまずはSJSの第2戦の目標は達成できたと思っています。

念願だった、「グンマー帝国」に到達

東京バーティカルレース 上田の失敗から1ヶ月

こんにちは、ランマニアです。

今日はスカイランニングジャパンシリーズ、バーティカル部門(VK)第2戦、東京バーティカルレースに出走してきました。

もともと、この東京バーティカルは同じ東京にある大岳山を舞台に始まった、東京都初のバーティカルレースだったのですが、会場の都合やコロナ禍のために中止やコース変更などが続き、今日は2年ぶりの開催となったのですね(御前山での開催は初)。

ランマニアも、過去には大岳山のコースを試走したこともあり、とにかく数年来このレースを楽しみにしていた一人です。

さて、そんな東京都を舞台にした完全ホームグラウンドのバーティカルレースですが、ランマニア的には、今回のレースにはもう一つ重要な意味がありました。

今年度、転職を機に生活が大きく変わり、それを境にした4月、5月のレースはことごとく失敗が続いてしまったのですね。

なんとなく自分の中で、転職や仕事の内容、ライフスタイルのせいにしたくはなく、たまたま練習の疲れが出てしまったタイミングだったとか、風邪を引いたことが原因だったと思いたい部分があり、早く、新しい仕事を続けながらもレースでうまく走る機会が訪れないかと気持ちが急いていたことは事実です。

そんな中で、5月はかなり練習が積め、体調も悪くない中でようやくレースを迎えることができたのですね。

去年、今年と二度も試走をして馴染み深い御前山の東京バーティカル

この御前山のコースは、昨年から試走を行い、今年も2週間前に走ったばかりで、ある程度ペース配分やレースの見通しの持てる状態になってはいました。

ただ、4、5月の失敗の記憶がなかなか払拭できず、どうしてもレースで走れるいいイメージが持てないでいたのです。

それでも、アップの時から近くの坂はぐいぐい登れるし、脚は全く疲れないため、少なくとも上田よりは勝負になるんじゃないか、という予感はしていました。

初めの1kmはロードを含む急坂の下り。ここはアップのつもりで自重しました。(画像は昨年試走時のもの)

レース時間はおそらく1時間程度。

そうすると、呼吸のキツさや脚のしんどさの目安としては、大体ハーフマラソンのレースか、それより少し速いくらいのものをイメージして、1時間走り通す感覚を意識しました。

なので、序盤の川を渡るまでの下りもその感覚に集中して、ペースを上げすぎないように気をつけました。

このコースの特徴は、序盤にロード登りもかなりの間続くこと。登山道より勾配は緩いのに、進めてしまう分、登山道よりも呼吸、脚ともにキツくなります。(画像は昨年試走時のもの)

そして、このコースの特徴として、総距離の前半半分でトータルの累積標高の3分の2程度を稼いでしまう「超前半型」となっている点が注意すべきポイントです。

ロード区間を含むこの急勾配エリアで無理しすぎると、後半の平坦、もしくは下りのペースを上げられる区間で脚が動かなくなるリスクが伴います。

この辺りも考慮し、前半は、走れるペースではあるものの、一杯一杯にならない程度にキツさをセーブする、と言うことに意識を全集中させて走りました。

ロードが終わってもこの急勾配。抑えたつもりでも、このツケが終盤回ってきました。(画像は昨年試走時のもの)

ただ、先週久々にVO2Maxペースのインターバルをやったことと、先日200mを軽く数本走っていたせいか、呼吸が上がってきても、その荒い呼吸のままぐいぐいと押していける、昨年度のVKの感覚が戻っており、キツさの中にもレースで勝負できている手応えを常に感じながら走ることができたのも事実です。

もちろん、上田の2レース、先々週の試走を通して得られた「山慣れ」の効果があったことは言うまでもありません。

そうした、「登坂力」と「長距離走の持久力」との融合が、このバーティカルレースという種目のパフォーマンスを高めることに、改めて気付かされながら終盤を迎えます。

この表示からが最後の踏ん張りどころが続きます。この最後の区間で脚が止まると、一気に差がついてしまいます。(画像は昨年試走時のもの)

流石に、序盤の攻めが影響して、最後の1kmでは急坂を中心に歩きが入り始めました。

ただ、歩いては走り、走っては歩きを繰り返すことは可能で、決して脚が終わったわけではなく、最後まで勝負できている実感はありました。

週末の30km、LTインターバル、VO2Maxインターバル、200mレペティション、そしてトレイル走。

これらの全ての要素が久々にうまく融合し、最後まで脚が止まるか止まらないかのぎりぎりのペースを維持できたものと考えられました。

久々にフィニッシュラインで出し切って崩れ落ちました。むしろ、これくらい追い込める時ほど好調な証拠です。

脚は最後まで動き続け、フィニッシュ時は酸欠気味になりましたが、ここまで追い込めたのも久しぶり。

時計を見ると、まさかの58分台で、目標としていた60分台どころの話ではなく、久々に持てる力を全て出し切れたレースとなりました。

第2戦という早い段階でポイントを獲得できたのも収穫でした。

最終順位は12位で、ポイント獲得の30位以内も確保。

流石に第2戦でも失敗すると、いよいよ焦ってくるので、ここで獲得できたのは良かったです。

今回は、とにかく5月にしっかり練習が積めたこと。

そして、その中でも体調を維持できたこと。

この二つが成功の要因であったと思います。

そもそも、大きく変わったライフスタイルの中に、どう無理なく練習を組み込むかを試行錯誤して、一定の答えを出せたことが大きかったと思います。

5月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

4月から職場が変わり、4月は過去ないほど体調が悪く、レースや練習も失敗続きで今年はどうなることかと思われましたが、5月は終わってみれば久しぶりに計画通りの練習をこなせた理想の月となりました。

今月は、上田バーティカルの前に風邪をひいて体調を壊した以降は、徐々に調子が上向き、結果的に中盤以降は3週間以上好調を維持して練習を継続することができました。

ここ2週間ほどは、脚の疲れを自覚することはほとんどなく、先週、先々週は、週末の予定の関係で2週連続で7日間練習の週が続いたものの、調子自体はほとんど落ちずに維持できました。

体調がいい時は、練習での負荷が増しても好調を維持することができるので、久しぶりに練習をしながら体調をコントロールできている実感が得られていました。

今月はトレイルレースと山練を入れた影響で、トレイルランの割合が増えましたが、そのほか、あらゆる速度域での練習を組み込むことができ、総走行距離を維持しながらもそれぞれの代謝能を刺激できる程度の練習をバランスよく組み入れることができました。

久しぶりにR〜Eの幅広い練習を取り入れることができた5月

特にトラックレースに特化させるわけではないので、最低限トレイルレースで勝負でき、たまに出場するトラックレースでもそこそこ走れる程度に、有酸素能力を維持できればと思っています。

6月は、2つのトレイルレースと1つのリレーマラソンに出場するため、おそらく総走行距離は今月よりも低下しそうな気がします。

そう言う意味で、5月はできるだけ距離を踏んでおきたかったと言うのもあります。

一昨年12月以来400kmに迫る月間走行距離になった5月

ここ数年でも月間400kmを超えることは非常に稀であり、今月は自分にとっていかに距離を踏んだのかがわかります。

これも、現在の勤務状態と通勤形態から、平日にどう練習時間を確保するかと言う課題に対して、ある程度対応できるようになってきたことが大きかったと思います。

さて、6月は先ほどの通りレースが続く月となります。特にトレイルレースは大腿部へのダメージが大きく残る種目なので、一度出走するとしばらくまともな練習ができなくなります。

そうした中で6月はどんなテーマで練習を組み立てるかが鍵となりそうです。

現実的には、レース続きの中で距離を両立させることは難しいでしょうし、VO2Max域やLT2域を追えば故障のリスクが高まりそうなので、200m前後のスピードを高める練習がちょうどいいかも知れません。

ここを怠ると、いざVO2Maxインターバルをやろうとしても全くスピードが出ず、LTテンポ走みたいな(良くてCVインターバル)練習になってしまうことがままあります。

7月にはVKのラスボス的存在「富士登山競走」が控えていますので、それまでにVO2MaxやLTインターバルに抵抗なく取り組める体づくりをすると言う意味では、一旦スピードを上げるのもいいかも知れません。

バランス良く取り組めた5月。6月はR域の割合をもう少し増やそうかと思います。

On Cloud Stratus を買いました

こんにちは、ランマニアです。

さて、今回は、久しぶりに初めて体験するシューズメーカーの靴を購入したので、そのレビューを簡単にしてみたいと思います。

前々回も報告した通り、今年度からランマニアは職場が変わり、電車通勤となりました。

走る時間を確保するには、行きか帰りの通勤時に走ってしまうのが最も効率が良いことになり、4月からいくつかのコースを試しながら練習を継続してきました。

長距離の練習は、基本どこでも走れば成立してしまうので、コースの設定はどうにかなってしまうのですが、この通勤時の練習に変えてからひとまず二つの点でちょっと困ったことがありました。

一つ目は、これはかなり重要なことなのですが、「芝生を走る機会が激減した」ということ。

昨年度までは、週に3〜4日は芝生を走れていたのですが、現在の通勤経路ではなかなか芝生のある場所を確保することができなくなりました。

こうなると、ロードジョグが中心となり、脚への負担がかなり増大してしまうことが懸念されました。

これまでランマニアは、足裏の感覚やランニングスタイルの関係から、極端な厚底シューズを履いてこなかったのですが、今回この問題に直面してから、練習時のクッション性を重視したシューズ着用に対して急速にニーズが高まってきたのですね。

ここ最近のジョグシューズは、アディダスのSL20。これをもう一足買い、交互に履いていました。

ここ一月も、通勤時のジョグはアディダスのSL20やサロモンのジョグシューズを中心に履いてきたのですが、やはり毎日ロードを走っていると、足裏への衝撃が気になったり、ふくらはぎへの負担が増大してきて、どうにか脚を守れないものかと考えていたところでした。

これまでも、クッション性の高いジョグシューズは検討してきたのですが、そうしたシューズは現在はほとんどがいわゆる厚底シューズとなり、値段も2万円近くするものばかりだったのですね。

高価な厚底シューズを履くくらいなら、芝生へ行ってしまえば安上がり、と思い、これまでは手を出さずにいたのですが、しかし、ここへきてついに避けては通れない問題に直面したのでした。

そして、とうとう初の厚底シューズ探しを始め、いくつか検討した結果、最終的に残ったのが以下の三つでした。

・ホカオネオネ BONDI

・サロモン GLIDE MAX

・On Cloud Stratus

これらの中からどれにするか迷ったところ(お値段も同じくらいですし)、最終的な決定打となったのは、「は?」と思われそうですが、実はデザインだったのです。

先ほど話した、困ったことのもう一つというのは、通勤時の「スーツとのマッチング」という問題点なんですね。

さすがにスーツにSL20では、「靴が歩いてる」状態に。

できるだけ荷物を減らして走るには、スーツ用の革靴は職場に置いておきたいところです。

そうすると、行き帰りの通勤ではラン用の靴を履くのが最も効率が良く。

クッション性の高い厚底シューズで、かつ、ある程度スーツに合わせても「浮きすぎない」デザインを、という要件を満たすものを考えたのですね。

その結果、最終的に選ばれたのが、今回購入したOn のCloud Stratus でした。

ミッドソールまで黒塗装は、これとBONDIだけで、BONDIはミッドソールの横へのはみ出しが多く
「いかにもジョグシュー」感が強かったため、次点となりました。

実は、このOnの厚底シューズは、最新モデルのCloud Monster という「最強」モデルも存在しています。

値段も同じで、スーツに合わないとはいえ、デザインも割とかっこいいのでこれでもいいかなと思ったのですが、実際に履いた感じは結構本気の厚底で、ものすごく「反発」するのですね。

確かにこれで走ればかなり軽快にスピードに乗れそうでしたが、普段の通勤ジョグにはそれは求めていないので、結局反発がやや控えめで、最低限脚を守る程度のクッション性を兼ね備えたStratusを選択しました。

Onのロゴが控えめに入り、左右非対称でスイスの国旗が入る洒落たアッパー部。
靴紐を通す穴もOnのロゴをあしらった金具が備え付けてあり、デザイン的にはかなり凝ったもの。

実物を手にすると、これまで履いてきたランシューとはデザイン性の高さが圧倒的に違い、細部にまでわたって凝った作りになっていました。

Onのシューズ最大のウリは、この存在感のあるミッドソール「CLOUDTEC®︎」テクノロジー。
ソールに敢えて空洞を持たせることで「雲の上を走るような」クッション性を得ることができます。

デザイン的に最も目を引くのがミッドソールに無数に開けられた「空洞」。

この空洞が潰れることで他のシューズでは得られないクッション性が担保されています。

この空洞の列が2列になっているのが、このStratusの特徴なのですね(Monsterは2列とも穴が巨大)。

アウトソールも独特で、波打つ形状がクッション性とグリップ性を高めることに貢献しています。

実際に脚を入れてアスファルトに立ってみると、すぐにそのクッション性の高さに驚かされます。

そしてそのまま走り出せば「雲の上」は少々言い過ぎではあるものの、快適なクッション性で足裏への衝撃が軽減され、やや前傾しているミッドソールのおかげでふくらはぎへの負担もかなり減らすことができました。

初日は10kmほどのジョグをしましたが、これまで使っていたジョグ用シューズに比べて、遥かに脚への負荷が軽減された実感を得ました。

このごつさでも、300gを切ってくる技術力の高さも素晴らしいです。

結果的に、スーツとのマッチングもまずまずで、クッション性も問題なく、厚底シューズ特有の不快なグラつきもほとんどない、自分が理想としていた「通勤用ランニングシューズ」に出会うことができました。

今感じている唯一の問題点と言えば、そこそこお値段もしたので、できるだけ大事に履きたく、そうすると走行距離が伸びると寿命が縮むなぁ、という本末転倒な悩み。

練習時以外で、普段履きにも十分通用するデザインであるため、カジュアル用途にOnのシューズをもう一足買ってしまおうかと思うほどですね。

久々に「履くのがもったいない」と感じてしまう優れたデザイン。