休むは恥じゃないし役に立つ

こんにちは、ランマニアです。

今日で1週間のリハビリジョグ期間が終了しました。

その前の1週間はランは完全に封印しウォーキングだけの毎日を過ごしたのですが、流石にその効果は絶大で、この1週間、久しぶりに走りっぱなしの週を過ごしましたが、ふくらはぎの方はほぼ完全によくなった印象です。

この1週間の休養、入れてみれば「なぜもっと早く」となるのですが、練習が積めているときに1週間丸々休むのはなかなか勇気のいることですね。

さて今日は、ランニング再開後最長となる75分間のジョグを入れました。

いつものランニングコース(ロード、起伏あり)を、大体キロ6から始めて最終的にはキロ5くらいまでペースアップしたのですが、もうほぼふくらはぎを意識することなく、どこにも不安や痛みを感じることなく快適に走れたのですね。

実は先週ジョグを再開した時点では、まだ若干痛みのような違和感のようなものが残っていたのですが、昨日あたりから急激に脚の状態が良くなり、昨日から24時間空けた今日の練習では、痛めた場所を忘れてしまうくらい何事もなく。

やはり1週間のノーラン期間を入れた効果は絶大。

「休むは恥じゃないし役に立つ」

一方で、今日は以前からこのコースを走りながら気になっていたあるエリアに立ち入ってみました。

今走っているコースは、実に20年近く利用しているコースなのですが、ここを走っている時にはいつも目にしていながら一度も踏み入れていなかった場所があります。

ちょっとした丘陵地帯の森の中ですが、よく見ると遊歩道のようなシングルトラックが続いていて、走りやすそうな道があります。

今日はここのところ練習量が減っていて疲労も少なかったことから、思い切って寄り道をしてそのエリアに入ってみることにしました。

すると、外からは見えなかった森の中には、かなりの長さの遊歩道が整備されていて、ランニングするにはもってこいのコース、さらに登山道並みの勾配が続く区間も時折現れ、トレイルの練習をすることもできそうな場所でした。

さらにこのコースを走り続けると、その先には広大なアスレチック広場があり、その中もアップダウンのある遊歩道が整備されていました。

これらの二つのエリアを合わせると、おそらく1〜2kmほどの距離を確保でき、かつ1周まわれば累積標高も少なくとも100mは稼げそうなコースを設定できそうでした。

今日は脚を労って1周でやめましたが、次回は継続して走れるコースを探りながら一定時間ここで練習をしてみようと思います。

とはいえ、元々ここは子供向けのアスレチック場で散策路でもあるため、早朝などの人のいない時間帯を選んで利用するのが大前提です。

まあそれはどの公園でも走る際はその辺りのことは考えないといけないのですが。

学生でない社会人ランナーで、自分のホームグラウンドにトラックがある人というのはおそらく非常に稀なことだと思いますので、どうしてもロード練習が多くなると思います。

そのようなことから、練習といえば自然と「ロードジョグ」になってしまいがちな社会人ランナーにとって、今回のような土のサーフェス、起伏の大きいサーフェスは非常に貴重な練習環境になると考えています。

ロードのジョグはペースが安定してしまえば非常に快適で、大きな反発も得られるため、変な話楽にペースを維持できますし、ストレスも少ないのですね。

しかし、逆の視点から見れば刺激が一定で、同じ部分にばかり力が繰り返しかかってしまうので、その部分を痛めやすいというデメリットもあります。同じ動作の繰り返しは、同じ部位への負荷の繰り返しですので。

確かに、疲労が溜まっている時などは、ちょっとした上りでもしんどく感じるので、できるだけ平坦な道を選びたくなるのですが、少し体力に余裕がある時は、積極的に今日のような林間コースに脚を踏み入れて、できるだけ多くの刺激を入れようと思っています。

とはいえ、「平坦な道をできるだけ速く走る力」と言うのも一種の特異性ですので、クロカンやトレイルばかりを走っていても、当然ロードやトラックは速くならないのですけどね。

やはり練習は目的とバランスが重要、と言うことで。

たまにはWalkingという練習があってもいいよね

こんにちは、ランマニアです。

今週はダニエルズさんのマラソントレーニングでは、負荷をかけるいわゆる「Qデー」が2日ともMペースの距離走の週でした。

ふくらはぎの故障が明けてから2回目の本格練習週でしたが、最初のMペース走は前回のブログに書いた通り。

そして水曜日には2度目のMペース走を行ったのですが、残念ながら12.8kmまで走り、後半戦をスタートしたところでふくらはぎが猛烈に張ってしまい急遽DNF(Did Not Finish)となったのですね。

実は、この日のMペース走はそこそこに調子が良く、ペースもキロ3分55秒を切るラップをずっと刻んでいて、一旦12.8kmでMペースをやめなければ、残り9.6kmは普通に走れたのではないかと思えるほど、脚の状態も悪くはなかったのです。

しかし、ダニエルズさんの練習は、このMペースに限らずTペースの練習の際にも、同じ距離なのにまとめて走らせる時と分割して走らせる時を、1週間に必ず1回ずつ設定しています。

おそらく、分割させることで目的の心拍域(MペースなりTペースなり)で走る時間をできるだけ長く取れるようにという配慮があるのだと思います(ランニングフォーミュラーのTペースの項目に、テンポ走とクルーズインターバルのメリットがそれぞれ書いてあります)。

そういう意味で、今週水曜日の分割Mペース走も、確かにその前の日曜に行って連続Mペース走よりも、より本来のMペースに近づきましたし、一度休めることが頭にあるとそのペースでなんとか頑張れそうな気もするのですね。

ところがこの分割型の練習で、ランマニア的にしんどく感じるのは、毎回一度中断したペースにもう一度戻すという作業が結構きついというところです。

一度メインの走行ペースを終えてジョグを挟むと、体が結構冷えてしまい(これは物理的に「冷える」のもあるし、神経系の興奮も収まる、という「冷める」意味もありそうです)、もう一度同じペースに戻そうとすると、うまく体が動いてくれないのですね。

うまく体が動いてくれないところで、無理矢理脚を速く動かそうとして力を込めると、やはりどこかに無理な力がかかってしまうのでしょう。

水曜日に猛烈な張りを感じてすぐに練習を中止した時も、一度ペースを落としてジョグで繋いだ後の、後半戦の走り始め1km程度のところでした。

幸い、すぐに走るのをやめ、帰宅後アイシングをして様子を見たところ、結果的に故障したところが再発したのではなく、弱っていた部分に大きな負荷がかかってしまったことによる痙攣に近い急激な筋収縮だったようでした。なので、翌日には普通にジョグができ、以降脚の痛みも出ていません。

週間走行距離の80%に達してしまったので強制終了

さて、そんな経過をたどった今週の練習でしたが、走行距離は思いの外のびてしまい、1週間を待たずに昨日の時点で目標週間走行距離の80%(ランマニアは週100kmで設定しているので80km)に達してしまったのですね。

もちろん、この80%というのは水曜日に22.6kmのMペースを走った場合ですので、今週のように途中でDNFしてしまっているのであれば、その負荷では80%にとどめる必要はないと思いますが、ちょうどふくらはぎにも来ていたことなので、今週はもう走るのをやめておくことにしました。

貴重な練習なしの土曜日

社会人ランナーの皆さんにとって(ランマニアもですが)週末の二日間は貴重な練習日になることは言うまでもありません。

特に負荷が高まり時間もかかるハードな練習は、この土日のどちらか(あるいは両方)に取り入れるのが理想だと思います。

そんな「貴重な」土曜日を「練習オフ」にすると言うのは、極めて贅沢なことです。ランマニアも、土曜日に練習をしないと言うのはいつ以来でしょうか。

そんな練習なしの土曜日。

こう言うところがランナーのサガなのでしょうが、やっぱり天気のいい休日は体を動かしたくなってしまうのですね。

走るのはやめておこうと思っても、天気がいいのでどこかに行きたくなってしまい、今日は近場の丘陵地帯を歩くことにしました。

思いもよらず近場にトレイルコースを発見

最近ランマニアがハマっているのは、自宅から車で1時間以内で行けてしまう東京都のあきる野市。

ここは市町村合併によりかなりの広範な部分が一つの市になってしまった結果、標高の低い丘陵地帯があるエリアから、本格的な登山ができる山岳地帯のあるエリアまで様々な環境を網羅する、トレイルランナーにとってはかなり魅力的な地域となっています。

今日はそのうちの、市街地に近く標高の低い丘陵地帯を5kmほど歩いてみました。

この丘陵地帯が始まる最も東側の取り付きには、大澄山という低山があります。

スタートは、この丘陵地帯の最も東側の大澄山(だいちょうさん)から。

ここから尾根づたいに快適なトレイルが比較的長く続いています(うちの近所でこのような尾根はあっても1kmくらいです)。

割と起伏のある本格的な山道なので、首都圏のこんな近場にこのようなトレイルが存在していたのは正直盲点でした。

ときおり痩せ尾根なども出現するかなり本格的なシングルトラック。

この尾根道を3kmほど進むと浅間岳というさらに標高の高い山に到達します。

先程の大澄山よりわずか40mほどの標高差ですが、ここまでかなりの起伏があり累積では100m近くありそうです。

ここまでの尾根道は結構古くからあるハイキングコースで、今日は歩きでしたが、トレランをしてもなかなか走りやすそうです。実際ランナーにも数人遭遇し、地元では比較的メジャーな練習場所なのかもしれません。

この先、尾根道はまだ続き、日の出や五日市方面まで足を伸ばすことができるようなのですが、今日は歩きなのでここから下山し帰路につきました。

ウォーキングの効能は侮れない

ランマニアのように40代も半ばを過ぎてくると、やはり先述した脚へのダメージや回復も、若い頃と同じようにはいかないものが出てきます。

まあこれはなかなか受け入れ難い事実ですが仕方のないことです。

そうした中、適度に脚の筋肉を使いながら有酸素運動を継続できる「ウォーキング」は、中高年ランナーのトレーニングバリエーションの中に一つ入れておいて損はないものだな、と感じます。

特に、今回のように起伏のある山道を1〜2時間も歩き通すと、大腿部は結構刺激されますし、心拍数も上がります。

アスファルトの上をガンガン叩きながら60分ジョグをするくらいなら、2時間くらい山道を歩いた方が似たような効果を足に優しく与えることができるのではないかと考えています。

もちろん、ウォーキングをやった方がトレーニング効果が高い、というのではなく、足への回復等トータルで見た時に、場合によって何も考えずにただ惰性で60分ジョグをするよりは、脚を休ませつつ持久的なトレーニングを行える山道ウォーキング(ハイキング)の効果は、意外と侮れないものがあるかなと感じるわけですね。

走らせてくれない靴を履くことで「自分で走る力」を身につけることができるのかもしれない

こんにちは、ランマニアです。

昨日から今朝は5時起きで走るぞ、と少し早めに布団に入ったのですが、まさかの緊急地震速報で強制起動させられ、なんだか寝たような寝てないような浅い眠りのまま朝を迎えて練習開始となったのですね。

今朝は久しぶりに眠いままの出走となり、気が向かないままとぼとぼと練習場所の公園までの4.8kmをアップ(ダニエルズさんのメニューでも4.8kmEとなっており、玄関を出て練習場へ向かうまでの道のりを兼ねることができるので非常に効率がいい)。

朝の5時半では外は真っ暗ですし、公園にもほとんど人気はなく。

そんな中自分でも「よくやるな」と思いながらも、今日のメニューは22km以上の距離走なのでできるだけ早い時間帯に終わらせたかったというのがあります。

ジョグシューでMペースを体験してみる

さて、ずっと足を痛めていたので今日のような距離走も当然久しぶりのことで、とにかくペースを上げられる気は全くしなかったので、今日の目標は「ゆっくりでもいいから完走」ということになりました。

さらに、もうほとんど脚の状態は大丈夫とはいえ、20kmもの距離をキロ4前後で走るには若干の不安があり、いつものボストン8でその距離を走り通すのはなんとなくまだ怖さを感じたのですね。

そこで、以前から一度は試したかったサロモンのSONIC RA PRO2でMペースは維持できるのかどうか(もっといえばフルのレースに使えるかどうか)を試すにはちょうどいい機会だと思い、初めてジョグシューで距離走をやってみることにしました。

メーカーサイトでは一応レースシューズ扱いですが、まだジョグにしか使ったことがないSONIC RA PRO 2

軽いのに軽くないシューズ

このRA PROシリーズ、サロモンのサイトでは一応レース用を謳ってはいるものの、履いた感じではどう考えてもジョグ用。頑張ってもマラソンペース程度(だからそのペースのレース用、という意味か?)がいいところかな、という印象です。

しかし、メーカーがレース用をアピールするにはそれなりの理由もあり、なんと言ってもこのシューズの特徴は、その見た目からは想像もできない軽さにあります。

見た目はジョグシューなのに、驚きの210g!(26.5cm)

なんとまさかのボストン8よりも25gほど軽量なのですよこのRA PRO2は。

軽いと思っていたボストン8でもこの重量。(27cm)

しかし、実際履いてみるとこの重量差を全く感じないほど「重く」感じたのが今回のRA PRO2。

いえ、もちろん走行中の25gなんて実際に感じられるようなレベルでもなく、今日のようなMペースなんかでは全く影響を及ぼしもしない差なんですが、正直もっと軽やかに走れる印象を持っていたのですね。

実際に手に取るとものすごく軽いので・・・。

スタートしてMペースを維持しようと思い、若干フォア気味で接地をしてスピードを出そうとするのですが、なんだか軽くないぞこの靴。

初めは体が動かないためキロ4分30秒もかかりましたが、その後動きが良くなってきてもなかなかキロ4が切れず。

靴のせいにしたくはないですが、これがボストン8よりも軽いというのはにわかに信じがたい。

そんな気にさせられました。

恐ろしくスピードが出ない「レースシューズ」

走りながら「この重さ」はなんなのだろう、とずっと考えていたところ、接地のたびに感じるある違和感に気がつきました。

この「レースシューズ」、レースシューズなのに、全然スピードが出ないんです。

いやいやいやいや、それはお前の足が遅いんだろう、と突っ込みたくなりますよね。

はい、もちろんそれは認めるのですが、接地した際になんというか地面を蹴って推進力が得られないのです。

全然進まない。

これまでMペース以上のスピードで走るときに履いていた、アディゼロのボストンやあの悪名高いジャパン5ですら接地して蹴り上げる際にはバネのように弾む感覚が得られたものですが、この靴は本当に進まない。

こんな靴が世の中に存在していたのか、と驚きを禁じ得ませんでした(いやかなり失礼。でもこの後ちゃんとフォローしますので)。

衝撃を吸収しすぎて反発が得られない「Vibe」フォーム

しかしこの靴、ある強力な利点も存在しているのです。

Mペースのようなフォア気味の着地でスピードを出そうとすると足裏のフィードバックがうまく感じ取れないのですが、少しペースを落とすと他のシューズでは感じられない明らかに高いクッション性能が発揮されているのですね。

特に、多くのスピードシューズでは両立し得ないほどの前足部のクッション性能が(厚底さんたちとは比較できませんが)。

なので、結果から先に言うと、今日の練習では20km以上Mペースで走ってみて初めて足裏が一度も痛くなりませんでした。

これはボストン8では一度も体験したことがなく、もっと短い16kmくらいでも若干足裏の筋肉が痛んでくるのが普通でした。

もちろん、ミッドソールの厚みが全然違いますから(ボストン8は前足部の地面からの距離がとても短く感じます。アスファルトをすぐそこに感じるような感覚。)、そのことが最大の要因だとは思いますが、それにしても足裏の「守られ感」は別格です。

このクッション性能を支えているのが、おそらくサロモンロードシューズ最大のウリ「Vibe」フォームであることは間違い無いでしょう。

先代よりも若干ハード寄りにシフトしましたが、それでも接地時の柔らかすぎず硬すぎない独特の感触は、このロードシューズを履きたくなる最大の要因です。

ところが、そんな優れたクッション性能を発揮するこのVibeフォームこそが「軽くない」走りを生み出しているのではないだろうかと、走りながら薄々感じていたのですね。

そうなんです。優れた衝撃吸収能力を発揮する代わりに、接地時のエネルギーを全て吸収してしまい(実際にはそう言うことはないのでしょうが)、前に進むための反発力を生み出すことができなくなっているのではないかと考えたのです。

さらに、このフォームが足裏全体を覆い、アーチの部分がフラットになっていることもある程度関係している気がしていて、蹴り出す際の足裏の「しなり」も生み出すことができないのではないかとも考えています(素材がもう少し硬ければ竹のようにしなりながら反発を得られるのでしょうが、なまじ柔らかいためにしなることができないのでは?)。

アーチ部が柔らかすぎて「しなれない」のも反発が得られない原因か?

何十年もかけて培われてきた「吸収」と「反発」を両立する技術

そう考えますと、普段何気なく履いているランニングシューズ(ランマニアの場合はアディダスですが)と言うのは、長い時間をかけても大変高度な技術が投じられてきたことがわかるのですね。

この「吸収」と「反発」という相反する現象を同時に両立させてしまう多くのランニングシューズの技術力の高さには目を見張るものがあるなと、今日は改めて感じたところです。

例えば、比較的歴史のあるアディダスの「Boostフォーム」について言えば、あんな発砲スチロールのような一見柔らかそうな衝撃吸収素材が、あれだけの反発力を生むのですから、冷静に考えれば「どうなってんの?」と思うわけです。

今回のVibeフォームは衝撃を吸収する力は大変高いものがあるとはいえ、十分な反発力を生むには至っていません。それだけそれらを両立させると言うことは高い技術が必要なのだと思うのですね。

また、アディダスを代表する「トルションシステム」も、さりげなく土踏まずの部分に謎の樹脂プレートが嵌め込まれているだけなのですが、実はあれによりアーチ部の反発力を生んでいたことに気づかされました。

あの部分が硬くないと靴は「しなれない」のです。

もちろん、その「しなる力」が強いがために足底筋膜炎とかの遠因にもなってしまうのですが、その反発力を利用して私たちはスピードに乗れていたのだなと、改めて感じた次第です。

靴に走らせてもらってきた私たち

一方、今日の練習では別の側面も見えてきました。

今回履いたRA PRO2は、はっきり言って、スピードを出して走ることに対してほとんど助けを得ることができませんでした。

軽量で走りやすいはずが、反発が得られないため全く軽く感じることもできませんでした。

しかし、走りながら、途中からあることを考えました。

これ、もしかしたらしっかりとした接地をして、体重を乗せ、自分の脚の前へ進ませるための筋肉をしっかり使って走らなければ速く走れないのかも、と。

これに気づいてから、これまでのように前足部でちょこっと接地をしてふくらはぎの力で前に持っていこうという走りをやめ、ある程度フラット気味に接地をして大腿部の力も十分使って走ったところ、驚くべきことにスムーズな推進力を得られるようになったのですね。

ここからキロ4を切って走ることができるようになりました。

そしてもう一つ気づいたことがありました。

私たち(というかランマニア)は、普段いかに靴の性能によって「走らせてもらっていた」かと言うこと。

ランマニア的には、普段から「厚底」は履かずに、ある程度自分の力で走っている「気に」なっていたところがあります。地面の衝撃をもろに受ける比較的そこの薄いシューズで強靭な走力を発揮できている、と。

しかし、今回のような「走らせてもらえない」靴を履いてみると、普段いかに靴の性能に頼っていたかに気づかされるのですね。

そう言う意味では、今回のような靴で練習をすることは楽ではないし非常に疲れるのですが、「自分の力で走る力を身につける」と言う意味ではとても有意義なシューズなのではないかと、最後は考えを改めて練習を終えたところです。

だからこそ、1点だけ、これだけは改善してほしい唯一にして最大の欠陥

そう思えて、もう今後Mペースでの距離走はこれでいいのではないかと思い始めていたところで、やはりどうしても許容しがたい走る上での最大の欠陥がこの靴にはあります。

「小指が痛い」

これは如何ともし難いとても大きな問題です。

今回の2世代目から、どのグレードも(MAXも無印もPROも)靴幅が若干細めになりました。そのため前作よりもフィット性能は大幅にアップしているのですが、相変わらずアッパー部分の硬い補強はそのままです。

靴の幅が細くても、多くのシューズでは小指が痛くなることはありません。それは素材が伸縮性に富んだ柔らかいものだからですね。

サロモンさんはトレイルシューズの歴史が長いせいか、このつま先周りの補強がとにかく「しっかりし過ぎて」いるのです。

今日は小指に血豆ができるほどのダメージがあり、流石にこれでは練習に使うことはできません。

残念ながら、次回の距離走ではボストン8に戻ることになるでしょう。

せっかくこの値段でここまでのシューズを作れるのですから、後はこの補強部分だけ改善してもらえたらもう言うことはありません(実はSONIC3では改善されていたりするのかもしれません。海外では4も発売されましたし。)。

とはいえ、ジョグのペースであればここまで痛むことはないので、今後もジョグを中心にこの靴を使用して、「自分で走る」力を培っていこうと考えています。

「ジョグ時々ファルトレク」な日々を経て

こんにちは、ランマニアです。

今週からダニエルズ練を再開し、今日はQデーの2回目。LT走やVO2Maxインターバルを取り入れた比較的強度の高い練習の日です。

ふくらはぎの状態はだいぶ良くなってきているとはいえ、ロードでキロ3分台で走るのはひと月ぶりなので、今日を迎えるにあたり数日前からかなり緊張していたところでした。

1月は、しばらくの間前足部で踏み込むとふくらはぎが「ズキっ」というので、常にリアフットの癖がついていましたし、ジョグでも前足部を使うのを反射的に避けている走りになっていました。

クララが立つのと基本は同じ

こうした恐怖は、どこかで一度通常のフォームで走ってみて、「大丈夫だった」という経験を積まない限りはその不安はなかなか拭いされないのですね(「クララが立った」と同じメカニズム)。

不安は回避行動で維持されますから、克服したければその不安の対象に暴露される必要があり。

その一発目をいずれは経験しなければならず、ケガ明けはいつもその一発目がどうしてもおっかなびっくりになってしまいます。

そうして迎えた今日のQデーですが、当然いきなりIペースとかで全開走行なんてあり得ませんので、本来のTペース、Hペース(Iペース)、Rペースは全て1段階落として実施し、徐々にスピードに慣らしていく慎重さで臨みました。

また、この手の練習のシューズはいつもアディゼロジャパン5なのですが、今朝久しぶりに履いてみたところ、相当な硬さと薄さだったため、ちょっと危険と感じボストン8に変更して実施しました。

設定タイムより再発をしないことを最優先に

初めは、本来のダニエルズ練では3.2kmのTペースを2本。レストは2分。

しかしロードのTペースはかなりの負荷がかかるため、恐る恐る走ったところ、予想通りキロ4分弱のペースになり、結果的にMペースとなりました。

しかし、これでいいのです。

今日は病み上がり初の本格練習ですし、今ペースを上げる必要は全くありません。

なので、キロ4分ペースで3.2kmなど本来ただのジョグに過ぎないのですが、今の脚の状態から考えれば、相対的にはTペース並みの負荷はかかっていると考えています。

そして問題は、本来であればVO2Maxに刺激を入れるHペースのインターバル。

走った感じではとりあえずふくらはぎの状態は問題なかったとはいえ、いきなりキロ3分10秒はさすがに怖すぎるので、ギリギリフォアフットにならないくらいのペースで走ってみました。

結果は平均ペースキロ3分35秒。

正直、もう少し速く走れている感覚はありましたが、脚のことを考えるとこれくらいが精一杯なところです。

感覚的にはだいぶスピードを出している感じがしましたし、脚への衝撃もかなり大きいものがあったため、5本もできるか心配でしたが、結果的にこのペースを維持して5本実施。

VO2Maxには効果はなさそうですが、少なくともLT域では走れたことになり、久しぶりに大きな筋力を発揮する機会となり、ミトコンドリアに代表されるエネルギー供給系に大きな刺激を入れられた印象です。

シメは400m Rペースですが、1本目を走った時点でさすがにふくらはぎが危なくなってきたので、200mに距離を変更し4本だけIペース(38秒くらい)で走って終えました。

達成感のために練習してるのではないけどその満足感も大事

全て激遅ペースなので、練習終了時でも相当余裕がありましたが、とにかく今日はケガ明け最初の練習で、再発を防ぎながら練習をこなせただけでもう十分すぎる成果であったと思っています。そして、この満足感は本当に久しぶりでした。

やはり、強度の高い練習はやり遂げた後の達成感が桁違い。

もちろん、その達成感のために走っているわけではありませんが、趣味で取り組んでいる以上、その取り組み自体の楽しさ(ここでは達成感)がなければ長くは続かないと思うのですね。(辛い、苦しい、でもそれは速くなるために必要なこと、という動機付けだけでは歳を重ねると続かなくなるのは明白です)。

「ジョグ時々ファルトレク」の予想外の効能

前回この練習をやろうとして途中で脚を痛めたのが1月の上旬でしたので、気がつけば1ヶ月ぶりの再挑戦。

ジョグは継続できていたとはいえ、それなりに長い期間でした。

とはいえ、今日は思ったよりもTペースが楽に感じたため、もしかするとこの一月のジョグだけの生活が、思いのほか体にはいい方向に作用していたのかもしれません。

また、2週前から取り入れたファルトレクも、これくらいの走力を維持するにはとても効果のある練習であった可能性もあります。

そう考えますと、長距離を走るための脚作り、基礎体力や回復力の向上などを目指すのであれば、毎日じっくりとジョグを続け、時折ファルトレクを取り入れる程度の練習でかなりの効果が見込まれるのではないかと、今日の練習中考えていました。

ガチガチのインターバルやLT走、ペースの高い距離走などは、もちろん体の変化を促すには効果的な練習であるのは間違い無いと思うのですが、その代償として高い故障リスクを考えると、果たしてそのリスクを取るほどの効果を期待するのもどうなのかとも思えてきます。(所詮趣味ランナーなんだし)

であれば、今回1ヶ月間故障期間中に継続した、「無理のないボリュームでのジョグ」とか「芝生の上でのファルトレク」などをしばらく実施してみるのも、あるいは面白い効果が得られるのかもしれないな、と。

だけど趣味だから楽しむのも大事かな、に戻る

とはいえ、そうは言っても、今日のような練習はやはり達成感は得られますし、メンタル面では「自信」がつくのも確かなことです。

「目先の満足」と言えなくもないですが、我々趣味ランナーとしては意外とそういう要素も大事な気がするのですね。

ジョグシューを笑う者はジョグシューに泣く

こんにちは、ランマニアです。

さて、長らく故障ブログ、故障ツイートが続いていたランマニアですが、今週はようやく1週間まるまる「普通の」ランナーらしい1週間を送ることができました。

まだまだMペース以上のいわゆる「ポイント練」をやれるだけの回復ではないのですが、ジョグをしても患部が悪化しない、つまりジョグが怪我の回復を妨げないほどの強度になってきたというわけです。

ふくらはぎの肉離れは、意外と接地の仕方によって患部を守れてしまうのですが、しかしそれをやってしまうと別の場所に負担がかかりそっちを「やって」しまう、という悪循環を生じさせてしまうのですね。

そこで、今週はジョグをするにしても意図的に路面の柔らかいトレイルや芝生を選んで走ってみることにしました。

衝撃を吸収してくれる芝生

今週、久しぶりに長めに芝生を走って思ったのは、やはり地面が柔らかいということは、接地した際の衝撃を、想像以上に地面が受け止めてくれる、衝撃を吸収してくれる、ということ。

アスファルトの上では、重力によって下された脚が地面に着地した際、地面は全く沈み込んでくれませんので、空中に飛び跳ねることによって貯まった位置エネルギーを全て脚で吸収する必要があるのですね(全てというのは言い過ぎで、もちろん靴でも吸収してますが)。

なので、たとえジョグのようなゆっくりのペースであったとしても、片足で60kgもある体を着地のたびに受け止めているのですから、脚には相当な負荷がかかっているわけで。

それを芝生の場合は、地面の柔らかさによって、本来は脚で受け止めるべきエネルギーをだいぶ芝生が「肩代わり」してくれているということです。

今回、芝生を走りながら感じていたのは、あれだけキリキリしてくるふくらはぎが芝生の上では全くそのようなことはなく、ふくらはぎの患部を忘れてしまうくらい衝撃が軽かった、ということ。これは、想像以上でした。

路面と喧嘩することで速く走れるアスファルト

一方で、芝生区間の合間に通過するアスファルト区間を走って気づくのは、やはりその衝撃の大きさなのですが、しかし実は思いの外スピードに乗れてしまうのはこのアスファルト区間。

芝生は衝撃を吸収してくれる一方で、せっかく貯まった位置エネルギーを「無きもの」にしてしまうため、位置エネルギーを反発力に変えて走ることができなくなります。(なので、「楽な走り方」ができなくなり、大腿部まで使って大きなフォームで走る必要があるのです。それはとてもいい練習だと思っています。)

アスファルトは路面が硬い一方で、落下のエネルギーを反発力に変え、脚の筋肉を使って弾むように前に進むことを可能としているのですね。もちろん、ランニングシューズの高性能なソールのおかげも多分にありますが(あのメーカーのなんちゃらXというのがこの反発力を強大なものにしているのだそうです。)

なんちゃらXについて詳しくはこちら

https://www.nike.com/jp/zoomx

まあとにかく要は脚と路面が喧嘩しながら反発をもらって楽にスピードを出せてもらっている、ということでしょうか。変な話、アスファルトを走るということは、「楽をして(フォーム的に)」速く走っているのだとランマニアは思っています。

その代わり、フォーム的には楽をする代償として、その分脚への負担が大きくなるのですね。

そりゃそうです、着地のたびに喧嘩してるのですから。

だからジョグシューは大事

そうするとです、年間のほぼ毎日に行っている「ジョグ」において、何百何千何万回と地面と喧嘩する脚をノーガードで晒してしまっては大変なことになってしまうわけですね。

しかし、正直ランマニアもそうですが、やっぱり「ジョグ」を甘くみています。

もちろん、ジョグの生理学的効果はとても大きなものはあるし、ジョグの負荷だって侮れないのですが、どうしたってペースは楽でインターバルとかの日よりも気は楽なので、ジョグに行く時にはそんなに気合入りませんよね。

ペースが遅いのでどんな靴でもそれなりに走れてしまいます。レースやインターバルのように1分1秒を削り出す必要もないので、そこに2マンも3マンもするジョグシューに投資する、というのも「う、ちょ、ちょっと待てよ」とスマホ画面の「カートに入れる」ボタンを前に躊躇しますよね。

ええ、はっきり言ってしまえば「ジョグにそんな金はかけられねぇ」というのが本音です。

でもですよ、年間通して最も長く走っているのはジョグですし、本来一番投資すべきはジョグシューであって然るべきなのです。

「ジョグシューを笑う者はジョグシューに泣く」

安いオイルをこまめに替える

この「ジョグシュー問題」を考えていて思いついたのが、車のオイル交換。

ジョグシューも車のエンジンオイルも定期的に替えなければならないいわゆる「消耗品」なんですね。

交換をサボっても「すぐには」壊れない(故障しない)のですが、「後々、いつか」痛い目に遭う、というのも共通しています。

そして、安物を使っても高価なものを使っても、交換の頻度が変わるわけでもない、ということも共通です。

つまりです、どちらもお金をかけなきゃいけないのですが、それは一回の値段ではなく、「頻度」という観点において、なんだと考えました。

実は、ランマニアは一台とても手のかかる車を所有しているのですが、古い車でメカニズムが非常に単純なのでオイル交換くらいは自分で行っているのですね。

でもです、たまにしか乗らないこんな車に1マンも2マンもするエンジンオイルを投入するのは馬鹿馬鹿しいので、1リットル千いくらの激安オイルを半年ごとに交換しているのですね。

いやそれで十分なのです。

要はちゃんと定期的にこまめに交換することの方が大切で。

これと同じ理屈で、ジョグシューもそのために何マンもするものを用意する必要はなく、安いのを比較的短いサイクルで交換する(あるいは何足か用意してローテーションする)やり方で十分なのではないか、と思ったのです。

意外と少ない「安くてちゃんとした」ジョグシュー

そこで昨年、ジョグシュー探しの旅を続けた時期があり色々と気付かされたのですが、各メーカーこの「ジョグシュー」というものの考え方が意外と偏っていて(マーケティング的にだと思いますが)、「ちゃんとしたジョグシュー」「でも安い」というのがほんとんど見つからないのですね。

例えば、ランマニアが好きなadidasさんでジョグシューを探そうとすると、こんなのとか

こんなの

がヒットし、流石に数百キロで交換では高いなぁ、と感じ、結局これを買ったりしました。

このソーラーグライド、安くても一応ブーストフォーム、トルションシステム、コンチネンタルという「三種の神器」が搭載されているのですが、全体的に使われている素材が安っぽく。

いい靴なんですが、アディダスにしてはややフィット感がなくアッパー部の素材が安っぽい。謎に樹脂製の補強も入っていて・・・。

まあ、言ってみればビギナー向け、というやつなんでしょうか。

これなんかは、安くてもしっかりとシリアスランナーをも満足させられる性能を持っているのですけどね。

どうも「エリートランナーはジョグも速い」「だからエリートランナーはこういうのでジョグするでしょ?」っていう考え方なのかなぁ、と思ったり。

あるいは、「エリートランナーだから、ジョグシューも高くてもいいよね」なのかも。

当然、天下のNIKE様が用意しているジョグシューはみんな高く、唯一狙っているペガサスさんでも型落ちでようやく1万程度。

ようやく見つけた「安くてもちゃんとしたジョグシュー」

そんな時、意外なところにその答えはありました。

トレラン界の雄、サロモンさんです。

トレイルやってる人ならそっち系のシューズではとてもいいものを安く提供してくれているメーカーという印象は強いでしょうし、実際ランマニアもトレシューで愛用させてもらっています。

最近になって、ずいぶんロード用に手を広げてきたな、という印象ですが、実はかなり前からロードシューズを手がけていたようで、ランマニアも長年トレシューを使ってきて全く知りませんでした。

このサロモンさんのオンラインショップサイトでは、時折「とんでもない」セールを行うことがあるのですね。

もはや定価が「ぼったくり」と言われても仕方がないほどの「60%オフ」とか。

このタイミングが結構狙い目で、2世代ほどの型落ちモデルなのですが、それでも60%はデカい!ということで、昨年5月にこのセールに便乗して3足ほどロードシューズを「大人買い」してしまった過去が。

値段の安さとロードシューズではメジャーでないメーカーの靴ということで、当初はあまり期待はしていなかったこのサロモンさんのSONICシリーズですが、履いてみてその完成度の高さに驚いたものです。

このSONIC RAシリーズは基本的にMAX、無印、Proの3グレード展開で(現行モデルSONIC3は呼び名が変わっている)、MAXはガチなジョグ用、無印はスピードランナー向けのジョグ用(っぽい)、そしてProは一応「レース用」ということになっているようです。

ただし、ランマニア的にはどのモデルもクッション性能がしっかりしていて(特に前足部)、やや「フロントヘビー」な印象を受けているので、どれもインターバルやレースに使うのはちょっと厳しい、という感想です。

つまり全て「ジョグ用」ということになります。

逆にそうしてみるとこの3グレードはいずれもジョグ用としてはかなり優秀であることがわかります。

この3グレード全てに共通しているのは

  • クッション性能が高い(決して柔らかいのではなく適度に硬く衝撃をいなしてくれる)
  • 軽量である(MAXでさえ255g 27.0cm)
  • アッパー部にもお金をかけている(しかしデメリットあり、後述)

ことです。

特にProはレースシューズ並みに軽量(228g 26.5cm)であるにもかかわらず非常に高いクッション性能を持っています(もちろん、なんちゃらフライに比べれば大したクッション性能でもなければ軽量でもないですが、値段が違いすぎます。ポルシェとカローラほどの違い。)。

これは少し速いペースでジョグをしたいときや、芝生の上を走りたい時には非常に重宝する特性です。

2世代目はハード路線に

そんなジョグシューとしては十二分な性能を誇っていたこのサロモンのSONIC RAシリーズですが、昨年10月に購入した2世代目ではだいぶ「ハード」よりにシフトしました。

とにかく、「うり」の一つだったミッドソールの柔らかさがまさかの「硬め」に。

ただでさえ硬くて痛かった(これが唯一の不満点)アッパー部が、さらに硬く「改悪」されています。

2世代目MAX。外観は初代と変わらぬミッドソールですが、実際にはいてみると相当(感覚的に5割増し)硬めに設定されています。
そしてこのシリーズ最大の「謎」。つま先を覆うめちゃくちゃ硬い補強。100kmくらいまで確実に靴擦れします。

このミッドソールの硬さは、どのグレードも100kmを超えたあたりからだいぶ足に馴染んできまして、むしろこれくらいの硬さが安定感を増しているな、と好印象になってきました。あの独特の柔らかさも魅力的でしたが、確かに安定感には欠きましたからね。

しかし、どうしても理解できないのが初代からどのグレードにも採用されているつま先部分の強固な補強。おそらく樹脂でできているのでしょうけど、これがとにかく痛い。

トレシューじゃないんだからこんな硬い補強は必要なかろうに、と思うのですが、頑なにこれを入れてくるのがトレシューメーカーサロモンの「意地」なのか。

靴ベロがいい感じでクッション材が入っていて、履くほどに脚にフィットしてくるのですが、いかんせんこの補強がアッパー部の柔軟性を阻害していて、足のフィット性能をスポイルしているのですね。

これがサロモンさんのロードシューズ唯一にして最大の不満点です。(今度出るスーパーシューズでは改善していて欲しいなぁ)

足のフィット性を高めるクッション材入りの靴ベロ。Bostonほどのフィット性はないですが、この値段のジョグシューにしては優秀。

しかしセール中であれば五千円前後で買えてしまうこのクラスのジョグシューは他に類がなく、ミッドソールの性能はかなりいいものがあるので(サロモン渾身の「Vibe」フォームは個人的にboostフォームよりも好印象です)、慣らしが終わり、靴擦れの心配がなくなれば(と言ってもひどい靴擦れは生じませんが)ジョグでは相当活躍してくれるシリーズだと思っています。

眉唾だと思っていたVibeフォームは想像以上にいいフィードバックが得られます。

昨年5月から約7ヶ月間、初代のシリーズ3足をローテーションで履き続けましたが、結果故障はゼロ(ハムストリングス付着部炎はインターバルによるもの、ふくらはぎはレース)。

なので、少なくともこの靴が原因で故障をするということはなさそうでした。

その実績を買い、7ヶ月で履き潰した初代は2世代目へバトンタッチ。

今回も60%セール開始時にすぐに確保(でないと本当に売り切れる)。

2世代目はMAXと無印の差がだいぶなくなり、正直どちらを履いても変わらない印象になりましたが、今回の圧巻はProです。

初代よりさらに軽量化され、クッション性は落ちたものの足へのフィット性能が飛躍的に向上し、とにかくペースを上げるのが楽しくなるシューズ。

芝生の上では最強です。(そこかよ!って突っ込みたくなりますが、トレーシューメーカーゆえに、不整地が得意なのかも)

超高速ジョグシューとして考えるとProのような存在は貴重かもしれません(その存在をadizero Bostonに期待したのですが)。

奥からMAX、無印、Pro。同色で揃えたので区別がつきにくいですが、Proのヒール部だけは別物なのがわかります。

3足16000円程度で半年以上

先代モデルでは、3足ローテーション(途中からソーラーグライドも入りましたが)で7ヶ月近く持ちました。

高性能シューズだからといって長持ちするわけではないですから、怪我もせず快適にジョグができるならこれくらいのジョグシューで十分ではないかと思いますね。

我々の学生時代に使っていたジョグシューと比べれば雲泥の差ですからね。

2月にスーパーシューズ分野に参入するサロモン。

今後の展開に期待です。

SONIC3も安くなってきましたが、こちらも60%オフまで待ちます。

Go To 雪山

こんにちは、ランマニアです。

さて、今日は以前から予定していたトレイル練習をしに前回も訪れたあきる野市へ。

前回は2ヶ月ぶりのトレイルということで、登り坂が全くダメダメで、数日間筋痛にも悩まされるという新年早々情けない結果に。

今回はずいぶん前から代休を取れることがわかっていたため、山を走るには空いている平日がベスト、と言うことで少しまとまったトレイル練習を計画していたのですね。

しかしふくらはぎを痛めてしまっていたため、今回は半分お気軽登山の意識で体を動かしてこよう、と言う計画に変更。

温泉からすぐに登り始められる低山にのんびり登って軽いジョグも織り交ぜれば十分だろう、と。

前日まさかの積雪

ところが、前日日曜日は関東でも降雪の予報。

実際には平地は雨でしたが、きっと山は雪だっただろう、と。

ただ、思ったよりも気温は下がらなかったことから、積もってもアイゼン装着なんてことはないだろうなと予想し、予定通り出発。

案の定、行きの車の中から見えた山並みは、まるでアルプスのような光景で標高の高い山だけにうっすら雪が積もっている状態。まああの程度ならどうにかなるだろう、と、むしろ都内の低山で雪山を楽しめそうな予感。

今日の目標は、脚を使いすぎない程度に呼吸を追い込み、ジョグではふくらはぎを痛めないこと

そもそも、今日トレイルを入れようと思ったのも、ふくらはぎをいたわるため。

ふくらはぎを痛めているのになぜトレイルを?と思われるかもしれませんが、実はトレイルで使う筋肉はランとはかなりの違いがあり、走り方さえ気をつければ意外と患部を守りながら走ることができるのですね。

例えば、平地のアスファルトとかですと、「かかとで着地して重心が前足部に乗り、そのままふくらはぎの力を使って蹴り上げる」という動きを何千、何万と繰り返すため、ふくらはぎにはかなりの負荷がかかってしまいます。

一方、登山道を走る際には、まず走れないような急坂を登る際には「着地」というフェーズがほぼないと言ってもよく、つま先だけでふくらはぎの力を使って小刻みに上らない限りは、ほとんどふくらはぎの筋肉を使わずに登れてしまいます(階段を登るように)。

これくらいの急登は走れないため、むしろ脚の筋を守ることができます

そして、尾根道のような若干平坦な部分でも、必ず小刻みにアップダウンがあるため、同じような着地→筋力の発揮が何百回も繰り返されることはほぼありません。常に路面は変化し、使う筋肉も変わってきます。

このような快適なシングルトラックは路面が柔らかいだけでなく、常に変化があるので意外とふくらはぎにはきません。

一方、登ってきたほどの急な坂を下る場合は、一見ものすごくふくらはぎに負担がかかりそうなイメージがありますが、これも前足部に力を入れてブレーキをかけない限りは、それほど無理な力はかかりません。

少し膝に負担はかかってしまいますが、踵側で着地をし、重力に任せてリズミカルに降っていけば思いのほか快適に下ることができます。

下りは少し重心を下げて脚の関節を車のサスペンションのようにタイミングよく曲げていくと、体幹部で衝撃を受け止められ、思ってよりも脚には負荷をかけずに済みます。

なので、ロードの高強度練やレースなどでふくらはぎにものすごい大きな負担がかかっているときなどは、あえてジョグをトレイルに替えてしまうことは結構あるのですね。

そして脚への衝撃を最小限に食い止めつつも、急登では心拍数を上げることができるので、今のようにスピードを上げて心拍ゾーンを高めて走ることができない時は、意外とトレイルは都合の良いフィールドだったりします。

山頂付近は本当に雪山だった

標高が低いうちは前日の雨で適度に締まった路面が快適で、幸いふくらはぎも問題なく、気持ちよく走れました。

しかし、標高が700mを超えたあたりから積雪が目立つようになり、目的地の馬頭刈山に到着する頃には本格的な雪山になっていたのですね。

積雪はざっと10cm。この前後では常にこれくらいの積雪があり、「先客」の足跡がなければちょっと怖い状態でした。

そしてまさかの「先客」があり、ずっと足跡が続いていたためその足跡を追えば問題なくトレイルを外れることがなかったのは幸運でした。

それほど険しい山ではないとはいえ、雪の下が空洞になっていたりすると、気づかず踏み抜いたり、滑落したりする恐れがあり、こんな低山でも遭難の危険性は意外と高まるのです。

後半はロードジョグ

このようなトレイルをだいたい90分くらい走って下山し、この時点で距離は6km。

運動時間は90分とはいえ、意外と脚にはきていなかったことから、下山後はジョグで温泉まで走ることに。

近くの集落に降りられる下山道を選択。家や道路が見えるとホッとします。

昨日の時点では、今日はアスファルトを走る予定はなかったのですが、ふくらはぎの状態は思ったよりもよかったので、軽くジョグをすることにしました。

本来7kmほどで温泉に戻るはずが、途中で道を間違えトータル10kmほどになってしまいましたが、脚は全く問題なく、気持ちよく快適なジョグで帰って来ることができました。

今日くらいの距離と負荷を加えてもほとんど違和感も無くなったため、徐々に通常モードの練習に戻せそうな気がします。

やれる疲労かやれない疲労か

こんにちは、ランマニアです。

今日は今月最初のインターバルの日でしたが、残念ながら脚の疲労が酷く久しぶりの練習DNSとなりました。

これまで比較的Qデーを順調にこなせていただけに、今日のようにアップの時点で無理かも、と言うのは少し珍しいケースでした。

ある意味、計画通りの練習を忠実にこなしていたため、想定外の疲労とかダメージとか、そういったものを回避することができていたのかもしれません。

ところが今週は、先述の通り、予定外のトレイル練習を入れてしまったのがことの始まりです。

予定では、もう少し負荷の軽いトレイルを走る予定だったのが、想定外に累積標高も勾配も足にダメージの残るコースを走ってしまったのですね。

走りながら「このキツさはやばいなぁ」と思っていたので、その後の脚の筋痛はまあ予定通りと言えば予定通り。トレイル慣れしていない時の急激な負荷は、重い筋痛が残るのです。

さて、そこから中2日でジョグの方は大体いつものペースにまで戻すことができていたので、今日は試しにQデーの2回目を入れてみようと思ったのですが、ペースをあげた途端あり得ないほど脚がガチガチで、全くスピードを維持することができませんでした。

ジョグで温まれば筋痛も和らぐだろうと甘く見ていましたが、それ以前に筋力の発揮に問題が出るほどダメージを受けていたことに気づきました。

今回のように、筋そのものがダメージを受け、どんなに頑張ろうとも筋力を発揮できないような疲労状態の時は、とにかく心理的な頑張りでカバーしようと思ってもなかなか難しいものがあります。

一方、練習を長く積んできて、体全体がだるかったり頭が疲れていてぼうっとしてしまっているような時も、同じく練習に気持ちが向かないのですが、こう言う時はアップや流しを入れると頭の覚醒水準も戻ったりして、意外と走れてしまうことがこれまでもありました。

つまり、同じ「疲労」と言う状態でも、筋そのものが物理的にダメージを受けているのか、筋やそれと脳とを繋いでいる神経系を酷使したことで感じる「疲労感」なのかを見極めることは、一定期間安定して練習を続けるために割と重要なことだったりするのですね。

そして今日のように、脚そのものが物理的にダメージを受けているときは、走るフォームもおかしくなって、別の場所を故障しやすくなったりします(大腿部が疲労していると膝をうまく屈曲させられず、結果的にふくらはぎを痛めやすい、とか)。

なので、そうした懸念もあったことから、今日は体自体は元気であったものの、大事をとって強度の高い練習を避けたのでした。

いわゆるポイント練の際に、体が万全ではないことは比較的よくあることですが、そこで「その中でもやれる範囲でやる」のか「別の機会に設定し直す」のかは、なかなか判断の難しいところでもあります。

しかし、今日のようにメインがVO2Maxペースだったりする場合は、「遅いなりにやりきる」ことはほとんど意味がないので、やはりできるだけ良い条件で行うべきだと考えています。

戸倉三山を走ってきました

こんにちは、ランマニアです。

さて、昨年に引き続き今年も正月休みを利用しての初トレイル練習に行ってまいりました。

昨年は真冬の美ヶ原に里から走って登る、というアホみたいな練習(当然雪上トレイル)をしてしまったのですが、今年はダニエルズのマラソントレーニング中ということもあり、1週間を通しての負荷をどうするかと考えた時に、2回あるQデーを両方こなせる程度の負荷で行う、という観点から少し軽めのトレイルを選択したつもりだったのですね。

今週のQデーは、初回がロングジョグ(130分)、2回目がLTインターバルとVO2インターバルを組み合わせた最も苦手な練習、という内容です。

当然ながらこの2回目のQデーが勝負の日なのですが、せっかくのまとまった休みで一度も山に行けないのも残念なので、初回のQデーをロングトレイルジョグに充ててみたということなのです。

最後にトレイルを走ったのはもう2ヶ月も前になる烏帽子スカイレース。あれ以来、全く山を走っていなかったですし、関所マラソンの疲労も皆無ではなく、さらには数日後には最もきついインターバルが待っていると考えれば、今日は比較的ゆったりと時間をかけてのんびり走れるトレイルがいいな、と近場はあきる野市にある低山(山のキツさは標高とは無関係です)を目指したのですね。

このあきる野市にある「瀬音の湯」という温泉施設は以前一度利用したことがあり、非常に泉質がいい割にリーズナブルで、自宅からアクセスしやすい場所でして、今度行く時は山を走ってそのままドボンしたいと強く思った場所でした。

さて、そんな温泉めあてのトレイル練習ですが、ここを拠点にした場合どのあたりまでの山へ行けるか考えてみました。

まず真っ先に思い浮かんだ「大岳山往復コース」はあまりにも距離が長すぎるので却下。

大岳山は先日東京バーティカルレースが行われ、ランマニアも昨年その試走を行った場所なので、もう一度行きたいなと思ってはいたのですが、流石に瀬音の湯から片道15km超は今回の練習の趣旨とは外れます。

次に候補に上がったのが、「戸倉三山」と呼ばれるこの地域(戸倉地域)を代表する三つの山を縦走するトレッキングコース。一部があの「ハセツネ」のコースの一部にもなっていて、地元ではかなりメジャーなトレッキングコースです。

三山はどれも標高が800m前後ですから、まあ最初だけ急登を登ればあとは気持ちのいい尾根づたいの気持ちのいいシングルトラックだろうと、超甘く見積もりました。

距離も山岳区間だけで15km弱ですから、大体2時間ちょっとで回れるだろう、うん、今日の練習の趣旨にぴったり、と、とにかく完全に舐めてかかってこのコースを選択したのですね。

さあ、久しぶりのトレイルランニング、楽しみ楽しみ、と温泉施設を後にして最初の登山口まで足取り軽やかにジョグで向かいます。

瀬音の湯から登山口までは秋川渓谷を渡る吊り橋を通ります。ここは絶景。温泉に立ち寄った際には必ず訪れてほしい場所です。

実はこの三山巡りの前に少し寄り道したいところがあり、それが稜線まで登ったところから500mほど逸れたところにある「城山」と呼ばれるかつての山城のあと。

事前の調査でかなり景色が良かったので、まずはアップがてらそこまで行ってみようと、久しぶりの急登をガシガシ登ります。

城山からの眺め。五日市方面を一望でき、遥か彼方の群馬の山々まで見渡すことができます。ここまで登って引き返して温泉、だけでも十分楽しめそうです。

しかし、もう2ヶ月も山を走っていなかったからか、とにかく脚に力が入りません。なんというか、絶対的なパワーがない感じなんですね。呼吸はそれほどでもないのに。

もしかしたら、レースの疲労もあるのかもしれません。しかしそれにしても、すぐに一杯一杯になってしまい、10月のトレイルシーズンにはなんでもなかった勾配も、すぐに歩きが入ってしまい、自分の衰えに軽くショックを受け。

城山からの眺めは最高だったのですが、この疲れ具合から先行きが不安になってきました。

しかしせっかくの休日、こんなところで引き返して温泉ドボンはもったいない。そう思い、予定通り稜線を進むことにしました。

ここから先が、本当に想定外でした。

まあとにかくアップダウンが凄まじいこと。

同じくランマニアの地元に近い奥武蔵地域によくみられるような、岩場だらけの幾度もピークを超えながら尾根を進んでいく、あの特有のコースがそこにはありました。

このような岩場だらけなのでとにかくペースが上がらず。道も細く、油断すると滑落の恐れも。

もう幾つの山を越えたのだろう、と数えるのも嫌になる程軽い山登りを幾度となく繰り返し、まだ最初の臼杵山にたどり着く前から累積標高が1000に近づいてきたので目を疑いました。

そして、山慣れしていない脚の疲れが次第にひどくなり、完全に登りは止まってしまいました。ああ、情けない。

ただ60分ほど走ると、一度急激に溜まった乳酸が代謝され、脚のPHも酸性から中性に近付いたのか、ようやくエンジンがかかってきた印象になりました。ああ、これならまだしばらく走れるぞ、と。

三山の一座目は最も標高の高い臼杵山
標高が1000に近いと空気感が変わります。

本当はこんなことをするはずじゃなかった、と思うほどの急激な登りが延々と続いた先に、ようやく一座目の臼杵山に到着。

こんなはずじゃないかった坂

その後も似たようなトレイルが延々と続きましたが、若干走りやすいシングルトラックに変わり、徐々にペースも上がってきました。

本当はこれくらいの尾根道が続けば良かったのですが、こういう道は長くは続きません。

臼杵山から二座目の市道山までは約3kmほど。山道の3kmは意外と長く大体キロ10分で行ければ良い方。

若干標高は下がりましたが、アップダウンが繰り返されたので下がってきた感覚は全くなし。

それにしても東京都の登山道は本当によく整備されています。こんな百名山でもない小さな山にこの立派な山名板。地元埼玉では絶対にあり得ないですね。さらにかなり短い間隔で道標も設置されていて(しかも新しい)、ほぼ迷うことなくルートを進むことができます。お金あるんだろうなぁ、と。

出ましたハセツネ。以前青梅の山でもこれを見かけましたが、とんでもない広範囲にわたって走るんですね、このレース。ここを走ってみて、絶対にエントリーしない、と確信しました。

市道山から三座目の刈寄山まではなんと5km。初め「5km」という表示を見た時は「マジかー!」と誰もいない山中で叫んでしまいました。

何せここまでの道のりは大体9km強。それを約2時間かけて走ってきましたから、まだあと1時間かよ、と愕然としたのですね。

ちなみに、この市道山からはあの八王子の「陣馬山」まで尾根道づたいに行くことができます。こちらも約5km。さらにその陣馬からは、かなり遠いですがあの「高尾山」へもアクセス可能です。体力に余裕があり、本格的にトレイルの練習をする機会があれば、一度やってみたいコースではあります。

長かった市道山からの繰り返されるアップダウンも、この入山峠でようやく一区切り。ここから後500m。激坂が続きますが、最後の登りです。

その後途中のキロ表示が3kmを切ったあたりからやはり気持ちもだいぶ楽になり、そうなってくると体も元気がみなぎってくるのですね。

これまでは先のことを考えてどうしても体をセーブしがちになっていましたが、残り2km台ならアクセル踏んでも大丈夫だろう、という感覚が無意識のうちに頭に浮かびます。

これは、ロードレースなんかでも同様で、なんというか現時点で残されている自身の体力が、あとどれくらい頑張っても大丈夫か、というのが感覚的にわかるのです。もちろん、最終的には「アクセル踏むのが早すぎたか!」ともくろみが甘い時もあるのですが、しかしそういう肉体的な限界は心理的にカバーして走ってしまいますし。

ようやく3座目の刈寄山に到着。標高はかなり下り600m台。ただし、ここまでの累積標高は1500mに迫るほど。

最後の力を振り絞って(本当は振り絞っちゃいけなかったのですが)ようやく最後の刈寄山に登り、あとは五日市の町まで一気に下るだけ。

この下山道はあまり利用されていないらしく、かなり荒廃していて一度ロストしてしまいましたが、どうにか無事に下山を果たしました。

本来のQデーとしての練習は130分または27kmの短い方、というロングジョグでしたが、今日はトレイルの22km、累積標高は大体1500m。走行時間は3時間半。おそらく、予定していた体への負荷は大幅に越えてしまいました。しかも、久しぶりのトレイルで体にかかった負荷も以前より大きめになった気がします。

登山道のような通常身の回りにあるような上り坂とは比べものにならないほどの勾配を登ったり、駆け降りたりする際の筋力の発揮の仕方は、おそらくロードをジョグするのとは全く違うパターンだと思います。

おそらく平地をジョグするよりも速筋を優位に使っているのだと思いますが、こうした山練習の後は必ず「バネ」がなくなった状態がしばらく続きます。つまり、スピードを出して走れなくなるのですね。

なので、次のQデーで予定している比較的ペースの速いインターバルには結構影響が出てしまうものと思っています。

とはいえ、2ヶ月山から遠ざかるだけでこれほどまでに筋力、筋持久力が衰えてしまうことを考えると、やはりこのタイミングで一度入れておかなければならなかった練習だったと改めて気付かされたところです。


12月振り返り

こんにちは、ランマニアです。

2020年も最終日になりましたが、今月もいつも通りの月間振り返りをいつも通り行います。

社会人最長走行距離になった12月のトレーニング

まず、なんといっても今月は今年初めて走行距離が月間400kmを超え、しかもこの410kmというのはおそらく社会人になって最長の走行距離だったと記憶しています。

10年くらい前の8月に、一度400kmを超えたことがありましたがその時も400kmをほんの少し超えただけ、しかもこの時は全てジョグでの記録でした。

しかし今月はレースが2回あり、かつそのためにQデーを減らしたり走行距離を減らして調整することもなく、ダニエルズのマラソントレーニングの計画通り行っての400km越えでした。

これまでであればこんなことは絶対に不可能で、仮に練習量を落とさずにレースを迎えようものなら、終盤ペースがガクッと落ちるような目も当てられない大撃沈を見ることになりました。

12月の最後に行われたレースは10kmという比較的長めの距離でしたし、その中でネガティブスプリットを維持できたということは、こうした練習の疲れの影響はほとんどなかったと思われます。

何度も繰り返してきましたが、やはり疲労しにくく回復しやすい脚ができてきたことが、ランマニアの疲労体質の「疲労」に対しても効果があったと考えられます。

慢性疲労を発症した際には、とにかく「休む」というアプローチしか選択肢がなく、当然無理をすればすぐにぶり返すことを繰り返してきたのですが、練習を再開できるようになりここまで長く続けてきたことで、今度は自身の体力(この場合は脚や筋、神経系の持久力とでも言いましょうか)を高めることが、結果的に「疲れにくさ」を獲得することにつながったのではないかと、今の体の感覚からは考えています。

マラソントレーニングらしく、MとTの割合が一気に増えてきました。その中でLT走に混ざってレペティションの頻度もそこそこあり、それがいきなりセンゴを走ってもなんとなかった要因かと。

今月はQデーにおけるTペースインターバル(クルーインターバル)の距離と本数がかなり増え、正直相当しんどい練習になったのですが、振り返ってみるとこの週の練習でかなり脚ができてきた気がしています。

このダニエルズさんのプログラムは、最もきついTペースの週が終わると翌週はまるまるEランニングだけの週になるのですが、この週に結構脚を休ませることができ、その間に体が超回復している印象を持ちました。

つまり、1ヶ月頑張ると、次の月を迎える頃には「ワンランク強くなっている」というわけです(本当にワンランク上の練習ができるようになるのです。これには自分自身びっくり)。

一月頑張ると、翌月はさらにワンランク上の練習ができるようになる、というのが如実に現れているグラフ

さて、こうして新たな挑戦がどうにか実を結んだ2020年でしたが、とにかく大きな故障をせずに終えられたことが何よりです。

来週からさらにこのプログラムのボリュームが増えていくのですが、そこで脚にかかった負荷は、次のQデーまでのジョグのペースや距離を調整してうまく回復させていくつもりです。

先日の10kmの疲労が結構残っているので、今週はたまたまEペースランニングのみの週で助かりました。正月休みを利用して心身ともに一度リセットして、休み明けからまた体を追い込んでいこうと思います。

ぼっち練だからできる「最低限の努力」による「最低限の負荷」

こんにちは、ランマニアです。

さて今日は、もう数週間前からこの日を迎えるのがある意味楽しみのような憂鬱なような、なんとも複雑な気持ちになる練習メニューの日だったわけですね。

ダニエルズさんのマラソントレーニングの中でも、おそらく1、2位を争うほどのメンタルやられる練習、精神的にしんどい練習、そんなところでしょうか。

ベースはLT走なんですが、途中に一度レペティションを挟み、そこで終わらずそこまででいじめ抜いた脚をさらに使って最後にもう一度LT走を走らせるという、考えた人は相当意地悪なんじゃないかと思えるほど、ランナーの一番辛い部分をついてくる練習です。

これまでのマラソントレーニングの実施状況からすると、たぶんランマニア的には今日の練習は無理でした。

まず、今月の練習で疲れ切った中で、LTペース(ランマニア的には3分30秒/km)を維持するのは相当至難の業。疲れがある中でこのペースを維持するにはかなりの努力度が必要となり、努力度が上がるということは、それだけ中枢神経系にも負担をかけることにつながりますので、長い距離が持たなくなるのですね。

中枢神経系がオーバーヒートすると、もうジョグすら継続するのが厳しくなるので、現在の、ボリュームを維持することが最優先の練習段階では、それだけは避けなければなりません。

そうすると、今日のような体調で、かつこのような最後まで体力を温存しつつある程度のペースを維持しなければならないタイプの練習は、どうしたってペースを落とす以外やる方法がなくなってくるのです。

かといってMペースまで落としてしまえば、もう今日の練習の意味、効果はほとんど見込めなくなってしまいますのでそれも避けたい。

であれば、結局選択するペースは「ガチのLTペースではないが、本数繰り返したり一定時間維持すればLTゾーンも刺激できる程度のMペース以上のペース」という、言葉にするとなんだか訳のわからないペースになってしまいます。

こういう時は「感覚」で表現するのがとてもわかりやすく、要は「このペースなら1.6kmを8本、間に200mを挟んでも走りきれるな」というようなペース、ということになります。このペースで走ってみて、結果、それがMペースになってしまえばもう今日はしょうがない、そういった心構えです。

昨日あたりのジョグから、ちょっと疲労がかなりきているのがわかっていたので、おそらく今日もそれほど好調ではないだろう、とアップをしながら脚の感覚を確かめていましたが、やっぱりどう考えても疲れてる、そんな状態です。

でも、まずはやるだけやってみよう、と「このペースなら8本いけるだろう」というペースでスタート。

う〜ん、全然スピード感なく1kmの入りで時計を見るのが怖い、そんな心境で恐る恐る時計を見ると、「3’48”」

3分48秒!?

思わず二度見ですよ、二度見。

こういう時人間はまず「否認」から入りますので、何度も時計を確認します。いやいや2分48秒なんてことはあり得ないから、もう3分48秒で確定です。

最近は、ハードな(あくまでランマニア的にですよ)練習を続けているので、こういうことはよくあります。よくあるので、こういうショッキングなラップを見てしまっても極力気持ちを立て直すことが非常に重要です。

「いや、流しやってないし、疲れてるし、仕事終わりだから体動かないんだよ」とできるだけポジティブに考え、なんとか練習を継続させる意味を見出そうと努力します。

1本目はもうしょうがない。そのままペースを維持して1.6kmを6分そこそこ。完全にMペースですが、脚はまだまだいけそうなので2本目以降に期待。

2本目は若干体が動いた気がして、案の定5分57秒と少しだけペースアップ。

もう今日はこのペースでもいいから最後までやろう、と腹をくくって走り出した3本目。ようやく1kmの通過で3分35秒という「まともな」LTペースに戻すことができ、一安心。

脚もかなり動くようになり、その後は6本目までこれくらいのペースを維持することができました。

その後の200mを走る頃にはすっかり体のキレも戻ってきてほぼRペースで8本のレペティションを完遂。

からの1.6kmLT走が待っていましたが、もうここまでくると正直「気持ち」の問題。

脚の感覚がなくなるほどの、まるで麻酔でも打たれたようなダメージを受けた状態でのLT走でしたが、本日最速の5分41秒。

最後は完全に脚が終わり5分49秒かかってしまいましたが、それでも「だいたいLTペース」で今日の練習を終えられた気がします。

さて、今日みたいなコーチがいたらコーチを恨みそうになるメニューをやるとき、正直「ぼっち練」は相当しんどいです。

なんとなく漫然と走ってしまうので、心理的高揚感に助けられることもないですし、ペースメイクを誰かに委ねることもできません。

おそらくですが、今日もし同程度の走力の人と一緒に走ったら、もう少しペースを上げられていたでしょうし、「生理的な」LTペースも忠実に維持できたと思うんです。負けたくない、なんていう意地もありますし。

しかし、では仮に「今日だけ」その練習を実施でき、「忠実に練習をこなせた満足感」に浸ることに果たしてどれだけの意味があるか、そんなことも考えます。

多分ですが、もし今日「忠実に」練習をこなせたとしたら、明日以降の体のダメージは相当なものが残ってしまったと思います。「気持ち」や「高揚感」などでカバーしてしまった「生理的ダメージ」の威力を甘くみてはいけません(特にランマニアの場合)。

確実に後になってその反動はやってきます。下手したら、それこそ「計画していた」練習を変更せざるを得ない状況に陥る可能性も大です。

そう考えると、今日のように「疲れてる」「かったるい」「さっさと終わらせたい」みたいな気持ちの中で、そこそこの踏ん張りで維持できるペース、いわゆる「最低限の努力」で維持できるペースで練習をこなすことで、体への生理的なダメージを最小限にとどめつつ、求められた「最低限の負荷」(ここではLTゾーンですが)をかけられるのではないかと考えるわけですね。

そうすることで、明日以降の練習をまた継続することができる。練習は、今日で終わりではないわけで。

食べすぎて気持ち悪くなって、もうこんな料理みたくない、って思わないよう腹八分目でやめておくのと同じで、練習を嫌にならなずに、長きにわたって「そこそこの質」を維持するには、やはり練習も腹八分目がいいんだろうな、と、今日はぼっち練の良さみたいなものを再確認したところでした。