11月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

11月はトレーニング以外の諸々が多忙で、週末のたびに何かある状態が丸一月続きました。

心理的な疲労と身体的な疲労は別、と言い聞かせてトレーニングも通常運転で続けてきましたが、昨日ついに「走るのが無理」な状態になり、ライフが0になってしまったのですね。

それもそのはず、昨日11月の走行距離を計算してみたところ、この四ヶ月で最長という結果となりました。しかも11月は「小の月」にもかかわらず。

今年1月以来の月間370km超え。1月は大の月なので、実質今年最長。

今年に限ってみれば、1月以来の370km超えですが、1月は「大の月」ですから事実上今年最長の走行距離ということになりました。

そりゃ疲れるわけですね。

練習の内訳を見ても、高強度の日はLTとVO2Maxと解糖系の練習を複合した比較的タフな練習を取り入れ、さらに週1のロングは基本170分(30km)、そして月の半ばにはバーティカルのレースが1試合。

この負荷量は確実に今年最大ですから、よく疲労の回復が間に合っていたなと自分でも驚きです。

11月最終日は高高度で締めたかったところですが、残念ながらDNF。

7月に故障から回復し、ひとまずトレーニングを継続できる程度の最低限の回復力を身につけようと思って取り組んだ練習が、ちょうどこの11月で一区切りしました。

走行距離的には、月350km前後。高強度の練習を週1。ロングジョグを週1。

このあたりを目安に四ヶ月取り組んできました。

一度の高強度練に、三つのゾーンを組み合わせた練習を取り入れたので、割合は少ないものの多様なペースの練習が入りました。

現在、目標としているレースは、4月に開催予定の長野マラソンかかすみがうらマラソン。

なぜこの時期かというと、準備期間とレースの予定(駅伝など)を考えると、ここからの期間でフルを走れる体にするにはこれくらいの時間は必要だろう、と。

ちなみに、長野は優先エントリーで埋まってしまいそうなので、開催してくれるのであればかすみがうらが妥当なところかと思います。

もっとも、かすみがうらマラソンは割と高低差が激しく、気温も高くなる場合が多いので記録を狙うにはあまり適した大会ではないのですが。

それでも、もうしばらくフルマラソンを走っていないので、どんな形でも一度フルを走っておきたいというのが本当のところです。

今後の大まかな予定ですが、12月は少し距離に振った形で月の走行距離としては400kmを目安に一旦距離を踏もうと思います。

1月はハーフに出る予定なので、そこで週当たりの負荷が急激に増加するため、故障に気をつけながら練習を続けます。

2月は駅伝があり、ここでそのレースも含めて少しスピードに振った月にしようと思っています。

そして3月はMペース(マラソンペース)での練習を入れペース感覚を掴む予定です。

この四ヶ月、かなり充実した練習が積めたため、今後は少し無理をすると故障の危険性が高まりそうですが、今月はじっくりと距離を踏むことを通して、故障しにくい脚作りを目指そうと思います。

トレーニング効果ー疲労=パフォーマンス

こんにちは、ランマニアです。

さて、今シーズンのスカイランニングジャパンシリーズも終了し、しばらく山レースからは遠ざかることになります。

昨シーズンは初の「コンバインド」(VKとSKYの連戦)を達成し、その両種目でのポイント獲得という、自身の「スカイランナー」としての一つの目標に到達できたシーズンでした。

今シーズンは、そこからさらにステップアップし、シリーズ戦通して安定してポイント圏内に入り込み、あわよくば上位争いに絡めるところまで到達できればと、今年から始まった全戦一括購入の「サブスク」にも申し込んで臨んだシーズンでした。

ところが、そんな矢先、4月に人生最大の危機が訪れたのですね。

この頃は故障も再発し、何もかもがうまくいかない時期だったのを覚えています。

今振り返っても、よく練習継続してたな、と。

そうした混沌とした毎日の中で、ジャパンシリーズの第1戦が開催されました。

練習はほとんどできず、ほぼ山登りと山歩きだけで臨んだ上田バーティカルレースでした。

ところが、そんな練習不足で臨んだこのレースでは、コンバインド出場にもかかわらず両日とも30位以内のポイント圏内に滑り込み、難コースの上田では初の両種目ポイント獲得という意外な結末を迎えました。

その要因として考えたのが検証編です。

結論から言えば、この時に検証した仮説が、実は今シーズン好調の要因につながっていると現時点では考えています。

そして、その後も「嬬恋」「烏帽子」「びわ湖」と、全てのレースでポイントを獲得し、終わってみればVKシリーズではシリーズ戦績総合10位と言う、自分にとっても信じられない結果でシーズンを終えることができました。

では、なぜ今シーズン、昨年よりも大幅に練習量を増やしたりアプローチを変えたわけではないのにここまでの進歩を遂げることができたのか。

それにはまず、昨年の鍛錬期と今年のここまでの数ヶ月の練習内容で、明確に変わった点について整理をしたいと思います。

いわゆるQデー(高強度の練習日)を週1に変更した

昨年はダニエルズさんの練習計画にある程度沿ったものを試したく、高強度練習を週に2度入れていました。それが今年は週1に。数ヶ月故障で練習をこなせなかったことで、体力も落ちていたのですね。ここは、最もわかりやすい大きな変更点です。

Qデーの高強度練習の内容を、昨年比8割程度にとどめた

これは意図的に行ったと言うより、昨年5本やってたところが体力的にしんどくて3から4本に減ったり、1000mやってたところが3分やるのがやっとになったり、といったいわば「体感的」「心理的」な欲求に従ったと言うことです。高強度の頻度も減り、一回の練習量も減ったわけですね。

週一のロングジョグの時間を150分以上に増やした(30kmを上限)

昨年と比べて唯一増加した要素はこのロングジョグです。昨年も週一で取り入れていましたが、年間通してずっと120分でした。と言うより、これ以上の時間はしんどくて継続できなかったのですね。週2の高強度で普段のジョグが結構しんどいものになっていましたから。

ジョグのほとんどを芝で行うことにした

最大の変化はこれでしょう。近場に適した芝がないので苦労しましたが、最終的にはジョグで10分のところにある公園で一周3分、距離にして500mほどの芝コースを作れることがわかり、もうほぼ毎日そこをぐるぐる走ることにしました。ただ、実際に毎日走ってみると、ふかふかの芝を踏み締める感覚が楽しく、周回コースもさほど気にならず練習を継続することができました。むしろ、車通りの多いロードを気を使いながら走るより遥かにストレスなくジョグを行うことができました。

昨年から大きく変わった点は、主にこの4点です。

ではこの4点が、なぜ好調の要因になり得たのか、と言うことです。

いきなり結論を言ってしまえば、別に速くはなっていないのです。

結局ここに落ち着くのですが、この練習サイクルが自身の「走力:疲労」バランスを最適に保っていた、と言うことなんですね。

上田の検証にも使った、効果と疲労との関係

今年の練習は、昨年よりも確実に抑えたものとなりおそらく走力自体はそれほど変わっていないか、下手をすると低下している可能性もあります。

しかし、毎日の練習で感じられる疲労感は明らかに去年よりも減少しており、「練習がしんどい」と感じることがほとんど無くなったのですね。

実際、強度の高いインターバルを行う際も、去年は初めの数本が本当にしんどく、呼吸よりも先に脚が動かなくなってしまうことが多々ありました。(今日のインターバルは久しぶりにその感覚でしたが)

今年は、インターバルを予定している日もそれほど憂鬱ではなく、アップの時から脚がよく動いて、気持ちよくスピードに乗れる日が格段に多くありました。

実際こなしている本数やペースは去年よりも落ちているのですが、快適さで言えば、明らかに今年が上。

走りながら、目的のゾーンにしっかり負荷をかけられてるな、という実感を感じながらの練習が日常的になってきました。

つまり、去年よりもトレーニングの効果はそれほど上げられていないにもかかわらず、疲労の程度がその分はるかに低いため、見かけ上パフォーマンスが向上したのと同等の効果が得られていたのではないかということです。

これが、今年上田の時に気づいた、「トレーニング効果ー疲労=パフォーマンス」の公式です。

そして、今年この公式のキモとなる「疲労」をできるだけ抑えられた要因は次の三つだと思っています。

高強度練習の頻度と量を減らしたこと

ジョグのほとんどを芝生で行ったこと

ロングジョグを150分以上に伸ばしたこと(回復力の向上)

この3点により、日々の練習で疲労を可能な限り抑えながら継続することができ、レース本番でも安定した出力を得られる状態を維持できたと考えています。

特に、バーティカルのように呼吸が苦しくても脚さえしっかり動かせればある程度勝負になるような種目の場合は、疲労が少ない方がはるかに有利です。

今年の烏帽子とびわ湖は、終盤VO2Maxの限界からかなり呼吸が苦しくなりましたが、少し休めば脚はまだ十分動かすことができました。

これは、疲労を溜めずに練習を継続してきた効果であったと認識しています。

さて、問題はこの後のロードレース、フルマラソンシーズンでどうなるかです。

高強度トレーニングをおこなっている感覚としては、おそらく5000mあたりの実力はかなり低下していると考えています。

去年までの設定タイムより大幅に遅いですし、呼吸の苦しさもはるかに上だからです。

疲労が抜けているとはいえ、絶対的な走力は落ちていると感じます。

疲労の要因が大きく影響しやすかったトレイルでは成果が出せても、この理屈でトラック、ロードも通用するとは考えにくいです。

12月以降、これらを検証するために5000mのトラックと10kmかハーフのロードレースに出ようと考えています。

それらの結果によって、今後のトレーニングの方向性も考えていこうと思っています。

びわ湖バレイスカイラン バーティカルに出場してきました

こんにちは、ランマニアです。

出場を迷っていたスカイランニングジャパンシリーズ(SJS)の最終戦、びわ湖バレイスカイラン。

その前の烏帽子スカイランVK部門で予想外の好順位だったため、シリーズ戦のポイントがかなり加算され、最終順位に大きく絡むびわ湖バレイは無理してでも出走すべきと判断したのでした。

びわ湖バレイスカイランは、SJSの最終戦に位置付けられ、この最終戦のエリート部門だけはエリート登録(日本スカイランニング協会登録)者の中でも、年間シリーズでポイント獲得者のみが出場できる、文字通りエリート部門の「最終決戦」なわけです。

そのことから、この最終戦のみ、30位以内に付与されるポイントがなんと2倍に増額される特別扱いなレースなのですね。(なのに、強豪選手が激坂王にイッテしまうという・・・)

その名も「グランドファイナル」

そんな特別感満載なこのレースに、2年前「SKY」部門で初出場することができ、とても胸躍らせながらはるばる琵琶湖まで車を走らせた(7時間!)記憶があります。

そして今年は、あの頃よりもだいぶ戦績も向上し、SKY、VK両部門でこのグランドファイナルに進むことができていたのですが、残念ながら所用の関係で、土曜日のVKのみ参加可能な状態でした。

当初は、強行日程での出場を強いられるし、遠いし、お金もかかるしで、VK走りに行くだけではとてもコストに見合った成果は得られないな、とほぼ出場を諦めていました。

ところが、前走の烏帽子での好記録。

これはVKだけでもシリーズ戦を最後まで締めくくりたいな、とちょっとした欲が出てきたのですね。

そうした中での、VKエリート出走となったわけです。

2年ぶりの出場となったびわ湖バレイスカイラン

びわ湖のVKは、打見山山頂までの距離4.3km、獲得標高差900mのオーソドックスなバーティカルレースです。

烏帽子が7.5kmと、バーティカルとしてはやや長めの距離だったのに対し、びわ湖は4km程度で900m登りますから、どちらかというと本来のバーティカルらしいコース設定と言えます。

そして、烏帽子のように途中で下りが何度かあったり走れるシングルトラックが何箇所かあるわけではなく、最後までほとんど勾配が一定の、登りっぱなしで休めない、登り適性やスピードが試される誤魔化しの効かない、バーティカルオブバーティカル、と言ったコースです。

優勝タイムは例年35分前後(上田瑠偉さんは異次元の32分台)ですが、ランマニア的には40分台前半を目標に走ることにしました。

しかし、この週はちょっと練習で無理をしてしまい、疲労が思ったより抜けないままこの日を迎えてしまったため、アップの時から烏帽子ほどの好調さは感じられませんでした。

最終的に脚の疲労がボトルネックになるだろうな、というのはある程度折り込み済みで、終盤のペースダウンは覚悟をしていましたが、それでもレース時間は40分程度ということで、10kmレースより若干余裕を持たせた努力度で走り続けることを念頭に置きました。

このコースは、4.3kmのうち、初めの300mは激坂一気下りです。一旦谷まで一気に下り、そこから突然登山道の登り道が開始されます。

やや荒れた下り道なので、捻挫や転倒に気をつけながら、でもできるだけスピード上げて下り坂を駆け下ります。

下りが終わると、いよいよ本格的なバーティカルの開始です。

走れる程度の、しかしかなりの出力を要する登り坂が延々と続きます。

10kmレースの努力度なので、当然烏帽子のような努力度よりはワンランク上です。

ある程度「ハアハア」言いながらも、まだまだ脚を残して登っていったあの感覚ではなく、ちょっとした勾配の変化で脚が止まるやもしれない、ギリギリな呼吸のキツさ。

ここに意識を最大限に集中し、ストライドは伸ばさず、ピッチで小刻みに登り坂を削るように登っていきます。

累積が100を超えたあたりから、急勾配の九十九折りがが開始されます。

もう既に呼吸は前のランナーにも聞こえるほど上がっていて、まるで5000mのレースの後半のような大きな息遣い。

でもその荒い呼吸のまま、脚だけをしっかりと動かそうと意識します。

この九十九折りの曲がり角を曲がるたびに、どんどん脚がキツくなっていき、ついに初めて「歩き」が加わるようになります。

累積にしてまだ300m。

これは飛ばし過ぎたな、と思った時には既に遅いのですが、トレイルの急勾配では、走るのも歩くのもそれほど大きなスピードの差が生じないため、とにかく苦しくなったら歩き、回復したら走る、を繰り返して最低限のペースを維持します。

トラックレースなら、確実に撃沈だし、たとえば5000mでは3000mでオールアウトしてしまったのとほぼ同じ状態。

しかし、トラックレースのように、数秒、数十秒でPBを狙う性質のレースではないため(とはいえ数秒で入賞を逃したりするのですが)、撃沈してもとにかく脚を動かし続けることが大事になります。

しんどいながらもなんとか歩きと走りを繰り返し、ようやく残り累積200m。

ここまで来れば、もうあとは気力でやり切るだけです。

途中巨大な岩の隙間をよじ登ったり、一瞬だけ巻道を走れたりしながら気を紛らわせ、いよいよ最後の急坂と階段が見えてきました。

もう完全に酸素の負債が限界で、乳酸も除去しきれなくなり、一二歩で止まりそうになる階段を気力で登り、なんとかフィニッシュ。

久しぶりにレース後倒れ込み、数秒間仰向けに、そして数秒間うつ伏せに。

ここまで苦しいレースは、もしかしたら高校生の頃以来かもしれません。

そして、無酸素域で走り続けた時の、あの独特の気持ち悪さも襲ってきて、なんだか体が中学生に戻った感覚になりました。

時計を見ると、40分19秒。

目標の40分は切れませんでしたが、過去の結果と照らし合わせると、40分はそこそこの選手が走っているタイムですし、今回も9位という順位が目に飛び込んできて、久々に自分の記録に大きな達成感を得たレースとなりました。

午後は京都観光を予定していたので、迷わずゴンドラ下山。まさに一瞬。

さて、今回のびわ湖バレイも、前回の烏帽子に引き続き、自身の中で大きな手応えと達成感を得られる好記録を残すことができました。

正直、今年のこの結果には自分自身も驚きを隠せないのですが、よくよく振り返ると、昨年を上回るパフォーマンスを発揮することができた要因に、いくつか思い当たる節がありました。

それについては、次回のブログにまとめようと思っています。

adidas SL20を買ってみました

こんにちは、ランマニアです。

さて、しばらく前に買ってみたadidasのジョグ用(一応ふれ込みは)シューズ、SL 20についての簡単なレビューをしてみたいと思います。

ランマニアは、ここ最近平日のジョグはほとんどを芝生で行っているため、昨年購入したサロモンのソニックシリーズがいまだに現役で活躍中なんですね。

しかし、週末のロングジョグは基本ロードで行うため、やはりへたった靴で走るのは危険で、いい加減ジョグ用の靴も新調しなければと思い、今回adidasのSL 20購入に至ったわけです。

外見から想像されるよりも遥かに薄めのミッドソール

ところが、実際にはいた最初の60分ジョグから、「これはちょっと違うぞ」な感じ満載で、久しぶりに購入した靴に戸惑う体験をしたのですね。

一応、adidasのサイトではレース用ではなくトレーニング用ですし、実際これでジョグをしているランナーも多く知っています。

アフリカ系のランナーもadidas契約の選手はこれでジョグしてるみたいな話もありました。

ですが、実際、我々のような(我々と言っては失礼ですね。私のような)「凡ランナー」が履いてみますと、これがかなり「本気」なシューズだということがわかります。

驚きの234g(27cm)

まず驚かされるのは、手にした時のその軽さです。

adidasの反発系素材「LIGHTSTRIKE」が採用されてから、多くのシューズが軽量化されましたが、このSL20も例外ではなく、ちょっとジョグシューにしては軽過ぎるんじゃないかと思われる第一印象。

なんと、先日レビューしたボストン9よりも軽量

この重量は、LT走からマラソンペースで走ろうと思っていたボストン9の234.5gをもわずかに下回る驚きの軽さです。

そして、外観のミッドソールの厚さから期待されるクッション性能もほぼ皆無で、履いた瞬間、地面がやたら近い感覚がします。普段から厚底を履かないランマニアでさえ。

極め付けは実際に走り出した感覚。

実際そんなことはないのでしょうが、ミッドソールの厚み、LIGHTSTRIKEの配合がやけに前足部に多く(このパターンは嫌いではないです)、ジョグでゆっくり走ろうとしても勝手にフォアフットになってしまうのですね。

いや、速く走るためならこれで良いのです。しかし、ランマニアのジョグは基本ちょースローなので、勝手にフォア着地をさせられ、タンターンとふくらはぎのバネを使わされるのがとにかくおっかなくて仕方がありません。

コンチネンタルラバーが対角線上に配置されるユニークなアウトソール

さらに、アウトソールのトレッドパターンが、スピードシューズかと思わせるような「攻めた」作りをしていて、写真のように強力なグリップ力を発揮するコンチネンタルラバー(黒)が、前足部の母子球部分を中心に配置されているのがわかります。

つまり「前足部で蹴れ!」というわけです。

いやいや、そんなにグリップ必要ないから、と言いたくなりますが、まあ確かに走っている時のグリップ感は強力で、ぐいぐいふくらはぎの力でペースを上げていけるのですね。

ただ、ランマニアのように、接地は前足部の外側から行い、蹴り動作を母子球付近で行うランナーにとって、このアウトソールの配置は理にかなっていて、常に接地にさらされる前足部の外側が硬めのラバーになっているのは、耐久性から考えるとありがたいかもしれません。

とにかく、このSL20を使って30kmほどジョグをして分かったのは、

ミッドソールはオールLIGHTSTRIKEで反発重視

ミッドソールはそれほど厚くない

前足部での接地と蹴りを重視

ボストン9よりも軽い

なので、結論としては私のような回復が遅い中高年や脚がしっかりできていないランナーにとって、この靴を履いてジョグをするのはかなり危険かな、というところです。

ただし、このソールの薄さは意外と芝生と相性が良く、今後この靴の使い道としては芝生中心のジョグの日に用いることが多くなりそうです。

また、キロ4を切るくらいの距離走を行う場合にも、割と威力を発揮するのではないかと期待しています。

シュータンは最近のadidasにしては珍しく独立型

そして、この立ち位置はかつてのアディゼロジャパンシリーズに近いものがあり、履いた印象は初期の頃のboostフォームが使われていないジャパンを彷彿とさせるものでした。

結果として、ロードのジョグに使うにはややハイリスクで、芝生のジョグや距離走を行う際限定で履くのがちょうどいいシューズなように思えてきます。

ということで、ロードジョグ用のシューズをもう一度検討せねばなりませんね。

10月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

今回は恒例の月間振り返りですが、もう2日も過ぎてしまいました。

ちょっと時間が取れないので、簡単にグラフと結果だけ紹介します。

今月はトレイルが2回入ったため、それをロングジョグにしていた時に比べ30kmほど距離は減りました。

今月は週1でVO2Maxインターバルを軽めに取り入れ、ひと月ほど体に刺激を入れました。

4週目にはだいぶ体がこなれてきた印象で、呼吸が苦しいながらも、脚でぐいぐい押していける感覚が戻ってきました。

振り返ると、これが烏帽子のバーティカルに効いていた気もします。

一方で、週1のロングジョグを30kmくらいまで伸ばしていたのが、今月は2回トレイルに変更したので、走行距離としては「大の月」の割にだいぶ少なくなりました。

2度のトレイルでおおよそ30kmほど本来の距離から減ってしまったので、トレイルを入れずにロードジョグをしていれば370kmは超えていたと思います。

昨年、一度だけ400kmを超えた月がありましたので、370kmであればかなり走った月になったと思います。

とはいえ、走行時間としては30kmを走るのとさほど変わらない時間走り続けましたので、週にかけた負荷としては同じくらいだったと思います。

トレイル12%のうち三分の一は烏帽子なので、VO2域にも刺激は入ったと思います。

今月はVO2インターバルを取り入れたのに加え、最後の週末はバーティカルレースだったこともあり、最大強度としてはここ数ヶ月では最も高い強度で走った月になりました。

ここまで心拍数を上げることも、もう半年近く遠ざかっていたことから、今月は大きく体が変わるきっかけになる月になったと思います。

今月は345km。ようやく昨年度の体力強化期間並みに戻ってきました。

月間の走行距離としては345km程。昨年度の最も多かった時期に比べるとパッとしない距離ですが、トレイルを挟んだのと、ロングを30kmに増やしたことで、体にかかった負荷としては、昨年と遜色ないものだったと思います。

11月は、ここで距離を少し伸ばそうと考えています。

週末のロングはそのまま維持し、そこにMペースのロング走(と言ってもキロ4くらいで20kmほど)を平日に入れていこうと思っています。

一方で、絶対的スピードがかなり落ちた印象を受けているので、週の中で一日はジョグもせずWSだけを取り入れる日を設けてもいいかなと思っています。

烏帽子スカイラン バーティカルに参加してきました

こんにちは、ランマニアです。

さて、昨日はここのところ3年連続で出走している「烏帽子スカイラン」のバーティカルを走ってきました。

JSA(日本スカイランニング協会)公認のジャパンシリーズの第4戦でもあります。

今年は、去年ほぼコンプリートしてきたこのジャパンシリーズには「上田(VK、SKY)」「嬬恋(SKY)」に出走するにとどまり、今回の烏帽子(VK)を含めても、VK2戦、SKY2戦という結果になりました。

このジャパンシリーズはエリート部門で30位までに入ればポイントが加算され、そのポイント数で年間シリーズを競います。

このポイントを獲得する30位以内にコンスタントに入れるようになったのが昨年だったことから、今年はさらに上位を狙うべく、シーズン序盤からかなり高いモチベーションでスカイレースに取り組んできたのですね。

そうした中で、この烏帽子スカイランのVK部門は、今年で3回目の出場となりました。

登頂後は絶景が味わえる、これぞ「ザ・バーティカル」な烏帽子スカイラン

2年前の初出場時は、初めてジャパンシリーズでポイントがついたレースとして、自分にとっては相性の良いレースでした。

比較的走れる区間が多く、長距離のロードやトラックの実力が反映されやすいのがその要因だと思っています。

さて、そんな自身にとって好印象な烏帽子スカイランですが、去年は2分近く初回の記録を上回り、そろそろこのレースやバーティカル部門での記録更新も頭打ちになりそうな感覚を得ていました。

まして今年は、前半故障が長引き、まともな練習を継続できたのは直近三ヶ月。

強度の高いいわゆるQデーについても、昨年週2回取り入れていたところ、今年は週1で回せるようになったのがやっとと言う状態です。

そうした中でレース当日を迎えたこともあり、今回は2年前の記録を上まわれば良いくらいの心持ちでスタートすることになりました。

しかし、アップの時点で調子はかなり良く、スタート直後の急なロードを軽く走ってみても、かなりの力強さで脚が動き、軽々と登って行ける状態でした。

この時点で「今日はかなり調子がいいぞ」とかなり気持ちは高まってきたのでした。

そしてスタート。

案の定、初めの1.5kmほどのロード登りで、これまで経験したことのないような軽快な走りを体験することができました。

むしろ、これまでのレースでは、日々の練習の疲れやレース翌週の脚の重さが残っていたことがよくわかるほど、本来疲労のない状態というのはこう言う感覚なのか、と改めて知ることができました。

この脚の軽さと力強さはトレイルに入っても変わらず、呼吸は荒くなっていくものの、その呼吸の大きさのままぐいぐいと登山道を駆け上がっていくことができました。

この感覚は、去年の関所マラソンの感覚そのもの。

苦しいながらも脚で押していける感覚。

この感覚が得られると言うことは、有酸素能力のベースがしっかり積み上げられていて、その上にLTやVO2Maxがそこそこに高められ、それらがバランス良く調和されている状態。

かつ、疲労がしっかりと抜けている状態。

若干オーバーペース気味だろうなと自覚はありましたが、もうこうなるといくしかないな、と覚悟を決めました。

バーティカルとしては比較的なだらかなコースとはいえ、走るのが困難な急登も繰り返されます

レースタイムは大体60分強と言うことで、負荷としてはハーフマラソンに近い状態ということもあり、しんどさとしてはLTレベルを参考にしました。

しかし、トレイルの難しいところは、路面状況は常に変化し続け、特に登り勾配が後半に向けてどんどん急峻になっていことです。

これはロードレースでは決してあり得ないシチュエーションで、同じペースを維持しようとすれば、強度的にはビルドアップしていくことを意味しています。

なので急な登りはペースを抑えたり、いざとなれば歩くなりして強度を調整していくのですが、それでも乳酸の除去が間に合わなくなっていけば、自然と体の動きは制限されていきます。

そして多くの酸素を使ってエネルギー供給を賄わなければならなくなり、トレイルの終盤はほぼVO2Maxレベルの強度が歩きを挟みながら繰り返される状態になっていくのです。

このフェーズがバーティカルの最も苦しい区間で、今回は初めて酸欠に近い状態でゴールをする羽目になりました。

結局、序盤しっかりとLT程度の努力度を維持して、ぐいぐい押していける状態を意識していたものの、結局ラストの20分くらいは、追い込めるだけ追い込んだら歩き、歩いて回復したらまた追い込む、の繰り返しになりました。

毎年のことですが、山頂直下のラスト200mの岩場は地獄の苦しみでした。

山頂直下、ラスト200mは累積100mを一気に駆け上がる文字通りバーティカル(垂直)

しかし、今回、脚の疲労がほとんどなかったことで、この最終盤のフェーズでもなんとか脚は動きました。

いえ、もっと手前の登山道が急峻になってくる段階でも、苦しさの中でも脚だけはしっかりと動かすことができました。

今回、昨年よりも1分以上自己ベストを更新できた要因は、ここにあると考えています。

では、なぜ今年はここまで疲労のない状態でトレーニングを継続でき、レース当日を迎えることができたのでしょうか。

まず、最大の要因は、Qデーを週1にしていたこと。

これは、故障明けで体力がまだ十分に戻っておらず、とても週2回もQデーを入れるのは無理な状態でした。

なので、最低でも週1回は心拍数を上げて、それぞれのゾーンに刺激を入れ、少しでも体の適応を図る意識で練習を続けてきました。

結果的に、これくらいの練習でも、最低限の適応を見ることはできたと考えています。しかも、大きな疲労を溜めることなく。

もう一つの要因は、週1回のロングジョグを30km(時間にして150分超)に伸ばしたことです。

昨年は、週に2回のQデーがあったため、週末のロングは120分固定でした。疲労の状態から、とても120分を超える時間走るのは限界でした。

しかし今年はQデーが1日と言うことで、割と週末のロングに余裕が生まれ、30kmまで距離を伸ばしても、その後の1週間の練習を、疲労なく継続することができました。

この30kmのジョグを6週近く繰り返すことができました。ひと月でも割と体は変わってきますが、6週も続けたことで、だいぶ脚ができてきた(要は疲労しにくくなってきた)印象を感じていました。

その自覚は、実際正しかったようで、週1のQデーでの平均タイムも少しずつ上がり、今回のレースもかなり疲労が軽い状態で臨むことができました。

つまり、絶対的な練習強度の問題で疲労が軽減され、ロングジョグの取り組みによって疲労しにくい脚になったことで、相対的に疲労が軽減された、と言う状態が今回のPBの要因だったと思います。

トレーニング効果と疲労との関係は、過去に上田スカイレースで述べました。

こうした、疲労を溜めずに練習を継続できたことが、PBを出せた最大の要因だと思っています。

これはなにもトレイルに限ったことではなく、通常の長距離トレーニングであっても非常に重要な要素であると思うのですね。

私たちは、「強くなりたい」強烈な願望のもと毎日ハードなトレーニングを積んでしまいがちですが、実のところ重要なのは、「ハードなトレーニングを積むこと」よりも「疲労を溜めないこと」なのではないかと、今回ほど強く感じたことはありませんでした。

何せ、昨年よりも練習が全くできていないのですから(疲労しにくい脚を作り、疲労なく練習を継続できるスケジュールで練習を継続することこそが良い練習であるならば、今年の方が練習はできている)。

直近半年は、昨年同時期に比べ圧倒的に練習が足りてません。

今年度は、5月の上田、10月の烏帽子と、昨年度よりも練習が思うように積めていないにもかかわらず、昨年を上回るパフォーマンスを発揮することができました。

これは自分の中で、トレーニングに対する概念を大きく変える出来事になりました。

疲労が溜まらない程度のスケジュールを維持する

疲労しにくい脚を作ってから強度の高い練習を取り入れていく

この二つのポイントは、我々のような中高年ランナーには、こと重要な要素であると考えるに至りました。

ただし、今回初めて実戦投入した、サロモン「SENSE Pro」シリーズは相当な軽量シューズ+フォアフットが容易なトレイルシューズで、この恩恵を受けたことは否定できません。

あたかもロードシューズのような軽量さとフォアフットの反発性能は、膝下の足捌きを容易にし、バネの効く走りができたことは正直な感想です。PB1分更新のうち、30秒くらいは靴のおかげだったかもしれませんね。

継続するための工夫

こんにちは、ランマニアです。

本来、自身の本命としているフルマラソンのレースがない中、相変わらず練習だけはいつものペースで継続しているランマニアです。

よく、レースがないと練習を継続するモチベーションが低下するという話も聞きますが、自身の場合はあまりそういったことがなく、最近では練習自体が「趣味」みたいな感覚にもなってきています。

もともと走ることが好きでなければここまで(35年も)続けてこれないわけですし、レースの有無で練習が中座するようなら、こうしたコロナ禍でとっくに競技をやめているでしょう。

レースが無くなったこの2年間でも練習そのものへの興味や楽しさが失われないのは、やはりそもそも「走る」という行為そのものに楽しさを見出せているからだと思います。

とはいえ、そうしたメンタルな面とは裏腹に、体はもうかなりのおじさんなので「気持ち」だけで練習を継続できるほど甘くはありません。

実際、昨年の暮れに故障して以来、結局今年は7月あたりまでどこかに痛みを抱えたまま練習をする羽目になり、脚を気にせず走れるようになったのも、ここ数ヶ月の話です。

7月の下旬にジョグを再開してからだいたい三ヶ月になりますが、走っている感覚では、体がワンランク上の力を備えてきたかな、と思えるには、一つの能力にターゲットを絞った練習を最低でも一月は続けなければならない印象です。

具体的には、LTを強化したければ、それを目指したトレーニングを最低週1日は取り入れ、そのサイクルを約一ヶ月。

VO2Maxを戻したければ、同じくそれを週一で取り入れて一ヶ月は継続する。

そんな塩梅です。

そう考えますと、体が長距離ランナーとして一通りの力を身につけ、ある程度の強度で練習を継続できるようになるには、だいたい三ヶ月ほどが必要になるな、と今年の故障からの復帰でイメージできるようになりました。

いやいや、故障して練習から遠ざかっても、ひと月ほど毎週インターバルやればすぐに戻るだろう、そう考えていた時期もありました。

数年前までは、二、三週間故障で練習を休んでも、二週間ほどジョグをしたらもうそこからインターバルをやってレースの準備をしていたこともありました。

まあ、駅伝など自分の都合だけで走れないレースが続いている場合には、そうした戻し方も致し方ない点はありますが、これでは再び故障を繰り返すことは目に見えています。

今年は、2月以降走行距離が一気に減少し、強度の高い練習も半年近くできなくなったことから、1から体を作り直すことを意識して取り組みました。

その意識とは、先ほど言ったように、「ある能力へのアプローチは、同じサイクルで最低でも一ヶ月」というマイルールです。

先月のLTへのアプローチも、週1という結構少ない頻度であっても一月も続けるとだいぶ体が応答して走力・体力の向上が見られました。

同じく週一で入れていた30kmのジョグに関しても、3週目あたりからかなりの余裕度が見られるようになりました。

30km走れたから翌週は35km、というようにすぐに増やすのではなく、ある程度(自分の場合は一月程度)その練習を繰り返してから量や強度を上げていくというアプローチをとりました。

こうした取り組みをここまで約三ヶ月継続してきて、今体に明確な変化が見られるようになってきました。

最も大きな実感できる変化は、走行中の脚の「強靭さ」です。

路面から拾われる衝撃が明らかに伝わりにくくなりましたし、ジョグの最中でもかなり終盤まで脚のダメージを感じにくくなってきています。

また、最も大きな取り組みの一つが、ロングジョグと高強度練習の合間のジョグは全て「不整地」「芝」を走るようにしたことです。

いわゆる「平日のジョグ」をこれに変えてから、ふくらはぎのなんともいえない張りや刺すような痛みのようなものがほとんど出なくなったのには驚いています。

以前までのアスファルトのジョグが、如何に脚にとって危険な練習であったか再認識しているところです。

さて、とは言えこうした練習をいつまで続けるか、という話になりますが、今のところ12月あたりに一度トラックレースか10km程度のロードレースに出ることを考えていて、大きなレースとしては来年の4月、長野マラソンあたりを目指そうかと考えています。

ここのところの地方マラソンの開催具合(実際にはまだですが)を見ていますと、「長野ならやってくれそう」な印象を抱いています。

まだまだ時間はありますし、もう一段階練習のボリュームを増やす余裕もありそうです。

さすがにここまでレースから遠ざかっていると、フルマラソンを走り切るだけでもかなり不安がありますが、今はまだフルを走るには練習の絶対的な量が不足している段階なので、徐々にマラソン仕様の練習を重ねて自信をつけたいと思っています。

9月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

少し遅くなりましたが、9月の練習を振り返ろうと思います。

8月は、久しぶりに一月を通じて安定した練習を積むことができ、月間距離で言えば300kmを約半年ぶりに超えた月でした。

今年はほぼ半年間故障を繰り返して、ここまでまとまった練習が積めたのは、おそらく今年初であったと思います。

8月は月300kmを超える程度のボリュームを維持しつつ、週1で短めのレペティションを本当に軽く入れた程度の一ヶ月になりました。

そして、9月はその辺りのボリュームは維持しつつ、今月は閾値ペースで走る練習を入れ、かなり衰えてしまったLTを元に戻す目的で練習を組み立てました。

週1回、計4回のLTインターバルをこなすことができました。

週1回のペースで、合計疾走時間が最低20分に達する程度のLTインターバル(クルーズインターバル)を行いました。

9月8日に約半年ぶりにこの速度域で走りましたが、その時は3分40秒を切るのが精一杯で、走力の衰えに愕然としましたね。

それでも、急に元通りに戻るわけはないと開き直り、遅いなりに最低20分間は走ろうと、無理なく継続しました。

その結果、2週目、3週目と回を重ねるごとに、平均ペースも目に見えて速くなり、9月28日の4回目にはついに同じ努力度で3分20秒台で1.6kmを走り続けられるようになりました。

去年順調に走れていた時のLTペースが大体これくらいでしたので、事実上この速度域の力は戻ってきたように感じています。

今月は、このクルーズインターバルの日は週1回とそれほど多い頻度ではなく、かつペースも3分30秒を大きく上回るペースで行い、1回の練習でも合計6.4kmほどの疾走距離でしたから、特に無理をした感じはありませんでした。

にもかかわらず、約ひと月で狙ったゾーンの走力をある程度回復させることができました。

かつて自分が一度身につけた走力に戻すくらいの練習であれば、その速度域の練習をそれほど無理に詰め込んだりペースを上げたりすることをせずとも、十分目的は達成できることが改めてわかりました。

トータルで24kmほどの走行距離となったLTペース

全体の走行距離326kmに対して、LTペースは24kmほどです。これくらいの負荷でも体は十分応答してくれることがわかりました。

もちろん、あくまで「以前の自分」に戻すまで、という条件ではありますが。

しかし、ここからステップアップするにはまずは一度身につけたものを取り戻さなければならないわけで、そのステップを端折っていきなりPBを狙おうなどという行為は、即故障に直結します。

8月も9月もそうでしたが、練習は常に物足りないくらいがちょうどよく、それが1回の練習の効果よりも遥かに効果をもたらす「練習の継続性」につながるのですね。

月間走行距離は七ヶ月ぶりに二ヶ月連続300km越えです。

さて、どうにか二ヶ月継続でき、次なる目標ですが、今月はいよいよVO2Max域への刺激を少し入れたようと思っています。

ランマニア的には(多くの人がそうかもしれませんが)最も心理的にキツく感じる練習です。

LTペースは(LT2であっても)、ダニエルズさんの言葉を借りれば「快適なキツさ」の範囲で練習を行うことができ、練習前は憂鬱でも始めて仕舞えば思ったよりも気持ちよく走れるのですが、VO2Maxペースでは、走行中の苦しさはそこそこなものになります。

特に、仕事を終えた後にこれをやるのは本当にメンタルがきつい。

とはいえ、いつかはこのペースで走って体を適応させなければトータルで考えた走力は間違いなく伸びてこないですので、そろそろ一度体にスイッチを入れなければなりません。

ただ、9月と同様、あくまで「体にきっかけを与える」だけに過ぎず、無理に本数を追ったり、数字的なIペース(VO2Maxペース)を厳密に守ったりするのではなく、自身のキツさを頼りに「だいたいのIペース」で走れれば十分と考えています。

その方が練習が嫌になりませんし、効果という面でも十分なものが得られると思っています。

休む期間より休むタイミング

こんにちは、ランマニアです。

さて、Twitter上ではここのところレースの調整法についてが話題です。

特に「前日1000m×1」についてとても盛り上がっていて、かつてランマニアも「これをやらなきゃレースは迎えられない」、とまで盲信していた時期があっただけに、大変興味深く見させてもらっています。

レースの調整法については、おそらくランナーそれぞれのタイプや経験から様々なパターンがあると思われ、それらは皆それぞれのランナーに適したものとなっているでしょうから、これは正解、これは間違い、みたいなものはないと思っています。

というのも、自分自身に置き換えてみると、ランマニアの調整法はかなり特殊であり、ここにたどり着くために相当な年月を要したからですね。

今回は、ランマニア自身が最終的に行き着いたレースの調整法を簡単に紹介したいと思います。

まず、大前提として、ランマニアの場合はもともと抱えている持病のような慢性疲労症状がレースの成否に大きく影響してくる、というものがあります。

この疲労が抑えられている時と、悪化してしまった時とでは記録に大変な差が生まれてしまうのですね(フルでいうならば、PBに近い走りができたと思うと、20kmで棄権してしまう時もある、くらいの落差)。

なので、この疲労症状をどうコントロールするかが非常に重要な鍵を握っています。

以前、まだこの辺りを自分自身でうまく制御できていなかった時期には、レース1週間前まで通常通りそこそこハードな練習を積み、1週間前の週末に思い切って2連休でしっかり休む。その後、1週間は軽めに練習してレースを迎える。というパターンで臨んでいました。

しかし、このスケジュールで調整をしようとしたところ、1週間前の2連休で体を休ませることで「頭が休みモード」に入ってしまい、体全体が一種の「休眠モード」のような状態になってしまうのですね。

こうなると、体はもう完全に休養期間に入ってしまうので、数日から1週間ほどは体がだるく走っていても脚が重くて仕方がない状態になってしまいます。

そしてその状態のまま週末のレースを迎えてしまい、せっかくいい練習を積めてきても全くレースで走れないという経験を数多く重ねてきました。

ところが、この1週間前の休養は、そのレースの後徐々に効果を現し始めます。

経験上、大体レースの翌週から2週後あたりにピークが来てものすごく調子が良くなってくる印象です。

そこで、この経験から、練習の疲労を抜くタイミングを思い切ってレースの3週前からひと月前くらいにシフトして、一旦体を完全に休眠状態に落とし、そこでしっかりと休養期間を入れてからレースまでの残りの期間で徐々に調子を上げていく、というパターンに変更してみました。

この調整方法は、ほぼ確実に成功するようになり、特にフルのような体への負荷の非常に高いレースの場合ほど効果が高いように思えました。

数年前に、ほぼ毎年フルでPBが出るようになった頃、この調整方法で大体うまくいっていました。

フルマラソンを走るためのトレーニングは、ただでさえ体には大きな負担がかかっているので、疲労症状が出やすい自分のような場合は、トレーニングの疲労が想像以上に大きくなってしまうのですね。

それを一旦リセットするには、1週間前では到底間に合わず、できればひと月ほどはその期間を確保したいところです。

なので、本当に狙ったレースに向けて調整する際の、まず絶対に守らなければならないマイルールは、この「一ヶ月前には確実に疲労を一旦抜いておく」というものがあります。

これらを踏まえて、レース直前までの練習内容は、大体以下のようなものになります。

一ヶ月前までに能力を向上させるためのトレーニングは大体終えておく

一ヶ月前に、一旦3〜4連休を入れて体を「休眠モード」に入れる

3週前からジョグを再開

2週前はLTやMペース、VO2ペースの練習を適度に織り交ぜて軽く負荷をかける

最後の1週間はジョグが中心(60分まで)、頻度は3回から4回

レース3日前に、目指すレースのレースペースで1000mを走り疲労度を確認(設定ペースで楽に入れれば問題なし)

前日は絶対レスト(もちろん1000m×1などは一切やらない)

前日1000m×1をやらなくなってもう15年近くになり、ここ10年は練習すらしてないですが、大体その時のベストのパフォーマンスは発揮できていますね。

むしろ、何もしないのが一番調子がいいです。

とはいえ、ここ2年はフルマラソンが全く開催されず、こうしたピーキングをやる機会すらないので、こうやってまとめながら「そういえば、疲労と折り合いをつけるのに苦労してたな」と懐かしくなるほど、レースから遠ざかってしまいましたね。

ボストン買いました。ただし9。

こんにちは、ランマニアです。

さて、今日は久しぶりにシューズレビューです。

8月に入りようやく故障も完治し、どこも痛くない状態で練習を続けられることになり、久しぶりにジョグではない、ペースを上げた練習を取り入れられるようになってきました。

8月は主に短距離をRペースで走る機会を設け、9月はLT域のペースを重点的に取り入れるようにしています。

このLTペースでの練習は、これまでアディゼロジャパン5を履いてきたのですが、この半年の走力の低下からLTペースが以前のマラソンペース(Mペース)ほどに落ちてきてしまっていることから、9月の1回目は去年Mペース走で多用していたアディゼロボストン8で走ってみました。

このボストン8は、かつてのアディゼロジャパン的な立ち位置で、そこそこの軽量さとそこそこのクッション性能、そしてそこそこの反発力という、ランマニアの大好きな「全部中途半端な」靴だったのですね。

しかし先日この靴を履いてLTペース(去年のMペースくらいのスピード)で走ってみたところ、前足部のクッション性が相当に低下していることに気づき、これは危険と判断し新品と入れ替えたのでした。

購入したのはボストン8の後継モデル、ボストン9です。

懐かしのboostフォームが誇らしげな旧世代のアディゼロシリーズ末裔

Amazonさんでなんと破格の6500円ポッキリ

愛用していたアディゼロジャパンシリーズも、ずっとこの値段でした。

実は、このボストンシリーズも、ジャパンシリーズも(もっと言えばタクミセンシリーズも)、現行モデルでは大幅なモデル再編が行われていて、これまでのシリーズの位置付けとは全く別物になってしまっているのですね。

ビジネス的には致し方ない流れだと思いますが、アディダスにも「厚底化」「炭素化」の流れが到来し、主力商品は全てカーボン入り、厚底化がなされてしまいました。

そして、おそらく商品力の高かったボストンがかつての人気商品であるジャパンシリーズよりも、より高性能化、レース向けに入れ替わり、値段と性能のバランス的に最も売れ筋モデルに位置付けられた点が大変興味深いです。(ジャパンの人気が落ちたのは、アディダス自身がジャパンのコンセプトを変えてしまったからなんですけどね)

言ってみればボストンのネームバリューが上がり(ジャパン化させたことで)、ブランディングに成功したということでしょう。昔からのボストンを知る私からするとずいぶん出世したなぁ、と(笑)。

さて、そんなアディゼロシリーズですが、まあとにかく「お高いんでしょう?」なラインナップになってしまい、そんなにポンポンと2万も3万もする靴を買うわけにはいかないランマニアは、いにしえのアディゼロシリーズの末裔、ボストン9がいまだAmazonさんで売られているのを知り、買えなくなる前に「抑えて」おいたのですね。

では、この9は8からどの程度進化(変化)しているのでしょうか?

まずは気になる重さは。

見えにくいですが、8が237g
9が234.5g

と、僅かに9が軽量化されていますね(同じ27.0cm)。ただ、ほぼ誤差の範囲。

続いてアウト、ミッドソール。

boostフォームとLIGHTSTRIKEフォームのバランスは全く変わらず
底面も全く同じ。

はい、つまり履いて走れば地面からのフィードバックは全く一緒ということですね。

続いてアッパー部分。

最も大きな変化はこのシュータン部分。8からすでにアッパー部分と一体化しましたが、9ではよりフィット性が高められています。

ヒール部の処理もかなり変わっています。
メッシュ素材も変更され、軽量化に影響しているのかもしれません。

というように、8から9で最も大きく変更されたのはアッパー部分ですね。

特に、履き心地に関する点としては、アッパーと一体化したシュータン部分の素材がソックスのようになり、フィット性が高められている点です。

これは変更されたメッシュ部分と合わせて、だいぶ快適に走れる進化なのではないかと期待大です。

まだ実際に履いて走ってはないので、具体的な履き心地はわかりませんが、8の素性の良さを考えれば、そうそうハズレはないだろうなと。

ちなみに、発売時よりずっと忘れられない気になる「あの子」はと言えば、

だいぶ安くなってきたとはいえ、いまだ12000円近いプライスタグが。

そして値段以上に「厚底」+「カーボン」がね。

おじさん的には、もう少し抵抗してみようと思います。